SONY

第107回定時株主総会資料(交付書面省略事項)

株主各位

第107回定時株主総会資料(交付書面省略事項)

ソニーグループ株式会社

2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)

事業報告

ソニーグループの現況

連結計算書類

計算書類

上記事項につきましては、法令及び当社定款第14条第2項の規定にもとづき、書面交付請求をいただいた株主様にお送りした書面には記載しておりません。

ソニーグループの状況

財産及び損益の状況の推移

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
修正再表示
2023年度
  米国会計原則
百万円
米国会計原則
百万円
IFRS
百万円
IFRS
百万円
IFRS
百万円
IFRS
百万円
売上高及び
金融ビジネス収入
8,259,885 8,999,360 8,998,661 9,921,513 10,974,373 13,020,768
営業利益 845,459 971,865 955,255 1,202,339 1,302,389 1,208,831
税引前利益 799,450 1,192,370 997,965 1,117,503 1,274,496 1,268,662
当社株主に帰属する当期純利益 582,191 1,171,776 1,029,610 882,178 1,005,277 970,573
1株当たり当社株主に
帰属する当期純利益:
基本的(円)
471.64 952.29 836.75 711.84 813.53 788.29
希薄化後(円) 461.23 936.90 823.77 705.16 809.85 785.68
研究開発費 499,290 525,175 545,357 618,368 735,698 742,772
総資産 23,039,343 26,354,840 27,507,843 30,480,967 31,154,095 34,107,490
当社株主に帰属する資本 4,789,535 5,621,476 6,680,343 7,144,471 6,598,537 7,587,177
1株当たり当社株主に
帰属する資本(円)
3,380.96 4,499.45 5,390.73 5,775.63 5,345.12 6,211.62
1株当たり配当金(円) 45.00 55.00 65.00 75.00 85.00
従業員数(名) 111,700 109,700 108,900 113,000 113,000

連結業績に関する注記

  1. ソニーグループの連結計算書類は、2020年度まで米国において一般に公正妥当と認められた会計基準による用語、様式及び作成方法(以下「米国会計原則」)、2021年度より国際財務報告基準(以下「IFRS」)によって作成されています。2020年度はIFRSベースの数値を併記しています。また、2022年度数値はIFRS第17号にもとづき修正再表示しています。
  2. 財産及び損益の状況の推移については、IFRSに準拠した科目で表示しています。
  3. 当年度末の連結子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)は1,634社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は150社です。

主要な事業拠点

ソニーグループ(株)

  • 本社〔東京都港区〕
  • ソニーシティ大崎〔東京都品川区〕
  • ソニーシティみなとみらい〔神奈川県横浜市〕
  • 厚木テクノロジーセンター〔神奈川県厚木市〕
  • 湘南テクノロジーセンター〔神奈川県藤沢市〕
  • 仙台テクノロジーセンター〔宮城県多賀城市〕

子会社

子会社及び企業結合等の状況」に記載のとおりです。

従業員の状況

当年度末の従業員数は、主にイメージング&センシング・ソリューション分野の中国製造拠点において人員減少がありましたが、映画分野(海外)、エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(国内)等における人員増加により、前年度末とほぼ同数の約113,000名となりました。

ビジネス分野 従業員数(名) 前年度末比(名)
ゲーム&ネットワークサービス 12,700 0
音楽 11,300 +200
映画 9,500 +400
エンタテインメント・テクノロジー&サービス 38,700 +300
イメージング&センシング・ソリューション 19,700 -600
金融 13,600 +100
その他 1,900 -200
全社(共通) 5,600 -200
合計 113,000 0
  • (注)従業員数は、百名未満を四捨五入して記載しています。

株式の状況

発行株式数及び株主数

発行可能株式総数 3,600,000,000株
発行済株式の総数 1,261,231,889株
(前年度末比+150,108株)
株主数 373,144名
(前年度末比△22,524名)
  • (注)2024年3月31日現在。なお、2024年4月10日付の自己株式の消却により、発行済株式総数が12,612,300株減少しております。

株式の所有者別状況

  2022年度
(2023年3月31日現在)
2023年度(当年度)
(2024年3月31日現在)
所有株式数(千株) 株主数(名) 持株比率(%) 所有株式数(千株) 株主数(名) 持株比率(%)
外国人 724,801 2,172 57.5 737,980 2,439 58.5
金融機関 348,296 167 27.6 331,420 165 26.3
個人・その他 132,424 390,486 10.5 122,978 367,933 9.7
一般法人 11,164 2,768 0.9 10,756 2,531 0.9
証券会社 17,812 74 1.4 18,314 75 1.4
自己株式 26,585 1 2.1 39,783 1 3.2
合計 1,261,082 395,668 100 1,261,232 373,144 100

大株主(上位10名)

株主名 所有株式数(千株) 持株比率(%)(注4)
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口)(注1) 223,151 18.3
CITIBANK AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY RECEIPT HOLDERS(注2) 107,922 8.8
㈱日本カストディ銀行(信託口)(注1) 83,074 6.8
STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 505234(注3) 26,610 2.2
GOVERNMENT OF NORWAY 23,775 1.9
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(注3) 20,550 1.7
GIC PRIVATE LIMITED - C 19,878 1.6
JP MORGAN CHASE BANK 385632(注3) 18,667 1.5
JP MORGAN CHASE BANK 385781(注3) 17,441 1.4
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042(注3) 15,493 1.3
  • (注1)各社の所有株式は、全て各社が証券投資信託等の信託を受けている株式です。
  • (注2)ADR(米国預託証券)の受託機関であるCitibank, N.A.の株式名義人です。
  • (注3)主として欧米の機関投資家の所有する株式の保管業務を行うとともに、当該機関投資家の株式名義人となっています。
  • (注4)持株比率は、自己株式39,783,303株を控除して計算しています。

当年度中に当社役員に対して職務執行の対価として交付された株式の状況

付与対象者 株式数(株) 交付対象者数(名)
取締役(社外取締役を除く)(注) 0 0
社外取締役 8,000 8
執行役 165,000 6
  • (注)当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していませんので、上記の取締役には執行役を兼務する取締役2名は含まれていません。

会社役員の状況

当社のコーポレートガバナンスの状況

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業としての社会的責任を果たし、かつ、中長期的な企業価値の向上をめざした経営を推進するための基盤としてコーポレートガバナンスが極めて重要なものであるとの考えのもと、コーポレートガバナンス体制の構築とそのさらなる強化に取り組んでいます。具体的には、次の二つを実施することで、効果的なグループ経営の実現に継続的に取り組んでいます。

  • (a)執行側から独立した社外取締役が相当数を占める取締役会が、指名、監査及び報酬の各委員会を活用しながら、経営に対する実効性の高い監督を行い、健全かつ透明性のある経営の仕組みを構築・維持する。
  • (b)取締役会がグループ経営に関する基本方針その他重要事項について決定するとともに、執行役を含む上級役員(ソ ニーグループの経営において重要な役割を担う者)に対して、それぞれの責任範囲を明確にしたうえで業務執行に関する決定権限を大幅に委譲することにより迅速な意思決定を可能にする。

上記に照らして、当社は、会社法上の「指名委員会等設置会社」を経営の機関設計として採用するとともに、業務執行の監督機関である取締役会の執行側からの独立性の確保、取締役会での活発な議論を可能にするための適正な規模の維持、各委員会のより適切な機能の発揮などに関する独自の制度上の工夫を追加しています。

当社独自の工夫
ガバナンス強化のため、法令に定められた要件に加え、以下の事項を取締役会規定に盛り込むなどして制度化しています。

  • 取締役会議長及び取締役会副議長ならびに各委員会議長を社外取締役から選定すること
  • 社外取締役の再選回数の制限(原則として再選回数5回まで)
  • 利益相反の排除や独立性確保のための取締役の資格要件の制定
  • 報酬委員へのCEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)及びこれに準ずる地位を 兼務する取締役の就任禁止
  • 取締役の員数を8名以上14名以下とすること

経営機構の概要
当社は、法定機関として、株主総会で選任された取締役からなる取締役会、取締役会に選定された取締役からなる指名、監査及び報酬の各委員会、ならびに取締役会で選任された執行役を設置しています。なお、当社では、ソニーグループの経営全体を統括するCEO、及びソニーグループの経営において重要かつ広範な本社機能を所管する者を執行役としています。また、CEOを含む執行役及びソニーグループの経営において重要な役割を担う者を上級役員としています。なお、当社の経営陣につき、経営における役割や責任の大きさに応じて上席事業役員、専務、常務、執行役員等の職位を付与しています。

各機関の主な役割・責務

取締役会(2023年度の開催状況:7回)

  • ソニーグループの経営の基本方針等の決定
  • 当社の経営陣から独立した立場でのソニーグループの業務執行の監督
  • 各委員会メンバーの選定・解職
  • 執行役の選解任及び執行役以外の上級役員の選解任状況の監督
  • 代表執行役の選定・解職

取締役会の構成に関する方針
当社は、取締役会による経営に対する実効性の高い監督を実現するために、取締役会の相当割合を、法令及び取締役会規定に定める資格要件を満たす社外取締役で構成するよう、指名委員会において取締役会の構成に関する検討を重ねています。そのうえで、指名委員会において、各人のこれまでの職歴、経験、実績、各領域での専門性といった個人の資質や取締役として確保できる時間の有無、当社からの独立性に加え、取締役会におけるジェンダー、国際性を含む多様性の確保、取締役会の適正規模、取締役会に必要な知識・経験・能力などを総合的に判断し、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進するという目的に照らして適任と考えられる候補者を選定しています。

当社のコーポレートガバナンス体制を表した図

指名委員会(2023年度の開催状況:5回)

  • 株主総会に提出する取締役の選解任議案の決定
  • CEOが策定する、CEO及び指名委員会が指定するその他の役員の後継者計画の評価

指名委員会の構成に関する方針
当社の指名委員会は取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。なお、指名委員の選定及び解職は、指名委員会の継続性にも配慮して行っています。

監査委員会(2023年度の開催状況:6回)

  • 取締役・執行役の職務執行の監査
  • 会計監査人の監督

監査委員会の構成に関する方針
当社の監査委員会は、以下の要件を全て満たす取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。
また、監査委員は、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者より選定するものとしています。なお、監査委員の選定及び解職は、監査委員会の継続性にも配慮して行っています。

  • 当社又は当社子会社の業務執行取締役、執行役、会計参与、支配人又はその他の使用人でないこと。
  • 当社に適用される米国証券関連諸法令に定める“Independence”要件又はこれに相当する要件を充足すること。

また、監査委員のうち少なくとも1名は、当社に適用される米国証券関連諸法令に定める“Audit Committee Financial Expert”要件又はこれに相当する要件を充足しなければならないとし、当該要件を充足するか否かは取締役会が判断しています。

報酬委員会(2023年度の開催状況:5回)

  • 取締役、執行役及びその他の役員の個人別報酬の方針の決定
  • 報酬方針にもとづく取締役及び執行役の個人別報酬の額及び内容の決定ならびに執行役以外の上級役員の個人別報酬の額及び内容の決定状況の監督

報酬委員会の構成に関する方針
当社の報酬委員会は取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。また、CEO、COO及びCFOならびにこれに準ずる地位を兼務する取締役は報酬委員となることができないものとしています。なお、報酬委員の選定及び解職は、報酬委員会の継続性にも配慮して行っています。

上級役員

  • 取締役会が定める職務分掌にしたがったソニーグループの業務執行の決定及び実行

上級役員の選解任方針・手続
当社では、CEOを含む執行役及びソニーグループの経営において重要な役割を担う者を上級役員としています。取締役会は、CEOを含む上級役員の選解任及び担当領域の設定に関する権限又はそれらに関する報告を求める権限を有しており、それらの権限を必要に応じて随時行使するものとしています。CEOを含む執行役の選任にあたって、取締役会は、指名委員会が策定するCEOに求められる要件やCEO以外の執行役候補が当社の業務執行において期待される役割等に照らして望ましい資質や経験、実績を有しているかの議論、検討を行ったうえで、適任と考えられる者を選任しています。また、執行役以外の上級役員については、その選解任状況に関する報告を受けています。
また、CEOを含む上級役員の任期は1年としており、その再任にあたっても直近の実績も踏まえて同様の議論、検討、決定、監督を行います。なお、任期途中であっても、取締役会や指名委員会において必要と認める場合、執行役の職務継続の適否について検討を開始し、不適格と認めた場合には、随時、交代、解任を行います。

