報道資料
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1998年5月14日
日欧8社 家庭内ネットワーク対応AV機器のための"HAVi"基本仕様を策定
グルンディヒA.G.
株式会社日立製作所
松下電器産業株式会社
フィリップス エレクトロニクスN.V.
シャープ株式会社
ソニー株式会社
株式会社東芝
トムソン マルチメディアS.A.
グルンディヒA.G.、株式会社日立製作所、松下電器産業株式会社、 フィリップス エレクトロニクスN.V.、シャープ株式会社、ソニー株式会社、 株式会社東芝、トムソン マルチメディアS.A.は、家庭内ネットワーク対応AV機器のための仕様として、このたびHAVi(Home Audio/Video interoperability)基本仕様を策定致しました。今後、積極的にAV業界、マルチメディア業界に対し採用を呼びかけてまいります。
近年のデジタルAV機器市場の顕著な成長によって、将来、ユーザーがこれらの 機器を接続して個々の家庭内にネットワークを構築できる時代が来ると予想されています。 家庭内ネットワーク上の機器が連携して動作するには、各機器にネットワーク制御・管理 のためのミドルウェア※1が必要です。さらに、異なるメーカーの機器を接続した場合でも、 ネットワークが正常に動作し、機器の相互運用ができるためには、そのミドルウェアが 準拠すべき共通の仕様が不可欠です。
今回8社がHAVi基本仕様を策定したことにより、この仕様を採用したAV機器で構成される家庭内ネットワークでは、ユーザーは下記のような利便性を得ることができます。
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A )プラグアンドプレイ
ユーザーが、様々な機器を、IEEE1394などのデジタルインターフェースで接続するだけで家庭内ネットワークを構築することができます。このネットワークに、たとえば新しく機器を接続したりまた取り外した場合でも、機器同士が通信し合ってネットワークが更新されたことを認識できるため、ネットワークはその機能を停止することなく、新しい機器配置に自動的に対応します。
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B )機器の相互操作性
本仕様に基づく機器は、相互接続や相互操作が可能なだけでなく、将来的にはネットワーク上の機器間で機能を共有することが可能です。たとえば、ある機器を操作することで、その機器が持たない他機器の機能を利用することも可能です。
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C )ネットワークの拡張性
将来の新しい家庭内ネットワークアプリケーションで使われる新しい機能を、ユーザーが既に利用している家庭内ネットワーク上で利用するための拡張性が用意されています。新たな機器・機能が開発された場合でも、すでに構築されたネットワークに機器を接続するだけで動作させることが可能です。
HAVi基本仕様において定義されている、主なソフトウエア要素は以下の通りです。
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1394 Communications Media Manager(CMM)
IEEE1394と各ソフトウエア要素間のインターフェースとして働きます。
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Event Manager(EM)
ネットワークの状態変化(例えば、ネットワークに新たに機器が接続されたり切り離されたりすること)を他のソフトウェア要素に知らせます。
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Registry
ネットワーク上にどんな機器が接続されているか、またその機器がどんな機能を持っているかなど機器に関する情報を保持・更新します。アプリケーション・プログラムはこのRegistryから必要な情報を入手します。
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Messaging System(MS)
ネットワーク上の各機器のソフトウェア要素同士がコミュニケーションするためのAPI (Application Programming Interface) ※2として働きます。
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Device Control Module(DCM)
機器の制御を行います。アプリケーション・プログラムはこのDCMを介して機器の制御を行います。このため、アプリケーション・プログラム自体は個々の機器の違いを考慮する必要がありません。
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DCM Manager
DCMの更新を行います。新しい機器がネットワークに追加接続されると、その機器に必要なDCMを新たに加え、ネットワークの更新に自動的に対応します。
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Data Driven Interaction(DDI)Controller
機器の表示部のGUI(Graphical User Interface)※3を担当します。テキストだけの表示 からグラフィックスの表示まで、多様なディスプレイに対応します。
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Stream Manager(SMGR)
ネットワーク上で映像や音声などのストリームデータ(連続したデータ)の流れを監視・管理します。
今回HAVi基本仕様を策定した日欧8社は、今後、AV業界、マルチメディア業界に 向けて、本仕様を広く提案してまいります。
なお、評価・検討の目的に限り、下記のURLにてHAVi基本仕様を今月中にも 公開致します。
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http://www.hitachi.co.jp/Prod/HAVi/
※現在はアクセスできません
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http://www.panasonic.co.jp/corp/HII/AV-IOP.html
