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報道資料
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2022年6月3日

Sony Corporation of America
宇宙光通信事業を行う新会社
Sony Space Communications Corporationを設立

ソニーグループ株式会社(以下、ソニーグループ)は、完全子会社のSony Corporation of America(以下、SCA)が宇宙光通信事業を行う新会社「Sony Space Communications Corporation(以下、SSC)」を設立したことを発表します。

現在、宇宙空間には約12,000機の人工衛星があり、今後も増加が見込まれています。併せて、地球周回軌道における衛星での通信量も年々増加しており、利用可能な電波による通信量の限界が指摘されています。また、低軌道衛星は地上との通信が必要であり、大容量の通信を行うためには大型の通信機器が必要であることや地上局の上空を衛星が通過するタイミングでしか通信を行えないなどの制約があり、即時性に欠けるという課題があります。さらに、現在利用されている電波は周波数免許が必要なことや、衛星の小型化に伴う通信機器の低消費電力化も課題となっています。

SSCはこれらの課題を解決するために、低軌道の超小型衛星間を光で接続する小型光通信機器の開発と関連サービスの提供を計画しています。SSCでは光通信を利用することで、従来の電波通信では物理的に実現が困難な大容量通信を小型機器で実現していきます。また、衛星と地上間のみならず、衛星間の光通信網を構築することで、地上のどこからでも、どの衛星へもリアルタイムに通信が可能になることを目指します。SSCは免許が必要な電波通信と比較して取り扱いやすい光通信を超小型衛星にも搭載できる通信機器として衛星開発関連企業等へのサービスとして提供する予定です。

またSSCは、利用しやすい通信機器および衛星間通信サービスの提供により、宇宙空間で利用可能な通信量を増やし、宇宙空間を含めた地球全体をカバーするインターネット通信網の実現とリアルタイムサービスなどのアプリケーション実装も目指します。

Sony Space Communications Corporation 概要

  • 社名:
    Sony Space Communications Corporation
  • 本社所在地:
    2207 Bridgepointe Pkwy. San Mateo, CA 94404
  • 役員:
    President: Kyohei Iwamoto(岩本匡平)
  • 設立日:
    2022年6月1日
  • 株主:
    Sony Corporation of America 100%

宇宙光通信について

ソニーグループでは、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所において、小型衛星に搭載可能な形状で長距離空間大容量データ通信を可能とするための光通信システムの研究開発を行ってきました。ソニーがCDプレイヤー等の開発生産を行う中で長年培ってきた光ディスク技術を応用することで、超小型・軽量かつ宇宙という厳しい環境にも耐え、量産可能な光通信機器の実現を目指しています。
2020年には国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」(Small Optical Link for International Space Station)と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の宇宙光通信地上局との間で双方向光通信リンクを確立し、Ethernet経由での高精細度(HD)画像データ伝送に成功。このSOLISSの開発が宇宙通信インフラ構築に極めて顕著な功績があったと評価され、宇宙開発利用大賞で最高賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。2021年には同実験装置が宇宙からギリシャに設置されたコングスベルグ・サテライト・サービシズ(Kongsberg Satellite Services)社の商用光地上局へのデータ通信確立に成功しています。また2022年にはJAXAと共同で成層圏や宇宙でのインターネットサービスの技術基盤となるエラー発生環境下での完全なデータファイル転送の実証にも成功しています。

SSCでは、宇宙空間での光通信の利用を促進すると共に人々の生活圏での利便性向上と社会経済活動の拡大に貢献することを目指します。

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