内定者がつくる内定者のためのイベント 幹事団のメンバーを取材しました
就職活動のオンライン化やリモートワークの普及…。「働き方」を巡るさまざまなことが変化する中で、便利さを感じる反面、コミュニケーション不足ゆえの寂しさを感じることもあるのではないでしょうか。そのような悩みを解消すべく、ソニーでは内定者と社員の有志によって、内定者を対象とした交流イベントが行われています。3年ぶりに対面開催となった今回、21代目幹事長を務めた横山遼太さんに、Discover Sony編集部でもあり、内定者としてイベントに参加した私(安部)がお話を伺いました。
※記事は2023年3月時点の内容になります
- 安部 優里香
0から1を生み出す楽しさを学んだ経験を糧に、より良い運営を模索した半年間。
—まずは、素敵なイベントの企画・運営ありがとうございました!横山さんをはじめとするみなさんのおかげでとても楽しく、交流の幅もぐんと広がりました。自ら幹事団に応募されたとのことですが、きっかけは何だったのでしょうか。
学生時代にサークルの立ち上げを経験したことで、0から何かをつくる楽しさを学びました。その成功体験を生かして、新たなフィールドにも挑戦してみたいという思いで応募しました。
—当初から高い志を持たれていたのですね。実際に幹事団に選ばれたメンバーと会ってみて、どのような気持ちでしたか。
初めは「やるぞ!」と意気込んでいたものの、実際にメンバーたちに会ってみると、私以上に並外れた情熱を持った人ばかりで、圧倒されてしまいました。引っ張るというよりも引っ張られるという方が近かったかもしれません。しかし同時に、誰か1人が率先して指示を出すのではなく、ボトムアップで、全員が一丸となって何かをつくり出すイメージの方がこのイベントには合っているなと感じました。
—横山さんは幹事長も務められていましたが、組織を運営する上でもそのようなイメージは変わりませんでしたか。
はい。幹事長という立場で最終的に議論をまとめる役割を担っていたため、最低限の指針を示すことはしていましたが、一人ひとりが意見を出し、みんなが納得できる着地点を見つけられるような雰囲気づくりを大切にしていました。
—個性豊かなメンバーが集まっていましたよね。
みんな本当に情熱的で、毎回の議論もかなり活発なものでした。そのような中でも、みんなで意見を出し合うこと、否定せずにより良い方向に進めるという視点を持つことを心掛けていました。今思うと、それぞれが議論の中で自分なりの味を出せる、また、互いに頼り合うことができるようなメンバーがそろっていたのだなと感じます。
職種や学生時代の経験、キャラクターも異なるメンバー。同じ目標があったからこそ、1つになれた。
—どのような目標のもと、幹事団の活動がスタートしたのでしょうか。
まず、コンセプトとして「内定者と1年目社員の橋渡しを参加者主体で行いたい」と考えていました。夏にオンラインで開催された懇親会でも職種の垣根を越えた交流はできていたので、今回はまた違った形で、「対面ならではの良さを感じてもらう」という目標を掲げていました。初めはあまり共通点のないメンバーでしたが、この同じ目標に向かう過程で私たち幹事団のつながりも強くなっていきました。
—開催までの過程も気になります。
前任の社員から引継ぎを受け、8月末ごろから毎週ミーティングを重ねていました。議論が白熱し、気づいたら2時間、3時間があっという間に過ぎているということも多くありましたね。
—社員とのやり取りの中で印象的だったことはありますか。
自由にさまざまな業務を任せてもらえたことです。初めに説明を受けてからは、私たち幹事団が主体となって議論や準備を続けていきました。対面開催の最終的な決断を下すなど、身をもって裁量の大きさを体感する場面も多く、ソニーに対して抱いていた「チャレンジできることの幅広さ」という印象はこのようなところにも表れているのだなと感じました。
—対面開催の決め手は何だったのでしょうか。
最初のうちは特に新型コロナウイルスの感染状況が予測しづらかったこともあり、対面で開催したいと思う反面、どのようにして感染対策を行うか、本当にみなさんが参加してくれるのか…課題や懸念は多くありました。悩みに悩んでいた中で、対面開催となった場合にどのぐらいの方が参加してくれるかアンケートをとりました。その結果、全国各地の方々から前向きな反応をいただき、直接集まることができる機会を心待ちにしている方々がたくさんいると知ったことが最大の決め手になりました。同時に、満足度の高いイベントにしなければ、とモチベーションになりましたし、幹事団一同、これまで以上に気が引き締まる思いでした。
