SONY

現在、そして未来に受け継がれるソニースピリット

75年前の今日、1946年5月7日にソニーグループの前身である東京通信工業株式会社が設立されました。
「自分たちの持てる技術を世の中に役立てていきたい」。
その想いを胸に、創業者の井深大らが、会社設立に繋がる研究所で最初に手がけたのは、戦後の人々の生活を支えたラジオの修理と世界状況やニュースを短波放送で聞くためのコンバーターの開発でした。

東京通信工業設立から75年目にあたる今年、ソニーはソニーグループ株式会社と商号を改め、新経営体制をスタートさせました。

今回のブログでは、ファウンダーから代々の経営陣、そして社員たちに継承されてきたソニースピリットがどのように未来に繋がっていくのか、井深と盛田昭夫、そして私たちの75年の歩みについて、その一部を振り返ります。

「人のやらないことをやる」

人のやらないことをやるということは、なんでもないようですけれども、非常に勇気がいることであり、むずかしいことであります。しかもそのやったことは世の中の役に立たなければならない。イノベーションというのは、そのできたものが世の中に大きなインパクトを与えなければならない。大きな利益、幸福を与えるものでなければならない。(井深大/ソニー入社式にて 1981年4月)

われわれ自体どうして生きていくかということを考えますと、ただひとつ生きる道というのは、ユニークさを保つということだと思います。われわれのユニークな製品をつくっていく、創り出していくことによって、私たちは自分で活路が開けていくと思います。(盛田昭夫/社内会合にて 1982年11月)

1979年、盛田は「録音機能が無いと売れない」という社内の反対を押し切り、初代ウォークマン®を発売しました。「家にも車の中にもある音楽が、一歩外へ出たらなくなってしまう。それを満たしてくれる商品がこれなんだ」と考えた盛田の直感は的中しました。ウォークマン®は記録的なヒット商品となり、音楽を聴くスタイルに革命を起こしました。「人のやらないことをやる」というスピリットは現在のソニーにも息づいており、今日も世界中の社員が新たな挑戦に取り組んでいます。

「道を切り拓く」

ソニーがこれから世界中へひろがっていかなければならないということは、ひとつの宿命であり、運命であり、われわれの進むべき道であります。(盛田昭夫/社内会合にて 1981年5月)

ソニーが事業をグローバルに拡大するために行った一つの決断が、日本企業として初めて成し遂げた、1970年のニューヨーク証券取引所への上場でした。上場以降、世界中の投資家と対話し、エンタテインメント事業の先進国でもある米国の資本市場とのかかわりを強めたことで、祖業であるエレクトロニクス事業に加えて音楽・映画・ゲームといったエンタテイメント事業にも参入し、事業の多様化を進めました。その歴史が今日の「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニー」としてのソニーグループの基盤となっています。

「社会への貢献」

私ども会社をこしらえたときに、設立趣意書の中で、いつか会社が軌道に乗ったら、自分たちのやっている仕事以外で、社会に貢献したいということを、40何年前に立派に謳ってきたんですよね。
(社会への貢献は)儲かったからやるんだという心構えが間違っているんで、儲からなくても国を維持していくための、当然の義務だという考えがもう少し本気でいきわたらなければならないんだろうと思います。(井深大/インタビューにて 1991年5月)

井深は戦後復興期、資源の乏しい日本が世界で輝くには、「科学技術の振興が重要」とかねてから考えていました。そこで、子どもたちに科学を好きになってもらうために、1959年に先進的な理科教育に取り組む学校への教育助成を開始しました。60年以上経った今でも、こうした活動はソニー教育財団のもとで継続しています。
(写真は、社員の子どもの小学校入学を祝う「ランドセル贈呈式」。1959年に開始し、現在も継続)

現在も、ソニーは「For the Next Generation」のスローガンのもと、製品・コンテンツ、テクノロジー、社員の力、パートナーシップを活用し、世界各地で社会貢献活動を展開しています。子どもたちへの教育支援活動、災害における緊急支援、各地域のニーズに応じた多様な活動などを通じて、さまざまなグローバル課題の解決に貢献することをめざしており、最近の取り組みとしては2020年4月に設立した「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」(新型コロナウイルス感染症により世界各国で影響を受けている人々に対する支援活動)や
先日のブログでご紹介した社会正義と反人種差別に関する活動などがあります。また、子どもたちの好奇心を育む教育プログラム「CurioStep with Sony (キュリオステップ)」を2020年より新たに開始し、世界各地で展開しています。

「未来に向けて」

最後に井深が、1960年に国際基督教大学で行った講演の一部をご紹介します。

半世紀以上前に行われたこの講演で、井深はAIが日常生活に浸透していく未来を見据えており、将来的に自動運転や医療に活用される可能性について言及していました。

こうしたファウンダーのスピリットを継承しているソニーグループが、世界で初めてAI処理機能を搭載したイメージセンサーの開発や、今後のメガトレンドと捉えているモビリティ、その進化への貢献を目指す取り組み「VISION-S」などを行っていることも、ある種の必然とも言えるのかもしれません。また、昨年4月に設立したソニーAIは、「人類の想像力とクリエイティビティを解き放つAIの創出」をミッションに掲げ、グループ内のさまざまな知見も活かしながらAIの研究開発と事業探索に取り組んでいます。

今回、創立75周年を記念してソニーグループの社員がソニースピリットや創業者への想いについて語る社員イベントを実施しました。近日公開予定ですので、ぜひご期待ください。