SONY

報道資料
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1997年10月22日

大容量 光ディスクレコーダー 開発

CDサイズ(直径12cm)で片面8〜12GBの記憶容量を実現

大容量 光ディスクレコーダー

ソニーは、新開発の高密度光ディスク(本年5月20日に基本技術を発表)を用いて、直径12cmのCD(コンパクトディスク)サイズに相変化記録で片面8GB(赤色レーザー:波長635nm)および12GB(青緑色レーザー:波長515nm)の記憶容量を持つ、書き換え可能型「大容量光ディスクレコーダー」を開発しました。また、光磁気記録方式についても片面10GB(赤色レーザー:波長635nm)光磁気ディスクの基本技術を確立しました。

今回開発した大容量光ディスクレコーダーは、光透過保護層厚0.1mmのディスク構造を持つ相変化光ディスクに、レンズ開口数の拡大(NA=0.85)によりビームスポットを微小化して記録・再生するものです。赤色レーザーおよび青緑色レーザーを用いて、それぞれ片面8GBと12GBの記憶容量を達成し、MPEG2のデジタル圧縮により高画質な画像の長時間記録※1を可能にしました。

記録膜には、結晶と非結晶の反射率の違いによって記録する相変化材料(ゲルマニウム・アンチモン・テルル(GeSbTe))を採用しました。また信号検出方式としてPR(121)ML※2を採用、変調符号として(1,7)RML※3、誤り訂正符号としてTIRC※4を開発して、高密度記録再生とデータの高信頼性を実現しました。

一方、光磁気記録方式に関しては、記録膜に光磁気記録材料(テルビウム・鉄・コバルト(TbFeCo))を採用、また新たに対物レンズ・磁気コイルを一体化した光磁気ヘッドを開発するなど、磁界変調書き込みにより片面10GBの大容量を実現する基本技術を確立しました。

今後、家庭用として使い易い機能の実現など実用化に向けた開発を進めるとともに、フォーマットの確立などに努力してまいります。

  • ※1例えば、映像および音声を含むトータルの転送レート6Mbpsで、8GBのディスクでは3時間、12GBのディスクでは4時間半のNTSCの映像と音声を記録することができます。
  • ※2PR(121)ML検出方式
    ハードディスク等に使われているPRML(Partial-Response Maximum-Likelihood)方式を本仕様の光ディスクに最適化した信号検出方式。
  • ※3(1,7)RML……Repeated Minimum transition run-length Limited code
    デジタル信号(0,1)が反転するまでの長さに制限を加えることでメディアの記録特性を有効に活用するRLL(Run-Length Limited)符号と、PR(121)ML検出方式を組み合わせることで高密度記録に対応した変調符号。
  • ※4TIRC……in-Track Interleaved Reed-Solomon Code
    光ディスク等で使われているInterleaved Reed-Solomon符号をベースにデータブロックサイズを大きくとること等で誤り訂正能力を高めた符号。

主な仕様

相変化ディスク(試作)について
レーザー波長 635nm(赤色レーザー), 515nm(青緑色レーザー)
レンズ開口数 0.85
ディスク直径 120mm
ディスク厚 1.2mm
記憶容量 8GB(635nm),12GB(515nm)
トラック方式 ランド・グルーブ記録
トラックピッチ 0.50μm(635nm),0.40μm(515nm)
ビット長 0.21μm(635nm),0.17μm(515nm)
記録面密度 6.1Gbit/inch2 (635nm)
9.5Gbit/inch2 (515nm)
レコーダー(試作機)について
信号検出方式 PR(121)ML
変調符号 (1,7)RML
誤り訂正符号 TIRC
画像圧縮方式 MPEG2
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