—大変なこともあったかと思います。
近年はオンラインでの開催だったこともあり、何から始めれば良いかすら分からない状況でした。前任者からの引き継ぎに加えて数年前の資料を取り寄せたり、大規模なイベント会場での運営の動きや様子を観察するために、ホテルの宴会場でのアルバイトを経験したり。あらゆる知見、自分の目で見たものをそのまま生かせたことは効果的でした。
数々の苦労を乗り越え、迎えた当日。
—400名以上が集まる大盛況のイベントでした!当日はどのような気持ちでしたか。
無事にこの日を迎えられるか、そして滞りなく進められるか不安もありましたが、いざ始まってみると本当に一瞬で。勢いで走りきったという感じでした。事前の入念な準備や、最大限のリスクマネジメントを行っていたことが功を奏したのだと思います。
—社員とフランクに話せる場が設けられていたり、ソニーに関するゲームだったり…楽しく、そしてためになる企画が盛りだくさんでした。
参加者全員が楽しめるようなイベントにすることには特にこだわりました。例えばクイズであれば専門的な知識を問うのではなく、「へぇ~」と思ってもらえるような問題を用意したり、すべてのスライドに英語表記を加えたり、他にはグループに1人は英語が得意なメンバーを入れた編成にすることで、日本語を母語としない参加者にも楽しんでもらえるようにしました。
—各テーブル、さまざまな職種が混じったグループだなあとは思っていましたが、そのような秘密もあったのですね、細かい…!
会場中を回りましたが、みなさんが楽しんでいる様子を見ることができましたし、「対面で開催してくれて良かった」という声をかけてもらうことも多く、ホッとしました。直接会って話すからこそ感じられる人の雰囲気や表情ってやっぱりあるんですよね。私たちが対面開催に見出していた意義が伝わったような気がして嬉しかったです。
多様な「個」を尊重するスタンスこそが成功のカギ。
—「幹事長」としての振り返りも気になります。
実は私個人の振り返りというものはあまりなくて。というのも、みんなでつくり上げたという気持ちをとても強く感じているからです。このメンバーでイベントを成功させることができて、またこの達成感を全員で共有することができて良かったなという思いです。
—私も参加者の1人として、あの場にいられて幸せだったと感じますし、対面だったからこそ、つながりを実感できたように思います。
そう言っていただけて嬉しい限りです。イベント終了後に行ったアンケートでも、「部署ごとの交流もあり、コミュニティが広がった」「オンラインに比べて社員に対して質問しやすかった」など、みなさんから高い評価をいただくことができました。今回のイベントは、内定者同士の横のつながりに加えて、1年目社員との縦のつながりを築くことも目的の1つでした。この日をきっかけにソニーの人と人とがつながり、イベント後の交流にも発展したというような話も聞くことができました。
—来年の開催に向けて、新たな目標はありますか。
幹事団としてイベントに携わり、関わる人の多さや資金面など、あらゆる場面で規模の大きさを感じました。たくさんの人を巻き込むからこそ、企画段階から多様な意見を柔軟に取り入れ、みんなで決める、みんなで新しいものをつくるというスタンスは今後も大切にしたいと思っています。
—最後に読者のみなさんへのエールを聞かせてください。
就職活動や働き方、さまざまなものの形式が変化している中で、不安を感じることも多いかと思います。不確定な要素が多い世の中ですが、新しいものが出てきたときにまずは柔軟に取り入れてみたり、自分自身の「個」をいかに表現できるかを考えてみたり。そのようなことを意識し、今まで通り頑張ってください。
<編集部のDiscover>
しばらく時間が経って当時を振り返っても、楽しかった気持ちをすぐに思い出せるような特別な1日でした。イレギュラーな状況下においても、新たな出会い、初めての発見あふれるイベントを企画・運営してくれた幹事団のメンバーの思いを知り、ソニーはたくさんの魅力を持った人たちが集まり、その一人ひとりが強く結びついた組織であることを実感しました。