取締役会からの権限委譲
取締役会は、グループ経営に関する基本方針その他経営上特に重要な事項について決定するとともに、グループ経営に関する迅速な意思決定を可能にすべく、CEOを含む執行役の担当領域の決定及び上級役員の範囲の設定を行ったうえで、CEOに対して、業務執行に関する決定及び実行にかかる権限を大幅に委譲しています。CEOはさらに、当該権限の一部を他の上級役員に対して委譲しています。

その他の役員

  • 取締役会及び上級役員が決定する基本方針にもとづく、本社機能、研究開発等の特定領域における担当業務の実行

取締役会・各委員会の実効性評価
[実効性評価に関する当社の考え方]当社は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進すべく、継続的に取締役会及び各委員会の機能及び実効性の向上に取り組むことが重要であると考えています。この取り組みの一環として、当社は、原則として年に1回以上、かかる実効性評価を実施しています。
[直近の実効性評価]取締役会は、前回の実効性評価の結果を踏まえた対応が適切になされていることを確認したうえで、主に2023年度の活動を対象とした実効性評価を2024年2月から5月にかけて実施しました。なお、今回の実効性評価は、取締役会議長による主導のもと、評価自体の透明性や客観性を確保することと専門的な視点からのアドバイスを得ることを目的として、国内外のコーポレートガバナンスに高い知見を持つ外部専門家による第三者評価も取得したうえで、実施しました。
[評価プロセス]まず、取締役会において、前回の実効性評価を踏まえた対応状況及び今回の実効性評価の進め方について確認しました。

そのうえで、外部専門家による第三者評価を実施しました。その評価手法は以下のとおりです。

  • 取締役会議事録等の資料の閲覧及び取締役会への陪席
  • 取締役会・各委員会の開催・運営実務等に関する各事務局との確認
  • 取締役会の構成、運営、取締役自身のコミットメント、各委員会の活動、実効性評価の手法そのもの等に関する全取締役に対するアンケートの実施
  • 取締役会議長、各委員会議長、新任取締役及び一部の執行役に対するインタビューの実施
  • 日本及び米国企業との比較等

その後、取締役会が、当該外部専門家より第三者評価の結果についての報告を受け、その内容を分析・審議し、取締役会・各委員会の実効性確保の状況を確認しました。

評価結果の概要
外部専門家による第三者評価の結果として、以下の点も踏まえ、取締役会は、前回と同様、高く評価されるべき構成及び運営がなされている旨の報告を受けました。

  • アンケート及びインタビューの結果からは、前回同様、取締役全員が各委員会を含む取締役会の実効性を高く評価
  • 新任取締役の加入により、取締役会の構成は拠点・専門性の双方の観点においてさらに多様化
  • 取締役会議長の交代もスムーズに行われ、新議長の運営について他の取締役は高く評価
  • 取締役会の実効性向上につながる取り組みについても、引き続き実施されている
  • 構成や開催態様等において、日本企業の中では特筆すべき先進性を見せており、また、米国上場企業の取締役会と比較しても多くの点で高い評価が可能

取締役会としては、その報告内容を踏まえて実効性確保の状況について分析・審議した結果、2024年5月時点において、取締役会及び各委員会の実効性は十分に確保されていることを改めて確認しました。なお、当該外部専門家からは、取締役会・各委員会の実効性をさらに高めるために、他社事例も踏まえて検討対象となり得る選択肢案がいくつか例示されました。

今後の取り組み
当社は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営をさらに推進すべく、今回の取締役会及び各委員会の実効性評価の結果、ならびにかかるプロセスの中で各取締役から提示された多様な意見や外部専門家から提示された視点等を踏まえて、継続的に取締役会及び各委員会の機能向上に取り組んでいきます。

ご参考

会計監査人の状況

会計監査人の名称

PwC Japan有限責任監査法人

  • (注)2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、PwCあらた有限責任監査法人からPwC Japan有限責任監査法人へ名称変更しています。

会計監査人の報酬等の額

支払額(百万円)

(1) 当社及び当社子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額 1,914
(2) 当社が支払うべき会計監査人の監査報酬等の額 642
  • (注1)監査委員会は、執行役、社内関係部署及び会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受け、会計監査人の従前の職務執行状況及び報酬実績を確認し、当事業年度における会計監査人の監査計画及び報酬見積りの算出根拠の適正性等について必要な検証を行ったうえで、上記報酬等の額について同意しています。
  • (注2)上記(1)には、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)である、内部統制関連アドバイザリー業務等の対価が含まれています。
  • (注3)当社と会計監査人との間の監査契約において、会社法にもとづく監査と金融商品取引法にもとづく監査の監査報酬等の額を区分していないため、上記(2)の金額はこれらの合計額を記載しています。
  • (注4)当社の重要な子会社のうち、海外子会社は当社の会計監査人以外の監査法人の監査を受けています。

会計監査人の解任又は不再任の決定の方針

当社においては、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当する場合、監査委員会は会計監査人の解任を検討し、解任が相当であると認められるときは、監査委員会の委員全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及び解任の理由を報告します。監査委員会が、会計監査人に適正性の面で問題があると判断する場合、又はより適切な監査体制の整備が必要であると判断する場合は、会計監査人の解任又は不再任を株主総会の提出議案とします。

業務の適正を確保するための体制

当社取締役会は、会社法第416条第1項第1号ロ及びホに掲げる当社及び当社子会社(以下「ソニーグループ各社」といい、当社と総称して「ソニーグループ」という。)の内部統制及びガバナンスの枠組みに関する事項につき、以下に述べる体制が決議時点で有効に存在することを確認のうえ、かかる体制を継続的に評価し、適宜改善することを決議しました。

1.監査委員会の職務の執行に関する事項

(1)当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項

監査委員会の職務執行を補佐するため、取締役会の決議にもとづき、監査委員会を補佐する者を置く。この者は、監査委員の指示のもと、自ら、あるいは、関連部門と連携して、監査の対象となる事項の調査・分析・報告を行うとともに、必要に応じて監査委員会を補佐して実査・往査を行う。

(2)前号の取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、ならびに当社の監査委員会の前号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

前号に定める監査委員会を補佐する者は当社の従業員であり、その選任及び解任につき監査委員会の同意を要する。また、この者の業績評価は監査委員会がこれを行う。なお、この者は、監査委員会の監督に服し、ソニーグループの業務の執行に関わる役職を兼務しない。

(3)当社の取締役(監査委員である取締役を除く。)、執行役及び会計参与ならびに使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制、及びソニーグループ各社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、会社法第598条第1項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制

監査委員会が選定した監査委員は、当社の他の取締役、執行役及び従業員に対してその職務執行に関する事項の報告を求める権限を持ち、かつ、ソニーグループ各社に対して事業の報告を求め、その業務及び財産の状況を調査する権限を持つ。また、監査委員会は、ソニーグループ各社の取締役、執行役及び従業員(以下「ソニーグループ各社の取締役等」という。)の監査委員会への出席及び監査委員会の求める事項の説明を求める権限を持つ。
さらに、監査委員会は、会計、財務報告に関する内部統制、監査に関する事項についての従業員からの苦情(会計及び監査に関する事項についての秘密、匿名の意見表明を含む。)の受領、保存その他の取り扱いに関する手続を確立する権限と責任を持ち、このために必要な事項を上級役員に指示する権限を持つ。これらの責任・権限を踏まえて、当社執行役及び従業員は、取締役会の決議にもとづき、以下に定めるものにつき定期的に、かつ、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、監査委員会に報告する。なお、報告内容の詳細、頻度及び報告担当者は、監査委員会の定めるところに従う。

  • ソニーグループの内部統制に関わる部門(内部監査・経理・財務・IR・コンプライアンスその他)及びソニーグループ各社の監査役・監査委員からの直接又は間接の活動報告概要
  • ソニーグループの重要な会計方針・会計基準及びその変更(変更前に報告)
  • 当社の業績発表の内容及び重要開示書類の内容
  • ソニーグループの内部通報制度の運用報告及び受領した通報内容の報告
  • 弁護士による米国証券関連法違反等の報告
  • 当社の会計監査人の監査パートナーの交代
  • 監査委員会が指定するソニーグループ各社における監査役・監査委員及びソニーグループの各地域・各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選解任

執行役は、ソニーグループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、直ちに当該事実を監査委員会に報告する。前記報告事項に加え、当社のCEO及びCFOは、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、米国証券関連法の定めに従い、以下の事項を監査委員会へ報告する。

  1. 当社の財務情報を記録・処理・要約・報告する能力に悪影響を与える合理的可能性のある、財務報告にかかる内部統制の設計及び運用における重要な問題点もしくは欠陥
  2. 重大であるか否かを問わず、当社の財務報告にかかる内部統制において重要な役割を果たすマネジメントもしくは従業員による不正行為
(4)前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

ソニーグループでは、全ての役員・従業員に対して、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合、その旨を速やかに報告することを求めており、このような懸念が速やかに報告され、またその報告が適切に処理されるよう、通常の指揮命令系統から独立した内部通報制度を構築し、維持する。監査委員会への報告であるかどうかにかかわらず、当社及びソニーグループ各社は、かかる情報をもとに誠実に通報を行った役員・従業員を、公正にまた丁重に取り扱い、かかる通報者に対する一切の報復措置を許容せず、また、かかる通報者の匿名性を可能な限り維持することに努める。

(5)当社の監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項

監査委員会は、監査委員会及び監査委員の職務の執行に関する活動計画及び費用計画を作成し、当社は、かかる活動計画及び費用計画に従い、監査委員会及び監査委員が行った活動にともない発生した費用を負担する。これらの費用には、監査委員会が必要に応じてその職務の遂行のために利用する外部コンサルタント、外部弁護士、もしくはその他の外部専門家の費用も含まれる。

(6)その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

監査委員会は、ソニーグループの財務報告にかかる内部統制の有効性を評価するうえで、ソニーグループの内部統制に関わる部門及びソニーグループ各社の監査役と連携する。監査委員会は、会計監査人の監査の相当性ならびに会計監査人の独立性及び適格性につき評価するとともに、会計監査人の監査計画、報酬、非監査業務、及び監査パートナーの交代につき事前に確認・承認する。また、財務及び会計に関する相当程度の知見を有している監査委員が随時会計監査人より会計に関する報告を受ける。
当社の内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会の事前同意を要する。また、ソニーグループ各社の監査役・監査委員、ソニーグループの各地域における内部監査部門の責任者及びソニーグループの各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会の指定に従い、監査委員会の事前同意又は報告を要する。

2.執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社の業務ならびにソニーグループの業務の適正を確保するための体制

(1)当社の執行役及び使用人ならびにソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

当社のコンプライアンス統括部門は、ソニーグループ全体のコンプライアンス体制を整備し、コンプライアンス活動を横断的に推進する機能を有する。また、かかる活動を推進するため、当社のコンプライアンス統括部門と各地域(米州・欧州・日本・東アジア・パンアジア)に設置した地域コンプライアンス統括部門が連携して、ソニーグループ全体のコンプライアンスを確保する体制(以下「コンプライアンスネットワーク」という。)を構築する。
各地域コンプライアンス統括部門は、当社コンプライアンス統括部門を補佐して、担当地域内のソニーグループ各社におけるコンプライアンス体制を整備し、法令・社内規則等の遵守をはじめとするコンプライアンス活動を推進する機能を有する。各地域コンプライアンス統括部門の長たる地域コンプライアンスオフィサーは、担当地域内のソニーグループ各社に対する指示・監督権を含め、かかる機能を実現するために必要な権限を持つ。
かかる体制のもと、当社は、ソニーグループ全体で、企業倫理の重要性の継続的な周知徹底を行う。その一環として、「ソニーグループ行動規範」その他の重要なソニーグループ共通の方針・規則を整備し、当社及びソニーグループ各社の役員・従業員へ継続的に周知し、必要に応じて啓発活動や研修を行う。また、倫理や法令・社内規則違反に関する役員・従業員からの報告や問題提起を求めるための通常の指揮命令系統から独立した内部通報制度を整備し、当社及びソニーグループ各社に導入する。なお、内部通報制度の運営状況については、担当の役員・従業員が定期的に監査委員会へ報告する。
また、当社コンプライアンス統括部門は、前記の活動に加え、コンプライアンスネットワークを活用し、以下の仕組みによるソニーグループ全体のコンプライアンス体制の維持等を通じて、コンプライアンス活動を継続的に推進する。

