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報道資料
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2013年5月22日

ソニー株式会社 2013年度経営方針説明会

一貫した経営方針を遂行し、ソニーの変革を加速
ソニーグループ全体の企業価値の向上をめざす

 ソニー株式会社(以下、「ソニー」)は2012年4月12日に発表した経営方針に基づき、エレクトロニクス事業を再生、成長へと転換し、加えて安定的な収益貢献をしているエンタテインメント事業及び金融事業をさらに成長させることで、ソニーグループ全体の企業価値向上をめざした経営を加速させています。

 2012年4月の現マネジメントチームの発足以来、喫緊の課題としてきたソニーの変革に向けた取り組みを通じて、2012年度には主に以下のような成果がありました。

ソニーグループの2012年度の主な成果

  • エンタテインメント事業及び金融事業における売上高及び収益の継続的な拡大
  • 新規事業創出及びエレクトロニクスのコア事業強化のための戦略的な投資と基盤構築
  • 事業ポートフォリオの組み替え、資産売却、構造改革による財務体質・経営体質の改善
  • テレビ事業の黒字化に向けた大幅な収益改善
  • 新興国での事業強化
  • エレクトロニクスのコア事業における高付加価値製品の開発及び投入

 この結果、2012年度期初にめざしていた当社株主に帰属する当期純損益の黒字化を達成することができました。一方、エレクトロニクス事業での黒字化については、2013年度への継続課題となりました。

 2013年度は、エレクトロニクス事業については、2012年4月に発表した5つの重点施策を一貫して確実に実施するとともに、事業環境の変化も踏まえ、3つのコア事業の戦略を一部変更します。また、エンタテインメント・金融事業については収益の最大化を図り、グループ全体の財務基盤のさらなる強化も図っていきます。

ソニーグループの2013年度基本方針

1. エレクトロニクス事業の強化

  • 3つのコア事業(モバイル、イメージング関連、ゲーム)の変革を加速
  • テレビ事業の黒字化
  • グループの総合力を活かした新興国での成長戦略を加速
  • 持続的な成長のための新規事業(メディカル、セキュリティなど)の強化
  • 事業ポートフォリオのさらなる見直し

2. エンタテインメント・金融事業の収益力の一層の強化

3. 継続的な財務体質の強化

 エレクトロニクス事業における3つのコア事業の変革及びテレビ事業の黒字化の具体的な内容は以下の通りです。

モバイル事業

 今後も市場成長が見込まれるスマートフォン及びタブレットの事業においては、一層の事業の拡大と収益力強化を目指します。「観る」・「聴く」・「撮る」などの体験をより高品位なものにするため、ソニーの総合力を活かした魅力ある商品を、よりスピーディに開発し、いち早くお客さまにお届けしていきます。世界各地で好評を博している「Xperia ™ Z」に続き、さらに新しくかつ競争力のある商品をタイムリーに市場に投入します。また、各国の主要オペレーターとの関係をさらに強化し、かつ販路を拡大することで、スマートフォンの注力市場で確固たるポジションを確保していきます。スマートフォンとタブレットを合わせたモバイル事業においては、2014年度には売上高1兆5,000億円、営業利益率4%の達成を目標とします。一方、PCについては、この1年間の市場・事業環境の変化を踏まえ、売上拡大で事業の成長をけん引するのではなく、まずは収益改善を重視するカテゴリーと位置付け、2013年度の黒字化をめざします。

イメージング関連事業

 ソニーが強みを発揮しているイメージセンサーを核として、付加価値の高い製品の開発に注力すると共に、プロフェッショナル及びコンスーマー領域で新しい用途への応用を積極的に実施していきます。先ずイメージセンサーについては最終製品の差異化につながる新たなセンサー技術の事業化を進め、また積極的な設備投資を行うことで、旺盛な需要に応えていきます。同時に、可視光領域を超えたセンシングや様々な情報を取得し識別するセンシングなど、イメージセンサーの用途をさらに広げる技術開発も進めています。プロフェッショナル領域については、業務用カメラにおいて4K対応カメラ及びシネマ用カメラを注力領域として引き続き強化していきます。加えてセキュリティ、スポーツ、メディカル、といったこれまでとは違う領域にもデジタルイメージング技術を拡大することでさらなる成長を狙い、このためのリソースシフトを加速します。一方、急激に変化するコンスーマー向けのデジタルイメージング機器の領域は、コンパクトデジタルスチルカメラにおいて、ソニーの持つイメージセンサーの技術力を活用し、さらなる高画質を実現するとともに、小型軽量化や、高倍率ズームなどの機能を強化することで、高付加価値モデルでの売上をより一層拡大していきます。成長カテゴリーであるミラーレス一眼カメラでも、現在の世界ナンバーワンのシェアを堅持します。これらの取り組みを通じて、イメージセンサー、放送・業務用機器、民生用機器を併せて、2014年度には売上高1兆3,000億円、10%以上の営業利益率をめざします。

