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ソニーとマンチェスター・シティがつくるサッカーファン・コミュニティの未来 「FavoriteSpace」の挑戦

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イングランド・プレミアリーグ史上初の4連覇を成し遂げたマンチェスター・シティ・フットボール・クラブ(以下、マンチェスター・シティ)。2年連続得点王のハーランドや2024年バロンドールのロドリを擁する人気チームです。そのホームである「エティハド・スタジアム」が、ソニーの新サービス「FavoriteSpace」上に再現され、世界中のファンがバーチャル空間上で集えるようになりました。
FavoriteSpaceはスポーツの新たな楽しみ方を提案し、ファンコミュニティの活性化を目指すサービスで、8月にスマホ用のアプリが日本、アメリカ、イギリスで提供開始となりました。そこで何ができるのか。ソニーはなぜマンチェスター・シティと組むことになったのか。今後はどう発展していくのか。ソニーグループ株式会社の事業開発部門でプロジェクトを統括する多田浩二に聞きました。

今までにないサッカーの観戦方法を体験できる「Immersive Highlights」

FavoriteSpcaeに再現された「エティハド・スタジアム」

バーチャル空間上に再現された「エティハド・スタジアム」は世界中の"シティズン"が集い、選手を応援したり、スタジアム内部を見学したり、クイズやミニゲームなど様々なコンテンツを楽しみながら過ごす場所です。

「『ソーシャルエンタテインメント空間』で、スタジアムでは体験できない新しい視聴方法を提案し、世界中のファンを結びつける。そして、そこで生まれた熱量をまたリアルのチーム応援に還元していく。そんな循環を作っていきたい」と、多田は力を込めます。

FavoriteSpaceでしか見られないものの一つに「Immersive Highlights(イマーシブハイライト)」があります。エティハド・スタジアムで開催されたホーム戦のうち、ゴールシーンやビッグプレーなどのハイライトの再現動画を、テレビや動画のような固定カメラアングルだけではなく、さまざまな角度から見ることができる機能。全体を見下ろすアングルや選手視点だけでなく、アバターとしてピッチに入り込み、自由な切り口で楽しめます。

これを可能にしているのは、2011年からソニーのグループ会社になったHawk-Eye Innovationsのトラッキングシステムです。ボールや選手の動きを、スタジアムに設置されたカメラの映像からリアルタイムでデータ化して、選手の手足など、29の関節点をトラッキングできます。

「元々は審判判定支援や、放送映像にビジュアル効果を加えるために使われている技術だ」と、多田は説明します。「ソニーは、スポーツによる新たな感動体験を創出するために、スポーツエンタテインメント事業の取り組みを強化しています。2020年からソニーは横浜F・マリノスとパートナーシップを組み、選手育成のためにこのデータを分析・活用していました。この技術をもっと広く、ファン向けにも活用できるのではないかと考えたのが、FavoriteSpaceの始まりでした」

Immersive Highlightsを使いホーム戦のハイライト動画を様々な角度から見た様子

バーチャルな「エティハド・スタジアム」に世界中のファンが集まる

横浜F・マリノスは、マンチェスター・シティを中心とするシティ・フットボール・グループの一員です。そのつながりで2021年、ソニーとマンチェスター・シティのパートナーシップが実現しました。

「トラッキングデータを使えば、選手の動きを3DCGで再現できます。これまでにない角度から試合を振り返ることができる。サッカーファンに、新しい楽しみ方を提供できるのではないか──。そんな考えから、プロジェクトは始まりました」

開発段階で一部のファンにテスト版を使ってもらうと、「イマーシブハイライト」は予想以上の反響を呼びました。

「特に戦術理解に役立つという声が多かったですね。たとえばアシストした選手が、どのタイミングでスペースを見つけてパスを出したのか。それを様々な角度から確認できるので、選手たちの判断がよく分かる。固定カメラではわからなかった発見があるようです」

イマーシブハイライトはホームゲームの試合終了後に配信されるほか、毎月のダイジェストなども用意されています。

バーチャル空間に再現された「エティハド・スタジアム」が特に盛り上がるのは試合当日。FavoriteSpace上では試合のリアルタイム中継はありませんが、ユーザーたちはチャットで試合予想をし、テレビで試合を見ながら応援したり、感想を言い合ったりしています。

「世界中の人たちがバーチャルに集まります。エモート機能を使ってアバター同士に肩を組ませたり、同じポーズを取ったり。言葉が通じなくても、応援する気持ちは一つだということが感じられると思います」