  1. 「決裁規程」(後記(2)を参照)及びその他の内部統制による、所定の範囲を超えた権限行使の抑止
  2. 不正行為に関する当社への報告の義務化
  3. コンプライアンスに関する事項の周知徹底、啓発、導入、報告についての当社コンプライアンス統括部門による監督の仕組み

また、ソニーグループにとっての重要事項が、日本及び米国の証券関連法、米国証券取引委員会(SEC)、当社が上場している証券取引所の規則等に則って適時に開示されることを確保する仕組みとして、当社は「会社情報の適時開示に関する統制と手続き(Disclosure Controls and Procedures)」を構築・維持する。この仕組みの整備・運用・評価・維持に関し、当社のCEO及びCFOを補佐する機関として、社内の関連部門の責任者により構成される「ディスクロージャーコミッティ」を設置する。適時かつ適切な開示を確保するため、ディスクロージャーコミッティは、「決裁規程」(後記(2)を参照)及び社内規則である「重要事項開示に関する報告要請」等にもとづき、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署から付議/報告された事項について、ソニーグループ全体にとっての重要性を評価したうえで、前記の法令・証券取引所の規則及びソニーグループの内部基準等に照らし、開示の必要性を検討し、CEO及びCFOへ報告してその判断に供する。

(2)当社の執行役及びソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社の取締役会は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進することを目的として、法令、定款及び取締役会規定に定める事項を決議し、ソニーグループの業務の執行を監督する。また、その一環として、執行役を含む上級役員の職務分掌を定め、各上級役員が責任を持って担当する領域を明確にしたうえで、業務執行の決定権限を上級役員に委任する。各上級役員は、自己の担当領域に関する業務目標の達成を通じてソニーグループ全体としての経営目標の達成に努め、委任された権限にもとづき、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行う。各上級役員の業務執行にあたって、各々の職務を遂行するに際して自らと指揮命令関係にない他の上級役員の担当領域に影響を及ぼす場合には、当該上級役員と協議のうえ、ソニーグループにとって最適な選択肢を追求することを原則とし、必要に応じて、双方の領域を管轄又は担当する上位の上級役員の決定を仰ぐ。
また、各上級役員は、「ソニーグループ株式会社決裁規程」の定めるところにもとづき、下位の役員に、自らの職務の一部を委譲する権限を持つ。また、かかる体制のもと、ソニーグループにとっての重要案件が、ソニーグループ各社から漏れなく当社のマネジメントへ上程され、適切な機関によって意思決定されることを確保するため、当社は、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社から当該者への報告を求める事項等を明文化した「ソニーグループ決裁規程」を定め、ソニーグループ内に周知徹底する(ただし、上場会社や第三者との合弁会社の一部は除く。)。また、当社においても、取締役会、CEOその他の上級役員、又は上級役員から権限委譲を受けた者の事前の承認を要する事項等を明文化し、「ソニーグループ株式会社決裁規程」(ソニーグループ決裁規程と併せて「決裁規程」という。)として定め、社内に周知徹底する。決裁規程により決定権限を委譲された者は、案件の目的、実施方法、費用、効果、リスク等に関する十分な情報を入手のうえ、これらを評価し、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行う。

(3)当社及びソニーグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署は、それぞれの担当領域において、定期的にリスクを検討・評価し、損失のリスクの管理のため必要な体制(リスクの発見・情報伝達・評価・対応の仕組み等)の整備・運用を行う。これに加え、当社の執行役を含む上級役員は、ソニーグループにおける自己の担当領域において、ソニーグループに損失を与えうるリスクの管理のために必要な体制(ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社又は社内部署から必要に応じてビジネスリスクの検討・評価結果の報告を受ける体制を含む。)を構築・維持する権限と責任を有する。その中で、本社機能を担当する執行役は、ソニーグループにおける自己の担当領域に関して、ソニーグループ全体のリスク評価・管理を行う権限と責任を有する。また、これらの実施を確保するために必要なソニーグループ内の体制を構築・維持する権限と責任を有する。グループリスク管理を担当する執行役は、前記各担当における体制の構築・維持を総合的に推進し、管理する。

(4)ソニーグループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制

ソニーグループ各社の財務状況について、当社の社内規則により当社への定期的な報告(直接又は間接)を義務付けるとともに、前記(2)のとおり、当社は、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社から当該者への報告を求める事項等を明文化したソニーグループ決裁規程を定め、ソニーグループ内に周知徹底する(ただし、上場会社や第三者との合弁会社の一部は除く。)。さらに、前記(1)のとおり、社内規則である「重要事項開示に関する報告要請」等により、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署からソニーグループ全体にとって重要と思われる情報について報告を受ける体制を構築する。

(5)当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

当社及びソニーグループ各社は、その職務の遂行にかかる文書その他の情報につき、法令及び当社の社内規則に従い適切に保存及び管理を行う。以下の文書については、少なくとも10年間保存する。

  1. 執行役を含む上級役員による決裁
  2. 上級役員より権限を委譲された従業員による決裁
  3. CEO、CFOの職務執行を直接補佐する会議体の記録

決議日:2024年5月14日

業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要

当社では、取締役会により決議された前記の業務の適正を確保するための体制につき、その適切な運用に努めています。当事業年度におけるかかる体制の運用状況の概要は、以下のとおりです。

1.監査委員会の職務の執行に関する事項

(1)当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項

監査委員会の職務執行を補佐する者として、取締役会決議により、監査委員会補佐役を置いています。かかる監査委員会補佐役は監査委員の指示・監督のもと、監査の対象となる事項の調査・分析・報告を行うとともに、監査委員会を補佐して実査・往査を行っています。また、かかる監査委員会補佐役は、必要に応じて、内部統制に関わる部門(内部監査・経理・財務・IR・コンプライアンスその他)と連携しています。

(2)前号の取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、ならびに当社の監査委員会の前号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

監査委員会補佐役の選解任については、監査委員会の同意を要することとしています。また、ソニーグループの業務の執行に関わる役職を兼務しない、専任の監査委員会補佐役は、監査委員の指示・監督のもと、前記1(1)の業務を遂行しており、その業績評価は監査委員会が行っています。

(3)当社の取締役(監査委員である取締役を除く。)、執行役及び会計参与ならびに使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制、及びソニーグループ各社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、会社法第598条第1項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制

監査委員会又は監査委員が持つ様々な権限や報告を受けるべき内容については、社内規則として明文化し、ソニーグループ内においてその周知徹底に努めています。また、社内規則にもとづき監査委員会が報告を受けるべき内容については、以下を通じて監査委員会に対して適宜、報告が行われています。

  1. 当年度に6回開催した監査委員会での審議
  2. 監査委員会補佐役に行わせる活動(おおよそ月に2回以上開催される重要な経営執行にかかる会議への陪席、年間およそ370件に及ぶ上級役員の決裁書類等の閲覧等)
(4)前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

ソニーグループは、役員・従業員が、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合にはこれを報告し、また、どのように行動することが最善かを確認することをはっきりとかつ繰り返して求めるとともに、誠意をもって不正行為を報告した役員・従業員に報復がなされることのないよう保護することをソニーグループ行動規範その他の社内規則により明文化し、通報者保護に努めています。ソニーグループには、ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットライン(「内部通報制度」)をはじめとする、倫理や法令・社内規則違反に関する質問や問題を役員・従業員から随時受け付けている多くの報告・相談窓口があります。内部通報制度は、通常の社内の指揮命令系統から独立して運営されています。内部通報制度の受付窓口は、専門の第三者機関が運営しており、専門の教育を受けたオペレーターが対応にあたっています。また、いつでも、各国の言語で通報することができます。通報にかかる機密は保持され、各国の法令によって認められる限り、匿名で通報することができます。当年度においては、ソニーグループ全体で、内部通報制度を通じて492件の通報を受け付け、適宜対応しました。

(5)当社の監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項

当社は、監査委員会及び監査委員の職務の執行に関する活動計画及び費用計画にもとづき、監査委員会及び監査委員が行った活動にともない発生した費用を負担しています。これらの費用には、監査委員会がその職務を遂行するためや職務に必要な知見を獲得・更新するために必要な費用(外部団体への参加費用等)も含まれます。

(6)その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

監査委員会は、各監査委員又は監査委員会補佐役が直接行う監査活動に加えて、当社の内部監査部門及びソニーグループの内部統制を担当する各部門と連係して行う「組織監査」を行っており、監査委員会又は適宜開催するその他の会議や監査委員会補佐役の活動等を通じて前記各部門より定期的に報告を受け、また必要に応じて調査の依頼をし、その経過及び結果について報告を受けています。さらに、当社の内部監査担当部門は、ソニーグループの財務報告にかかる内部統制の有効性を評価するために実施した監査について、少なくとも四半期に一度以上の頻度で監査委員会に対して報告しています。
また、当社の内部監査部門の責任者の任免については、監査委員会の事前同意を要件とするとともに、ソニーグループ各社の監査役・監査委員、ソニーグループの各地域における内部監査部門の責任者及びソニーグループの各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会が事前に同意すべき、又は事後に報告を受けるべき者を指定し、それに応じた対応を行っています。さらに、監査委員会は、会計監査人の適格性及び独立性を評価し会計監査人が行う監査の相当性の評価を行うため、以下を実施しています。

  1. 会計監査人から、当該会計監査人の品質管理体制、独立性、職業倫理、専門性、監査の有効性及び効率性等につき報告を受け、その内容を確認すること
  2. 期初において、当年度における会計監査人が実施予定の監査計画の説明を受けたうえでその内容を確認し、その報酬等に同意をすることに加え、定期的に業務内容及びその報酬について報告を受け、その内容を確認すること
  3. 会計監査人から四半期財務報告のレビューを含む期中及び年度末の監査の手続と結果についての報告を受け、その内容を評価すること
  4. ソニーグループの内部統制に関わる部門から会計監査人による監査活動について報告を受け、再任に関する意見を聴取すること等

本事業報告に添付の監査報告にも記載のとおり、監査委員会は当社の会計監査人による監査の方法及び結果は相当であると評価しています。

2.執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社の業務ならびにソニーグループの業務の適正を確保するための体制

(1)当社の執行役及び使用人ならびにソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

ソニーグループは、法令を遵守し、倫理的で責任ある事業活動を行うことに確固として取り組んでいます。ソニーグループのマネジメントは、自ら範を示し、この取り組みを実行しています。ソニーグループでは、当社のコンプライアンス統括部門と各地域(米州・欧州・日本・東アジア・パンアジア)に設置した地域コンプライアンス統括部門が連携し、コンプライアンスネットワークを構築し、啓発メッセージや社内規則、教育研修、監査を組み合わせて、倫理的で責任ある事業活動と法令遵守への取り組みを推進しています。
ソニーグループ行動規範は、ソニーグループの倫理・コンプライアンスプログラムの基礎をなすものであり、倫理的で責任ある事業活動に関する基本的な規範を定めています。ソニーグループは、役員・従業員が、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合にはこれを報告し、また、どのように行動することが最善かを確認することをはっきりとかつ繰り返して求めるとともに、誠意をもって不正行為を報告した役員・従業員に報復がなされることのないよう保護することをソニーグループ行動規範その他の社内規則により明文化し、通報者保護に努めています。ソニーグループには、「内部通報制度」をはじめとする、倫理や法令・社内規則違反に関する質問や問題を役員・従業員から随時受け付けている多くの報告・相談窓口があります。内部通報制度は、通常の社内の指揮命令系統から独立して運営されています。内部通報制度の受付窓口は、専門の第三者機関が運営しており、専門の教育を受けたオペレーターが対応にあたっています。また、いつでも、各国の言語で通報することができます。通報にかかる機密は保持され、各国の法令によって認められる限り、匿名で通報することができます。
コンプライアンスプログラム及び内部通報制度の運用状況は、当社の監査委員会に月次で報告され、また、定期的に報告の場が設けられています。なお、当年度においては、ソニーグループ全体で、内部通報制度を通じて492件の通報を受け付け、適宜対応しました。
また、情報開示については「会社情報の適時開示に関する統制と手続き(Disclosure Controls and Procedures)」を社内規則として明文化し、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社及び社内部署に周知徹底するとともに、この仕組みの整備・運用・評価・維持に関し、当社のCEO及びCFOを補佐する機関として、社内の関連部門の責任者により構成される「ディスクロージャーコミッティ」を設置しています。また、社内規則等にもとづきディスクロージャーコミッティに報告等がなされた潜在的重要事項につき、ソニーグループ全体にとっての重要性を評価したうえで、適用される法令・証券取引所の規則及びソニーグループの内部基準等に照らし、開示の必要性を検討し、CEO及びCFOへ報告しています。さらに、「会社情報の適時開示に関する統制と手続き」については、毎年ディスクロージャーコミッティが中心となって適宜必要な見直しを実施しています。

