SONY

報道資料
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1997年5月20日

CDサイズ(12cm)で片面12ギガバイトの記憶容量を達成
記録・再生が可能な大容量光ディスクの基本技術を確立

波長515nm/出力20mw 青緑色半導体レーザー

ソニーは、新開発の高出力青緑色半導体レーザーや、レンズの高開口数に対応した光透過保護層厚0.1mmのディスク構造の採用などにより、直径12cmのCD(コンパクトディスク)サイズに片面12ギガバイト(GB)の記憶容量で記録・再生が可能な『次世代大容量光ディスク』の開発に成功しました。

今回開発した『次世代大容量光ディスク』は、波長515ナノメートル(nm)/出力20ミリワット(mW)の"高出力青緑色半導体レーザー"の使用や、レンズ開口数の拡大(NA=0.85)により、ビームスポットの微小化を可能としています。併せて、レンズの高開口数に対応した光透過保護層厚0.1mmのディスク構造と、保護層側から記録・再生する方式を採用することでディスクの傾きによる収差を低減し、読み取りエラーの低減や記録密度の向上を図っています。
また、青緑色半導体レーザーの高出力化とともに、結晶と非結晶の反射率の違いによって記録する"相変化材料"、または磁界変調書き込みによって記録する"光磁気材料"を記録膜に使用し、再生のみならずデータを記録することが可能です。
これらの技術により、単位平方インチあたり9.5ギガビット(Gbit)の記録密度※1を実現し、CDサイズ(直径12cm)に片面12GBの容量で記録・再生する技術を確立しました。

本技術の確立により、アクセスが速く取り扱いが便利な光ディスクへの、ハイビジョンのような大容量の映像信号の記録※2も可能となり、新たなAVライフを提案できると確信しています。
今後は、半導体レーザーの長寿命化やフォーマットの確立など、実用化に向けた開発を進めるとともに、波長約410nmの青色半導体レーザーを用いることによる更なる大容量化(理論的に片面18GB/両面36GBが可能)についても開発を行ってまいります。

  • ※1CDの記録面密度は730Mbit/inch2、DVDは3.2Gbit/inch2です。
  • ※212GBの記憶容量には、圧縮にMPEG2を用いた場合、HDTVレベル(転送レート18Mbps)の映像で約1.2時間、NTSCレベルの映像(転送レート4Mbps)で約5時間の記録が可能です。

主な技術概要

  1. 高出力青緑色半導体レーザーによる高密度化
    セレン化亜鉛(ZnSe)材料を用いた新開発の高出力青緑色半導体レーザー(波長515nm/出力20mW)と、開口数0.85のレンズの使用により、ビームスポットを直径約0.7ミクロンに微小化しました。これにより、CDの10倍以上で単位平方インチあたり9.5Gbitの記録面密度を実現し、CDサイズの片面で12GBの記憶容量を達成しました。
  2. 光透過保護層厚0.1mmのディスク構造
    高開口数レンズに対応した光透過保護層厚0.1mmのディスク構造と、保護層側から記録・再生する方式を採用することで、ディスクの傾きによる収差を低減し、読み取りエラーの低減や記録密度の向上を図っています。また、両面に記録膜を形成することが可能で、波長515nmの青緑色半導体レーザーを用いた場合には両面で24GBの記憶容量が実現できます。
    なお、将来的に窒化ガリウム(GaN)青色半導体レーザー(波長約410nm)を用いた場合には、理論的に片面18GB/両面36GBの記憶容量が実現可能です。
    ※光ディスクの容量は(開口数/レーザー波長)の2乗に比例する。
  3. 記録膜
    青緑色半導体レーザーの高出力化と併せて、結晶と非結晶の反射率の違いを利用して信号を記録する"相変化材料(ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GeSbTe)等)"、または磁界変調方式を用いてレーザーで書き込みを行う"光磁気材料"などを記録膜に使用することで、再生のみならず信号を記録することが可能です。

主な仕様

記憶容量 12GB/面
レーザー波長/出力 515nm/20mW
レンズ開口数 0.85
ディスク直径 120mm
ディスク厚 1.2mm
保護層厚 0.1mm
トラックピッチ 0.40μm
ビット長 0.17μm/bit
記録面密度 9.5Gbit/inch2
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