バーチャルとフィジカルを行き来する体験

スタジアムツアーも人気のコンテンツです。ロッカールームやプレスルームなども再現されており、記念撮影に最適です。

さらに試合日には、FavoriteSpaceでユーザーが撮った写真が、現実のスタジアムのビッグビジョンに掲示される取り組みも実施。「バーチャルの体験が、フィジカルなスタジアムでの思い出にもつながっていく。そんな循環を作りたいと考えています」

多田は長年ソニーでゲームやVRサービス事業に携わり、ファンたちの交流や、現実とデジタル世界を行き来する体験について、考えを深めてきました。

「このサービスは、単なるバーチャル空間でのコミュニケーションツールに留まりません」と、多田は強調します。「スポーツの新しい見方を提案し、ファン同士の絆を深める。フィジカルのイベントとも積極的に連携していく。目指しているのは、そんな多面的な体験を提供することです」

今後は、ファン同士のコミュニケーション機能をさらに強化していく予定です。

「現時点で実装できているのは、考えていることの30%程度。たとえば、自分が発見した面白い視点のハイライトを、他のファンと共有できるような機能も検討しています。"ファンのみなさんの視点" から、また新しい発見が生まれるかもしれません」

FavoriteSpaceで交流するファンと、スタジアムのビジョンに映し出されたユーザーの写真

「リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展」とのコラボも実現

オアシスのアルバムジャケットを模した会場の記念撮影スポットと、FavoriteSpaceに再現された同スポット

マンチェスターが産んだ伝説的バンド・Oasis。ノエルとリアムのギャラガー兄弟はマンチェスター・シティの熱烈なファンとして知られています。FavoriteSpaceは、東京・六本木の六本木ミュージアムで、2024年11月23日(土)まで開催されているデビュー30周年の特別展「リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展」とコラボレーション。会場の一角には、FavoriteSpaceのブースが設けられ、ノエルのサインが入ったシティのユニフォームが飾られています。

特別展の開催を記念し、「リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展」でも設置されているデビューアルバム「Definitely Maybe」(邦題:「オアシス」)のジャケットを再現した記念撮影スポットを、11月15日(金)から3日間の期間限定でFavoriteSpace上に再現します。また、ノエル・ギャラガーのサイン入りマンチェスター・シティのユニフォームが抽選で当たるキャンペーンも行われます。この企画は特別展を主催するソニー・ミュージックエンタテインメントとの連携で形になりました。

FavoriteSpaceでソニーが挑戦しているのは、テクノロジーの力で、これまでになかったファン体験を作り出していくことです。

「プロスポーツやファンダムのあり方は、技術とともに大きく変化してきました。テレビ中継によって場所の制約がなくなった。ビデオ録画によって時間も超越することができた。でも、世界中のファンが同じ時間に集まって一緒に応援するという体験は、まだできていなかった。テクノロジーを使って、それを実現していきたいんです」

「好き」を中心に語り合う場として設計されたFavoriteSpace。今後、マンチェスター・シティ以外のチームや、サッカー以外の競技、さらにはスポーツ以外の分野への展開も視野に入れています。フィジカルとバーチャルの境を相互に行き来しながら、全く新しいファン活動のあり方を模索していく——。そんな挑戦は始まったばかりです。

FavoriteSpaceの構想を語る多田浩二

『リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展』開催記念キャンペーン

「FavoriteSpace」アプリ内に、『Definitely Maybe』(邦題:『オアシス』)のアルバムジャケットの再現部屋が、期間限定で公開!再現写真を応募して、ノエルのサイン入りユニフォームをもらおう!
FavoriteSpaceアプリ内の再現部屋にて、5人が揃った状態の再現写真を撮影していただいた方の中から抽選で1名様に、「ノエル・ギャラガーのサイン入り マンチェスター・シティ ユニフォーム(Mサイズ)」をプレゼントします。
応募期間:2024年11月15日(金)午前9時00分 〜 11月18日(月)午前8時59分
応募にはアプリをダウンロードしてアカウントを作成が必要です。
※iOSの方はこちら
※Android OSの方はこちら
キャンペーン応募方法や詳細は こちら
※キャンペーンの内容は予告なく変更する可能性があります。

多田 浩二(ただ こうじ)

ソニーグループ株式会社 事業開発部門 事業推進部 統括課長
1994年に株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)のゲーム制作部門にてPlayStationプラットフォーム向けのゲームタイトルの制作・プロデュース業務を行う。2010年よりサードパーティーリレーション、新規ビジネス企画を担当。インディーズタイトルの誘致、日本アジアにおけるPlayStation VRのロンチプロジェクトのリーダーを務める。
2021年にソニー株式会社(現ソニーグループ株式会社)に異動、新規事業開発支援業務に従事。2023年より事業推進部にてFavoriteSpaceのプロジェクトマネージャーを務める。