SONY

2023年度中間報告書 Interim Report

株主向け報告書

株主の皆様へ

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
本報告書では、2023年度上半期連結業績及びソニーグループの長期視点での経営方針についてご報告させていただきます。

当上半期(2023年4月1日から9月30日まで)の売上高は、前年同期比9,371億円増の5兆7,923億円となりました。この大幅な増収は、主にゲーム&ネットワークサービス分野、金融分野及び音楽分野の大幅な増収によるものです。営業利益は、前年同期比2,182億円減の5,161億円となりました。この大幅な減益は、主に金融分野、イメージング&センシング・ソリューション分野及び映画分野の大幅な減益によるものです。

当年度の中間配当金につきましては、1株につき40円(前年同期は1株につき35円)とさせていただきました。今後も、引き続き長期・安定的な増額をめざしてまいります。

ソニーは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)のもと、約11万人の社員と共に「感動」を生み出すことと、それを人々に届けることに取り組んでいます。

さらなる成長のため、近年は「感動」の源泉であるクリエイティビティにコミットし、コンテンツIP等への投資やクリエイションを支えるテクノロジーを強化しています。また、感動の「場」を現実空間から仮想空間、移動空間に、長期的には宇宙空間にまで広げるという挑戦も行っています。

「世界を感動で満たす」ためには、私たちが安心して暮らせる社会や健全な地球環境があることが前提となります。本年9月に開催したサステナビリティ説明会では、グローバルな社会課題や環境への取り組み、インクルーシブな社会への貢献についてご説明しました。当日の模様は当社ウェブサイトをぜひご覧ください。

今後も事業と人材の多様性を活かし、長期視点での価値創出に取り組んでまいります。株主の皆様におかれましては、なにとぞ一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2023年12月

代表執行役 会長 CEO
吉田 憲一郎
代表執行役 社長 COO 兼 CFO
十時 裕樹

サステナビリティ説明会についてはこちらからご覧ください。

2023年度上半期連結業績

当上半期の連結売上高※1は、前年同期比9,371億円増の5兆7,923億円となりました。この大幅な増収は、主にゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野や金融分野、音楽分野の大幅な増収によるものです。G&NS分野は主にプレイステーション®5ハードウェアの売上増加や有力サードパーティ・ソフトウェアの販売増加により、金融分野は主にソニー生命における特別勘定の運用損益改善により、それぞれ増収となりました。音楽分野はストリーミングサービスからの売上が引き続き堅調に伸長しており、成長市場での事業拡大に取り組んでいます。

営業利益は、前年同期比2,182億円減の5,161億円となりました。この大幅な減益は前述の音楽分野やG&NS分野の増収による影響があったものの、主にソニー生命における市況変動による評価損益の悪化により金融分野が、為替やモバイル機器向けイメージセンサー増収の好影響があった一方で、主に減価償却費などの費用の増加によりイメージング&センシング・ソリューション分野が、それぞれ大幅な減益となったことなどによるものです。映画分野も、前年同期に2021年公開作品からのホームエンタテインメント売上の貢献があった影響や、当上半期の劇場公開作品増加にともなう広告宣伝費の増加などにより減益となりました。

税引前利益は、前年同期比1,868億円減の5,336億円となりました。

当社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比1,251億円減の4,177億円となりました。

  • 当社は2023年度上半期より、国際財務報告基準第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を適用しています。また、2022年度上半期の数値もIFRS第17号ベースに組み替えています。
  • ※1IFRSにおける「売上高及び金融ビジネス収入」を「売上高」として表示しています。

業績ハイライト(上半期) (単位:億円)

売上高、営業利益、税引前利益、当社株主に帰属する四半期純利益の前年同期と比較したグラフ

売上高構成比(2023年度上半期)

ビジネス別売上高構成比。ゲーム&ネットワークサービス分野29.1% 音楽分野13% 映画分野12.4% エンターテイメント・テクノロジー&サービス分野20.2% イメージング&センシング・ソリューション分野11.1% 金融分野13.5% その他0.6% 全社(共通)0.1%
  • ビジネス別の売上高構成比は、外部顧客に対する売上高にもとづいて算出したものです。

「感動」を軸としたクリエイティブ強化と感動空間の拡張

さらなる成長のため、「感動」の源泉であるクリエイティブの強化に加え、感動空間を拡張するチャレンジにも取り組んでいます。

クリエイティブの強化

感動クリエイションの強化

「感動」を創り、届けるため、コンテンツの強化に取り組んできました。コンテンツそのものへの投資に加え、クリエイターに近づき、感動を創る力にも投資しており、過去5年間で約1兆円をコンテンツへ投資しています。

