報道資料
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。
1996年4月15日
ソニーは、住友金属鉱山株式会社と共同で、リチウムイオン二次電池から、希少金属であるコバルトを取り出し、再資源化するリサイクルプロセスを確立しました。
リチウムイオン二次電池は、1990年ソニーが世界に先駆けて商品化発表を行って以来、高エネルギー密度・長寿命・メモリー効果が無い等多くの特長が評価され、カムコーダー、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の電源として、その需要が急速に拡大しています。
同電池の正極材には、地球上の貴重な資源であるコバルトが用いられており、ソニーと住友金属鉱山(株)は、共同で、その再資源化を実現するための技術開発と体制づくりに取り組んで参りました。その結果、同電池を焙焼した上で粉砕し、熱融解、酸溶解した後、溶媒で抽出する方法にて、コバルトを塩化コバルトにして取り出す技術の開発に成功しました。このリサイクルプロセスからは、塩化コバルトに加え、同電池に含まれている他の金属の内からも、鉄や銅のスクラップ、塩化ニッケルを取り出し、再利用することができます。
本リサイクルプロセスのうち、電池の焙焼までの処理をソニーが、それ以降を住友金属鉱山(株)が担当します。両社は、同プロセス用の処理設備を新たに開発し、ソニーのリチウムイオン二次電池製造工程で発生する廃材を用いて、同プロセスの検証を行ってまいりました。この度、約半年間にわたる検証の結果、実用性が確認されました。
このリサイクルプロセスの確立に伴い、ソニーは電池メーカーとして初めて、国内にて、使用済みリチウムイオン二次電池の回収を4月より開始しました。ソニーは、92年6月以来国内にて、ニカド電池を対象として使用済み二次電池の回収を行ってきておりますが、今回リチウムイオン二次電池を加え、回収対象となる二次電池の種類を増やしました。
同時に、使用済み二次電池の回収対象店舗数も拡大します。従来のニカド電池回収システムでは、サービスステーションや、営業組織を通じてソニー特約店約2,500店を対象に行ってきましたが、今回新たに、商品や資材などの輸送を担当しているソニーロジスティックス(株)の輸送ネットワークを有効活用し、ソニー特約店の回収対象店舗数を約6,000店にまで拡大します。
ソニーでは、回収を行う二次電池の種類を増やし、また、回収対象の店舗数を増やすことにより、使用済み二次電池回収システムを強化、拡大し、貴重な資源の再利用を推進してまいります。
住友金属鉱山株式会社
今回、開発されたプロセスにより、使用済みリチウムイオン二次電池からは、塩化コバルトの他に、塩化ニッケル、鉄/銅のスクラップが得られ、再び貴重な資源として利用することができます。