(2)当社の執行役及びソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社は、経営に関する迅速かつ効率的な意思決定を可能にすべく、ソニーグループ株式会社決裁規程その他の社内規則を明文化し、その周知徹底に努めています。また、同様に、ソニーグループにとっての重要案件が、ソニーグループ各社から漏れなく当社のマネジメントへ上程され、適切な機関によって意思決定されることを確保するため、当社は、ソニーグループ決裁規程を定め、ソニーグループ内に周知徹底しています。さらに、これらの社内規則において、決定権限を委譲された者は、案件の目的、実施方法、費用、効果、リスク等に関する十分な情報を入手のうえ、これらを評価し、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行うことを明文化しており、それらの者はその遵守に努めています。
また、これらの社内規則については、事業環境や経営体制等を踏まえ、適宜見直しを実施しています。

(3)当社及びソニーグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署は、それぞれの担当領域において、定期的にリスクを検討・評価し、損失のリスクの発見・情報伝達・評価・対応に取り組んでいます。当社の執行役を含む上級役員は、自己の担当領域において、ソニーグループに損失を与えうるリスクを管理するために必要な体制の整備・運用を推進しています。また、グループリスク管理を担当する執行役は、関連部門による活動を通じて、ソニーグループのリスク管理体制の整備・強化に取り組んでいます。

(4)ソニーグループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制

当社は、「ソニーグループ決裁規程」や「重要事項開示に関する報告要請」等の社内規則により、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社からの報告を求める事項等を明文化し、それらの周知徹底に努めるとともに、これら社内規則により構築された体制にもとづき、ソニーグループ各社の財務状況やソニーグループ全体にとって重要と思われる情報について、以下を通じて定期的に報告(直接又は間接)を受けています。

  1. 年間予算や中期事業計画の審議・策定に係る会議
  2. 当社やソニーグループ各社における重要な経営執行に係る会議での事業内容の報告
  3. 当社経理部門での月次の決算情報のとりまとめ等
(5)当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

執行役を含む上級役員の職務の遂行に係る文書その他の情報の保存・管理に係る事項については社内規則として明文化し、その周知徹底に努めており、以下の文書については少なくとも10年間保存するとともに、その他の情報についても、法令及び当社の社内規則に従い適切に保存及び管理しています。

  1. 執行役を含む上級役員による決裁
  2. 上級役員より権限を委譲された従業員による決裁
  3. CEO、CFOの職務執行を直接補佐する会議体の記録

連結持分変動計算書

(単位:百万円)

  資本金 資本剰余金 利益剰余金 累積その他の包括利益 自己株式 当社株主に帰属する資本合計 非支配持分 資本合計
2022年4月1日現在残高 880,365 1,461,053 3,760,763 1,222,332 △180,042 7,144,471 52,778 7,197,249
新会計基準適用による累積的影響額 - - 409,654 △1,900,321 - △1,490,667 - △1,490,667
2022年4月1日修正再表示残高 880,365 1,461,053 4,170,417 △677,989 △180,042 5,653,804 52,778 5,706,582
包括利益(修正再表示)  
当期純利益     1,005,277     1,005,277 6,496 1,011,773
その他の包括利益
(税効果考慮後)
      82,012   82,012 2,750 84,762
包括利益合計(修正再表示)     1,005,277 82,012   1,087,289 9,246 1,096,535
利益剰余金への振替額     18,593 △18,593   -   -
株主との取引等
新株予約権の行使   △14 △1,352   10,364 8,998   8,998
転換社債型新株予約権付社債の株式への転換   △2,588 △13,858   42,993 26,547   26,547
株式にもとづく報酬   11,064       11,064   11,064
配当金     △86,635     △86,635 △5,980 △92,615
自己株式の取得         △99,248 △99,248   △99,248
自己株式の処分   1,242     2,426 3,668   3,668
非支配持分株主との取引及び
その他
  △6,950       △6,950 2,569 △4,381
2023年3月31日修正再表示残高 880,365 1,463,807 5,092,442 △614,570 △223,507 6,598,537 58,613 6,657,150
  • (注)当社は2023年度より、IFRS第17号を適用しており、前年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の数値をIFRS第17号にもとづき修正再表示しています。前年度の数値は、ご参考(監査対象外)です。
  資本金 資本剰余金 利益剰余金 累積その他の包括利益 自己株式 当社株主に帰属する資本合計 非支配持分 資本合計
2023年4月1日現在残高 880,365 1,463,807 5,092,442 △614,570 △223,507 6,598,537 58,613 6,657,150
包括利益  
当期純利益     970,573     970,573 9,921 980,494
その他の包括利益
(税効果考慮後)
      276,728   276,728 2,916 279,644
包括利益合計     970,573 276,728   1,247,301 12,837 1,260,138
利益剰余金への振替額     38,221 △38,221   -   -
株主との取引等
新株予約権の行使等 992 △1,939 △144   19,257 18,166   18,166
株式にもとづく報酬   13,956       13,956   13,956
配当金     △98,685     △98,685 △5,786 △104,471
自己株式の取得         △202,974 △202,974   △202,974
自己株式の処分   1,786     3,290 5,076   5,076
非支配持分株主との取引及び
その他
  5,800       5,800 103,264 109,064
2024年3月31日現在残高 881,357 1,483,410 6,002,407 △376,063 △403,934 7,587,177 168,928 7,756,105

連結注記表

当社及び当社の連結子会社を以下「ソニー」又は「ソニーグループ」と記載します。

1.連結の範囲及び持分法の適用に関する事項

2024年3月31日現在の連結子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)は1,634社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は150社です。

2.重要性がある会計方針

(1)連結計算書類の作成基準
当社の連結計算書類は、会社計算規則第120条第1項の規定により、IFRSに準拠して作成しています。なお、同項後段の規定により、IFRSで求められる開示事項の一部を省略しています。
(2) 外貨換算
外貨建て取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより換算しています。決算日における外貨建て貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートで機能通貨に換算しています。通常、当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブに関する換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
海外子会社や関連会社等の在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(3) 金融商品の評価基準及び評価方法
ソニーは、金融商品の契約の当事者になった時点で、金融商品を金融資産又は金融負債として認識しています。
金融資産及び金融負債は公正価値で当初測定されます。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産及び金融負債の取得又は発行に直接起因する取引コストは、当初認識時に金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算されます。
1. 非デリバティブ金融資産

a.分類及び測定方法
ソニーの保有する非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類されます。

償却原価で測定する金融資産
ソニーは、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有され、かつ当該金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。また、償却原価で測定する金融資産の認識を中止した場合、資産の帳簿価額と受け取った対価又は受取可能な対価との差額は純損益に認識しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。また、当該金融資産から生じる実効金利法による金利収益は純損益に認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益で認識した累計額を純損益として振り替えています。
生命保険ビジネスにおいては、資産負債の総合管理の観点から当該金融資産を保有しています。生命保険ビジネスにおいて金融資産を保有する目的は、主に保険契約負債の金利感応度(デュレーション)と可能な限り一致させることにより、期限到来時の保険金等の支払原資を十分に確保することです。
ソニーは、当該金融資産を、デュレーションと流動性ニーズを効率的に管理するという全体的な目的にもとづき、1つのポートフォリオとして管理しています。ポートフォリオには、より長期間にわたって保有される可能性のある金融資産が含まれていますが、ポートフォリオに含まれる全ての金融資産は、上記の全体的な目的を考慮して、キャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される1つのビジネスモデル内で保有されていると判断しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。
当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。なお、当該金融資産から生じる配当金については純損益で認識しており、認識を中止した場合は、その他の包括利益で認識した累計額を利益剰余金に振り替えています。

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定されるもの及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
生命保険ビジネスにおいては、変額保険及び変額個人年金保険に対する投資は主に株式、債券、投資ファンドで構成されており、純損益を通じて公正価値で測定しています。
また、会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、通常純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
生命保険ビジネスにおいては、一部の変額保険及び変額個人年金から生じる保険金融収益又は費用と整合させて、一部の負債性証券を純損益を通じて公正価値で測定するものと指定することにより、会計上のミスマッチを軽減しています。
銀行ビジネスにおいては、一部の固定金利付負債性証券に関する金利の不利な変動にともなう公正価値変動リスクをヘッジするためにデリバティブを利用しており、当該負債性証券を純損益を通じて公正価値で測定するものと指定することにより、会計上のミスマッチを軽減しています。

b.認識の中止
ソニーは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。

c.減損
ソニーは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、予想信用損失を見積もり、損失評価引当金の計上を行っています。各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。一方で、各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクの著しい増大の有無については、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生のリスクの変動を用いて判断し、過去の損失率及びマクロ経済状況が顧客の支払能力に与える影響を考慮し、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を反映する方法で予想信用損失を見積もっています。
ソニーは、金融資産に対して、貨幣の時間価値を反映し、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測について報告日時点で合理的で裏付け可能な入手できる情報を加味した、偏向のない確率加重を考慮した予想信用損失を測定しています。
ただし、営業債権、その他の債権及び契約資産(映画分野におけるその他の非流動債権を含む)については、期日経過状況や取引相手の属性等に応じた集合的ベース又は個別の取引相手ごとに、信用リスクの増減にかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失と等しい金額で測定しています。
ソニーは金融資産の将来見積キャッシュ・フローに不利な影響を与える1つ又は複数の事象が発生している場合に金融資産が信用減損したと判断しています。ソニーの金融資産が信用減損していると判断する基準には、利息や元本の支払いにおいて債務不履行又は90日超の期日経過事象が生じていることを含みます。
ソニーは金融資産の全部又は一部の回収が合理的に見込まれなくなった時点で、その資産の総額での帳簿価額を直接償却しています。

2. 非デリバティブ金融負債

ソニーは、非デリバティブ金融負債を実効金利法による償却原価で事後測定するもの又は純損益を通じて公正価値で事後測定するものに分類しています。
ソニーは、金融負債が消滅した場合、すなわち、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。

3. デリバティブ及びヘッジ会計

全てのデリバティブは公正価値により連結財政状態計算書上、資産又は負債として計上されています。デリバティブの公正価値の変動は、対象となるデリバティブがヘッジとして適格であるか否か、また適格であるならば公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動のいずれをヘッジするために利用されているかに応じて、直ちに純損益もしくはその他の包括利益に計上されています。
ソニーが保有しているデリバティブの会計処理は、下記のとおりです。

キャッシュ・フロー・ヘッジ
予定取引、又は認識された資産もしくは負債に関連するキャッシュ・フロー変動リスクに対するヘッジとして指定され、かつ有効と判定されたデリバティブの公正価値変動は当初、その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が純損益に影響を与える時に純損益に振り替えられています。公正価値変動のうち、ヘッジの効果が有効でない部分は直ちに純損益に計上されています。

ヘッジとして指定されていないデリバティブ
ヘッジとして指定されていないデリバティブの公正価値変動は直ちに純損益に計上されています。

ヘッジの有効性の評価
ヘッジ会計を適用する場合には、ソニーは様々なヘッジ活動を行う際のリスク管理目的及び方針を文書化するとともに、ヘッジとして指定される全てのデリバティブとヘッジ対象との間のヘッジ関係を文書化しています。ソニーはキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブを連結財政状態計算書の特定の資産及び負債、又は特定の予定取引と紐付けています。ソニーはまた、ヘッジの開始時及び継続期間中において、ヘッジとして指定されたデリバティブがヘッジ対象の公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動を相殺するのに経済的関係があるかどうかの評価を行っています。なお、ソニーが契約するヘッジ取引については、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動の大部分を占めることはありません。さらに、ヘッジ関係の比率が、ソニーが実際にヘッジするヘッジ対象の数量とソニーがヘッジ対象の当該数量をヘッジするために実際に使用するヘッジ手段の数量の比率と同じとなるようにデザインされています。
なお、デリバティブがヘッジ対象と経済的関係がないと認められた場合には、ヘッジ会計は中止されます。

