報道資料
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2021年12月7日
「感動を生む、テクノロジー」をテーマに8つの技術を紹介
本日、ソニーグループ株式会社は、ソニーグループのテクノロジーを紹介する「Sony Technology Day(ソニーテクノロジーデー)」をオンラインで開催しました。ソニーグループの多様な事業をつなぎ、その進化を支えるテクノロジーについて、「感動を生む、テクノロジー」をテーマに8つの技術を紹介しました。
ソニーは、「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニー」であり、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことをPurpose(存在意義)としています。これらに共通するキーワードは、「テクノロジー」です。開会にあたり、副社長 兼 CTOの勝本徹は、「グループ全体が『人とテクノロジーでつながること』をリードし、進化した当社の製品、コンテンツ、サービスを通じて世界に様々な感動を提供したい」と述べました。
詳細については特設ウェブサイトをご参照ください
バーチャルプロダクションとは、実写映像とCGをリアルタイムで合成する新しい映像制作技術の総称。その手法の1つである「In-Camera VFX」は、カメラの動きと連動させた3DCG映像を、スタジオに設置したLEDディスプレイに背景として映し出し、その前の演者を撮影することで、従来のグリーンバックでの撮影に必要なCG合成の手間と、天候や時間・場所などの制約からクリエイターを解放する。Crystal LEDは、ソニー独自のLED制御技術とブラビア®で培った信号処理技術を融合したLEDディスプレイであり、圧倒的なリアリティの高精細な映像を高輝度かつ広視野角で映し出す。新開発の8.6Kイメージセンサーを搭載したデジタルシネマカメラ『VENICE 2』は、高い解像力と広色域による豊かな表現力を備え、幅広い輝度条件下でも豊かな階調での表現が可能なため、ディスプレイに映し出された映像をより現実の描写に近い形で撮影し再現できる。これらの自社製ディスプレイとカメラの組み合わせは、色再現や階調表現における親和性が高く、よりリアリティのある映像制作を実現する。さらに、ソニーグループ内外のクリエイターや実際の撮影に携わるエンジニアとの連携を深め、高品位なコンテンツを効率的に制作できるバーチャルプロダクションのソリューション開発を推進する。
専用のトラッキングカメラで撮影された試合映像から選手やボールなどの動きを捉え、ミリ単位の正確性で迅速に骨格情報やプレーデータを収集する、ソニーのグループ会社 ホークアイ イノベーションズ(Hawk-Eye Innovations Ltd.)のEPTS(エレクトロニックパフォーマンストラッキングシステム) “SkeleTRACK(スケルトラック)"を紹介。EPTSなどから得られたデータは、Data Visualization Technology(データビジュアライゼーションテクノロジー)を活用することで、バーチャルリクリエーションで映像化することができる。ホークアイの得意とする高度な画像処理技術・AI認識技術と、ソニーの得意とする放送用途の品質で映像を扱う技術やイメージセンサー関連技術の融合により、選手の姿勢まで含めたすべてのプレーがデータ化され、今まで捉え切れなかったパフォーマンスを可視化する。今後はスポーツに限らず、さまざまなエンタテインメントビジネスに応用・貢献することを目指す。
片目で4K、両目で8Kの高解像度を実現し、高精細な3次元空間を映し出すVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムを紹介。CMOSイメージセンサーの開発・製造で培った微細加工技術を生かした多画素、小型化と、ディスプレイ開発で培ったデバイス・回路技術を生かしたOLEDマイクロディスプレイにより高画質化を実現。複数のセンサーの情報を組み合わせることで、システム全体で遅延量の削減を行い、処理時間を短縮。視聴している人の頭の動きに合わせて素材のテクスチャや人の表情などを高精細にリアルタイムで表現でき、産業用途のほか、エンタテインメント領域における活用も期待できる。
1990年代からの機械学習を用いた映像開発で培ったノウハウを活用し、限られた演算リソースの中での性能の最大化や、あらゆるシーンや品質の映像に対して様々な観点からの高精度な高解像度化を実現する技術。データ量の多い3Dコンテンツにおいては、キャラクターの形状、テクスチャ、照明などの情報を用いて利用する光線の数を絞ってレンダリングすることで、制作時間を数百分の一に短縮することができる。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと連携し、クリエイターの声を反映しながら開発を進めている。2Dから3Dへ応用範囲を広げ、エンタテインメント領域における幅広い展開を目指す。
プレイステーション®5に搭載しているTempest 3Dオーディオ、ハプティックフィードバック、アダプティブトリガーの3つを紹介。Tempest 3Dオーディオは、非常に正確なオーディオポジショニングを実現できるようDSP(デジタルシングルプロセッサー)から設計し、無数のスピーカーが配置された球体の中に入るようなイメージで、360度どこからでも音が聞こえてくるという技術。表現力豊かに感触を伝えるハプティックフィードバックは、新規開発したデュアルアクチュエーターの振動をゲーム内の状況に応じて変化させることで、触覚に訴えかける多彩な反応を実現し、没入感のある体験を提供している。また、DualSense™ ワイヤレスコントローラーのL2/R2ボタンに採用したアダプティブトリガーは、内部に組み込んだ小型精密ギヤと高トルクのモーターによりゲーム内のアクションに応じてパワフルなでリアルタイムの触覚を生み出すことを可能にしている。今後も、全ての人にThe Best Place to Play (最高の遊び場)を提供することを目指し、開発を継続していく。
微弱な光エネルギーを捉え、高い精度で周囲の物体との距離を検出できるセンサー。光を検出して電気信号に変換するSPAD(Single Photon Avalanche Diode)画素、電気信号を伝達するCu-Cu(カッパー・カッパー)接続、伝達された信号から測距処理を行う回路などを搭載したロジック回路の主に3要素で構成される。CMOSイメージセンサーの開発で培った強みを生かし、1チップで小型ながら、近距離から遠距離まで高速かつ高精度な距離測定を実現する。車載LiDARの検知・認識性能の進化に貢献し、安心・安全なモビリティ社会の実現を目指す。
特性が分からない物体をロボットが丁寧に扱うことができる技術。指先で検出した圧力分布の変化から物体の滑りの前兆をリアルタイムに検知する。適切に物体を持つ力を調整できるため、滑り落とすことなく物体をつかむことが可能。また、距離センサーにより、指から物体までの距離を把握できるため、適切な位置や姿勢で物体を持つことが可能。人間の手のように繊細に物体をつかむことができるため、従来ロボットの導入が難しかった新しい領域において、人間の仕事を手伝うことが期待できる。AIと高度なセンシング技術をロボットに組み込むことでマニピュレーターの能力を強化し、人の生活を豊かにするロボット技術の開発を続けていく。
地球上のあらゆる場所をセンシングし、環境問題、災害などの異変の予兆を察知して問題の発生を未然に防ぐ仕組み。実現すれば、人々に異変を事前に知らせることで、サステナビリティに繋がる行動を促す。水分量測定が可能な土壌水分センサー、LPWA(Low Power Wide Area)の無線通信規格ELTRES ™(エルトレス)、AIを活用した予兆分析技術など、ソニーグループの技術を活用して構成される。フィールドワークや実証実験を通じて、プラットフォームと持続可能な未来の実現に向け、取り組んでいく。