ゲーム事業

 「プレイステーション 3」では、ハードウエア、ソフトウエアともに安定した売上を堅持し、確実な収益源とすることをめざします。特に「プレイステーション ストア」からのコンテンツやサービスの販売をより一層拡大することで利益に貢献していきます。「プレイステーション ヴィータ」(PS Vita)については、ハードウエア拡販の施策と強力なタイトルの導入により、売上の拡大と利益の確保に努めます。今年の年末商戦には次世代機「プレイステーション 4」(PS4)を発売します。PS4では専用機でなくてはお届けできない最高のゲーム体験を提供すると同時に、その体験をスマートフォンやタブレットにもソーシャルに共有できる機能を有することで、PS4をお持ちでない方にもその魅力を知っていただく機会を拡げます。また、PS4とPS Vitaの両方をお持ちのお客さまには、二つのシステムが連携することで可能になる新しいサービスや遊び方を提案してまいります。ゲームコンテンツの販売については、ディスクメディアでの販売からネットワークを通じたデジタル販売へと、徐々に軸足を移していきます。さらに昨年買収したGaikaiが持つクラウド技術も活かしながら、プレイステーションのゲームをストリーミングで提供することを積極的に検討しています。これにより、プレイステーションタイトルを幅広いデバイス上でお楽しみいただくことが可能になり、さらなるビジネスの拡大が見込めます。これらの取り組みを通じて、2014年度には売上高1兆円、営業利益率2%をめざします。ゲーム事業においては、年末に発売するPS4を軸にビジネスの拡大をはかり、2015年度以降にさらなる飛躍をめざしていきます。

 ソニーのエレクトロニクス事業の成長をけん引するのは、引き続きモバイル、イメージング関連、ゲームの3つのコア事業です。ソニーはこの3つの事業で2014年度のエレクトロニクス事業の売上の約65%、営業利益の約80%を創出することを見込んでいます。

テレビ事業

 テレビ事業においては、商品力のさらなる強化による売上拡大、付加価値アップを行います。独自の超解像エンジン「X-Reality PRO」や広色域ディスプレイ「トリルミナスディスプレイ」などを搭載することでフルHDモデルの画質や音質の向上を図るとともに、4K対応液晶テレビのラインナップも追加します。さらに、市場成長が見込まれる新興国地域のニーズを先取りした商品を投入することで、販売台数を増加させるとともに、引き続き固定費やオペレーションコストの削減を継続することで2013年度の黒字化達成をめざします。

 以上の施策に加え、既に打ち出している新興国での事業の拡大、新規事業の創出/イノベーションの加速、事業ポートフォリオのさらなる見直しについても推し進めます。

 エンタテインメント事業に関しては、映画分野では世界中で高い人気を集めることが期待できるフランチャイズ作品を始め、高い収益性が見込める映画作品の製作に注力するほか、成長が期待されるテレビ番組制作事業やテレビネットワーク事業の拡大を積極的に進めることでさらなる収益の源泉に育てていきます。特にテレビネットワーク事業については、インドなど成長著しい市場において事業のさらなる拡大を図っていきます。音楽分野では、魅力的なアーティストの発掘や育成による市場シェアの向上や、成長している音楽配信プラットフォームへの楽曲提供といった様々な事業機会を見出し、ビジネスのさらなる拡大をめざしています。また、音楽著作権を管理、活用する音楽出版事業においては、2012年6月以降、Sony/ATV Music Publishing LLCがEMI Music Publishingの所有する世界トップクラスの音楽カタログの管理を始めており、効率性を追求するとともに創造性に富んだ経営を行うことで業界トップの地位をより強固なものとしていきます。

 金融事業については、引き続きお客様に安心してご利用いただける高品質のサービス提供により、高い顧客満足度を実現し、これを追求し続けることで安定的な利益成長に貢献することを期待しています。

 こうした施策を実施していくことで、2012年4月12日に発表したとおり、2014年度のソニーグループ全体の経営目標として、売上高8兆5,000億円、営業利益率5%以上、ROE(株主資本利益率)10%、エレクトロニクス事業の売上高6兆円、営業利益率5%の達成をめざします。