(4) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い金額により測定しています。棚卸資産の取得原価は、加重平均法によって計算しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(5) 有形固定資産の減価償却の方法
有形固定資産の減価償却は、耐用年数(建物及び構築物については2年から50年、機械装置及びその他の有形固定資産については2年から10年の期間)にもとづき、定額法で行っています。耐用年数及び残存価額は、各報告期間の末日、又は必要に応じて適時に見直しを行っています。
(6) 無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却の方法
償却対象となる無形資産は、主に特許権、ノウハウ、ライセンス契約、顧客関係、商標、ソフトウェア、テレビ放送委託契約、繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びゲームコンテンツからなっています。特許権、ノウハウ、ライセンス契約、商標及びソフトウェアは、主に3年から10年の期間で定額法により償却しています。顧客関係、テレビ放送委託契約、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びゲームコンテンツは、主に2年から15年の期間で定額法により償却しています。ミュージック・カタログは、主に5年から44年の期間で定額法により償却しています。繰延映画製作費は、作品ごとの予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて償却しています。ソニーは、この予想総収益にもとづく償却方法は関連資産に関わる活動で生み出される経済的便益の消費割合の予想を反映しており、収益と無形資産の経済的便益の消費との相関が高いと考えています。テレビ放映権は、主に使用見込みにもとづき又は耐用年数にわたって定額法にもとづき償却しています。
(7) 企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定されています。非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。また、取得関連費用は、発生した期間において費用として認識しています。
(8) 非金融資産の減損
ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。
資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれている資金生成単位又は資金生成単位グループのそれぞれに配分されています。のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループは、事業セグメントの範囲内となっています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、将来見積キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。割引計算には、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクについての現在の市場評価を反映した税引前の割引率が用いられています。この手法は、将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)、将来見積キャッシュ・フローに固有のリスクを反映した割引率、永続成長率、利益倍率又は収益倍率、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムあるいはディスカウントが適用されるべきかどうかの決定等多くの重要な見積り・仮定を使用します。それぞれの資金生成単位における将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)に使用される仮定は、主に3ヵ年中期計画にもとづいており、過去の経験、市場及び産業データ、現在及び見込まれる経済状況等を考慮しています。永続成長率は主に3ヵ年予測期間後のターミナル・バリューを決定するために使用されています。
回収可能価額が資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額を超過する金額を減損損失として認識します。識別された減損損失はまず当該単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、それから当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。コンテンツ資産を除く減損損失は、連結損益計算書のその他の営業損(益)(純額)に、コンテンツ資産の減損損失は売上原価に含まれています。また、過去に減損損失を認識したのれん以外の資産について、減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候があるかどうかの検討を行っています。そのような兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積もり、回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。減損損失の戻入れによって増加した帳簿価額は、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の減価償却又は償却額控除後の帳簿価額を超えることはありません。
(9) 保険契約負債
ⅰ)保険契約の定義及び分類

ソニーは、保険契約を、所定の不確実な将来事象が保険契約者に不利な影響を与えた場合に、保険契約者への補償に同意することにより、重大な保険リスクを引受けている契約と定義しています。保険リスクが重大であるかの評価にあたっては、ソニーは法律又は規則にもとづく権利及び義務を含め、全ての実質的な権利及び義務を契約単位で考慮しています。その上で、現在価値ベースでソニーが損失を被る可能性のある経済的実質を有するシナリオが存在するかどうか及びソニーが引受けた保険リスクが重大であるかどうかを評価しています。なお、保険の法的形態を有しているものの重大な保険リスクをソニーに移転していない契約は、投資契約に分類され、当該投資契約負債は金融負債として、その他の金融負債に含めて会計処理されています。
金融分野に含まれる生命保険ビジネスにおいてソニーが引受ける保険契約は、主に終身保険、定期保険、疾病・医療保険、変額保険及び変額個人年金保険から構成されます。

ⅱ)保険契約の集約

保険契約の測定にあたっては、ソニーは保険契約をいくつかのグループに集約しています。保険契約グループは、保険契約のポートフォリオを識別することによって決定しています。各ポートフォリオは、類似したリスクにさらされていて一括して管理されている複数の契約で構成され、ソニーは各ポートフォリオを保険契約の発行時期が属する四半期ごとに分割した上で、保険契約の収益性にもとづき以下の3つのグループのいずれかに分類しています。

  • 当初認識時に不利な契約
  • 当初認識時において、その後に不利となる可能性が高くない契約
  • 残りの契約
ⅲ)保険契約の認識及び認識の中止

ソニーは、発行した保険契約グループを以下のうちの最も早い時点から認識しています。

  • 保険契約グループのカバー期間の開始時
  • 保険契約グループ内の保険契約者からの最初の支払いの期限が到来した日
  • 事実及び状況が、保険契約グループが不利であることを示している日

なお、契約上の支払期日がない場合には、保険契約者から最初の支払いを受けた日をもって支払期日とみなしています。
ソニーは、規則的かつ合理的な方法を用い、過大なコスト又は労力をかけずに利用可能な全ての合理的で裏付け可能な情報を偏りのない方法で考慮して、保険獲得キャッシュ・フローを保険契約グループに配分しています。ソニーは、保険獲得キャッシュ・フローが保険契約グループに直接帰属する場合には、当該グループに配分しており、保険契約グループではなくポートフォリオに直接帰属する場合には、規則的かつ合理的な方法を用いてポートフォリオ内のグループに配分しています。
なお、ソニーは、保険契約が消滅する場合、すなわち、保険契約で定められた義務が消滅するか、免除されるか又は取り消される場合に、保険契約の認識の中止を行っています。

ⅳ)契約の境界線

ソニーは、保険契約グループの測定にあたり、グループ内の各契約の境界線内にある全ての将来キャッシュ・フローを含めています。保険契約者が保険料を支払う義務を負う報告期間中又はソニーがサービス(保険カバー及び投資サービスを含む)を提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利及び義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあります。
以下のいずれかの場合には、サービスを提供する実質的な義務は終了します。
(a)ソニーが、特定の保険契約者のリスクを再評価する実務上の能力を有していて、その再評価したリスクを完全に反映した価格又は給付水準を設定できる場合
(b)ソニーが、当該契約を含むポートフォリオのリスクを再評価する実務上の能力を有していて、そのポートフォリオのリスクを完全に反映した価格又は給付水準を設定でき、かつ、その再評価日までの保険料の価格設定にその再評価日後の期間に係るリスクが考慮されていない場合
自動更新条項が付帯されている保険契約の契約更新後の期間に生じるキャッシュ・フローについては、ソニーは、契約の境界線を評価し、ソニーがこうしたリスクを再評価する実務上の能力を有していない場合には、既存の契約の境界線内にあるものと判断しています。

ⅴ)主な保険契約の当初測定

ソニーは、当初認識時において、保険契約グループを以下の合計額で測定しています。

(a)履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、将来キャッシュ・フローの見積り及び非金融リスクに係るリスク調整で構成されます。将来キャッシュ・フローの見積りは、貨幣の時間価値及び関連する金融リスクを反映するよう調整されますが、ソニーの不履行リスクを反映していません。割引率は、キャッシュ・フローの発生時期、通貨及び流動性を含む、保険契約グループから生じるキャッシュ・フローの特性を反映しています。保険契約のキャッシュ・フローや流動性の特性を反映した割引率の決定には、重要な見積りが含まれています。非金融リスクに係るリスク調整は、他の見積りとは別に決定されるものであり、キャッシュ・フローの金額及び時期に関する非金融リスクから生じる不確実性の負担に対して要求される対価を反映するためのものです。
(b)契約上のサービス・マージン(以下「CSM」)
保険契約グループのCSMは、ソニーがその契約にもとづき保険契約サービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しています。
ⅵ)主な保険契約の事後測定

各報告日現在の保険契約グループの帳簿価額は、発生保険金に係る負債と残存カバーに係る負債の合計です。発生保険金に係る負債は、既発生未報告の保険金を含む未払発生保険金及び未払費用に係る履行キャッシュ・フローから構成されています。残存カバーに係る負債は、以下の項目から構成されています。

(a)履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、将来キャッシュ・フロー、割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて、報告日時点で測定されます。
(b)CSM
各報告日におけるCSMの帳簿価額は、期首の帳簿価額を以下の項目で調整した金額です。なお、以下の(2)、(3)1、(3)2及び(3)4については、当初認識時に決定した割引率(ロックイン割引率)を用いて測定されます。

(1)当期にグループに加えられた新しい契約の影響
(2)CSMの帳簿価額に対して当期に発生し、計上した利息
(3)以下の事項を含む将来のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動
1.将来のサービスに関して当期に受け取った保険料から生じた実績調整(保険獲得キャッシュ・フローや保険料ベースの税金等の関連するキャッシュ・フローに係るものを含む)
2.残存カバーに係る負債の将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの変動(貨幣の時間価値、金融リスク及びそれらの変動にともなう影響を除く)
3.当期に支払われると見込まれた投資要素と当期に支払いが確定した実際の投資要素との差異
4.将来のサービスに関する非金融リスクに係るリスク調整の変動
(4)為替差額の影響
(5)上記の全ての調整後に算定された、当期における保険契約サービスの提供により保険収益として認識した金額

現在又は過去のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動は、純損益として認識されます。また、将来のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動は、CSM又は損失要素として、以下のとおり調整されます。

  • 履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回る場合にはCSMはゼロに減額され、超過額は保険サービス費用として認識するとともに、当該超過額は残存カバーに係る負債における損失要素として計上されます。
  • CSMがゼロの場合には、履行キャッシュ・フローの変動は、残存カバーに係る負債の中の損失要素を保険サービス費用に対応させて調整します。
  • 履行キャッシュ・フローの減少が損失要素を超過する場合には、損失要素がゼロに減額され、超過額はCSMとして再認識されます。
ⅶ)表示

資産である保険契約のポートフォリオ及び負債である保険契約のポートフォリオは、連結財政状態計算書において区分して表示しています。報告日において保険事故が未発生かつ解約オプションが行使されていない場合は、保険契約負債は非流動負債として分類されます。ただし、保険事故が発生、あるいは解約オプションが行使された場合、ソニーはこれらの支払いを延期する権利を失います。この場合、かかる保険契約負債は報告期間終了後12ヵ月以内に決済される予定となるため、流動負債として分類されます。
また、ソニーは、連結損益計算書で認識する金額を、保険収益と保険サービス費用(あわせて保険サービス損益という)及び保険金融収益又は費用に分解しています。ソニーは、非金融リスクに係るリスク調整の変動については、保険サービス損益と保険金融収益又は費用とに分解せず、保険サービス損益に含めています。

(a)保険収益
保険収益は、投資要素を含んでおらず、ソニーは、保険契約サービスの提供に応じて保険収益を認識しています。各期間において提供したサービスに係る保険収益は、主に以下の項目で構成されています。
  • 当期に提供したカバー単位をもとに測定したCSMの解放
  • 現在のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
  • 当期に生じた保険金請求及びその他の保険サービス費用(当期首に見込んでいた金額で測定)
  • 時間の経過にもとづき規則的に配分された保険獲得キャッシュ・フローの配分

各期間において保険収益として認識される保険契約グループのCSMの解放金額は、当該グループのカバー単位を識別し、当期に提供したカバー単位に配分したCSMの金額を純損益として認識することによって決定しています。カバー単位の数は、当該グループ内の保険契約にもとづき提供されるサービスの量であり、当該グループ内の各保険契約にもとづき提供する給付の量及びカバーの予想存続期間を考慮して決定しています。
保険契約にもとづき提供されるサービスには、保険カバー及び保険契約者のための投資リターンを生むための投資リターン・サービスが含まれます。

(b)保険サービス費用
保険サービス費用は、以下の項目から構成されています。
  1. 保険金及び給付金(投資要素を除き、損失要素の配分を減額)
  2. 保険サービスに直接起因して発生したその他の費用(損失要素の配分を減額)
  3. 保険獲得キャッシュ・フローの償却
  4. 過去のサービスに関する変動(例えば、発生保険金に係る負債に関する履行キャッシュ・フローの変動)
  5. 将来のサービスに関する変動(例えば、損失要素の変動から生じる不利な保険契約グループの損失及び戻入)

保険獲得キャッシュ・フローの償却については、上記の保険収益の中で反映された保険獲得キャッシュ・フローの回収と同じ金額が、保険サービス費用にも反映されます。

(c)保険金融収益又は費用
保険金融収益又は費用は、貨幣の時間価値及び金融リスクならびにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されています。ソニーは、一部の変額保険及び変額個人年金保険を除き、保険金融収益又は費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しています。純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しています。規則的な配分額は、保険契約グループの当初認識時に決定した割引率を使用して算定しています。この規則的な配分により、保険契約グループの存続期間にわたりその他の包括利益に認識される合計金額はゼロとなります。なお、いずれの時点においてもその他の包括利益に認識される累計金額は、保険契約グループの帳簿価額と規則的配分を適用する際に当該グループが測定される金額との差額です。
(10) 引当金の計上方法

