報道資料
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2014年2月6日
PCを事業譲渡し、モバイル領域はスマートフォン・タブレットに集中
テレビは高付加価値戦略を加速するとともに、より効率的で迅速な事業体制へ
ソニー株式会社は、エレクトロニクス事業の再生と成長を加速するため、PC事業とテレビ事業について、抜本的な変革を実施します。
ソニーは、エレクトロニクス事業について、2012年4月に発表した変革プランを実施してきました。成長を牽引するコア事業として定めたイメージング関連、ゲーム、モバイルの三事業では、ソニーの技術力を結集した高付加価値商品の導入や市場を牽引する新たなプラットフォーム・事業モデルの導入などの施策により、成長への礎を築くことができました。一方、PC事業とテレビ事業においては、収益改善を課題として様々な改革に取り組んできましたが、テレビ事業は事業構造、商品力双方において大幅な改善はあったものの、それぞれ目標としていた2013年度の黒字化達成は困難な状況にあります。
ソニーは、PC事業及びテレビ事業について以下の抜本的な改革を実施すると共に、エレクトロニクス事業を支える製造、販売会社、本社間接部門についても、規模の適正化と一層の効率化を実施し、経営資源を成長領域へ集中してまいります。
本日、日本産業パートナーズ株式会社(JIP)との間で、ソニーがVAIOブランドを付して運営しているPC事業を、同社に譲渡することに関する意向確認書を締結しました。
グローバルなPC業界全体の大幅な構造の変化、ソニー全体の事業ポートフォリオ戦略、「VAIO」をご愛顧頂いているお客さまへの継続的なサポートの必要性、社員の雇用機会などを総合的に検討した結果、ソニーとしては、モバイル領域ではスマートフォン及びタブレットに集中し、PC事業をJIPが設立する新会社へ事業譲渡することが最適であるとの判断に到りました。今後、ソニーとJIPは、デューデリジェンス(当該PC事業の精査)及び更なる協議を経て、2014年3月末までに事業譲渡に関する正式契約を締結することを目指します。なお、当該新会社は、設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマー及び法人向けPCを適切な販路を通じて販売することに注力し、適切な事業規模による運営を行う予定です。
新会社への事業譲渡にともない、ソニーでは、PC製品の企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後として事業を収束する予定です。ソニーの事業収束後も販売済み商品のお客さまへのアフターサービスは継続します。ソニー株式会社及びソニーイーエムシーエス株式会社などでPCの企画、設計、開発、製造、販売などの業務に携わってきた社員のうち約250~300名は、JIPが設立する新会社で雇用される予定です。加えて、ソニーグループ内の他の事業部門への配置転換などを検討します。また、新会社での雇用やグループ内への異動が困難な人員を対象として社外への転進を支援するための早期退職支援プログラムを実施する予定です。
テレビ事業においては、2011年11月に発表した収益改善プランに基づき、液晶パネル関連コストの改善、研究開発費の効率化などコスト面での施策に加え、商品力強化とオペレーション改善により限界利益率の改善に取り組んできました。この結果、2011年度に1,475億円を計上した損失※1が、2012年度は696億円に縮小し、今年度は250億円程度まで圧縮できる見込みです。
新興国の市場成長の鈍化や通貨安などの想定外の要因により、今年度のテレビ事業の黒字化は未達となる見込みですが、この2年間の施策を通じて、テレビ事業の再生への道筋は見えてきています。特に商品力強化の面では、国内において4Kモデルで75%以上のシェアを獲得(2013年12月末時点、ソニー調べ)、米国においても4Kテレビで年間ナンバー1シェア(2013年、金額ベース)を獲得するなど、高付加価値化へのシフトが着実な成果をあげています。テレビは引き続きリビングルームにおける視聴体験を実現する上で重要な役割を果たすとともに、その技術的資産は、他の商品カテゴリーにおいても当社の差異化技術として活用されています。こうした全体戦略における重要性にも鑑み、テレビ事業については2014年度以降に安定的に収益が出せる体制を構築することを目指し、以下の追加施策を実施します。
まずは4Kにおける当社のリーディングポジションをさらに確固たるものにすべく商品ラインアップを一層強化、広色域・高画質技術などを搭載した2Kも含め、来年度には高付加価値商品の販売構成比をさらに高めます。また、成長を見込む新興国市場においては地域ごとの市場のニーズに適した機種を企画、導入してまいります。さらに、後述の製造/販売/本社間接部門などを含めテレビ事業に関わる多くの部門で更なる費用の削減と規模の適正化を実施していきます。加えて、テレビ事業における経営の自立性を高め、事業責任を明確化するとともにビジネス環境に適した効率的でスピーディな事業体制への変革を実施するため、2014年7月を目途に事業を分社化し完全子会社として運営することを決定しました。これらの取り組みにより、収益構造を改善し、2014年度のテレビ事業の黒字化を目指します。