※現在はアクセスできません
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http://www.sv.philips.com/news/press
※現在はアクセスできません
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http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/980514.htm
※現在はアクセスできません
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http://www.sony.co.jp/HAVi/
※現在はアクセスできません
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日欧8社 家庭内ネットワーク対応AV機器のための”HAVi”基本仕様を策定 | ニュース | 東芝
上記URLでのHAVi基本仕様の公開は、評価・検討の目的に限定したもので、特許、著作権、その他の知的所有権についてのライセンスを意味するものではありません。 本仕様のライセンス条件については、1998年10月を目処に検討を進めてまいります。
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※1ミドルウエア
アプリケーションなどで共通に使われる機能などを(アプリケーションごとに別々に持つことをせず)まとめてアプリケーションとOSの間に配置させたソフトウエア。
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※2API(Application Programming Interface)
アプリケーションとOSやミドルウエアなどとの間に位置するインターフェース。
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※3GUI(Graphic User Interface)
ユーザーが、コマンドを入力する代わりに、グラフィックスの分かりやすいという特性を利用して、画面上のアイコンなどをクリックすることで簡単にソフトウエアを利用できるようにしたユーザーインターフェース。
<参考資料> HAVi基本仕様の概要について
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1394 Communication Media Manager (CMM)
:1394コミュニケーション・メディア・マネジャー
CMMは、IEEE1394と他のソフトウェア要素あるいはアプリケーションプログラムの間のインタフェースとして働きます。主な機能は、以下の2つです。1)他機器との間で命令を送信/受信するための伝送機構を提供したり、2)Busの動作状態を把握し、その情報を他のソフトウェア要素に提供します。
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Event Manager (EM):イベントマネジャー
EMは、家庭内ネットワークの 状態変化のようなイベントを他のソフトウェア要素に伝達する役目を果たします。特に、新しい機器の接続や切断が起こった場合には、EMがネットワーク上の各機器にその変化を報告します。これにより、プラグアンドプレイなどの利便性を実現できます。
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Registry:レジストリー
家庭内ネットワーク上のすべての機器に搭載されているソフトウエア要素の属性を記録します。各機器は、このRegistryを参照することで、ネットワーク上の他機器の基本的なソフトウエア要素の所在を確認できます。これは、異なる機器間の相互操作を可能に するものです。
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Messaging System (MS):メッセージングシステム
ソフトウエア要素間でメッセージを伝送する役割を果たします。したがって、メッセージ送り側と受け側では、互いに相手がネットワーク上の場所を知る必要はなく、メッセージ伝送はMSに任せることになります。
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Device Control Module (DCM):デバイス・コントロール・モジュール
機器の制御を行います。アプリケーションは機器とではなくDCMとやり取りします。 DCMはAPIとして機能するため、アプリケーションは個々の機器の特異性を気にする 必要がありません。この結果、家庭内ネットワーク上の機器は、他の機器の機能を認識でき、離れた場所からの他機器の操作が可能となります。
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DCM Manager:DCMマネジャー
ネットワーク上の各機器にDCMをインストールします。DCMマネジャーは、新しい機器が接続されると、新たなDCMをインストールすることにより、自動的にネットワークの変化に対応します。これにより、ネットワークが再構成されている最中でも、機器の動作を続けることができます。
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Data Driven Interaction (DDI) Controller:DDIコントローラー
機器のディスプレイに対しGUIを提供します。充分なGUIデータを有しており、このデータを用いてテキストデータ専用からグラフィックスまで様々な種類のディスプレイに対応できます。つまり、DDIコントローラーは、ユーザーと機器操作を助ける役目を果たします。
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Stream Manager (SMGR):ストリームマネジャー
複数の機器間での、映像や音声などの連続データ(ストリームデータ)のリアルタイム伝送を可能にします。SMGRは、機器内部および機器間の接続を管理します。また、ネットワーク資源を確保や解放を行ったり、ネットワーク全体の接続情報の提供を行いますし、ネットワークのリセット後の再接続をサポートします。