過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的義務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
主な引当金は、映画分野における未払分配金債務、及び製品保証引当金です。

  1. 映画分野における未払分配金債務
    映画製作及びテレビコンテンツの制作、ならびにそれらの配給に関与する当事者は、契約上の定めに従い映画及びテレビ番組の業績に応じた条件付支払い及び団体協約の条項にもとづく条件付支払いを報酬として受け取る場合があります。これらの当事者を総称して参加者(Participants)と呼び、これらの支払いを総称して分配金と呼んでいます。分配金は、俳優又は作家等のクリエーター、出資者、あるいは配給権を許諾した企業に支払われる場合があります。
    未払分配金債務は予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて計上されます。未払分配金債務は条件付支払いが確定し、支払われた時点で使用されます。未払分配金債務のうち非流動部分の多くは将来10年以内に支払われると予想されます。
    ソニーは、他の製作会社と共同で映画を製作・配給する契約を締結しており、これらの契約において、各参加者は特定の地域ごとあるいは特定の流通方法ごとに映画を配給しています。他の参加者に帰属する映画製作及び配給に関する損益は、分配金の金額に含まれます。
  2. 製品保証引当金
    ソニーは、通常、引き渡した製品の品質及びサービスの提供を一定の期間にわたり関連する支出に備えるために製品保証引当金を計上しています。製品保証引当金は、売上高、見積故障率及び修理単位あたりのアフターサービス費の見積額にもとづいて計算されています。製品保証引当金の計算に用いられた見積り・予測は定期的に見直されています。
(11)収益認識

ソニーは顧客との契約において約束した財又はサービスを顧客へ移転する履行義務を充足した時に、当該財又はサービスとの交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識します。これは、以下の5つのステップを用いて適用されます。
ステップ1.顧客との契約を識別する。
ステップ2.契約における履行義務を識別する。
ステップ3.取引価格を算定する。
ステップ4.取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5.ソニーが履行義務を充足した時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
ソニーはいくつかの分野において多様な知的財産を保有しており、その知的財産のライセンスによる収益を認識します。ソニーは知的財産を使用する権利及び知的財産にアクセスする権利の供与を行っています。ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に供与する場合、ソニーは顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た時点で履行義務を充足します。ソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に供与する場合、ソニーはライセンス期間にわたって履行義務を充足します。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス(以下「ET&S」)及びイメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野においては、顧客との契約における履行義務とは、主には、様々なエレクトロニクス製品・部品を顧客に引き渡すことです。一般的に、当該履行義務から生じる収益は、約束された製品・部品を顧客に引き渡した時点で認識します。ただし、顧客との契約上、顧客による検収についての定めが存在する場合、顧客が検収を完了した時点又は検収猶予期間が終了し検収がなされたとみなされた時点で収益を認識します。また、インターネット関連サービスを利用者に提供する契約においては、加入契約期間にわたって収益を認識します。なお、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で収益は認識されます。
ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野においては、ハードウェア、周辺機器及びソフトウェアディスクからの収益は、小売事業者又は販売業者へ支配を移転することによって履行義務を充足した時に、予想される返品、セールス・インセンティブ及び広告協賛金が控除された後の純額で認識されます。開発・販売事業者へのプラットフォームライセンスからの収益は、ソフトウェアディスクが引き渡された時に認識されます。また、ソニーの知的財産を使用する権利を与えるデジタルゲームコンテンツからの収益は、オンラインプラットフォームを通じたデジタルコンテンツがライセンシーによって使用可能になった時に、予想されるセールス・インセンティブ及びクレジットカード会社への支払いが控除された後の純額で認識されます。将来にコンテンツを利用可能にする履行義務などの複数の履行義務に関連するデジタルゲームコンテンツからの収益は、市場において観察可能な独立販売価格もしくはソニーの最善の見積りである独立販売価格にもとづき各履行義務に配分されます。サブスクリプション方式による収益は、その加入契約期間に応じて認識されます。
音楽分野においては、ソニーの知的財産を使用する権利、もしくはソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に与える知的財産のライセンスを行っています。これらの収益は、顧客が知的財産を使用する権利もしくはアクセスする権利を保有し、そのライセンスの使用又はアクセスのための支配を獲得した時に認識されます。デジタルコンテンツからの収益は、デジタルストリーミングサービス契約からの収益が含まれており、デジタルストリーミングサービスは契約期間にわたって更新され続けるコンテンツライブラリにおける知的財産への継続的なアクセス権として通常は別個の履行義務として認識されます。これは、(1)特定のコンテンツの削除を、当該コンテンツを別のコンテンツに置き換える必要も、ロイヤルティに関する最低保証料への影響もなく、行うことができるビジネス上の慣行や契約上の権利、及び(2)ライセンス対象に特定のコンテンツリストを含まない契約であることにもとづいています。これらの契約からの収益は、契約期間にわたって定額法で認識される固定収入もしくは回収されないと予測されるロイヤルティに関する最低保証料がある場合を除いて、売上高及び使用量ベースのロイヤルティ収入にもとづき認識されます。CDなどの製品売上からの収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。
映画分野においては、劇場映画収益は、劇場での上映に合わせて認識されます。映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益はライセンシーによって作品が放映可能となった時点で認識されます。複数の作品、地域、放映可能期間などの要素を持つ複数の履行義務に関わる映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益は、市場環境や価格設定に関する社内規程などの入手可能な情報にもとづくソニーの最善の見積りを使用し、各履行義務の独立販売価格にもとづいて配分されます。配給される各映画やテレビ番組は一般に別個の履行義務と識別されます。映画製作及びテレビ番組制作における現行契約の更新又は延長に関連するライセンス収益は、ライセンシーがその更改や延長されたコンテンツを使用し便益を享受する時に、認識されます。ソニーの知的財産にアクセスする権利に対する最低保証料に関連するライセンス収益は、ライセンス期間にわたって一定の比率で認識されます。ホームエンタテインメント用のDVD及びブルーレイディスクに係る収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。デジタルダウンロード及びビデオ・オン・デマンドからの収益は、作品がデジタル配信プラットフォームで閲覧可能となった時点で収益を認識します。テレビ広告収入は、広告が放映された時点で認識され、この収益に関わる履行義務は広告掲載の提供であり、インプレッション保証型広告を含む場合があります。もし保証した広告表示回数に達しなかった場合は、その広告表示回数を満たすための追加の広告掲載が行われるまで認識されません。テレビネットワーク及びDirect-to-Consumer(以下「DTC」)配信サービスに支払われた有料放送料金は、サービスが提供された時点で収益が認識されます。この収益に関わる履行義務は知的財産を使用する権利を与えることであり、契約期間にわたって番組が提供されるにつれて充足されます。
収益は、通常、顧客から徴収し政府機関へ納付される税金が控除された後の純額で認識されます。

3.会計方針の変更に関する注記

IFRS第17号の適用
ソニーは、2023年4月1日からIFRS第17号を適用しています。当該会計基準は遡及適用され、IFRS第17号の適用によるソニーの資本合計への影響額は、IFRS第17号の移行日である2022年4月1日時点において1,490,667百万円の減少、2023年4月1日時点において631,172百万円の減少です。変更後の保険契約に係る会計方針は、2.重要性がある会計方針 (9)保険契約負債をご参照ください。

4.会計上の見積りに関する注記

IFRSに準拠した連結計算書類の作成は、会計方針の適用、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような、マネジメントによる判断、見積り及び仮定を必要とします。実際の結果は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。なお、見積り及び仮定は、継続して見直しています。会計方針の適用に際して行った見積り及び判断、ならびに連結計算書類に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、以下のとおりです。

  • 金融商品の公正価値測定(7.金融商品に関する注記)
  • 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産(コンテンツ資産を含む)の評価(2.重要性がある会計方針 (7)企業結合、(8)非金融資産の減損)

有形固定資産 1,522,640百万円
使用権資産 503,395百万円
のれん 1,487,100百万円
無形資産(コンテンツ資産を含む) 2,543,715百万円

  • 保険契約負債の測定(2.重要性がある会計方針 (9)保険契約負債)
    保険契約負債は、保険契約から生じる履行キャッシュ・フロー及びCSMを算定することによって測定されます。将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りを測定するために使用している死亡率、罹患率、解約・失効率及び割引率は、保険契約負債を測定するために用いられる重要な仮定です。

保険契約負債 * 13,094,339百万円

  • (注)*保険契約負債の流動部分は、連結財政状態計算書上、その他の流動負債に含まれています。
  • 繰延映画製作費及び映画分野における未払分配金債務の測定(2.重要性がある会計方針 (6)無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却の方法及び(10)引当金の計上方法)

コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費 531,476百万円
映画分野における未払分配金債務 457,824百万円

  • 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産計上の要否は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。当該評価はそれぞれの税務管轄ごとの当期及び累積の損失の性質、頻度及び重要性、不確実な税務ポジションを考慮した将来の収益性予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金及び繰越税額控除の期限切れを防ぐために実行される慎重かつ実行可能な税務戦略などを考慮して行われます。

繰延税金資産 499,550百万円

5.連結財政状態計算書に関する注記

(1)担保に供している資産及び担保に係る債務

(1)担保に供している資産
有価証券 1,597,034百万円
銀行ビジネスにおける住宅ローン 883,882百万円
(2)担保に係る債務
短期借入金 1,520,893百万円
長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) 629,924百万円

上記のほか、金融分野において、内国為替決済、デリバティブ等の取引の担保として簿価77,524百万円の有価証券を差し入れています。
なお、担保に供している資産は、連結財政状態計算書上、金融分野における投資及び貸付(流動及び非流動)に含まれています。

(2)資産から直接控除した損失評価引当金

営業債権、その他の債権及び契約資産 32,775百万円
金融分野における投資及び貸付(非流動) 659百万円

(3)資産に係る減価償却及び減損損失累計額

有形固定資産 2,333,562百万円

(4)保証債務等

主に、関連会社等の銀行借入等に対する保証を含みます。
保証債務 410百万円

6.連結持分変動計算書に関する注記

(1)当年度末における発行済株式の種類及び総数

普通株式 1,261,231,889株

(2)配当に関する事項

1.配当金支払額
(決議) 株式の種類 配当金の総額 1株当たり配当額 基準日 効力発生日
2023年4月28日取締役会 普通株式 49,380百万円 40円00銭 2023年3月31日 2023年6月5日
2023年11月9日取締役会 普通株式 49,305百万円 40円00銭 2023年9月30日 2023年12月5日
2.基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
(決議) 株式の種類 配当金の総額 配当の原資 1株当たり配当額 基準日 効力発生日
2024年5月14日取締役会 普通株式 54,965百万円 利益剰余金 45円00銭 2024年3月31日 2024年6月10日

(3)当年度の末日における新株予約権(権利行使期間が到来しているもの)の目的となる株式の種類及び数

普通株式 11,881,900株

7.金融商品に関する注記

(1)金融商品の状況に関する事項

金融分野を除くソニーの事業活動に必要な資金は、金融資本市場及び金融機関から社債及び借入等で調達しています。また、余剰資金については安全性の高い金融資産で運用しています。ソニーでは為替予約、通貨オプション契約及び金利スワップ契約等のデリバティブ契約を締結していますが、これは主に為替変動リスク、キャッシュ・フロー変動リスクを軽減することを目的としており投機的な取引は行っていません。金融分野は保険料収入及び銀行ビジネスにおける顧客預金を主な資金の源泉として、安定的な投資収益の確保のため有価証券及び融資などの投資を行っています。これらの金融資産・負債は金利・株価・為替等の変動リスクに晒されているため、適正なバランスを保つことを目的に、資産負債の総合管理を行っています。

(2)金融商品の公正価値等に関する事項

(単位:百万円)

  連結財政状態
計算書計上額
公正価値 差額
資産
有価証券※1,2 16,337,764 16,337,451 △313
デリバティブ資産※2 72,423 72,423 -
銀行ビジネスにおける住宅ローン※1 3,574,468 3,634,011 59,543
負債
長期借入債務(1年以内に返済期限の
到来する長期借入債務を含む)
1,704,102 1,685,275 △18,827
投資契約負債 ※3 60,392 59,578 △814
デリバティブ負債 ※3 29,287 29,287 -
条件付対価 ※3 50,343 50,343 -
償還可能非支配持分 ※3 54,028 54,028 -
  • (注)※1連結財政状態計算書上、金融分野における投資及び貸付に含まれています。
  • ※2連結財政状態計算書上、その他の金融資産に含まれています。
  • ※3連結財政状態計算書上、その他の金融負債に含まれています。

