SONY

報道資料
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。

2000年11月30日

生分解性フィルムによる包装技術を確立

自然に還る包装材の導入

ソニーは、自然環境の保全に関する取組みの一環として、生分解性フィルムによる包装技術を確立し、業界に先駆けて2000年10月20日から日本国内向け録音用MD5巻パック"New Neige(5MDW74NE)"の包装フィルムに採用しました。今回採用した生分解性フィルムは、トウモロコシのデンプンを原料とし、乳酸発酵を経たのち化学合成により生成された脂肪酸ポリエステルです。MDなどの記録メディアの包装材に要求される耐久性を有し、また廃棄後は土壌中などで、加水分解を経て、微生物や酵素により最終的には水と二酸化炭素に分解されます※1。焼却した際も燃焼エネルギー量が通常のプラスチックの約半分であり、塩化水素やNOx、SOxなどの有毒ガスが発生することもないという特長があります。

生分解性フィルムの分解に要する時間は、温度、水分、pH値、微生物の種類や数などによって異なりますが、土壌中や水中のような自然環境下においては1〜3年、また生ゴミから有機肥料をつくるコンポスト装置では1〜2ヶ月で水と二酸化炭素に分解されます。分解によって得られた水と二酸化炭素は、光合成を促進して植物の成長を促し、自然界での資源の循環を実現しています。

生分解性フィルムを記録メディアの包装材として導入するにあたっては、包装工程で必要となるヒートシール性(熱を加えることによりフィルム同士が接着する性質)がないことが課題でした。そこでソニーは、印刷メーカーと共同でフィルム上へのシール剤印刷技術を考案するとともに、現行包装設備との整合性を繰り返し評価し、生分解性フィルムによる包装技術を確立しました。なお、New Neigeは、生分解性プラスチック研究会※2が定めた安全性・生分解性に関する基準を満たしていることを示す「グリーンプラ」マークを表記した製品の第一号となりました。

ソニーは、これまで雑誌古紙100%再生紙、溶剤成分を大豆油100%にしたインクを採用したサブカートンや無駄を排した帯巻き個装など、環境に配慮した商品包装を積極的に開発し、順次導入してきました。今後も様々な商品とその製造過程において環境負荷を可能な限り低減できる関連技術の確立に努めてまいります。

  • ※1:インクバインダー(固結剤)成分は生分解性ではありませんが、フィルムの生分解性を損なうことはありません。生分解性のインクバインダーについては現在開発中です。
  • ※2:生分解性プラスチック研究会は、生分解性プラスチックを推進するために樹脂メーカー、加工メーカーなどによって設立された団体です。
このページのトップへ