SONY

報道資料
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。

1997年3月6日

カセット1巻に108ギガバイトのデータを約1時間半でバックアップ(記録)できる 高性能1/2インチテープドライブ 発売

併せて小型ライブラリーシステムも商品化

デジタル インフォメーション レコーダー
『GY-2120』

ソニーは、コンピューターデータの高速バックアップや、アーカイブ(検索可能な蓄積)用途に向けて高性能テープドライブ『GY-2120』を発売します。コンピューター性能向上による処理速度の高速化、ストレージの大容量化にともない、大規模なデータのバックアップ、アーカイブを短時間で行いたい情報処理ユーザーの方に最適なモデルです。
今回発売する『GY-2120』は、1/2インチテープを記録媒体とするDTF(Digital Tape Format)フォーマットを採用、非圧縮時で12MB/秒の高速データ転送が可能です。カセット1巻に42GB(Lカセット使用)のデータを記録することができ、更にデータ圧縮※1)を用いることによって108GB※2)のデータを同カセットに約1時間半で書き込むことができます。
また、ドライブとして『GY-2120』を搭載し、約1TB(テラバイト)のデータを保管/処理できる小型ライブラリーシステム『DMS-B9』も併せて発売します。

型名 発売日 価格(税別)
デジタルインフォメーションレコーダー
『GY-2120』
1997年4月1日 440万円

DTFフォーマットは、96年12月に欧州電算機製造業者協会(ECMA)※3)にて認定された標準フォーマットです。『GY-2120』は、このDTFフォーマットに準拠する当社のテープドライブの第2世代機で、本体サイズや経済性、データ圧縮等、様々な点で性能を向上させました。またDTFフォーマットは、今後一層の高密度化を図ること等により、現行DTFテープとの再生互換を保ちながらの、倍容量/倍速化も計画されています。

  • ※1ALDC(Adaptive Lossless Data Compression )方式を採用。平均圧縮比は1:2.59(ALDC規格ホルダーであるIBM社の公表資料より)。
    圧縮比はデータの反復度合い等により変動します。尚、 SCSI-2規格の制限により、圧縮時の転送レートは実測最高値の18MB/秒を用いています。
  • ※2108GBは約200年分の新聞の文字データに相当。
  • ※3欧州における情報通信産業の標準規格審議を行う国際団体。1961年に設立された。

『GY-2120』の主な特長

  1. データ圧縮の採用により、1巻108GBの大容量データの保管を実現
    Lカセット(型名「GW-730L」)1巻で、非圧縮時には42GB、実績のあるALDC (Adaptive Lossless Data Compression ) 圧縮を用いて、108GBのデータ保管を実現しました。
  2. 12MB /秒の高速データ記録
    業界最高域の12MB/秒の転送速度でテープ上に記録することが可能。大規模なデータのバックアップ、アーカイブを短時間に行うことができます。圧縮時には108GBのデータを約1時間半で処理することが可能です。
  3. 高信頼性メカニズムの採用
    中心となるテープトランスポート部に、全世界で35万台の販売実績のある放送業務用 VTR"ベータカム"シリーズのヘリカルスキャン技術を採用。 高い信頼性と耐久性を確保しながら、大量のデータの高速記録再生、機器間での優れた テープ互換性を実現しました。
  4. DTFフォーマット採用による確かな将来性
    2リールを用いたカセットを使用することで、データへの高速アクセス、中間点ローディング、高速サーチ等が可能なDTFフォーマットを採用。今後、記録時の高密度化、データ圧縮の高効率化等により、一層の大容量/高速化への発展が可能です。容量や転送速度の向上後にも、過去に蓄積したデータカセットを、上位機で高速読み出しができる等、優れた発展性を持っています。
  5. 1ボックスのコンパクトボディー
    コントローラー部とドライブ部の一体化、また回路の大幅な高集積化、部品点数の削減等により、従来機と比べて約30%の小型化を実現(体積/重量比とも)し、システムの構築、データライブラリーへの組み込み等が容易になりました。
  6. "PetaSite(ペタサイト)"の一層の大容量化
    既発売の超大容量データストレージシステム"PetaSite"に本機を搭載する事により、一層の大容量化が可能。従来機を用いた場合の2.3PB(ペタバイト)容量から6.0PB(圧縮時)まで向上させることができます。
  7. 小型ライブラリーシステムも併せて商品化
    数100GBから約1TB規模のデータバックアップ、アーカイブ用途に、『GY-2120』を 搭載できる小型ライブラリーシステム『DMS-B9』を併せて発売します
型名 発売日 価格(税別)
オートローダー
『DMS-B9』
1997年4月1日 280万円
  • 9巻のカセット収納により、最大378GB(圧縮時:最大972GB)のデータを保管
  • 収納されるカセットは、LカセットとSカセットの混在が可能
  • 内蔵のバーコードリーダーで、各カセット上の管理データを読むことができるため 、ライブラリーの外部に保管するカセットのデータ管理も容易
  • 標準的なオフィスの机の下部に納めることができる高さ(660mm)
  • 市販のバックアップソフトウェアやソニー製のHSMソフト"PetaServe(ペタサーブ)"を用いて、自動処理による、大規模容量を生かしたバックアップ、アーカイブシステムの構築が可能

『GY-2120』の主な仕様

フォーマット規格 ECMA-248(DTF-1)
データ容量 Lカセット( GW-730L ) 42GB、108GB(圧時)
Sカセット( GW-240S ) 12GB、31GB(圧縮時)
データ転送レート 12MB / s (Sustain ) max.、20MB / s (Burst ) max.
インターフェース SCSI-2 Fast and Wide (Differential又はSingle-Ended)
エラーレート 10-17以下 ( ECC with Retry )
サーチタイム 標準の25倍速 ( 300MB / s ) max.
リポジショニングタイム 13 Sec以下
リワインドタイム Lカセット 約180 Sec、 Sカセット 約60 Sec
質量(本体重量) 18kg
外形寸法 315(W) × 486(D) × 220(H) mm
カセット外形寸法 Lカセット (254×145×25)mm
Sカセット (156×96×25)mm
電源 90〜264V 50 / 60 Hz ±10%
消費電力 200W(最大)

『DMS-B9』の主な仕様

データ容量 Lカセット9巻 378GB、972GB(圧縮時)
Sカセット9巻 108GB、279GB(圧縮時)
アクセス時間 20sec以下
コントロールインターフェース SCSI-2 Fast and Wide (Differential又はSingle-Ended)
外形寸法 424(W)×850(D)×660(H)mm
質量(本体重量) 58kg
消費電力 40W(最大:DMS-B9のみ)
このページのトップへ