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報道資料
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2022年9月15日

2022年度 ソニーグループ サステナビリティ説明会

人材、気候変動、AI倫理に関する取り組みを紹介

本日、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、サステナビリティ説明会を開催しました。
ESG・サステナビリティに関する説明会として2018年以降、5回目の開催となる今回は、最初に会長 兼 社長 CEOの吉田憲一郎が多様な「学び」をテーマに、クリエイターとユーザーから学び、感動を創出すること、そして現実を捉え、現実から学ぶセンシングやAIの技術について説明し、そのような「学び」がソニーの成長と地球のサステナビリティにつながると述べました。
その後、サステナビリティ担当役員の神戸司郎および人事担当役員の安部和志より、今年実施したマテリアリティ分析の結果にくわえ、「人材」および「気候変動」に関する取り組みを中心に紹介しました。また、社会や技術の変化に伴い新たに生じる新しい社会課題への取り組みの一例として、近年特に重要となっている「AI倫理」に関する活動について、AI倫理室、ソニーAIのアリス・シャンから説明しました。気候変動領域における活動の進捗として、「Science Based Targets initiative (SBTi)」によるネットゼロ目標の認定取得について同日に発表しました。

概要は以下の通りですが、詳細については投資家向け情報サイトに掲載する関連資料をご参照ください。また、SBTiによるネットゼロ目標の認定取得の詳細については同日に発表しているプレスリリースをご覧ください。

1. 多様な「学び」とサステナビリティ

ソニーは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)のもと、クリエイターとユーザーから学び、感動を創る多くの製品・サービスを提供している。そして、このPurposeを推進する場でもある「世界」を持続可能なものにするために、社員と共に「学び」、長期視点で人、社会、地球へ貢献していく。

現実を捉えるセンシング

  • 現実世界を捉え、現実から「学ぶ」デバイスであるCMOSイメージセンサーは、地球や星々を「感動コンテンツ」として人々に届ける新事業にも生かされている。「STAR SPHERE(スタースフィア)」では、ソニーのカメラ機器が搭載された超小型人工衛星からの撮影体験と宇宙空間からの視点を活用したクリエーションを通じて、地球・環境について学ぶ機会を提供する。また、「地球みまもりプラットフォーム」では、地球を「みる」ことを、「まもる」ことに繋げ、災害の未然防止や環境の課題解決に貢献することをめざす。

捉えた世界から学ぶAI

  • CMOSイメージセンサーと、データに基づく予兆分析を行うことで「学ぶ」AIを掛け合わせたインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」は、スマートシティの実現など社会の生産性向上に貢献。また、イメージセンサー内でデータ処理を行い、クラウドに流れ込むデータ量を抑えることでデータセンター等の消費電力を削減する。
  • センシングとAIは、先進運転支援システム(ADAS)などのモビリティの進化に欠かせず、モビリティの進化は健全な地球環境にもつながる。

2. 多様な事業の取り組み/マテリアリティ分析

ソニーでは、グループ全体で重要となるサステナビリティ課題を明確にした上で、各事業がそれぞれの特性を生かしてさまざまな取り組みを進めている。また、上級役員の報酬の一部にサステナビリティ評価指標を導入したことに加え、各事業においてKPIを設定し、業績評価に組み込んでいる。
社会環境の変化などを踏まえ、今年、マテリアリティ分析を実施。その結果、グループとして最も重要なマテリアリティ項目を「気候変動」、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」、「人権の尊重」および「サステナビリティに貢献する技術」の4つとした。

3. 多様な「個」の成長によるソニーの持続的な成長の実現

ソニーのさらなる成長の実現のためには、多様な事業を支える約11万人の個の成長を支援することが重要。異なる個性を持つ社員一人ひとりと、多様な個を受け入れるソニーとが、共に成長するというメッセージを込めた "Special You, Diverse Sony"を人材に対する理念とし、「個を求む」・「個を伸ばす」・「個を活かす」という枠組みで人事戦略を推進。また、企業としてのサステナブルな成長のために、中長期視点で人的資本に投資を行っていく。

個を「求む」・「伸ばす」・「活かす」

  • 個を「求む」:各事業や本社機能の中枢を担う責任者に、社外経験を持つ人材も登用し、新たな視点や創発を活発化。DE&Iの領域においても、事業や地域、社会環境に応じた施策を社内外で実行。例えば、北米に本社を置くエンタテインメント事業においては、業界で公正な機会が得られていない方々への育成機会や教育支援の提供などを行っている。また日本では育児や介護だけでなく、がん治療や不妊治療もサポートするSymphony Plan(シンフォニー・プラン)の拡大や、障がい者の製品・サービスへの企画段階からの参画を行っている。
  • 個を「伸ばす」:ソニーグループにおける将来のリーダー育成の取り組みであるソニーユニバーシティは、担当事業、国籍、性別などの参加者の多様化を推進。「技術戦略コミッティ」は事業の垣根を超え、最先端の技術共有や広く学ぶ機会を提供し、エンジニアのキャリア形成や技術力の向上を支援。
  • 個を「活かす」:社員エンゲージメントは、経営にとって重要な指標として定期的な調査や分析を行い、サステナビリティに関する取り組みの一部として役員報酬に連動させている。

