報道資料
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2000年5月25日
ハイビジョンニュース等取材制作機材は「HDCAM」フォーマットに
ソニーは、日本放送協会(以下、NHK)から、ENG(Electric News Gathering:電子ニュース取材)用ハイビジョン取材制作機材として、次世代「HDCAM」のカムコーダー(VTR一体型カメラ)やスタジオ用VTR、 プレーヤーなどの機材を長期的で大規模に受注しました。これらの機材は、今年12月から始まるBSデジタル放送用として、国内各地のNHK放送局や海外総支局に配備され、ハイビジョンニュースや番組の取材制作に活用される予定です。
今回の受注は、単一放送局へのハイビジョン機材納入としては過去最大で、これによって日本におけるハイビジョン放送の普及が、いっそう加速するものと予想されます。
NHKは、1964年の東京オリンピック以降、ハイビジョンの開発を積極的に推進し、世界にさきがけてその実用化に成功しています。「オリンピック」や「ワールドカップ」、それに「スペースシャトルから撮影したハイビジョン映像」など、ハイビジョンによる迫力と臨場感のある高精細映像は、各国の放送事業者や視聴者から高い評価を受けており、放送の新しい時代を予感させています。
今年12月から開始されるBSデジタル放送では、デジタルハイビジョンによる本格放送が行なわれることになっており、ハイビジョンの普及に大きな期待が持たれています。
今回納入される「HDCAM」ハイビジョン機材を使用して、NHKでは、「沖縄サミット」(7月)や「シドニー・ オリンピック」(9月)などの世界的イベントやニュース取材をハイビジョンで行いながら、12月のBSデジタル放送本番を迎え、ニュースや番組をハイビジョン放送すると共に、“時代を遺す"映像資産を、デジタルハイビジョンで保存していく予定です。
次世代「HDCAM」カムコーダーは、その解像度や感度、操作性や信頼性などの向上に加え、当社従来機種比質量約30%、体積約20%削減という小型軽量化を実現しました。こうしたENG用途として必須条件である機動性の向上を図ったことが評価されました。また、スタジオ用VTRは、従来のベータカムフォーマットの再生互換機能を持つため、放送局が蓄積してきた過去の映像資産を、ハイビジョンニュースや番組制作で容易に継続利用することができることも評価のポイントとなっています。
「1125/1080方式」によるHD方式は、昨年国際電気通信連合(ITU)無線通信部門において、世界標準仕様として決議され、今後世界各国での普及が期待されています。米国では昨年、デジタルHD放送がスタート、 当社の「HDCAM」はすでに米CBSやNBCなどへ導入されています。また、将来のHD放送や高画質映像の保存に備え、CCTV・中国中央電視台や中南米最大手のメディアグループであるメキシコのテレビサ・グループなど、世界各国の放送局で「HDCAM」導入が決定しています。その結果、「HDCAM」はHDフォーマットとして最大の約2000台(2000年3月時点)の販売実績を有しています。
さらに、その優れた画像品質は、放送業界の他、ハリウッドなどの映画業界や広告業界などからも高い評価を受けており、映画フィルムと同コマ数での撮影が可能な「HDCAM24P」が積極的に利用され始める など、さまざまな業界で当社「HDCAM」の利用が拡大しています。ソニーの「HDCAM」が、今まさに、“ハイビジョン時代の幕開け"を告げています。