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報道資料
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2000年10月6日

「環境効率2倍」を目標に「中期環境ビジョン」を新規に策定

ソニーは持続可能な循環型経済の発展を目指し、環境対策に対するグループの基本姿勢を示した「中期環境ビジョン」を新たに策定しました。これは2002年度をターゲットに数値目標を定めて進めてきた環境行動計画「Green Management 2002」よりも上位に位置付けられる基本理念から具体的な数値目標までを含む包括的なシナリオであり、ソニーグループとして「環境効率2倍」を目標に掲げます。

環境問題に対する消費者の意識の高まりはいうまでもなく、「環境対策」による企業の格付け、さらにエコファンドの台頭などにも象徴されるように、環境に関心を示すステークホルダーの層が広がっています。さらに各国で環境税やCO2排出権取引などが導入される動きもあり、社会的責任をまっとうする意味での環境対策にとどまらず、今後は経済性という観点からも環境対策がいっそう重要な位置を占めてくるものと思われます。

持続可能な経済の発展のためには、企業経営にあってエコロジー(環境配慮)とエコノミー(経済性)とを両立させることが不可欠であり、早い段階からそうした概念が経営に反映されているかどうかが中長期的な企業価値を左右するものとソニーでは考えています。

「中期環境ビジョン」はこうした概念から具体的な数値目標に至るまで、ソニーの今後の中期的な環境行動の全体像を示すものです。
 概要は以下のとおりです。

1. ビジョン

  • ソニーは地球環境保全が21世紀における人類の最も重要な課題であると認識します。
  • ソニーはたゆまぬ技術革新と創造的なビジネスの展開を通じて、地球環境保全と将来世代の夢が守られる持続可能な社会の実現に向け、積極的に貢献します。
  • ソニーは、あらゆる生命の生存基盤である地球環境の重要性を認識し、持続可能な経済発展をグループの最優先課題として取り組んでいきます。私たちの子どもや孫など将来の世代が、健康で豊かで平等で幸せな生活ができるように、この地球の限りある資源を大切に使っていきます。
  • ソニーは、お客様に品質が高く性能に優れた商品、サービスを提供しつつ、エネルギーと資源の利用から生じる環境負荷を着実に減らします。少ない資源を使って、大きな付加価値を生み出すことで、人類と自然とが調和できる新たな道を模索します。

私たちは複雑に広がる環境問題についてグループ社員全員が勉強を続けます。そして、ステークホルダーの方々と密接に協力し合い、今日の世界がより良い環境へ向かうよう努めます。

2. 持続可能な社会へ向けてのコミットメント

ソニーは、全世界で新規ビジネスの企画から商品開発、製品の販売・使用、サービス、廃棄という製品ライフサイクルにおける全ての事業活動で持続可能な社会に向けた配慮をします。

  1. 新たなビジネスの企画
    新規ビジネスの立ち上げにあたっては、企画構想書にできる限り環境への配慮を組み入れ、環境への負荷を削減するような革新的なビジネスモデルの開発に挑戦し、持続可能な成長を目指します。
  2. 研究開発
    ソニーは環境保全に寄与するオリジナリティにあふれた技術開発に挑戦し続けます。全ての製品、サービスの資源生産性・環境効率の向上を目指し、品質の概念に持続可能の考え方、環境配慮を統合します。
  3. 製品設計
    ソニーの独創的な技術力を活かし、全ての製品、サービスに対して「ゆりかごからゆりかごまで」の考え方の実現を目指します。環境保全に寄与する製品及びサービスの設計を進めます。
  4. 製造工程及び事業所の管理
    工程、事業所、オフィスにおける環境負荷の削減を絶えず図っていきます。製造事業所でも非製造事業所でも環境マネジメントシステムを継続的に改善します。資源循環型の生産をすすめ、ゼロエミッションを目指します。
  5. 流通、販売、マーケティングとサービス
    製品、サービスに関する包装、輸送、販売、サービス活動での環境負荷を最小化します。輸送における資源生産性を向上させ、お客様にサービスと製品に関して環境配慮の情報を提供するように努め、持続可能な社会の実現に向け、環境マーケティングに挑戦します。
  6. 使用済み製品の再資源化
    使用済み製品に関する責任を認識し、ソニーは、商品の回収、リユース、リサイクルを積極的に推進します。廃棄物を前向きに再資源化し、その資源をグループ内や地域社会と協力し再利用に努めます。
  7. 情報開示とコミュニケーション
    ソニーはステークホルダーの方々に正直に、公平に、広くタイムリーに環境に関する情報を提供し、対話を重ねます。社内外から頂いたご意見を尊重し、ソニーの環境保全活動の継続的な改善に絶えず活かしていきます。
  8. リスクマネジメント、安全衛生マネジメント
    ビジネスプロセスからの環境負荷削減とともに、持続可能な社会実現のためにリスクマネジメントを重要な課題と位置づけ、全世界でこれを実行します。自然環境に対しても、社会環境においても事故ゼロを目指して、リスクマネジメントシステムを確立し継続的にステークホルダーの方々とのリスクコミュニケーションに努めます。また安全衛生問題は経営の一つの重要な課題であると考え、ソニーグループの指針に従って、従業員の安全で、健康な作業環境の確保に努めます。

3. 持続可能な社会を実現するための3つの原動力

  1. ビジネスモデル
    ソニーはこの地球環境を安定させ、回復させるようなビジネスシステムを創るよう努めます。ソニーで新しいビジネスを立ち上げたり、標準化や基準、ビジネスモデル作りの際には、社会が長期的に持続可能な方向に向かうよう努力します。
  2. 技術
    ソニーの技術や商品によって、地球環境が少しでも回復するよう、積極的に努めます。少ない資源の投入でより高い付加価値を生み出し、環境への負荷を小さくしながら、楽しんでいただける、そんなハイテク商品をお届けするために技術を活用します。
  3. 教育
    ソニーは社員への環境教育を継続的に推進することによって、ソニーの持続可能性と持続可能な経済発展とを結びつけて考えることのできる、感性豊かでエコリテラシーの備わった市民を全世界で育てます。 誰もが自分で率先して意識を行動へと変えていく社会を作ることに貢献します。ソニーは環境教育や行動においても、お客様やステークホルダーからリーダーと見なされるよう絶えず努力し、知識や知恵を共有することで、より持続可能なライフスタイルを作れるよう努めます。

4.持続可能な社会を実現するための目標および指標

ソニーは、以下のような環境効率の考え方を事業活動に導入いたします。

環境効率=売上高/環境負荷

ソニーの事業活動において、特に二酸化炭素排出と資源消費における環境効率を2005年度に約1.5倍、2010年度に約2倍(2000年度比)にしたいと考えています。
これに向け、当面2005年度をターゲットとして、具体的な数値目標を盛り込んだ、環境行動計画「Green Management 2005」を策定します。 数値目標は以下のとおりです。

  • 製品の消費電力を2005年度に2000年度比30%減を目指します。
  • 待機時電力を2005年度末までに全製品で0.1W以下を目指します。
  • 事業所使用エネルギーを2005年度に2000年度比15%減(売上原単位)を目指します。
  • CO2排出削減貢献量(再生可能エネルギー利用など)を2005年度に事業所使用エネルギーの5%以上導入することを目指します。
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