ソニー株式会社は、8ミリ幅テープを採用した“AIT-1（Advanced Intelligent Tape）” 規格準拠のテープドライブ『SDX-400C』を発売します。なお本機は、パソコンメーカーやシステムインテグレータ 向けのOEM専用モデルです。

“AIT-1”規格は、8ミリ幅カセットテープを用いたテープドライブシステムとして1996年にソニーが商品化、多くの企業のサーバシステムなどにおけるデータバックアップやアーカイブ（検索可能な蓄積）システムとして利用されています。また1998年には、より高容量を実現した上位規格“AIT-2”規格を導入、“AIT-1”規格とあわせて既に10万台を超える（2000年3月現在）累計販売台数を達成するなど、大容量テープドライブシステムとして確固たるポジションを築きつつあります。

今回発売する『SDX-400C』は、“AIT-1”規格に準拠したハイコストパフォーマンスモデルです。1巻あたり最大35GB（非圧縮時）におよぶ大容量データ記録や毎秒最大4MBの高速データ転送を実現、データバックアップ／アーカイブメディアとしての優れた特長を有しています。また、コンパクトで取扱い易いカセットにより、テープドライブの外形寸法を3.5" フォームファクターサイズ（幅101.8×高さ41.2mm）で実現、パソコンやサーバへの組み込みを容易にしています。

『SDX-400C』の主な特長

1.コンパクトながら非圧縮時35GB、1/2.6圧縮時90GBの記録容量を実現

記録媒体には8ミリビデオテープと同サイズのコンパクトなカセットテープを採用し、非圧縮時で最大35GB（SDX1-35C使用時）の記録容量を実現しています。また、圧縮時にはALDC（Adaptive Lossless Data Compression）を用いることにより、最大90GB（同テープ使用時、1/2.6圧縮時）の大容量記録が可能です。

2.非圧縮時毎秒4MB、1/2.6圧縮時毎秒10MBの高速データ転送速度

ドラム回転速度を従来より約30％高速化することにより、最大4MB／秒（非圧縮時）の高速データ転送速度を実現、35GBのデータを約2.5時間でバックアップまたはリストアできます。

3.コンピュータ用途に専門設計された高信頼性・高耐久性メカニズム

ヘッドとメディア間の摩擦を抑え、コンピュータ用途に専用設計された走行メカニズムや電気テンションセンサーの採用などにより、MTBF（平均故障間隔）25万時間(デューティ サイクル 100%)、ヘッド寿命5万時間、メディアパス3万回の高信頼性・高耐久性を実現しています。

4.セルフクリーニング機能

AITフォーマットは、メカニズムやテープの磨耗を極限まで減らす設計思想を貫いておりますが、その一つとして、ヘッド部の汚れを抑えエラーの発生を低減する自動クリーニング機能を搭載しています。

5.パソコンやサーバへの組み込みが容易な3.5" フォームファクターサイズ

省スペースストレージシステムとして定評のあるDDSドライブ（当社SDT-11000など）と同じ3.5" フォームファクターサイズ（幅101.8×高さ41.2mm）を実現しています。パソコンやサーバで最も標準的な組み込みサイズに対応することで、省スペースでの大容量記録を容易に可能にします。

当社では、今後一層の市場拡大が予想されるストレージ市場に向けて、優れたコストパフォーマンスを持つ「AIT-1」ドライブに加え、50GB（圧縮時130GB）の大容量記録が可能な「AIT-2」を積極的に推進、更には来る100GB時代に備え、より大容量記録が可能な「AIT-3」規格の開発を積極的に進めます。

『SDX-400C』の仕様