中長期視点での人材育成、人材への投資

  • 産学連携による中長期視点での人材育成の支援として、東京大学の工学系研究科の教育プログラムや東京工業大学との共同研究講座などにおける連携に加え、新たに東京大学のメタバース工学部や、奈良女子大学工学部への支援も実施。さらに、日本におけるイノベーション人材育成の支援の一環として、「神山まるごと高専」にスカラーシップパートナーとして参画。
  • 中長期的な企業価値向上に向け、株主と価値共有を促す株式報酬について、今年6月に譲渡制限付株式ユニット(RSU)による事後交付型株式報酬制度の導入を決議。RSUは役員に加え社員も付与対象としており、株式を用いた人材への投資を加速していく。
  • 人材データの把握・管理をする取り組みやDX領域との連携を強化し、プラットフォームサービスや、テクノロジー、ノウハウや知見、知財といった、ソニーグループ内の豊富な経営資産のさらなる有効活用につなげていく。
  • メンターシッププログラムでは、グループ横断で経営責任者と将来の期待人材とのつながりを創出し、メンター・メンティーとしての関係性を構築することで、豊富な経験値が次世代に継承され、新たな価値創造や人材育成につながることをめざす。

人・社会への取り組み

  • インクルーシブデザインの手法を取り入れた補聴器の開発や、Global Social Justice Fundを通じた社会正義や人権保護に取り組む団体への支援など、社会とのかかわりの中でもDE&I推進を進めている。

4. 気候変動への取り組みの進捗

環境負荷などを低減していく「責任」と、多様な事業や技術を生かして行う「貢献」の2軸で環境への取り組みを進めている。

環境への「責任」

  • ソニーは、環境負荷ゼロをめざす長期環境計画「Road to Zero」に基づき、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点で、環境負荷低減の取り組みを推進している。今年5月の経営方針説明会では、気候変動領域において、GHG(温室効果ガス排出量)ネットゼロの達成目標年を2050年から2040年に、再エネ電力100%で稼働するRE100の達成目標年を2040年から2030年に、それぞれ10年前倒しすることを発表。この計画が、耐久消費財・家庭用品・パーソナルケア製品セクターの大手企業では世界で初めて、SBTiのネットゼロ目標の認定を8月24日に取得。
  • また、新しい取り組みとして、日本で初となるFIP(フィードインプレミアム)制度を活用したバーチャルPPA(電力購入契約)を実行すべく、発電事業者と契約を締結。
  • サプライチェーンにおける環境負荷削減の一環として、今年から一部のサプライヤーに対して、省エネ活動の支援やSBT相当の目標設定の方法、またSBTiによる認定の取得サポートを開始。

環境・社会課題解決への「貢献」

  • 技術や事業で地球環境そのものの向上に寄与する「貢献」においても、さまざまな取り組みを実施。例えば、バーチャルプロダクションは、現場に出向くロケーション撮影の代わりに、スタジオ内で再現されるバーチャルなセットで撮影する技術で、現地での発電機の使用や、撮影のためのスタッフやセットの移動にかかるエネルギーが不要となるため、ロケ撮影と比較して75%から80%(ソニー試算)の温室効果ガス排出量を削減する。
  • 環境に関する取り組みについて、ソニーグループ本社(東京都港区港南1-7-1)1階で10月7日まで展示中。

5. AIの活用と責任

ソニーは、AIの利活用を通じて、世界中の人々に感動を提供するとともに、平和で持続可能な社会の構築に貢献することをめざしている。AIの開発および利用にあたり、多様性および人権の尊重、差別の防止、透明性および信頼性の向上を担保するため、2018年に多くの企業に先駆けてAI倫理ガイドラインを策定。2019年には多様な専門性とバックグラウンド持つ役員レベルのマネジメントにより構成されるソニーグループAI倫理委員会を設置。2021年には、ソニーの各組織にAI倫理に関する専門知識とサポートを提供するための組織として、AI倫理室を設置。

AI倫理アセスメント

  • 2021年7月にエレクトロニクス製品を対象とする品質マネジメントシステムにAI倫理アセスメントを必須の遵守事項として規定・施行。

研究と実践の融合

  • ソニーAIにおいて2021年に立ち上げたAI倫理に関する研究プロジェクトでは、AI関連の製品/サービス開発において発生しうる課題の未然防止・解決に向けて、倫理的なデータ収集や、アルゴリズムにおけるバイアスの検知や軽減などに取り組んでいる。