 ソニーは今後も、迅速な意思決定によるソニーグループ一体となった経営(“One Sony”)のもとで、エレクトロニクス、エンタテインメント、金融の各事業を通じて、世界中のお客さまの好奇心を刺激し、感動をもたらすことのできる会社であり続けることをめざして、幅広い商品、サービス、コンテンツを提供してまいります。

<ご参考> 2012年4月12日発表 ソニー株式会社経営方針 要旨
 迅速な意思決定によるソニーグループ一体となった経営(“One Sony”)のもとで、安定的な収益貢献しているエンタテインメント事業及び金融事業をさらに成長させると共に、エレクトロニクス事業を再生、そして成長へと転換し、新たな価値創造の実現をめざす

変革のためのエレクトロニクス重点施策

  1. コア事業の強化(デジタルイメージング・ゲーム・モバイル)
  2. テレビ事業の再建
  3. 新興国での事業の拡大
  4. 新規事業の創出/イノベーションの加速
  5. 事業ポートフォリオの見直し/経営のさらなる健全化

2014年度経営数値目標

  • ソニーグループ全体: 売上高8兆5,000億円、営業利益率5%以上、ROE(株主資本利益率)10%
  • エレクトロニクス事業: 売上高6兆円、営業利益率5%
  • デジタルイメージング事業(民生用機器、放送・業務用機器、イメージセンサー): 売上高1兆5,000億円、二桁の営業利益率
  • ゲーム事業: 売上高1兆円、営業利益率8%
  • モバイル事業(スマートフォン、タブレットデバイス、PC): 売上高1兆8,000億円、収益性の大幅改善

将来に関する記述等についてのご注意
この発表文に記載されている、ソニーの現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しです。将来の業績に関する見通しは、将来の営業活動や業績、出来事・状況に関する説明における「確信」、「期待」、「計画」、「戦略」、「見込み」、「想定」、「予測」、「予想」、「目的」、「意図」、「可能性」やその類義語を用いたものには限定されません。口頭又は書面による見通し情報は、広く一般に開示される他の媒体にも度々含まれる可能性があります。これらの情報は、現在入手可能な情報から得られたソニーの経営陣の仮定、決定ならびに判断にもとづいています。実際の業績は、多くの重要なリスクや不確実な要素により、これら業績見通しと大きく異なる結果となりうるため、これら業績見通しのみに全面的に依拠することは控えるようお願いします。また、新たな情報、将来の事象、その他の結果にかかわらず、常にソニーが将来の見通しを見直して改訂するとは限りません。ソニーはそのような義務を負いません。実際の業績に影響を与えうるリスクや不確実な要素には、以下のようなものが含まれます。

  • (1) ソニーの事業領域を取り巻くグローバルな経済情勢、特に消費動向
  • (2) 為替レート、特にソニーが極めて大きな売上、生産コスト、又は資産・負債を有する米ドル、ユーロ又はその他の通貨と円との為替レート
  • (3) 激しい価格競争、継続的な新製品や新サービスの導入、急速な技術革新、ならびに主観的で変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい市場競争の中で、充分なコスト削減を達成しつつ顧客に受け入れられる製品やサービス(テレビ、ゲーム事業のプラットフォーム、ならびにスマートフォンを含む)をソニーが設計・開発し続けていく能力
  • (4) 技術開発や生産能力増強のために行う多額の投資を回収できる能力及びその時期
  • (5) 市場環境が変化する中でソニーが事業構造の改革・移行を成功させられること
  • (6) ソニーが金融を除く全分野でハードウエア、ソフトウエア及びコンテンツの融合戦略を成功させられること、インターネットやその他の技術開発を考慮に入れた販売戦略を立案し遂行できること
  • (7) ソニーが継続的に、研究開発に十分な資源を投入し、設備投資については特にエレクトロニクス事業において投資の優先順位を正しくつけて行うことができること
  • (8) ソニーが製品品質を維持できること
  • (9) ソニーと他社との買収、合弁、その他戦略的出資の成否を含む(ただし必ずしもこれらに限定されない)ソニーの戦略及びその実行の効果
  • (10) ソニーが、需要を予測し、適切な調達及び在庫管理ができること
  • (11) 係争中又は将来発生しうる法的手続き又は行政手続きの結果
  • (12) 生命保険など金融商品における顧客需要の変化、及び金融分野における適切なアセット・ライアビリティー・マネージメント遂行の成否
  • (13) (市場の変動又はボラティリティを含む)日本の株式市場における好ましくない状況や動向が金融分野の収入及び営業利益に与える悪影響
  • (14)大規模な災害などに関するリスク 

ただし、業績に不利な影響を与えうる要素はこれらに限定されるものではありません。

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