報道資料
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2005年1月7日
奇美電子股份有限公司
インターナショナル ディスプレイ テクノロジー株式会社
ソニー株式会社
(アルファベット順)
奇美電子股份有限公司(以下、奇美電子)とソニー株式会社(同、ソニー)は、奇美電子の子会社であるインターナショナル ディスプレイ テクノロジー株式会社(同、IDTech)の液晶ディスプレイパネル製造に関する事業を新会社として分割、ソニーは、その新会社の全株式を185億円で買収することで基本合意に達しました。今回の基本合意により、ソニーは、IDTechの液晶ディスプレイパネル製造の拠点である野洲事業所における従業員や生産設備などを継承し、ソニーのモバイル機器向け低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネル事業の強化を図ります。
奇美電子の子会社であるIDTechは、アモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイパネルの分野における有力企業であり、世界最高の解像度を有する医療用のディスプレイ、IPS(In-plane Switching)技術を用いた広視野角ディスプレイモニター、高精細で豊かな色彩のPCディスプレイ、及び特定用途向けTFT基板などの製品で業界をリードしています。
ソニーは、1997年10月に株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)との合弁でエスティ・エルシーディ株式会社(同、STLCD)を設立、モバイル機器向け低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネルの生産を開始しました。以後、順調にビジネス規模を拡大し、2002年の第2生産棟の完成などを経て、月産40,000枚(600×720mm基板ベース)規模へと生産能力を拡大中、今後のさらなる需要拡大への対応について検討していました。
今回の合意により、新会社は、STLCDに続くソニーにおける第2の低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネル生産拠点となります。ソニーでは、新会社に対して約270億円規模の設備投資・設備改造を行うことで、月産25,000枚(550×650mm基板ベース)の生産能力を持った生産拠点を構築し、携帯電話向けなどの拡大するモバイル機器用低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネル需要に積極的に対応、同ビジネスのさらなる拡大を目指します。なお、新会社名などの詳細は、2005年3月末を目処とする会社分割手続きおよび新会社株式の買収完了時までに決定する予定です。新会社の量産開始は、2006年4月を予定しています。
奇美電子は2001年にIBM野洲事業所の第3世代生産ライン(Third Generation)を買収し、台湾企業と日本企業による初のTFT-LCD合併事業としてIDTechを設立しました。また奇美電子はIDTechが擁する優れた人材、先端技術、有力な顧客、グローバルマネジメントシステム、優れた特許戦略、世界的なロジスティックスシステム及び生産能力などを継承することによって、国際的競争力を一層高めてきました。また同時に台湾において、奇美電子は積極的に最新鋭の生産ラインの構築を進め、2005年には第5.5世代生産ラインによる量産開始を予定しています。このように新しい生産ラインが最新鋭の設備での高効率への転換にあわせて、奇美電子としては、総合的な生産規模を検討した結果、IDTech野洲事業所をソニーに売却することに決定しました。
奇美電子有限公司 会長 廖 錦祥(リャオ・ジン・シャン)のコメント
IDTechの売却により、奇美電子のお客様へのコミットメントが揺るぐものではなく、むしろ生産効率の向上により、お客様との関係がより密になるものと考えています。ソニーへのIDTechの売却は、奇美電子とソニーの間に、特にLCDビジネスにおいて築かれてきた強いビジネス関係に基づいたものです。奇美電子がIDTechを売却することによって、ソニーのモバイル機器用液晶パネルの生産能力向上に役立つことについて心から喜んでいます。IDTechの生産能力がソニーの有する世界レベルのマネジメントシステムと優れた技術と結合することによって、ソニーの目指す目標が実現されると、奇美電子は確信しています。
ソニー株式会社 副社長兼COO、マイクロシステムズネットワークカンパニー NCプレジデント 中鉢良治のコメント
低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネルは、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、携帯電話などの様々なモバイル機器で用いられており、その市場規模は今後もますます拡大すると 予測しています。今回の奇美電子およびIDTechとの基本合意による野洲事業所買収は、ソニーのモバイルディスプレイ生産を拡大し、同ビジネスをより強固にするものです。同事業所の優れた人的資産を継承することで、STLCDに続くソニーにおける第2の生産拠点としての早期立ち上げを目指し、優れた高品質な製品を開発、世界中のお客様に提供してまいります。
なお、今回の基本合意にあたっては、豊田自動織機の賛同も得られており、同社による新会社への資本参加(当初20%程度)も検討されています。ソニーは、豊田自動織機の協力を得てSTLCD及び新会社の技術融合を目指し、より高品質、高生産性の低温ポリシリコンTFT液晶ラインを構築することによりユーザーの要求に答えていきます。
奇美電子は液晶業界をリードするTFT-LCD開発製造会社であり、その主要な製品はノートPC向けディスプレイ、デスクトップPC向けモニター、TV用液晶パネル等がある。本社工場は台湾の台南科学工業園区にあり、現在、第3.5世代、第4世代及び世界最大生産能力のある第5世代の生産ラインを有している。また第5.5世代が2005年の第一四半期に量産する予定。現在の社員数は約12,000人。
* 奇美電子ホームページ:http://www.cmo.com.tw