報道資料
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2010年2月10日
〜米国ベンチャーのiCyt(アイサイト)社を買収〜
ソニー株式会社(以下、ソニー)は、ソニーの100%子会社である米国法人ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ(以下、SCA)を通して、幹細胞や疾病研究に使われるフローサイトメトリー※1のハイエンド機器、試薬の開発、製造、販売、サービスを1995年の創業以来手がけているベンチャー企業、iCyt社(iCyt Mission Technology, Inc. 本社:米イリノイ州シャンペーン市)を買収することを発表します。ソニーは、iCyt社の買収により、ソニーが有している知見・技術とiCyt社が培ってきた技術を組み合わせることで、ライフサイエンス分野において、フローサイトメトリー事業に参入していきます。
ソニーでは、コンスーマー領域で培ってきたブルーレイディスクなどで使用されている光学技術やデータ処理技術等のヘルスケア分野への応用について、研究開発を進めて参りました。近年の再生医療研究の進展により、細胞分析の分野はその重要さが着目されており、特にフローサイトメトリーは研究に不可欠な手段として大きな注目を集めています。ソニーは自社で培った技術を応用することにより、フローサイトメトリーにおける技術発展を目指しています。その一環で、2009年4月より、ソニーはiCyt社と共同開発を進めて参りましたが、このたび、同社の持つフローサイトメトリーに関する技術力と統合させることで、ソニーにおける次世代のフローサイトメーター(細胞分析機器) ※1の開発を加速し、iCyt社を通じ、世界中の研究機関や医療機関などの理化学用途向けに新しいソリューションを提案して参ります。
尚、今後の商品展開の詳細については、2010年5月に米シアトルで開催される “CYTO 2010”(国際サイトメトリー学会(ISAC: International Society for Advancement of Cytometry 主催))にて発表する予定です。
iCyt社はSCAの全額出資子会社として、ソニーと共同で、先端技術や新製品の開発を進めます。また、同社の創業者兼CEOのゲーリー・デュラク氏は引き続き同社の経営に当たります。
「ソニーはサイトメトリーの分野に素晴らしい技術力とエンジニアリング力をもたらすことができます。ソニーグループ企業の一員として、iCyt社はグローバルなリソースを駆使し、細胞分析市場に対して種々で革新的なソリューションを提供してまいります。このことは、iCyt社だけでなくiCyt社の顧客含めサイトメトリーの進歩を享受する全ての人にとって非常に喜ばしいことです。」
「フローサイトメトリー業界で豊富な事業経験を有するゲーリー・デュラク氏を始めとするiCyt社のメンバーをソニーグループの一員に迎えることが出来、大変に嬉しく思います。iCyt社がフローサイトメトリー業界で培ってきた技術力や経験は、技術革新が急速に起きているライフサイエンス領域へのソニーの新規参入にとって極めて貴重な資産となります。今回の買収により、ソニーがコンスーマー領域を始めとするエレクトロニクス領域で培ってきた技術をiCyt社の技術やノウハウと組み合わせることで、ソニーのこの分野への取り組みを一層強化、加速出来るものと信じています。」
※1 | フローサイトメトリーとは、流路に流した細胞の数や細胞内・表面の情報(サイズ、構造、バイオマーカーなど)などを光学的に分析する手法です。フローサイトメーターは、フローサイトメトリーに用いられる装置の総称で、具体的には目的とする細胞を全体から分取する装置であるソーターと、主に細胞を観察する際に用いる装置であるアナライザーを指します。フローサイトメトリーの用途としては、免疫・がん・再生医療の研究や白血病の診断等があります。 |