報道資料
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2020年5月1日
2020年5月1日
2021年2月25日改訂
ソニー株式会社
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社
ソニービジネスソリューション株式会社
ソニーは、IPを活用したライブ映像制作ソリューションの拡充や、コンテンツ管理システムのクラウド対応、映画制作用CineAltaカメラ『VENICE』およびXDCAM™メモリーカムコーダー『FX9』の機能拡張などの新たな商品群とソリューションを発表します。高画質コンテンツの需要や配信・視聴環境の多様化に応え、高付加価値コンテンツの制作や高効率ワークフローの実現をサポートします。
ソニーは、映像だけでなく、音声やメタデータ、同期・制御などの信号をリアルタイムにIP伝送するIP Liveプロダクションシステム※1を推進しています。この度、放送設備の効率的な活用をサポートする以下のIP対応機器を拡充します。
既存のシステムカメラと組み合わせて使用することで、映像や音声信号などのIP伝送を行い、リモートプロダクションを機動的に実現する、ライブ映像制作用IP対応機器です。
『HDCE-TX30』は、IP伝送の標準規格である「SMPTE ST 2110」に対応し、カメラとCCU間の映像・音声信号を双方向伝送できることに加え、IPタリー、IPインカム、PTP同期にも対応しています。設置性に配慮しコンパクトに設計した本機は、中継車の乗り入れが難しい環境などにおいて、最小限の機材と人員で、ライブ中継などの映像制作を実現します。
IP化した信号とCCU(カメラコントロールユニット)が送受信する信号を相互変換するIP CCUエクステンションアダプター『HDCE-RX30』は、従来のベースバンドシステムで構築されたスタジオシステムなどIP化されていない環境で、新たにIPリモートプロダクションの運用を取り入れる際に適したモデルです。カメラとCCU間に『HDCE-TX30』『HDCE-RX30』の双方を追加することで、カメラ・CCUをつなぐ距離をIPネットワークで延長できるため、既存のHDCシリーズの局内カメラシステムを生かしたリモートプロダクションが可能です。
SMPTE ST 2110方式をサポートするSDI-IPコンバーターボード2機種が、2020年9月予定のソフトウェアアップデートによりカラーコレクションに対応するほか、有償ライセンス『NXLL-AS50』によりオーディオディレイ機能に対応します。SDIとIP信号の相互変換を行う際の、色調整や音声同期などが改善することで、ポストプロダクションの時間短縮に寄与します。なお有償ライセンス『NXLL-MC50』(2020年1月提供開始)により、HDR対応や4K・HDのアップ/ダウンコンバージョンに対応しています。
『NXLK-IP51Y』(左)と『NXLK-IP50Y』(右)
ソニーのIP Liveプロダクションシステムは世界各国で100以上の中継車・スタジオシステムなどにて採用されています。国内では、2020年4月、朝日放送テレビ株式会社のスタジオサブにおいて、SMPTE ST 2110を用いた4Kシステムが稼働開始しています。
映像活用の場が拡大する中、放送局だけでなくスポーツ団体や企業など映像コンテンツを所有する幅広いお客さまから、さらなる映像制作・管理ソリューションが望まれています。この度、ソニーはクラウドを活用したソフトウェアベースの映像制作・管理ソリューションとして以下を提案します。
2020年6月より、4K/HD映像、音声、画像、文書コンテンツなどのコンテンツ管理ソリューションMedia Backbone NavigatorX(メディアバックボーンナビゲーターエックス)が、ローカル(オンプレミス)環境に加えて、クラウドベースでの構築に対応します。長寿命かつ耐久性に優れた大容量データストレージシステムのオプティカルディスク・アーカイブとの連携も可能で、コンテンツ管理の柔軟度が向上します。例えば、使用頻度の高い素材はクラウドで管理し関係者間で共有、使用頻度の低いものはローカル環境のアーカイブシステムに保存するなど、ハイブリッドでの設備構築が可能です。
光学ヘッドシステムDCHS (Dual Channel Head System)を2台搭載し、ファイル転送速度のさらなる高速化を実現したXDCAMドライブ『PDW-U4』を発売します。『PDW-U4』は、XDCAMディスクに収録されたファイルのノンリニア編集機への取り込みや、編集後のファイルの書き出しスピードを大幅に改善、番組制作のワークフローのさらなる効率化に貢献します。
ますます多様化する映像制作者のニーズに応えて、ソニーは新機能アップデートや周辺機器の拡充による以下の最新映像制作機器およびソリューション強化を図ります。
映画制作用CineAltaカメラ『VENICE』にハイフレームレート収録可能なイメージャーモードを追加
