報道資料
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2021年9月15日
ソニーグループ株式会社 2021年度ESG説明会
サステナビリティ経営の進化 - 事業を通じた価値創出に向けた取り組み
ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)のもと、長期視点で「人」を軸とした経営を行っています。本日開催したESG説明会では、サステナビリティ経営の進化、特に多様な事業とテクノロジーを通じた社会価値創出への取り組みについて説明しました。概要は以下の通りですが、詳細については投資家向け情報サイトに掲載する関連資料をご参照ください。
1. ステークホルダーとの対話 / 事業へのサステナビリティ活動の統合
多様なステークホルダーとの対話を重視し、ステークホルダーからの学びを経営に活かしている。ESG説明会は2018年から毎年開催。
そして、サステナビリティを事業活動に統合し、事業とテクノロジーを通じた社会や地球環境への取り組みを加速している。グループ全体の最重要マテリアリティ項目を「テクノロジー」「人材」と定めた上で、多様な各事業が創出する社会価値と、それぞれが重視するサステナビリティ課題を設定し、公表している。
2. 地球環境に関する取り組み
2050年までの長期環境計画「Road to Zero」に基づき、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点で、グループ各社や製造事業所、サプライチェーン、製品のライフサイクル全体において、環境負荷低減の取り組みを実施している。
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)事業における取り組み
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環境への「責任」
<省エネ> 長崎テクノロジーセンターの増設棟Fab 5では、最新の省エネ技術によりクリーンルームのエネルギー消費効率を2015年度の長崎における実績をベースとした試算値比で30%改善。また、生産ラインで使用する水のうち7割を回収し、再利用。
<再エネ> 国内製造事業所における太陽光パネルの導入を推進。また、Sony Device Technology (Thailand) Co., Ltd.ではグループ最大規模の太陽光パネル設置を予定。「再生可能エネルギー証書」の購入との組み合わせで、今年度中に再エネ電力100%を達成見込み。
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環境への「貢献」
イメージセンサーのロジックチップにAI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を開発。IoT領域での活用を見込む。エッジシステムの中のエッジであるセンサー上で情報処理を行うことで、メタデータ(意味情報)のみを出力することができる。レイテンシー(応答速度)の改善、プライバシー面での配慮等に加え、クラウドへの送信データ量と送信後のデータ処理量の低減により、消費電力削減に貢献。
「IMX500」は、市街地における交通渋滞や事故などの社会課題への実証実験や、ビル内空調システムの電力消費抑制をめざすソリューションにも活用されている。
製品の省エネ化やプラスチック包装材の削減
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民生エレクトロニクス製品では、テレビやゲーム機などを中心に、継続的に省エネ化を推進。製品1台あたりの年間消費電力量は2020年度に2013年度比マイナス54%を達成。
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2025年までにプラスチック包装材の全廃をめざす小型製品に関しては、ヘッドホンのパッケージに、竹、さとうきび、リサイクルペーパーを原料とした新開発の紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を導入。また、Xperia™やプレイステーション®5のパッケージでもプラスチック包装材の使用を大幅削減。大型化が進むテレビでは、独自開発の難燃剤技術を採用した再生プラスチック素材「SORPLAS™ (ソープラス)」の導入を強化。
環境に関するテクノロジーの社会実装へのチャレンジ
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車載センシング技術を搭載したEV(電気自動車)の「VISION-S Prototype」と5G通信で繋がるクラウドプラットフォームを開発中。マイクログリッドにおける大容量蓄電池の役割を果たすEV、ソフトウェアによる車の持続的なアップデートを可能とするクラウドプラットフォームを通じ、モビリティの進化に加え環境にも貢献。
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ソニーコンピュータサイエンス研究所で開発した、住宅間で電力を直流で相互融通できるマイクログリッドシステム「オープンエネルギーシステム(OES)」の実証実験の成果を昨年末よりオープンソース化。
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Sony Innovation Fund: Environmentの投資1号案件として、株式会社SynecO(シネコ)を設立。協生農法™をはじめとする拡張生態系の知見や支援技術をもとに、生物多様性、気候変動への貢献を目指す。
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「宇宙の中の地球」という視点を再認識する体験を人々に届けるため、東京大学および宇宙航空研究開発機構(JAXA)の支援のもと、技術実証と事業探索を推進。ソニーのカメラ機器を搭載し、全方位での撮影を可能とする超小型人工衛星を開発中。来年中の打ち上げを目指す。
3. 人・社会に関する取り組み
多様な人材を強みとする、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンをグループ全体で推進するとともに、社会との関わりにおいても多様性や社会正義に関する取り組みを進めている。
製品づくりや職場環境におけるインクルージョン
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製品・サービスの企画、開発過程において、障がいのある方々へのインタビューやユーサビリティテストを実施。フィードバックを改善につなげることで、製品・ユーザーインターフェース・サービスのアクセシビリティを高めている。
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精神・知的障がいのあるソニー希望・光の社員が個人の特性を生かしながらミラーレス一眼カメラのソフトウェアや製品開発チームに加わるなど、各事業でインクルーシブな職場環境づくりを進めている。
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2019年12月に、障がいのある方の活躍推進に取り組む国際イニシアティブ「The Valuable 500」に署名。同イニシアティブにおける13社のIconic Leadersの1社に選定された。
医療、教育、クリエイティブコミュニティへの支援
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新型コロナウイルス感染症の影響を受けている人々を支援するため、2020年4月に「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」を設立。医療、教育、クリエイティブコミュニティの領域において、グループ各社が事業や技術を通じた支援活動を実施し、現時点で1億USドルのうち約8割の使途が決定。基金を通じて、これまでに約5,500の団体への支援を実施した。
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ソニーミュージックでは、クリエイターが心身ともに健康な状態で作品づくりができる環境構築を支援するため、米国や英国を中心に、NPO団体などと連携のうえアーティストをサポート。国内においても、専属マネジメント契約のあるアーティストやクリエイター、またそのスタッフを、心と身体の両面からサポートするプロジェクトを発足。
社会正義やダイバーシティの推進
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米国における人種差別に対する抗議活動や社会正義を求める動きを受けて、2020年6月に「Global Social Justice Fund」を設立。米国のグループ各社を中心に、長期視点で、社会正義および人権保護に取り組む団体への支援、社内外でのダイバーシティの推進を行っており、現時点で1億USドルのうち約7割の使途が決定している。
4. サステナビリティ活動を支えるガバナンス
ガバナンスを、サステナビリティの取り組みを推進するための仕組みとしても位置づけ、継続的に強化している。
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2020年度より、上級役員の業績連動報酬の一部に、サステナビリティの取り組みについての評価指標を導入。
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2021年度からは、各事業が重視する人材、環境などのサステナビリティ課題への取り組みを中期計画に含めるとともに、KPIを設定し、事業の業績評価の一部にも組み込んでいる。
- ※「協生農法」は株式会社桜自然塾の商標または登録商標です。