報道資料
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2004年5月12日
〜CELLベースのワークステーションをエンタテインメント向けに開発〜
ソニー株式会社
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
IBMコーポレーション
株式会社ソニー(以下、ソニー)、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(同、SCEI)とIBMコーポレーション(同、IBM)は、CELL*プロセッサをベースにしたデジタルコンテンツ開発環境の開発計画を発表いたしました。これは、CELLを使用する初めてのアプリケーションとなります。3社はCELLベースのワークステーションの試作機を2004年10-12月期を目処に完成させることを目標に今後開発を進めてまいります。
CELLプロセッサをベースにした開発環境は、並列処理アーキテクチャに加えて膨大なデータ処理能力と高度な浮動小数点計算能力を活用することにより、エンタテインメントアプリケーションの分野に革新的な進歩をもたらすことが期待されています。今回、開発を進めるCELLベースのワークステーションは、ゲーム業界や映画業界に向け、デジタルコンテンツの制作環境をさらに強化することを目標にしています。
今回の開発計画において、IBMは、デジタルコンテンツの制作環境を強化するCELLベースのワークステーションの開発を行います。一方、ソニーおよびSCEIでは、ゲームや映画などのデジタルコンテンツの制作や開発に必要なアーキテクチャ・アルゴリズム・ミドルウエア・データ構造といったアプリケーション環境の開発を推進してまいります。
「CELLはブロードバンドコンテンツの制作分野においても圧倒的な能力を発揮することが期待されます。既にゲームは映画と同じ世界観やキャラクターを共有しはじめ、これらは共通のデータベース上で制作されるようになってきました。今後数年のうちには、ますます二つのエンタテインメントの融合が進み、ゲームと映画が一体となった新しい楽しさを家庭の中で体験できるようになるでしょう。ソニー/SCEIはIBMと共にデジタルエンタテインメントの分野に起こりつつあるパラダイムシフトを更に加速する技術を提供してまいります。」
(ソニー(株) 副社長兼COO、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント 社長兼グループCEO 久夛良木 健)
「ソニーおよびSCEIと共に開発しているCELLベースのワークステーションは、メディア、エンタテインメント、ゲーム業界に、スケーラブルでスーパーコンピュータ並みの性能をもたらすでしょう。CELLの共同開発は順調に進んでおり、今後エンタテインメント業界に多大なインパクトをもたらすことになるでしょう。」
(IBMシステムズ・アンド・テクノロジー・グループ担当シニア・バイス・プレジデント&グループ・エグゼクティブ、ジョン・E・ケリー)
エンタテインメント業界のデジタルコンテンツ制作においては、膨大な計算性能への要求が一層高まっており、最新の映画では実写のようにリアルで複雑な映像や特殊効果が一般的になっています。そして、さらにダイナミックでリアルなシーンを制作するために、計算能力とデータ処理能力の飛躍的な向上が強く期待されています。同様に、ゲームの制作においても高度な演算能力が求められるようになっています。近い将来、ゲームと映画を含むデジタルコンテンツの制作・開発現場においては、複雑な物理シミュレーションやデジタルキャラクターの制御のために膨大な浮動小数点演算が不可欠となります。
この流れにより、ソニー/SCEIとIBMによるCELLベースの共通開発環境の開発を通して、デジタルコンテンツの融合が加速します。CELLベースの開発環境で制作されたコンテンツが統合され広範に利用可能となることで、ブロードバンドネットワークを通していつでもどこでもリアルタイムな「サイバーワールド」の体験が可能になります。これにより、ユーザーに一層魅力的な体験を提供し、将来様々な機会を大きく広げていくものと期待しています。