現金及び現金同等物ならびに公正価値をもって連結財政状態計算書計上額としない金融商品のうち、主として短期取引であり帳簿価額が公正価値と近似するものは含めていません。

(3)金融商品の公正価値のレベルごとの内訳等に関する事項

全ての公正価値は下記3段階のレベルのいずれかで報告されますが、報告されるレベルは公正価値の測定に重大な影響を及ぼすインプットのレベルのうち最も低いレベルにもとづき決定されます。
公正価値の3段階のレベルは以下のとおりです。

  • レベル1:重大なインプットが活発な市場における同一の資産・負債の未調整の取引価格
  • レベル2:重大なインプットがレベル1以外の観察可能なデータ
  • レベル3:1つあるいは複数の重大なインプットが観察可能でない
(1) 公正価値をもって連結財政状態計算書計上額とする金融商品

(単位:百万円)

  公正価値
  レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券 3,558,852 11,851,972 530,459 15,941,283
デリバティブ資産 - 70,044 2,379 72,423
デリバティブ負債 3,428 25,859 - 29,287
条件付対価 - - 50,343 50,343
償還可能非支配持分 - - 54,028 54,028

ソニーが各金融商品の公正価値測定に利用している評価技法、それが通常どの公正価値のレベルに分類されているかは以下のとおりです。

有価証券
活発な市場における取引価格が利用可能である金融商品の公正価値の階層はレベル1に分類されます。レベル1の金融商品には上場されている資本性金融商品が含まれています。取引価格を利用できないもしくは市場が活発でない金融商品については、価格モデル、類似の特徴をもつ金融商品の取引価格あるいは割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もり、主にレベル2に分類しています。レベル2の金融商品には公社債の大部分など、上場されている金融商品ほどには活発に取引されていない取引価格により評価された負債性金融商品が含まれています。取引量が少ないもしくは評価に使用するインプットの観察可能性が低い金融商品についてはレベル3に分類しています。レベル3の金融商品には、主に、レベル1・レベル2に分類されなかったプライベートエクイティ投資、投資信託及びファンド投資、証券化商品及び市場における取引価格が利用できずインプットの観察可能性が低い国内外の社債が含まれています。ソニーはプライベートエクイティ投資の公正価値を主に類似企業の評価倍率や、割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もっています。類似企業の株価純資産倍率及び株価収益率ならびに割引キャッシュ・フローモデルにおいて使用する資本コスト及び継続価値算定に用いるEBITDA倍率等は、レベル3に分類された資本性金融商品の公正価値評価において重大な観察可能でないインプットとして使用されています。類似企業の株価純資産倍率及び株価収益率の増加(減少)や、割引キャッシュ・フローモデルにおいて使用する資本コストの減少(増加)及びEBITDA倍率の増加(減少)により、公正価値は増加(減少)します。ソニーは、投資信託及びファンド投資の公正価値を測定するにあたり、主に純資産価値を使用します。ソニーは、証券化商品及び市場における取引価格が利用できずインプットの観察可能性が低い国内外の社債の公正価値を測定するにあたり、主に証券業者から得た指標価格等の第三者の価格に調整を加えることなく使用、あるいは割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もっています。

デリバティブ
上場されているデリバティブで、その取引価格を使用して公正価値を評価されているデリバティブの公正価値の階層はレベル1に分類されます。しかしながら上場されているデリバティブ契約は少数であり、ソニーが保有するデリバティブ契約の多くは、容易に観察可能な市場パラメータを基礎として利用したソニー内部のモデルによる評価を行っています。

(2) 公正価値をもって連結財政状態計算書計上額としない金融商品

(単位:百万円)

  公正価値
  レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券 - 13,411 382,757 396,168
銀行ビジネスにおける住宅ローン - - 3,634,011 3,634,011
長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) - 1,606,340 78,935 1,685,275
投資契約負債 - 59,578 - 59,578

レベル2に分類されている1年以内返済予定分を含む長期借入債務の公正価値は、主に類似した負債のソニーの現在の利率を使って、将来キャッシュ・フローを割引いた金額で見積もられています。
レベル2に分類されている投資契約負債の公正価値は、将来キャッシュ・フローを見積もり、リスクフリーレートのイールド・カーブに信用リスク等を加味した割引率で割り引いて算定しています。
レベル3に分類されている金融商品は、主に銀行ビジネスにおける住宅ローン、証券化商品及びソニーが発行した一部の社債です。ソニーはこれらの金融商品の公正価値を決定するにあたり、将来キャッシュ・フローを見積もり、リスクフリーレートのイールド・カーブに一定の信用リスク等を加味した割引率で割り引いて算定しています。

8.投資不動産に関する注記

投資不動産について記載すべき重要なものはないため開示を省略しています。

9.1株当たり情報に関する注記

1株当たり当社株主に帰属する資本 6,211円62銭
基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 788円29銭

10.収益認識に関する注記

(1)契約残高

顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。

項目 2023年3月31日
金額(百万円)
顧客との契約から生じた債権 ※1 1,931,631
契約資産 ※2 17,820
契約負債 ※3 534,432
  • (注)※1顧客との契約から生じた債権は、連結財政状態計算書のうち、営業債権、その他の債権及び契約資産、及び非流動のその他の金融資産に含まれています。
  • ※2契約資産は、連結財政状態計算書のうち、営業債権、その他の債権及び契約資産、及びその他の非流動資産に含まれています。
  • ※3契約負債は、連結財政状態計算書のうち、その他の流動負債及びその他の非流動負債に含まれています。

契約負債は、主に契約の履行以前に顧客から受領した対価に関する残高です。2023年3月31日時点における契約負債残高のうち444,964百万円を、2023年度において収益として認識しています。過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。

(2)履行義務

残存履行義務(未充足又は部分的に未充足)は、未履行の受注残高であり、将来の履行にともなって収益として認識されます。ソニーは実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の契約を開示対象より除外しています。以下の表は、2024年3月31日時点で充足していない履行義務に配分された取引価額の要約であり、そのうち50%以上が1年以内に、また、ほとんど全てが3年以内に収益として認識されるものと見込まれています。変動対価は、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲で、取引価格に含めています。

項目 2024年3月31日
金額(百万円)
映画-映画製作及びテレビ番組制作 ※1 813,790
映画-メディアネットワーク 10,027
音楽 ※2 112,6092
その他 58,717
  • (注)※1映画分野における映画製作及びテレビ番組制作については、契約期間にかかわらず全ての契約を含めています。
  • ※2音楽分野に含まれている金額は、主に更新され続けるコンテンツライブラリへの継続的なアクセス権のライセンス契約における、ロイヤルティの最低保証料又は固定収入です。

(3)収益の分解

セグメント別及び製品カテゴリー別の売上高及び金融ビジネス収入の内訳は以下のとおりです。

項目 2023年度
金額(百万円)
ゲーム&ネットワークサービス
デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ 1,934,586
ネットワークサービス 545,537
ハードウェア・その他 1,692,871
4,172,994
音楽
音楽制作(ストリーミング) 709,453
音楽制作(その他) 356,646
音楽出版 326,727
映像メディア・プラットフォーム 202,129
1,594,955
映画
映画製作 542,044
テレビ番組制作 551,035
メディアネットワーク 393,638
1,486,717
エンタテインメント・テクノロジー&サービス
テレビ 624,264
オーディオ・ビデオ 412,067
静止画・動画カメラ 643,429
モバイル・コミュニケーション 299,905
その他 435,281
2,414,946
イメージング&センシング・ソリューション 1,503,906
金融 1,760,731
その他 75,784
全社(共通) 10,735
連結 13,020,768

G&NS分野には、主にネットワークサービス事業、家庭用ゲーム機の製造・販売及びデジタルソフトウェア・アドオンコンテンツの制作・販売が含まれています。デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツカテゴリーにはネットワークを通じて販売するソフトウェアタイトル及びアドオンコンテンツ、ネットワークサービスカテゴリーにはゲーム、ビデオ及び音楽コンテンツ関連のネットワークサービス、ハードウェア・その他カテゴリーには家庭用ゲーム機、パッケージソフトウェア、家庭用ゲーム機と同梱販売されるソフトウェア、周辺機器及び外部プラットフォーム向け自社制作ソフトウェアなどが含まれています。
音楽分野には、主に音楽制作、音楽出版及び映像メディア・プラットフォーム事業が含まれています。音楽制作(ストリーミング)にはストリーミングによるデジタルの音楽制作物の販売、音楽制作(その他)にはパッケージ及びダウンロードによるデジタルの音楽制作物の販売やアーティストのライブパフォーマンスからの収入、音楽出版には、楽曲の詞、曲の管理及びライセンス、映像メディア・プラットフォームには、アニメーション作品及びゲームアプリケーションの制作・販売、音楽・映像関連商品の様々なサービス提供などが含まれています。
映画分野には、主に映画製作、テレビ番組制作及びメディアネットワーク事業が含まれています。映画製作には実写及びアニメーション映画作品の全世界での製作・買付・配給・販売、テレビ番組制作にはテレビ番組の制作・買付・販売、メディアネットワークには、全世界でのテレビネットワーク及びDTC配信サービスのオペレーションなどが含まれています。
ET&S分野には、主にテレビ事業、オーディオ・ビデオ事業、静止画・動画カメラ事業、スマートフォン事業及びインターネット関連サービス事業が含まれています。テレビカテゴリーには液晶テレビ、有機ELテレビ、オーディオ・ビデオカテゴリーにはブルーレイディスクプレーヤー/レコーダー、家庭用オーディオ、ヘッドホン、メモリ内蔵型携帯オーディオ、静止画・動画カメラカテゴリーにはレンズ交換式カメラ、コンパクトデジタルカメラ、民生用・放送用ビデオカメラ、モバイル・コミュニケーションカテゴリーにはスマートフォン、インターネット関連サービス、その他カテゴリーにはプロジェクターなどを含むディスプレイ製品、医療用機器などが含まれています。
I&SS分野には、主にイメージセンサー事業が含まれています。
金融分野には、主に日本における個人向け生命保険及び損害保険を主とする保険事業ならびに日本における銀行業が含まれています。
その他分野は、ディスク製造事業、記録メディア事業等の様々な事業活動から構成されています。

11.重要な後発事象に関する注記

(自己株式の消却)

当社は、当社取締役会から委任された当社代表執行役の決定により、以下のとおり、会社法の規定にもとづき、自己株式を消却しました。

  1. 消却した株式の総数:12,612,300株
  2. 消却日:2024年4月10日
(自己株式の取得枠設定)

当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法及び当社定款の規定にもとづき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。

  1. 取得し得る株式の総数:3,000万株(上限)
  2. 株式の取得価額の総額:2,500億円(上限)
  3. 取得期間:2024年5月15日〜2025年5月14日
  • 以下に記載の株式分割効力発生日(2024年10月1日)の後、上記①に記載の取得し得る株式の総数は、1億5,000万株(上限)となります。
(株式分割)

当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、以下のとおり、株式分割を行うことを決議しました。

  1. 分割の方法
    2024年9月30日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する当社普通株式を、1株につき5株の割合をもって分割します。
  2. 分割により増加する株式数
    株式分割前の発行済株式総数:1,248,619,589株
    今回の分割により増加する株式数:4,994,478,356株
    株式分割後の発行済株式総数:6,243,097,945株
    株式分割後の発行可能株式総数:18,000,000,000株
    ※上記発行済株式総数は、2024年4月末時点の発行済株式総数にもとづいており、株式分割の基準日までの間に、新株予約権の行使により増加する可能性があります。
  3. 分割の日程
    基準公告日:2024年9月13日
    基準日:2024年9月30日
    効力発生日:2024年10月1日
  4. 定款の一部変更
    上記の株式分割にともない、会社法第184条第2項にもとづき、当該株式分割の効力発生日である2024年10月1日に、当社の発行可能株式総数を36億株から180億株に増加する定款の変更を行います。
  5. 1株当たり情報への影響
    上記の株式分割が2024年3月31日に終了した1年間の期首に行われたと仮定した場合の1株当たり情報は、以下のとおりです。
    1株当たり当社株主に帰属する資本 1,242円32銭
    基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 157円66銭