ステークホルダーとの対話

  • ソニーは、「Partnership on AI」や「Global Partnership on AI」をはじめとする関連団体のメンバーであり、世界各国におけるAI関連の政策イニシアチブに対して知見を提供し、AI倫理に関する問題に取り組む他の企業、組織、および学術機関との積極的な対話を進めている。
  • 将来に関する記述等についてのご注意
    この発表文に記載されている、ソニーの現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しです。将来の業績に関する見通しは、将来の営業活動や業績、出来事・状況に関する説明における「確信」、「期待」、「計画」、「戦略」、「見込み」、「想定」、「予測」、「予想」、「目的」、「意図」、「可能性」やその類義語を用いたものには限定されません。口頭又は書面による見通し情報は、広く一般に開示される他の媒体にも度々含まれる可能性があります。これらの情報は、現在入手可能な情報から得られたソニーの経営陣の仮定、決定ならびに判断にもとづいています。実際の業績は、多くの重要なリスクや不確実な要素により、これら業績見通しと大きく異なる結果となりうるため、これら業績見通しのみに全面的に依拠することは控えるようお願いします。また、新たな情報、将来の事象、その他の結果にかかわらず、常にソニーが将来の見通しを見直して改訂するとは限りません。ソニーはそのような義務を負いません。実際の業績に影響を与えうる リスクや不確実な要素には、以下のようなものが含まれます。
  • (1)ソニーが製品品質を維持し、その製品及びサービスについて顧客満足を維持できること
  • (2)激しい価格競争、継続的な新製品や新サービスの導入、急速な技術革新、ならびに主観的で変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい市場競争の中で、十分なコスト削減を達成しつつ顧客に受け入れられる製品やサービス(イメージセンサー、ゲーム及びネットワークのプラットフォーム、スマートフォンならびにテレビを含む)をソニーが設計・開発し続けていく能力
  • (3)ソニーがハードウェア、ソフトウェア及びコンテンツの融合戦略を成功させられること、新しい技術や配信プラットフォームを考慮に入れた販売戦略を立案し遂行できること
  • (4)ソニーと他社との買収、合弁、投資、資本的支出、構造改革その他戦略的施策の成否を含む(ただし必ずしもこれらに限定されない)ソニーの戦略及びその実行の効果
  • (5)ソニーや外部の供給業者、サービスプロバイダやビジネスパートナーが事業を営む市場における法規制及び政策の変化(課税、及び消費者の関心が高まっている企業の社会的責任に関連するものを含む)
  • (6)ソニーが継続的に、大きな成長可能性を持つ製品、サービス、及び市場動向を見極め、研究開発に十分な資源を投入し、投資及び資本的支出の優先順位を正しくつけて行い、技術開発や生産能力のために必要なものも含め、これらの投資及び資本的支出を回収することができること
  • (7)ソニーの製品及びサービスに使用される部品、ソフトウェア、ネットワークサービス等の調達、ソニーの製品の製造、マーケティング及び販売、ならびにその他ソニーの各種事業活動における外部ビジネスパートナーへの依存
  • (8)ソニーの事業領域を取り巻くグローバルな経済・政治情勢、特に消費動向
  • (9)国際金融市場における深刻かつ不安定な混乱状況や格付け低下の状況下においても、ソニーが事業運営及び流動性の必要条件を充足させられること
  • (10)ソニーが、需要を予測し、適切な調達及び在庫管理ができること
  • (11)為替レート、特にソニーが極めて大きな売上や生産コストを計上し、又は資産・負債及び業績を表示する際に使用する米ドル、ユーロ又 はその他の通貨と円との為替レート
  • (12)ソニーが、高い能力を持った人材を採用、確保できるとともに、それらの人材と良好な関係を維持できること
  • (13)ソニーが、知的財産の不正利用や窃取を防止し、知的財産に関するライセンス取得や更新を行い、第三者が保有する知的財産をソニーの製品やサービスが侵害しているという主張から防御できること
  • (14)金利の変動及び日本の株式市場における好ましくない状況や動向(市場の変動又はボラティリティを含む)が金融分野の収入及び営業利 益に与える悪影響
  • (15)生命保険など金融商品における顧客需要の変化、及び金融分野における適切なアセット・ライアビリティー・マネージメント遂行の成否
  • (16)大規模な災害、紛争、感染症などに関するリスク
  • (17)ソニーあるいは外部のサービスプロバイダやビジネスパートナーがサイバーセキュリティに関するリスク(ソニーのビジネス情報や従業 員や顧客の個人を特定できる情報への不正なアクセスや事業活動の混乱、財務上の損失の発生を含む)を予測・管理できること
  • (18)係争中又は将来発生しうる法的手続き又は行政手続きの結果
  • ただし、業績に不利な影響を与えうる要素はこれらに限定されるものではありません。新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ・ロシア情勢に関する変化は、上記のリスク及び不確実な要素の多くに悪影響を与える可能性があります。重要なリスク及び不確実な要素については、ソニーの最新の有価証券報告書(その後に提出される四半期報告書を含む)又は米国証券取引委員会に提出された最新の年次報告書(Form 20-F)も併せてご参照ください。
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