報道資料
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2000年3月30日
2000年度経営方針
ソニーは、ブロードバンド・ネットワーク時代の幕開けを控え、「人々の生活の場に、従来にない楽しみや便利さを提供する」ことのできる「Sony Dream World」の実現を目指しております。
ビジョンの実現に向け、ソニーは、昨年3月以来、エレクトロニクス事業の強化・再編を軸に、一連の企業改革を進めてまいりました。
この1年の成果を踏まえ、当社は、2000年度を「企業改革を加速する第二段階」と位置づけ、「既存事業の一層の効率化」、「IT技術の積極活用による経営プロセスの変革」、「新規ネット事業領域への積極的な挑戦」を同時に進め、グループの総力を挙げて、企業価値向上に努めてまいります。
具体的な、重点施策は、以下の通りです。
従来、本社は、エレクトロニクス、エンタテインメント、金融・保険などの事業を統括するグループ本社機能と、エレクトロニクス事業本社としての機能が混在しておりました。「統合と分極」を目指すグループ経営体制の強化を目的に、4月1日付けで、グループ本社の役割と責任を明確にします。
ネット事業展開の戦略的プラットフォーム構築に向けて、So-netとプレイステーション・ドットコムの2つのプロジェクトを、グループの総力を挙げて、推進してまいります。
So-netのサービス名で、1995年にインターネット・プロバイダーとして発足したSCNは、今後、放送コンテンツとインターネットを融合させた高付加価値サービスの提案を行なうなど、メディア・ブランドへと事業内容を拡大すると共に、グローバル化を進めてまいります。
これを実現する迅速な経営、企業買収・提携の検討、積極的な投資、優秀な人材確保、起業家育成に取り組んでまいります。合わせて、新規株式公開(IPO)も検討してまいります。
プレイステーション・ドットコムをブロードバンド・ネットワークのビジネス・プラットフォーム構築のためのドライビング・フォースと位置づけ、ソニーのブロードバンド・ネットワーク対応を加速してまいります。
なお、2月1日から、ネットを通じて、ソニー製品をネット・サービス、コンテンツと組み合わせ、ライフスタイルを提案するソニースタイル・ドットコムの事業を開始しました。
ネットワーク社会で、ますます重要性が高まるエンタテインメント事業を一層強化してまいります。具体的には、ブロードバンド・ネットワーク時代における映画、テレビ番組、音楽等のコンテンツバリューを高めていくため、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)並びにソニー・ミュージックエンタテインメント・インク(SMEI)の事業持株会社として、米国に ソニー・ブロードバンドエンタテインメント・インク(Sony Broadband Entertainment Inc.:SBE)を設立いたします。同社は、他社との戦略的アライアンスも視野に入れたコンテンツ制作、ネットワーク配信事業の強化に取り組んでまいります。
(株)ソニーファイナンスインターナショナル、ソニー生命保険(株)、 ソニー損害保険(株)、さらに準備中のネット銀行などの金融事業を、エレクトロニクス、エンタテインメントなどと並ぶ、基幹事業の一つと位置づけ、ネットワーク環境下での魅力的な金融サービス提供を目指します。
ネット環境下で、ソニーの本来の強みであるデジタル家電、急成長が見込まれるIT/通信融合商品カテゴリーで、新たなライフスタイルを提案してまいります。具体的には、(1) デジタルテレビ/セットトップボックス、(2) VAIOパーソナル・コンピュータ、 (3) モバイル端末、(4) プレイステーション2の4つのカテゴリーを、ネットワークへのゲートウェイ(入り口)と位置付けて、アプリケーション・サービスと結び付けることにより、ハードウェアの付加価値を高めてまいります。
合わせて、差別化の鍵となるディスプレィ・デバイス、半導体などの基幹デバイスの強化、ソニーグループ内外のコンテンツ企業、ネット企業との協力・連携を進めてまいります。
昨年来取り組んできた事業の集中と選択、生産事業所の再編、人員調整などの既存事業の構造改革は、引き続き着実に進めてまいります。
同時に、ビジネス・クリエーション・ユニットとしてのネットワークカンパニーの役割を確立すると共に、生産部門の生産性向上、効率的なサプライチェーン構築を目指して、市場に直結した新設計・生産体制 (Engineering, Manufacturing and Customer Services:EMCS) 構築に取り組んでまいります。
新体制では、ネットワークカンパニーは、ビジネス企画、技術・研究開発、商品企画、一部基本設計などの経営業務に専念し、商品設計、試作、資材・部品調達、生産技術、量産、品質管理、受発注・生産・在庫管理、物流、顧客サービスなどの設計・製造に関する業務を、2000年後半から、新設される設計・生産プラットフォーム会社に、段階的に移管いたします。