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報道資料
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1996年12月16日

650メガバイトの記憶容量を実現
MDデータ規格の大容量化を図った小型・大容量の4倍密度データ用MDを開発

4倍密度MDの表面拡大写真(左)
※右は現行MDデータの表面拡大写真

ソニーは、小型・大容量で可搬性に優れたデータ記憶媒体として、記憶容量650メガバイトを実現する"4倍密度MD"を開発いたしました。

現在、音楽用MDは、高音質・高速アクセスといった特長により、携帯用から車載用まで幅広い用途で市場が拡大しております。また、1993年にデータ記憶用として規格化された"MDデータ"(記憶容量140MB)は、書類を記録保存するパーソナルMDファイル「データ・イータ」など、家庭やオフィスの情報機器としても用途を拡げています。

今回開発した"4倍密度MD"は、従来の"MDデータ"をベースに高密度化を追求することにより、MDデータの約4.6倍の記憶容量650メガバイトを実現しています。高密度化は、記録再生用レーザー波長の短波長化とレンズ開口数拡大によるビームスポットの微小化、レーザーストローブ磁界変調技術、高密度磁性膜技術などの新技術を用いることにより、実現しました。本技術の確立により、CD-ROMと同じ650メガバイトの情報を、コンパクトなMDメディアに収めることができ、静止画像や動画像の記録・再生も自在に行えるようになります。

今後は、1997年春を目途に本技術に基づく規格を策定し、本技術の開発においてご協力をいただいているシャープ株式会社とともに、業界各社に向けて本技術の採用を広く呼びかけてまいります。

主な技術概要

  1. ビームスポットの微小化
    記録再生用レーザーの波長を650ナノメートル(従来は780nm)と短波長化するとともに、レンズ開口数を0.52(従来は0.45)と拡大することにより、ビームスポットの微小化を実現。これにより、トラックピッチ0.9μmで記録された信号を、正確に読み取ることができます。
  2. レーザーストローブ磁界変調技術
    記録磁界を変調する際のレーザー光を、タイミングに合わせてパルス照射することで、トラック間の干渉が少なくマージンの広い記録が実現できます。
  3. 高密度磁性膜技術
    高密度化に対応するため、溝形状および磁性膜の最適化を行い、高S/Nを達成しました。
  4. 信号処理技術
    パーシャルレスポンス、ビタビ復号、デジタルイコライザー等の技術を用いて再生能力が向上した結果、記録密度を上げた際にも安定した読み出しを可能とします。
  5. 高速転送レート
    データの高速転送技術の開発により、MPEG2レベルのデータの記録も可能となり、様々な画像アプリケーションに対応できます。
  6. 現行MDデータとの互換性
    ディスクを現行MDデータと同じ1.2mmとしたことにより、光学系を共通化することができ、4倍密度MDを採用したシステムで現行MDデータディスクの記録・再生ができるように考慮されています。

主な仕様

記憶容量 650MB
データ転送レート 580kB/s
セクターサイズ 2048B
記録データ単位 32kB
カートリッジ寸法 68×72×5mm(縦×横×高さ)
ディスク直径 64mm
ディスク厚 1.2mm
トラックピッチ 0.9μm
レーザー波長 650nm
レンズ開口率 0.52
記録方式 磁界変調ダイレクトオーバーライト方式
ディスク線速度 2.05m/s
信号変復調方式 RLL(1, 7)
エラー訂正方式 二重化リードソロモン符号

参考

現行"MDデータ規格"について

(規格完成) 1993年7月
記憶容量 140MB
データ転送レート 150kB/s
セクターサイズ 2048B
記録データ単位 64kB
カートリッジ寸法 68×72×5mm(縦×横×高さ)
ディスク直径 64mm
ディスク厚 1.2mm
トラックピッチ 1.6μm
レーザー波長 780nm
レンズ開口率 0.45
記録方式 磁界変調ダイレクトオーバーライト方式
ディスク線速度 1.2m/s
信号変復調方式 EFM
エラー訂正方式 ACIRC
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