EMI MUSIC PUBLISHING
INSOMNIAC GAME
Silver SATE
AWAL
Somethin else
ALAMO RECORDS
HOUSEMARQUE
nixxes
crunchy roll
Fire sprite
Bluepoint games
BAD WOLF
valkyrie entertainment
ULTRA RECORDS
LASENGLE
BUNGIE
HAVEN
som l	ivre
INDUSTRIAL MEDIA
PXO
FIRE WALK

クリエイションを支えるテクノロジー

クリエイターから世界で最も選ばれるブランドとなるための鍵のひとつはテクノロジーです。ソニーは、クリエイターを支えるテクノロジーやサービスに注力し、クリエイション強化に努めています。ハリウッドスタジオに広く採用されている映像制作カメラ「VENICE」は、その一例です。
さらに、感動の創造を支える技術として欠かせないのが、CMOSイメージセンサーです。ソニーのCMOSイメージセンサーは、スマートフォンのカメラなどを通じ、世界中の人々がクリエイターになることに貢献しています。

VENICE 2
α7C Ⅱ
バーチャルプロダクション
モバイル用CMOSイメージセンサー

感動空間の拡張

ソニーは、感動を追求していく中で、感動の「場」を現実空間から仮想空間、移動空間、そして宇宙空間にまで広げるという長期視点での挑戦も行っています。

仮想空間

ゲーム技術で創られるバーチャルな空間はクリエイションの場であり、人と人がつながる場でもあります。 音楽アーティストとファンが時間と空間を共有するバーチャル空間内のライブ等の取り組みも行っています。

ソニー所属のアーティストによるバーチャルコンサート

移動空間

AFEELA Prototype (アフィーラ プロトタイプ)

イメージング・センシング技術、エンタテインメント、通信・ネットワーク等の領域で、モビリティの進化に貢献します。ホンダとの合弁企業、ソニー・ホンダモビリティの新ブランド「AFEELA」にもこうした技術を導入していきます。

宇宙空間

感動の場を宇宙空間にまで広げたいと考えており、
「STAR SPHERE」プロジェクトでは、超小型人工衛星
「EYE」を通じた感動体験の探索にも取り組んでいきます。

超小型人工衛星「EYE」で撮影した写真

ソニーのサステナビリティ:インクルーシブな社会への貢献

ソニーは、サステナビリティ推進の一環として、アクセシビリティの向上を通じてさまざまなユーザーやクリエイターのニーズに応える取り組みや、グローバルな社会課題への取り組みを行っています。

アクセシビリティへの取り組み

ソニーでは、「誰もが感動を分かち合える未来を、イノベーションの力で。」をテーマに、年齢や障がいなど個人の特性や能力、環境に関わらず、商品・サービス・コンテンツを利用していただけるよう、グループ全体で、クリエイティビティとテクノロジーを用いてアクセシビリティを高める活動を推進しています。

インクルーシブデザインの推進

当事者と共に検討し、その声を反映するインクルーシブデザインを、2025年度までに製品の商品化プロセスに取り入れていきます。

デジタル一眼カメラ α™

視覚に障がいがあるユーザーの操作を支援する音声読み上げ機能、メニュー画面の拡大表示機能を「α7C Ⅱ」等に搭載しています。

PlayStation®5用アクセシビリティ
コントローラーキット「Access™ コントローラー」

プレイヤーの力の強さ、可動範囲、身体的なニーズに合わせて自由にレイアウトを変更できます。

  • ©2023 Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved. Design and specifications are subject to change without notice.

グローバルな社会課題への取り組み

地球規模の社会課題への対応として、2020年に設立した2つのグローバル基金を通じてさまざまな支援を実施してきました。

新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金

これまでに5,600超の団体を支援。さらに、新型コロナウイルス感染症の発生以降に深刻化・顕在化した社会課題への取り組みを支援するため、UNICEF、UNHCR、セーブ・ザ・チルドレンとパートナーシップを締結しました。

Unicef for every child
UNHCR the UN Refugee Agency
Save the Children

Global Social Justice Fund

平等な権利を促進するための反人種差別の取り組みや教育の機会提供に向けて世界各地で支援を行っています。例えば、「スパイダーバース」の短編映画「The Spider Within」は、過小評価されているコミュニティの人材にリーダーシップ経験の機会を提供するSony PicturesのLENSプログラムから生まれました。今後も当分野への支援を継続していきます。

The SPIDER WITHIN A SPIDER-VERSE STORY
  • 2023年度株主向け中間報告書のPDF版はこちらからご覧いただけます。
  • 過年度の株主向け報告書はこちらからご覧いただけます。

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