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子育て中の社員に聞いてみた。育児について教えてください!

Culture

「△△は子どもが生まれたらしい。」私にも、このような知らせが時々届くようになりました。そういう知らせを見聞きすると、将来自分も子育てができるのだろうか、働きながらの育児は大丈夫なのだろうか、そもそも自分に子どもがいるイメージが湧かない…。このように育児に関する不安を抱きつつ、「キャリアと育児の両立」に想いを馳せていました。そんな中、ソニーでは育児と仕事の両立ができる制度も整っており、育児休業・休暇(以下、育休)取得者の体験談や制度の紹介などを行う「ちちおや育休セミナー」があると聞きました。そこで、半年間の育休を取得し、育児も仕事も充実させている楠井さんにお話を伺いました。

楠井 亮
久藤 颯人

漠然としたイメージしか抱いていなかった学生時代

久藤:私はいま大学院生なのですが、楠井さんが学生の頃、育児に関してどのようなイメージを持っていましたか?
楠井:具体的には考えていなかったですね。漠然といつかは子どもを授かるのかなくらい。子育てしながら働くのは大変だろうな、とまでは考えていませんでした。
久藤:そうですよね。私もいつかは育児をするのだろうと思いつつ、正直具体的なイメージは持てていないです。
楠井:やはり想像しにくいので、私も具体的なイメージは持っていなかったです。子どもが生まれてから、少しずつ自然と意識が変わっていったと思います。

久藤:パートナーの妊娠中はどのような感覚でしたか?
楠井:お腹に赤ちゃんがいるのは分かっているけど、半ば信じがたい、本当にいるのかな?という不思議な感覚でした。
久藤:そのような不思議な感覚から子どもが生まれてきて、どのように感じましたか?
楠井:やはり嬉しかったですね。今回の企画がきっかけで、子どもが小さかったころからの写真を見返していましたが、自分の子どもが産声を上げてくれた瞬間は、ただただ大切なものができたという感情に包まれたことを思い出しました。

育児がきっかけであらためて抱いた、両親への感謝

久藤:学生の頃は育児に対して具体的なイメージを持っていなかったとおっしゃっていましたが、お子さんが生まれて育児が始まり、心境は変化しましたか?
楠井:あらためて親に感謝しました。子どものおむつを替えたり、病院に連れて行ったり自分もしてもらっていたんだよなと。分かっているつもりではあったのですが、実際に自分がやってみてその大変さを知って、ありがたいなと思いました。
久藤:初めてのお子さんの時には育休を取得されたのですか?
楠井: 20日間の育児休暇*を取得しました。予防接種のときや、風邪をひいて保育園を休むときなど、合計すると20日はすぐ使ってしまいました。そのため、20日間の育児休暇をもらって対応できたのはよかったなと思います。

*ソニーグループ株式会社を含む一部の会社の休暇制度です。制度内容は、グループ各社により違いがあります。

育児休職のおかげで、人生について考えることができた

久藤:3人目のお子さんの時は半年間の育児休職を取得されたのですよね?なぜ3人目の時は半年間取得されたのですか?
楠井:最初は取るつもりはなかったのですが、いざ生まれてみるととても苦労しました。仕事もさらに忙しくなっていく時期だとわかっていましたし、上の子どももいる中で、0歳の子が生まれて家庭もバタバタしていたので、家族にも職場にも迷惑をかけてしまうのかと思いました。そこで思い切ってゆっくり家族と過ごした方がよいと思い、半年間育児休職を取得しました。

久藤:育児休職中は、どのような思い出がありますか?
楠井:まず、ほぼすべての食事を家族ととれたことはよかったです。そうすることで、いろいろなことを家族と語り合うことができました。また、さまざまなことを考える時間にもなりました。今後もソニーでキャリアを歩んでいくのか、違う選択をするのか。子どもたちのこと、家族のこと、そして自分自身の人生についてゆっくり考えて、その後の選択肢を見直す時間を持てたのはすごくよかったです。
久藤:子どもの誕生という大きなライフイベントが起きた時に、あらためて考える時間を持つのは重要な気がしますね。私は、元々工学部で中性子工学を学んでいたのですが、コロナ禍で時間ができた際に、いろいろ考えた結果、経営学を学ぼうと文転しました。大学生だと立ち止まって考える機会もよくありますが、社会人になるとそのような機会はあまりないように思います。
楠井:そうですね。働き出して休暇を取ったとしても、月単位で連続した休暇を取ることは少ないように思います。やはり結婚や出産などで家族構成が変わるときなどは価値観が変わることもあるので、そういうタイミングで考える時間を取るのは、大事なことだと考えています。

育児休職がきっかけとなった新たな挑戦

久藤:そのように時間を取ってあらためてソニーにおけるキャリアを考えたとき、なにか変化はあったのですか?
楠井:育児休職から復帰した後、ソニーグループ内で異動しました。同じソニーグループでも、文化も人も環境も、もちろん仕事内容も全然違います。他社に転職せず新しい環境でチャレンジできる。これはソニーならではだと思います。今はPlayStation®に関連する職場で働いているのですが、自分の働きが世界中の人の喜びに繋がることにやりがいを感じています。

子どもと対等に生きる

久藤:新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークもさらに普及し、家で過ごし、仕事をしている姿をお子さんが見ることも増えたかと思うのですが、意識していることはありますか?
楠井:自分も人生を充実させるうえで仕事も楽しみたいし、子どもたちにもそんな姿を見せたいです。週末の遊び方も同じですね。子どもたちと一緒に遊べて自分も楽しめないと、お互いに続きません。そのため、子どもたちだけではなく、大人も一緒に楽しめることを考えて遊ぶようにしています。
久藤:どのような遊びをしているのですか?
楠井:最近では、夏はキャンプ、冬はスキーに行っています。時々釣りに行ったり、昨日は山登りに行きました。子どもたちも私たち親も、友達と一緒にでかけると、より楽しめるので、友達家族と一緒に行くことの方が多いです。自分も子どもたちも、みんなが楽しめる状態を作るように心がけています。

久藤:学生時代は子育てについてイメージを持っていなかった楠井さんが親になり、3人のお子さんを育てる中で、考え方は変わりました?
楠井:子どもを「育てる」とよく言いますが、全然育てていないのですよ。子どもは自分たちで育ちます。子どもに変な価値観を押し付けるものでもないし、保育園や小学校、近所の友達や周りの大人たちとの関わりの中でいろいろと経験して、自分で育っていくものだと思います。大人の役割は、子どもを育てるというよりは、子どもが育つために環境や出会いを提供することだと思うようになりました。
久藤:楠井さんにお話を伺ったことで、いつかは自分も経験するかもしれない子育てについて考えるきっかけになりました。ありがとうございました!

<編集部のDiscover>
育児ってどんな感じなのだろう?自分でも大丈夫なのかな?育児と仕事を両立されている方にお話を伺うと、こうした不安感も解消されました。それまでは「子どもが生まれるまでに育児についてしっかりと考えを持ち、親としての責務を果たさなければならない」といったある種の勘違いから、不安を抱いたのだと思います。自分が分からないものに悩むのではなく、自分が現在持っている価値観に目を向け、その時々で真剣に考えると、自ずと良い方向に進めるのではないかと感じました。現在大学院生の私も、これから就職、結婚、育児など多様なライフイベントを経験しながら人生を歩みたいと思っています。悩むことも多いと思います。そんな時には、今回のインタビューで抱いた感覚を思い出し、いまの自分に目を向けることで、これからの人生を歩んでいきたいです。


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