報道資料
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2000年9月7日
「Sony Electronics (Wuxi) Co., Ltd.」
ソニーは、2000年8月22日付で中国江蘇(こうそ)省無錫(むしゃく)市にソニーグループ100%出資によるリチウムイオン・ポリマー二次電池の製造事業会社「Sony Electronics (Wuxi) Co., Ltd.」(董事長:嘉治健夫)を設立致しました。新会社は中国国内、海外市場向けに携帯電話等のモバイル機器に最適なリチウムイオン・ポリマー二次電池の製造をおこないます。2000年9月に工場の建設開始、2001年4月に稼動開始をそれぞれ予定しています。
リチウムイオン・ポリマー二次電池は、電解質にゲル状ポリマーを使用することで、液系リチウムイオン二次電池の優れた基本性能に加えて耐漏液性を大幅に向上、更に形状の自由度、薄型、軽量などの特長を併せ持ち、携帯電話やPDA等のモバイル機器の電源として有望視されている最先端デバイスです。一方、携帯電話市場は近年世界的に増大傾向にありますが、特に中国においてその伸びが目覚しく、2000年において既に普及台数が数千万台に達していると言われています。また、携帯電話の生産においても現地資本の他、日・米・欧合わせ外資系企業約10余社が既に中国に進出しており、高性能電池の現地生産/供給の重要性が高まっています。
工場予定地である無錫国家高技術産業開発区は、インフラ整備が行き届いているほか、無錫市によるさまざまな高いレベルのサービスが期待できます。加えて、無錫市は上海市から約100km(車で約1時間強の距離)にあること、中国における携帯電話の3大生産地域である華北地区、華東地区、華南地区全てへのアクセスに優れていることなど、リチウムイオン・ポリマー二次電池供給拠点として立地面での優位性があります。新会社での製造プロセスは、日本から輸入する電極素材へのゲルポリマー塗布工程から電池セル製造までをおこないます。初期投資額は約2,300万USドルを予定しています。生産開始当初は月産約200万本体制でスタートし、中国国内及び海外市場向けに製品を提供していきます。
今回の中国におけるリチウムイオン・ポリマー二次電池の本格的な量産は、外資系企業として初の取り組みになります。この製造事業会社設立により、研究開発及び主に日本・アジア向け製造拠点であるソニー福島を中心とした国内製造事業所、主に北米・欧州向け製造拠点であるメキシコのソニー・ヌエボ・ラレード(SNL)と合わせ、リチウムイオン・ポリマー二次電池において、日本、北米、中国の世界3極生産体制を確立します。ソニーは、リチウムイオン・ポリマー二次電池の需要拡大に合わせ、今後一層グローバルな生産供給体制強化を図ってまいります。