報道資料
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2014年10月2日
- サッカーの夢と感動を伝え、復興の道を歩むコミュニティの社会融和を促進 -
独立行政法人国際協力機構(JICA)
ソニー株式会社
独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)とソニー株式会社(以下、ソニー)は、FIFA ワールドカップ ブラジル大会期間中の2014年6月14日から30日にかけて、コートジボワール最大の都市アビジャン、首都ヤムスクロ、ブアケ周辺の13か所のコミュニティで、パブリックビューイングを実施し、合計1万3,800人の住民が参加しました。この活動について概要をご報告致します。
この共同プロジェクトは、国の再建と復興にむけた道のりを歩むコートジボワールにとって、サッカーが再び国民に力と希望を与える、との考えのもと、JICAによる国際協力の現場力と、ソニーの持つ映像・音響技術や蓄電技術を組み合わせ、その相乗効果によって、コミュニティにおける絆の再形成を図り、コートジボワールの復興に貢献することを目的としたものです。
パブリックビューイングは、ソニーの音響・映像機材等を駆使し、まるで試合会場で観戦しているかのようなライブ感のある視聴体験で現地の人々を魅了しました。また各パブリックビューイング会場ではサイドイベントとして、各コミュニティがJICAのサポートを得ながら、民族や年齢といった違いを越えて編成される混成チームによるフレンドリーマッチや演劇、クイズ大会、マラソン、植樹など多種多様な住民主導の社会的統合プログラムを展開しました。
2011年の内戦終結後、年10%近い成長を実現し、西アフリカ域内政治、経済の中心国として存在感を示すコートジボワール。2014年1月の安倍総理のアフリカ歴訪の訪問国としても選ばれ、日本の官民による貿易投資促進の対象として大きな注目を集めています。一方、同国は、1990年代以降、社会的・経済的・軍事的混乱にさいなまれてきた歴史を持ちます。そのような中でも国民に平和と再統合への希望を与え続けてきたのがサッカーでした。
今回のパブリックビューイングが、内戦以降初めて、異なる民族が一堂に集まる機会となったコミュニティも多くありました。本プロジェクトの最終日となった6月30日、ブアケ近郊のブロボ郡のブロボ小学校で啓発プログラムとして行われたフレンドリーマッチで、自らのチームを「平和」と名付けたメンバーたちは、「私たちに、集まり、再会し、許しあう機会を与えてくれたJICAとソニーに感謝します。こうした機会が今後も続けばと思います」と語りました。
ブロボ郡知事は、集まった住民に対し、「多くの負傷、死を招くことになった社会経済危機を終えて、ともに生きることを考えていくことは最重要の課題の一つであり、コートジボワールの人々が苦しむこの和解プロセスを、JICAとソニーのサポートが後押ししてくれている」としたうえで、「住民間の友情を強化するための最も重要な触媒であるスポーツを通じて、内輪の争い、政治の争いを沈め、理解、愛、忍耐を優先させ、持続可能な開発を進めよう」と呼びかけました。
JICAは、2011年11月、約8年ぶりにコートジボワールでの協力を再開して以来、同国の最大の課題である社会的統合の促進を支援の柱として力を入れてきました。今回のパブリックビューイングイベントを通じて、コミュニティの絆が強化され、住民同士の協働の成功経験が蓄積されたことは、JICAが技術協力プロジェクト*2を通じて支援している住民が主体となったコミュニティづくりの更なる促進に大きく貢献するものと考えます。
ソニーにおいても、紛争などの社会開発課題を抱える地域の子どもたちやコミュニティの支援に貢献できただけでなく、パブリックビューイング会場に設置したブースにおいて実施した、テレビと共に使えるサウンドスピーカーやプロジェクター機能搭載のビデオカメラ ハンディカム®などのデモンストレーションを通じ、ソニーの製品がもたらす感動体験をコートジボワールの人々に実感頂き、ファンの獲得に繋げることができました。さらにソニーコンピュータサイエンス研究所の協力でパブリックビューイングの上映を支えた蓄電池や蓄電モジュール・システムをコートジボワール現地に寄贈する計画で、現地の生活水準の向上に役立てられるよう今後も実証実験を継続する予定です。
JICAコートジボワール事務所長の米崎英朗は、「大統領選に起因する内戦時には、対立しあっていたコミュニティが、一丸となってサッカーを楽しむ姿を見て、この国の未来への希望を感じました。そのような場面で、JICAとソニーのスタッフが、地元の人々とともに汗を流し、日本の貢献を示せたことは、非常に貴重な機会となりました」と語りました。
ソニーのアジア中近東アフリカリージョンヘッドの横田泰英は、「ソニーとして重要な地域の一つであるアフリカにおいて、このパブリックビューイングが一人でも多くのソニーファンを創り、地域社会とつながる良い機会になると信じています」と語りました。