今回のPC事業及びテレビ事業における戦略的な決定ならびにその他のエレクトロニクス事業における集中と選択の一層の徹底にともない、これらを支える販売、製造、本社間接部門についても規模の適正化を実施します。
販売会社については、国、地域ごとの注力商品カテゴリーの厳選、間接機能の見直し、アウトソーシングの推進等の実施により、2015年度までに全体で約20%※2の費用削減を実施します。
製造事業所については、生産や他のオペレーションの集約などを進め、一層の規模の適正化を実施します。
また、ソニー株式会社における本社機能及び間接部門についても、規模の適正化を進め、2015年度までに約30%※2の費用削減に取り組みます。
テレビ事業、PC事業、販売、製造、本社間接部門における上記施策の実施にともない、2014年度末までに約5,000名(内、国内1,500名 海外3,500名)の人員減を見込みます。
また、これらにともなう構造改革費用としては、2013年度に、約200億円※3を追加し、2014年度には約700億円を見込んでいます。これら今回追加実施を決めた構造改革がもたらす2015年度以降の固定費削減効果は、年間1,000億円以上を見込んでいます。
上述の施策に加え、エレクトロニクス事業においては、今後、更なる事業ポートフォリオの見直しと研究開発テーマの選択を実施していきます。
この発表文に記載されている、ソニーの現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しです。将来の業績に関する見通しは、将来の営業活動や業績、出来事・状況に関する説明における「確信」、「期待」、「計画」、「戦略」、「見込み」、「想定」、「予測」、「予想」、「目的」、「意図」、「可能性」やその類義語を用いたものには限定されません。口頭又は書面による見通し情報は、広く一般に開示される他の媒体にも度々含まれる可能性があります。これらの情報は、現在入手可能な情報から得られたソニーの経営陣の仮定、決定ならびに判断にもとづいています。実際の業績は、多くの重要なリスクや不確実な要素により、これら業績見通しと大きく異なる結果となりうるため、これら業績見通しのみに全面的に依拠することは控えるようお願いします。また、新たな情報、将来の事象、その他の結果にかかわらず、常にソニーが将来の見通しを見直して改訂するとは限りません。ソニーはそのような義務を負いません。実際の業績に影響を与えうるリスクや不確実な要素には、以下のようなものが含まれます。
(1) ソニーの事業領域を取り巻くグローバルな経済情勢、特に消費動向
(2) 為替レート、特にソニーが極めて大きな売上、生産コスト、又は資産・負債を有する米ドル、ユーロ又はその他の通貨と円との為替レート
(3) 激しい価格競争、継続的な新製品や新サービスの導入、急速な技術革新、ならびに主観的で変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい市場競争の中で、充分なコスト削減を達成しつつ顧客に受け入れられる製品やサービス(テレビ、ゲーム事業のプラットフォーム、ならびにスマートフォンを含む)をソニーが設計・開発し続けていく能力
(4) 技術開発や生産能力増強のために行う多額の投資を回収できる能力及びその時期
(5) 市場環境が変化する中でソニーが事業構造の改革・移行を成功させられること
(6) ソニーが金融を除く全分野でハードウエア、ソフトウエア及びコンテンツの融合戦略を成功させられること、インターネットやその他の技術開発を考慮に入れた販売戦略を立案し遂行できること
(7) ソニーが継続的に、研究開発に十分な資源を投入し、設備投資については特にエレクトロニクス事業において投資の優先順位を正しくつけて行うことができること
(8) ソニーが製品品質を維持できること
(9) ソニーと他社との買収、合弁、その他戦略的出資の成否を含む(ただし必ずしもこれらに限定されない)ソニーの戦略及びその実行の効果
(10) 国際金融市場における深刻かつ不安定な混乱状況や格付けの低下
(11) ソニーが、需要を予測し、適切な調達及び在庫管理ができること
(12) 係争中又は将来発生しうる法的手続き又は行政手続きの結果
(13) 生命保険など金融商品における顧客需要の変化、及び金融分野における適切なアセット・ライアビリティー・マネージメント遂行の成否
(14) (市場の変動又はボラティリティを含む)日本の株式市場における好ましくない状況や動向が金融分野の収入及び営業利益に与える悪影響
(15) 大規模な災害などに関するリスク
ただし、業績に不利な影響を与えうる要素はこれらに限定されるものではありません。
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