2020年11月予定のファームウェアアップデート(Ver.6.0)により、ハイフレームレート収録可能なイメージャーモード3種を『VENICE』に追加します。新たに追加となるフォーマットは、72fps/5.7K 16:9、110fps/3.8K 16:9および72fps/4K 6:5です。これにより、『VENICE』に実装されている全てのイメージャーモードにおいて、ハイフレームレート収録が可能となります。
あわせて、以下のアップデートにも対応します。
2020年10月予定のファームウェアアップデート(Ver.2.0)により、『FX9』の映像表現をさらに広げる機能を拡張します。5Kサイズスキャンによる4K 60p収録やDCI 4K(4096×2160)収録、4K 16bit RAW出力対応に加え、ソニーのレンズ交換式一眼カメラα™ (Alpha™)で培った瞳AFやタッチスクリーンによる操作(設定変更、フォーカスコントロール)など、操作性も向上します。これまでのS-Log3での記録に加え、ポストプロダクションの時間を短縮しHDR映像制作を実現するインスタントHDRワークフロー※2に、新たに対応します。
XDCAMショルダーカムコーダー『PXW-Z750』の4K/HD同時記録機能拡張
2020年7月予定のファームウェアアップデート(Ver.2.0)により、報道取材や番組制作、スポーツ・ライブ収録などに適したXDCAMショルダーカムコーダーの最上位機種『PXW-Z750』の、4K/HD同時記録機能を拡張します。XAVC 4K 60p撮影時、同時記録するHDにおいてもXAVC HD 60pが選択できるようになります。4K素材・HD素材のタイムコードが完全に一致しているため、編集の効率向上に寄与します。
2021年初旬予定のソフトウェアアップデートにより、カメラをWi-Fiなどのネットワークに接続するだけで、主要なライブストリーミングサービスや動画共有サイトでのライブ配信が可能となる機能「シンプルライブストリーミング」がFHD解像度(1920×1080)に対応します。カメラ1台で収録からライブ配信まで行えるため、効率的な映像制作をサポートします。
マルチフォーマットカメラ『HDC-5000シリーズ』『HDC-3000シリーズ』『HDC-2000シリーズ』『HDC-4300』などの各種設定を集中管理・制御することができるマスターセットアップユニットです。両機種ともに視認性の高い16:9の新液晶タッチパネルを搭載。『MSU-3000』は横型モデル(EIAラックサイズ)、『MSU-3500』は縦型モデル(EIAハーフラックマウントサイズ)で、実装スペースに合わせた選択が可能です。
『SRG-XB25』は光学25倍ズーム、『SRG-XP1』は水平画角100°以上の広角での撮影が可能な小型軽量なカメラです。IP対応により、ネットワークケーブル1本で電源供給やRTMP、RTSP配信ができます。また、NDI®|HXに対応し、ネットワーク上の対応機器と接続することが可能です。ソニーのリモートカメラシステムと、映像制作支援ユニットEdge Analytics Appliance(エッジ・アナリティクス・アプライアンス)などのさまざまな機器と組み合わせることで、映像制作現場に加え、イベント会場や大学などの教育機関の講義収録、企業の遠隔ミーティングなど、より効果的なリモートコミュニケーションが求められる幅広いシーンで使用可能です。
スポーツなどのライブ映像制作の分野で対応が進むHDRが、映画・ドラマなどの領域にも広がっています。ソニーは、コンテンツ配信をはじめとする視聴環境の多様化にあわせて、HDR映像制作の需要に対応した以下の機能拡張を進めています。
スポーツ中継や音楽ライブなどで活用されているHDRプロダクションコンバーターユニット『HDRC-4000』に加え、HDCシリーズのカメラシステムにおいて、HDR/SDRに関連する設定データ群を、各機器のSDI信号上に「SR Live Metadata(エスアールライブメタデータ)」として出力することが2020年夏より可能になります。
また本メタデータは、収録時にもファイルに記録されます。映像制作用プラットフォームCatalyst Prepare(カタリスト・プリペア)上にSR Live Metadataを記録したHDRファイルをロードすると、本メタデータ情報を元に、SDRへの変換が行え、現行のHD SDRポストプロダクション工程に容易に取り込むことが2020年内に可能になります。既に対応済みのプロダクションビデオサーバー『PWS-4500』や4K XAVCレコーダー『PZW-4000』に加えて、『PXW-Z750』、『PXW-Z450』のカムコーダー2機種が新たに対応予定です。
2021年3月夏予定の無償のファームウェアアップデート(Ver2.0)と有償のライセンスにより、4K HDR対応ピクチャーモニター『PVM-X2400』(24型)および『PVM-X1800』(18型)(2020年7月発売予定)が、本体上のHDR/SDR変換に対応します。モニター単体で、HDR(PQ/HLG/S-Log3)からSDRへの変換や解像度の変換(4K→HD)などのモニタリングが可能になり、利便性が向上します。