【就活生の目】感動に満ちた世界を創り、次世代へつなぐ。細部までこだわり抜き、作成した「Sony's Sustainability Vision」
こんにちは!Discover Sony編集部インターン生の園井千智(そのいちさと)です。さまざまなテーマでソニーグループの情報をお伝えし、就活生のみなさんの目と耳になれるよう、日々奮闘しています。
みなさんは「サステナビリティ」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?最近、さまざまな場面でよく聞く言葉ですが、私も含め、深く理解している人は少ないように感じます。そこで、今回は「サステナビリティ」を軸に、ソニーの取り組みについて知り、知識を深めようと考えました。
ソニーは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と、「人に近づく」という経営方針のもと、「人」を軸に多様な事業を展開し、この多様性を強みとした持続的な価値創造と長期視点での企業価値の向上を目指しています。人々が感動でつながるためには、私たちが安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提という考えに基づいて、サステナビリティに関する取り組みを行っています。そして、今回新たに「感動に満ちた世界を創り、次世代へつなぐ」という「Sony's Sustainability Vision」※を策定しました。
今回は、「Sony's Sustainability Vision」の策定に関わった山本さん、矢村さんのお二人にお話を伺いました。
※「Sony’s Sustainability Vision」とは
さまざまなサステナビリティの課題に対して、ソニーグループ全体の目指す方向を明確にするため、新たに策定したビジョン。サステナビリティの活動を通じても感動を生み出し、感動あふれる未来にするために私たちが行動していく必要がある、という思いが込められている。
- 矢村 智明
- 園井 千智
さまざまな社員の声を取り入れた「Sony's Sustainability Vision」
── 今回、ソニーでは新たに「Sony's Sustainability Vision」を策定しましたが、策定に至ったきっかけを教えてください。
山本:ソニーは、創業当初から社会にとって価値ある会社になることを目指した活動を続けていますが、その活動の認知度をもっと上げるにはどうすればよいかという点は常に課題として感じています。そのため、今回の「Sony's Sustainability Vision」策定の根幹には、お客様やビジネス上のパートナー、そして働く社員含め、多くのステークホルダーに、サステナビリティ活動の基本的な考え方を分かりやすく伝えたいという思いがあります。「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というソニーのPurposeや、サステナビリティに関する基本方針、そして、多岐にわたるサステナビリティの課題との関連性を紐解き、ソニーのサステナビリティが目指す方向を考えた結果、「Sony's Sustainability Vision」が生まれました。
※「Sony's Sustainability Vision」の詳しい説明に関しては「ソニーグループ │ サステナビリティ」のページへ
── ソニーには多様な事業があり、それぞれの考えや思いをもとにこれまでもサステナビリティに対する活動をされてきたのではと思います。全ての事業が共通で目指せるビジョンをまとめるのに苦労があったのではないでしょうか。
山本:そうですね。そこが一番苦労した部分であり、力を入れた部分でもあります。それぞれの事業ごとに大切にしているポイントが異なるなか、ソニーのサステナビリティとして目指す方向を明確にしたいと思いました。そこで、できるだけさまざまな意見を聞くことを意識しました。
矢村:ソニーでは6事業を中心にさまざまなことをやっているので、業種も違えば、サステナビリティの活動も幅広く存在します。全員が目指す姿を描いて、方向性を整えることは簡単ではありませんでした。
※ソニーグループの事業に関しては「ソニーグループ │ 事業・製品情報」のページへ
── ソニー社員の思いが詰まったビジョンなのですね。
山本:はい。ビジョンの細かなワーディングを含め、さまざまな社員に関わってもらい、完成に至りました。
過去から未来につながる取り組み
── そうして策定された「Sony's Sustainability Vision」を映像化したとのことですが、そもそもなぜ映像を作ることになったのですか。
矢村:「Sony's Sustainability Vision」をより効果的に理解してもらう手段として、動画が有効なのではないかと考え、クリエイティブセンターが主催する社内イベントで提案したところ好評で、制作に至りました。ビジョンの意図を文字やビジュアルだけで伝えるよりも、動画で視覚や聴覚に訴えることで、より情緒的に受け取ってもらえると思っています。