株主資本等変動計算書(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
資本準備金 その他資本剰余金 利益準備金 その他利益剰余金
繰越利益剰余金
当期首残高 880,365 1,094,058 - 34,870 1,418,604 △223,507 3,204,389
当期変動額
新株の発行 992 992         1,984
剰余金の配当         △98,685   △98,685
当期純利益         316,396   316,396
自己株式の取得           △202,974 △202,974
自己株式の処分     696     22,547 23,243
利益剰余金から資本剰余金への振替     143   △143   -
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)              
当期変動額合計 992 992 839 - 217,567 △180,428 39,963
当期末残高 881,357 1,095,050 839 34,870 1,636,172 △403,934 3,244,353

(単位:百万円)

評価・換算差額等 新株予約権 純資産合計
その他有価証券評価差額金
当期首残高 5,657 30,616 3,240,662
当期変動額      
新株の発行     1,984
剰余金の配当     △98,685
当期純利益     316,396
自己株式の取得     △202,974
自己株式の処分     23,243
利益剰余金から資本剰余金への振替     -
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 1,104 7,504 8,608
当期変動額合計 1,104 7,504 48,571
当期末残高 6,761 38,119 3,289,233

個別注記表

1.重要な会計方針に係る事項に関する注記

(1)資産の評価基準及び評価方法

①有価証券の評価基準及び評価方法

  • イ.子会社株式及び関連会社株式
    • 移動平均法による原価法
  • ロ.その他有価証券
    • (イ)市場価格のない株式等以外のもの
      時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
    • (ロ)市場価格のない株式等
      移動平均法による原価法

②デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法

③棚卸資産の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下にもとづく簿価切下げの方法により算定)

(2)固定資産の減価償却の方法

①有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物 15~50年
機械及び装置 4~8年

②無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)にもとづく定額法、市場販売目的のソフトウエアについては、販売可能な見込有効期間(3年)にもとづく定額法によっています。

③リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産については、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。

(3)引当金の計上基準

①貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒懸念債権等の特定債権に対する取立不能見込額と、一般債権に対する貸倒実績率により算出した金額との合計額を計上しています。

②賞与引当金
執行役及び従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額にもとづき計上しています。

③退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、決算日における退職給付債務及び年金資産の見込額にもとづき計上しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌年度から費用処理することとしています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しています。

④パソコン回収再資源化引当金
家庭系使用済パソコンの回収及び再資源化の支出に備えるため、売上台数を基準として支出見込額を計上しています。

⑤債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証者の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。

⑥株式報酬引当金
譲渡制限付株式ユニット付与にもとづく株式の交付に備えるため、株式の交付見込額にもとづき計上しています。

(4)繰延資産の処理方法

支出時の費用として処理しています。

(5)収益及び費用の計上基準

約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
当社の保有する知的財産のライセンスは、供与する時点で存在する当社の知的財産を使用する権利及び当社の知的財産にアクセスする権利を与えるものです。当社の知的財産を使用する権利を顧客に与える場合、当社は顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た時点で収益を認識します。当社の知的財産にアクセスする権利を顧客に与える場合、当社はライセンス期間にわたって収益を認識します。

2.表示方法の変更に関する注記

前年度において「流動負債」及び「固定負債」の「その他」に含めていた「株式報酬引当金」は、金額的重要性が増したため、当年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前年度の貸借対照表の組替えを行っています。
この結果、前年度の貸借対照表において「流動負債」の「その他」に表示していた757百万円のうち、623百万円を「株式報酬引当金」とし、「固定負債」の「その他」に表示していた41,989百万円のうち、522百万円を「株式報酬引当金」として組み替えています。

3.貸借対照表に関する注記

(1)関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
  • 短期金銭債権 1,858,734百万円
  • 長期金銭債権 441,518百万円
  • 短期金銭債務 755,861百万円
  • 長期金銭債務 212百万円
(2)固定資産の圧縮記帳実施額
国庫補助金等 -百万円
(累計額 353百万円)
保険金等 -百万円
(累計額 25百万円)
(3)相殺表示している退職給付引当金及び退職給付信託における年金資産額
  年金資産控除前
退職給付引当金
退職給付信託に
おける年金資産額
退職一時金制度 14,059百万円 1,581百万円
企業年金制度 △4,698百万円 27,037百万円

(4)保証債務等

債務保証契約 867,119百万円
経営指導念書等の差入れ※ 2,749百万円
  • 経営指導念書等は、関係会社の信用を補完することを目的とした関係会社との合意書が主なものです。

4.損益計算書に関する注記

(1)関係会社との取引高

営業取引による取引高

  • 売上高 141,788百万円
  • 受取配当金 314,529百万円
  • 仕入高 15,437百万円
  • その他の営業取引高 53,455百万円
  • 営業取引以外の取引による取引高 79,268百万円
  • (2)研究開発費 36,897百万円

5.株主資本等変動計算書に関する注記

当年度末における自己株式数
普通株式 39,783,003株

6.税効果会計に関する注記

  • (1)法人税及び地方法人税ならびに税効果会計の会計処理及び開示については「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)にしたがっています。
  • (2)繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

投資その他の資産

繰延税金資産
関係会社株式等 200,035百万円
繰越欠損金 26,939百万円
貸倒引当金 75,437百万円
株式報酬費用 7,547百万円
その他 16,158百万円
繰延税金資産小計 326,116百万円
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △26,939百万円
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △279,054百万円
繰延税金資産合計 20,123百万円
繰延税金負債
前払年金費用 △9,717百万円
その他 △4,360百万円
繰延税金負債合計 △14,077百万円
繰延税金資産の純額 6,046百万円
  • 2024年3月31日現在の税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額は26,939百万円であり、2024年度から2033年度までの間に繰越期限が到来します。なお、翌事業年度以降の課税所得と相殺できない部分については、貸借対照表上の繰延税金資産の算定にあたり、評価性引当額として繰延税金資産の金額から控除しています。

7.関連当事者との取引に関する注記

(1)子会社及び関連会社等

(単位:百万円)

種類 会社等の名称 議決権等の所有
(被所有)割合
関連当事者との
関係
取引の内容 取引金額 科目 期末残高
子会社 ソニー(株) 所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の借入(※1)
利息の支払(※1)
13,086
757
短期借入金 84,887
(株)ソニー・インタラクティブ
エンタテインメント
所有
直接100.0%
資金取引 資金の返済(※1)
利息の支払(※1)
226,236
1,941
短期借入金 2
ソニーエナジー・デバイス(株) 所有
直接100.0%
資金取引 資金の貸付(※1)
利息の受取(※1)
229
20
長期貸付金
その他流動資産
187,846
13
ソニーセミコンダクタ
エネルギーマネジメント(株)
所有
間接100.0%
資金取引 資金の回収(※1)
利息の受取(※1)
1,439
69
短期貸付金
その他流動資産
50,700
1
ソニーセミコンダクタ
ソリューションズ(株)
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の返済(※1)
利息の支払(※1)
19,069
591
短期借入金 306,268
ソニーセミコンダクタ
マニュファクチャリング(株)
所有
間接100.0%
資金取引
債務保証
資金の貸付(※1)
利息の受取(※1)
180,684
2,786
短期貸付金
その他流動資産
1,270,086
1,831
債務保証(※2)
保証料の受取(※2)
112,903
78
その他流動資産 78
(株)ソニー・ミュージック
エンタテインメント
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の借入(※1)
利息の支払(※1)
29,343
4
短期借入金 198,970
Sony Capital
Corporation
所有
間接100.0%
債務保証 債務保証(※3)
保証料の受取(※3)
164,642
369
その他流動資産 370
Sony Corporation of
America
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の回収(※1)
利息の受取(※1)
20,000
403
短期貸付金
その他流動資産
285,000
6
資金の貸付(※1)
利息の受取(※1)
21,786
2,950
長期貸付金
その他流動資産
181,704
1,972
Sony Europe B.V. 所有
間接100.0%
債務保証 債務保証(※4)
保証料の受取(※4)
199,408
149
その他流動資産 149
Sony Global Treasury
Services Plc
所有
間接100.0%
資金取引
債務保証
資金の回収(※1)
利息の受取(※1)
442,692
2,631
預け金 34,193
資金の返済(※1)
利息の支払(※1)
307,807
720
短期借入金 25,574
債務保証(※5)
保証料の受取(※5)
50,503
109
その他流動資産 109
経営指導念書等の差入れ(※6) 2,141 - -
Sony Interactive
Entertainment LLC
所有
間接100.0%
債務保証
役員の兼任
債務保証(※7)
保証料の受取(※7)
228,535
467
その他流動資産 468

取引条件及び取引条件の決定方針

  • ※1預入、貸付及び借入については、市場金利等を勘案して利率を合理的に決定しています。
  • ※2電子手形等につき、債務保証を行ったものです。なお、当該債務保証に対して保証料(78百万円)を受領しています。
  • ※3資金の調達、フィルムファイナンス及びリース契約等につき、債務保証を行ったものです。なお、当該債務保証に対して保証料(369百万円)を受領しています。
  • ※4資金の借入につき、債務保証を行ったものです。なお、当該債務保証に対して保証料(149百万円)を受領しています。
  • ※5契約債務履行等につき、債務保証を行ったものです。なお、当該債務保証に対して保証料(109百万円)を受領しています。
  • ※6為替取引に対する信用補完を行ったものです。
  • ※7買収契約に関する支払義務の履行の一部につき、債務保証を行ったものです。なお、当該債務保証に対して保証料(467百万円)を受領しています。
(2)役員及び個人主要株主等

(単位:百万円)

種類 氏名 議決権等の所有(被所有)割合 関連当事者との関係 取引の内容 取引金額 科目 期末残高
役員 吉田 憲一郎 被所有直接0.0% 当社代表執行役 新株予約権の行使(※) 413
十時 裕樹 被所有直接0.0% 当社代表執行役 新株予約権の行使(※) 14
御供 俊元 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※) 16
神戸 司郎 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※) 70
安部 和志 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※1) 182
北野 宏明 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※) 32

取引条件及び取引条件の決定方針等

  • 2014年6月19日、2015年6月23日、2016年6月17日、2017年6月15日、2018年6月19日、2019年6月18日に開催された定時株主総会の特別決議により発行した会社法第236条、第238条及び第239条の規定にもとづく新株予約権の権利行使となります。
    なお、取引金額は当社に対する払込資本の金額であり、権利行使額に権利付与額を加算した金額を開示しています。

8.1株当たり情報に関する注記

  • 1株当たり純資産額 2,661円69銭
  • 1株当たり当期純利益 256円97銭

9.連結配当規制適用会社に関する注記

当社は連結配当規制適用会社です。

10.重要な後発事象に関する注記

(自己株式の消却)

当社は、当社取締役会から委任された当社代表執行役の決定により、以下のとおり、会社法の規定にもとづき、自己株式を消却しました。

  1. 消却した株式の総数:12,612,300株
  2. 消却日:2024年4月10日
(自己株式の取得枠設定)

当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法及び当社定款の規定にもとづき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。

  1. 取得し得る株式の総数:3,000万株(上限)
  2. 株式の取得価額の総額:2,500億円(上限)
  3. 取得期間:2024年5月15日〜2025年5月14日
  • 以下に記載の株式分割効力発生日(2024年10月1日)の後、上記①に記載の取得し得る株式の総数は、1億5,000万株(上限)となります。
(株式分割)

当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、以下のとおり、株式分割を行うことを決議しました。

  1. 分割の方法
    2024年9月30日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する当社普通株式を、1株につき5株の割合をもって分割します。
  2. 分割により増加する株式数
    株式分割前の発行済株式総数:1,248,619,589株
    今回の分割により増加する株式数:4,994,478,356株
    株式分割後の発行済株式総数:6,243,097,945株
    株式分割後の発行可能株式総数:18,000,000,000株
    ※上記発行済株式総数は、2024年4月末時点の発行済株式総数にもとづいており、株式分割の基準日までの間に、新株予約権の行使により増加する可能性があります。
  3. 分割の日程
    基準公告日:2024年9月13日
    基準日:2024年9月30日
    効力発生日:2024年10月1日
  4. 定款の一部変更
    上記の株式分割にともない、会社法第184条第2項にもとづき、当該株式分割の効力発生日である2024年10月1日に、当社の発行可能株式総数を36億株から180億株に増加する定款の変更を行います。
  5. 1株当たり情報への影響
    上記の株式分割が2024年3月31日に終了した1年間の期首に行われたと仮定した場合の1株当たり情報は、以下のとおりです。
    1株当たり純資産額 532円34銭
    1株当たり当期純利益 51円39銭