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報道資料
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1997年10月14日

ソニーと富士フイルム、現行3.5型フロッピーディスクシステムと互換性を持つ
大容量200MBの3.5型フロッピーディスクシステム『HiFD』を共同開発

大容量200MB 3.5型フロッピーディスクシステム『HiFD』

ソニー株式会社(代表取締役社長:出井伸之)と富士写真フイルム株式会社(代表取締役社長:宗雪雅幸)は、両面で200MB(メガバイト)と3.5型フロッピーディスクシステムで最大容量を持つ新システム『HiFD』※1を共同開発しました。

ソニーと富士フイルムは、それぞれが所有する磁気記録技術により業界で先駆的役割を果たしてまいりました。ソニーは、1980年に3.5型フロッピーディスクシステムを開発し、現在ではコンピューター関連機器のみならず広く採用されています。
富士フイルムは、1992年に超薄層塗布型メタルメディア技術(ATOMM技術)を開発し、多くの大容量磁気記録システムの実現に貢献しています。また両社は、メディアメーカーとして長年にわたり高品質な記録メディア商品を安定供給しています。

近年、パーソナルコンピューターの処理能力の急速な発達や、扱う情報量の大幅な増大にともない、大容量かつ高速のデータ転送速度を備えた、より高性能な新しいデータ記録システムに対する要望が高まっています。一方、現在の3.5型フロッピーディスクは手軽に使える記録メディアとして世界中に広く普及しており、これらのディスクを今後も利用し、蓄積された膨大なデータを読み出して再活用できることも新システムに求められています。

今回開発した3.5型フロッピーディスクシステム『HiFD』は、これらの要望に応えるため、両社の先進的技術を結合させ、「200MBの大容量」「3.6MB/secの高速転送速度」「現行の3.5型フロッピーディスクとの記録・再生が可能な下位互換」を実現した、次世代の大容量フロッピーディスクシステムです。

主な特徴

  1. 大容量200MB
    新たに開発した超薄層塗布型メタルディスクと、デュアル ディスクリート ギャップ ヘッド※2の採用により、大容量フロッピーディスクとしては最大の200MBを実現しました。画像や音声のような大容量のデータファイルを容易に取り扱うことができます。
    ※ 3.5型フロッピーディスク(2HD)の記憶容量…1.44MB(フォーマット時)
  2. 高速転送速度と高速アクセス
    高い線記録密度と、3600回転/分(rpm)の高速ディスク回転により、最大3.6MB/secの高速転送速度を実現しました。また、デュアル ディスクリート ギャップ ヘッドをハードディスクと同様の浮上型※3にし、同時にヘッドの駆動にはボイスコイルモーター※4を採用したことで高速アクセスが可能です。
    ※ 3.5型フロッピーディスク(2HD)の転送速度…約0.06MB/sec
  3. 現行3.5型フロッピーディスクとの記録・再生互換
    デュアル ディスクリート ギャップ ヘッドにより、現行の3.5型フロッピーディスクとの記録・再生互換を実現しました。本システムを採用したドライブで現行の3.5型フロッピーディスク(2DD/2HD)からデータの読み出しができるだけでなく、書き込みも可能なため、現在ユーザーが数多く所有している3.5型フロッピーディスクを有効に利用できます。
  4. 高信頼性
    ヘッドローディングをソフトに行う新機構の開発により、ディスクの摩耗を低減しました。また、エラー訂正機能の搭載により高い信頼性を確保しています。
    加えて、カートリッジには新しいシャッター形状を採用し、チリや埃が内部に進入しにくい構造になっています。

ソニーと富士フイルムは、1998年春を目標に本システムの実用化を目指します。
本システムの基本仕様については、すでにアルプス電気株式会社、ティアック株式会社よりご賛同を頂いております。また今後、PC、ドライブメーカー各社に本システムを広く提案してまいります。

なお両社は、本年11月17日〜21日に米国ラスベガスにて行われるコンピューター関連機器の展示会COMDEX/Fall'97に、本システムを出展する予定です。

主な仕様

記憶容量 両面200MB(フォーマット時) 両面240MB(未フォーマット時)
ディスク直径 86mm
シェル外形寸法 94mm×90mm×3.3mm(3.5型)
トラックピッチ 9μm
トラック密度 2,822tpi(111tpmm)
線記録密度 72—91kbpi(2.83-3.58kbpmm)
変調/復調方式 PRML(16-17code)
転送速度 最大3.6MB/sec
  • ※1『HiFD』
    …呼称 「ハイ エフ ディ」。High Capacity Floppy Disk の略。
    『HiFD』はソニー株式会社の商標。
  • ※2デュアル ディスクリート ギャップ ヘッド
    …本システムのドライブに搭載される磁気ヘッドは、高密度記録用の狭いギ ャップと、現行3.5型フロッピーディスク用の広いギャップの両方を有している。
  • ※3浮上型(ヘッド)
    …ディスクの回転によりヘッドが浮上するため、記録・再生時に、ディス クとヘッドが接触しない。接触型のヘッドに比べて、ディスク、ヘッド双方の摩耗が低減されるため高寿命、高信頼性につながる。
  • ※4ボイスコイルモーター
    …本システムにおいては、ヘッドの駆動にリニアタイプのボイスコイルモー ターを用いることにより、高速ランダムアクセスを実現できる。従来の3.5型フ ロッピーディスクドライブに比べ、3〜4倍程度高速化が可能である。
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