── そうなのですね。私も動画を視聴しましたが、世界中で事業を展開するソニーのスケールの大きさを感じました。
矢村:今回の動画について、実は新たに現地へ行って撮影した素材が一つもないんです。ソニーが持つ過去の撮影素材、そしてバーチャルプロダクション※という映像制作手法を用いた素材の二つからできています。バーチャルプロダクションを用いることで、スタジオにいながらも多種多様な映像を撮影できるのですが、その分意識した点も多くありました。例えばジャングルのシーンだと、リアリティを出すために、大型LEDディスプレイで再現されるバーチャル背景の前に本物の植物を置いて奥行きを出すなど、さまざまな工夫をしながら撮影しました。
山本:実際に海やジャングルなど、いろいろな場所へ撮影しに行くと、移動などによる環境負荷が生じますが、バーチャルプロダクションを用いることで、そうした環境への負荷を抑えることができます。そのため、環境に配慮した映像制作手法だと言えますね。
※バーチャルプロダクションは、スタジオ内の大型LEDディスプレイで再現されるバーチャル背景の前で人物や実物セットを撮影し、後処理なしに3DCGと実写を組み合わせる映像手法。
詳しい説明は「映像制作における環境配慮」のページ、
Discover Sony過去記事は「Crystal LED VERONA」のページをご覧ください。
こだわり抜いた「感動」の伝え方
── 「Sony's Sustainability Vision」をより分かりやすく伝えるために、苦労した部分はありますか。
矢村:「Sony's Sustainability Vision」は「People、Society、Earth」という三本柱から成り立っています。どれか一つの要素を重要視するのではなく、全てが関わりあうことで感動の循環につながっていると考えており、それをどのように言葉やビジュアル、動画で表現するかという点に力を入れました。
そもそも人がいないと感動を創ることはできないし、感動する人もいない。しかし、社会が健全な状態じゃないとその感動は伝わらない。さらに、そもそも地球がないと人が生まれない。この「People、Society、Earth」の三本柱が、感動を生み出す上で重要であり、どれも欠けてはならない。このように伝わればうれしいですね。
── 細かなワーディングにもこだわった結果、今の「Sony's Sustainability Vision」があるのですね。
矢村:そうですね。さらに、日本語のニュアンスを英語にすることは本当に難しかったです。当初の英訳を海外のさまざまな社員にも見てもらったところ、言葉の意図が上手く伝わらず、誤解も生じてしまいました。そこで、海外の社員の視点も取り入れながら、ビジョンの意図が伝わるよう、言葉を吟味して改善を重ねました。
── そうして言語の壁を乗り越えたのですね。一方で、映像表現としては、特に工夫したポイントはありますか。
矢村:過去から未来に取り組みがつながっていくということを念頭に置いて動画を作りました。しかし、ただ未来のことだけを見据えるのではなく、そこにつながる現在も大切にしていくべきだと考えているので、そこを上手く動画で表現しようと努力しました。
「Sony's Sustainability Vision」を北極星のような存在に
── 改めて、今回の「Sony's Sustainability Vision」でソニーならではだと感じる部分はありますか。
山本:サステナビリティの活動を通して価値を生み出していく、そして感動を創っていきたいという強い思いはソニーならではだと思います。また、「Sony's Sustainability Vision」の柱である「People、Society、Earth」のうち、どれか一つを重要視するのではなく、全てが関わりあうことで感動の循環につながっていると考えているのもユニークなポイントですね。
── 「Sony's Sustainability Vision」を策定したことで、今後どうなっていってほしいですか。
山本:社内に対しては、今後サステナビリティの活動を考える上で、ビジョンが北極星のように私たちが目指すべき方向を示す存在になってくれたらよいと考えています。感動に満ちた世界を創って、それを次世代に繋いでいくためにはどう行動すべきかを考えるきっかけになればうれしいですね。
矢村:そうですね。ビジョンをきっかけに、行動にどう移していくのかということを、ソニー社員に限らずすべての人に考えていただけるとうれしいです。ソニーだけの「Sony's Sustainability Vision」となるのではなく、さまざまな人を巻き込んだ形でサステナビリティに取り組んでいきたいと思っています。また、このビジョンを通して、ソニーのサステナビリティに関する取り組みを多くの方に知っていただけるよう活動を続けていきたいと思います。
<編集部のDiscover>
今回のインタビューでは特に、今があってこその未来という言葉が印象的でした。感動に満ちた世界を創り、次世代へつなぐために、今何ができるのか。私自身もインタビューを通して考えさせられました。