この夏、ソニーはプログラミング的思考で
作られた作品を募集しました。
大切な人のためにアイデアをじっくり考え、
試して失敗して、また挑戦して。
大切な人を”ワクワク”楽しくさせたいという
想いのたっぷり詰まった素敵な作品が
集まりました。
この夏の経験が皆さんの将来に
つながることを願っています。
「プログラミング的思考」とは、コンピューターに指示を出すときの「プログラミング」の考え方を応用して「問題を理解し、適切にモデリングして、適切な解法をデザインすること」です。
たとえばこのコンテストに応募する作品を考えるとき、まずはあなたの大切な人を思い浮かべて、その人がワクワクすることを考えてみましょう。何を見たり、聞いたりしているときが楽しそうですか?その人がワクワクしている一番の理由は何でしょう? わからないときは、その人をよく観察してみてください。きっとヒントが見つかります。
ワクワクすることがわかったら、次はワクワクさせる方法を考えて、しかけをつくっていきます。この「考える」と「つくる」は、1回ではうまくいかないかもしれません。そんなときは、どうしてうまくいかなかったのか、もっといい方法はないか、もう一度考えて、またつくってみましょう。
しかけは、プログラミング用のツールを使っても使わなくても大丈夫です。
あなただけの「大切な人のワクワクをつくるしかけ」を完成させてください。
審査の様子
コロナで会えなくなった、ばあちゃん。
ばあちゃんは、ダンスが好きだから、舞踏会のダンスを見せたいと思いました。
レコーディングの声を再生したあと、王子様toioが飛び出し、カードを紐で引っ張ってお姫様toioの方へ行き、二人で力を合わせてビーズを掃き出してメッセージを読めるようにします。そのあと、舞踏会で踊り、お姫様toioが王子様toioにキスをするしかけです。最後にレコーディングした歓喜の声を再生します。
ロボットの動きで、折り紙を開いたり、ビーズで隠れたメッセージが読めるようにしました。
重心を前にしないとビーズを掃き出せなかったので、人形の位置を工夫しました。
折り紙を開く紐を引きちぎれるように調整するのが難しかったです。
お父さんのためにつくりました。お父さんは腰痛に苦しんでいて、スクワットを頑張っているのですが、ひとりで毎日続けるのは大変そうだからです。
スクワットをやっている間に私の応援の声が出たり、おみくじメールや、一週間毎日続けるとお祝いのメールが届いたりします。また、一週間毎日続けられなくても、Googleカレンダーに記録が残るので、スクワットを楽しく続けられてお父さんが喜ぶと考えました。
動きブロックが入っているレッグバンドを足に巻きます。そして1回ボタンブロックを押すと、温度・湿度ブロックを使って部屋の気温を測定し、部屋の気温が28度から35度だった場合、熱中症の警戒メールが届きます。
ボタンブロックを2回連続で押すと、今日の目標の回数が決められます。3回/10回/20回/30回/40回/50回の中から選べます。今日の目標回数を達成すると、達成回数とお祝いの言葉がメールで送られます。
スクワットをしていると人感ブロックと動きブロックで感知し、回数をカウントしてくれます。カウントしているときにはLEDが青く光り、応援の声が途中でかかります。
部屋の電気を消すと、明るさブロックで感知し、自動的にメールで明日に向けての励ましのメッセージとおみくじ、何日継続してできているかが送られてきます。さらに、スクワットを毎日続けて行うと、一週間ごとに応援の言葉が送られてきます。
一週間毎日できなくて応援の言葉を受け取れなかったとしても、Googleカレンダーと連携して記録を残せるので見返すことができます。
スクワットをしている途中に、私の声の応援メッセージが入るタイミングを工夫しました。目標回数が多いときに、苦しくなってくる絶妙なタイミングで私の声の応援メッセージが入るようになっています。
スクワットを楽しく続けられる仕組みをつくるために「続けられないのはなぜか?」というそもそもの課題に立ち返り、途中に励ましの声を入れたり、1週間続けて目標を達成できたら翌週に向けて応援の言葉がメールで送られたりするなど、さまざまなソリューションを実装している点が評価されました。また、部屋の温度・湿度などスクワットをする環境にまで配慮がされており、お父さんへの優しさと良好な親子関係がうかがえる作品でした。
コロナ禍であまり遊べないので、クラスメイトや学園の友達に、自分たちがつくったゲームで楽しんでもらいたいと思いました。
自分たちで考えてつくったゲームを通して、プログラミングってこんなことができるんだというワクワク感を知ってもらったり、実際に遊んで楽しんだりしてほしいと考えました。
明るさブロックにLEDブロックからのライトを当てるゲームと、動きブロックに輪ゴムを当てるゲームです。
制限時間はスタートから一分間。過ぎるとアラームが鳴り、ゲームオーバー。うまく当たれば当たりと拍手の音が鳴るようにつくりました。
的や銃を全てレゴブロックで作成しました。
レゴとMESHブロックを組み合わせて違和感なく仕上がったところが良かったです。輪ゴムの飛ぶ強さやスピードの調整をするのに苦労しましたが、2種類のシューティングゲームが楽しめるように工夫できました。
今回グループで作成したのでなかなか集まれず、オンライン会談で詳細を決めることも大変でした。家でしか試していないので、学校で友達にも遊んでもらいたいです。
今回の受賞作品で唯一の共同制作です。新型コロナの感染者数も増えるなかオンラインで協議を重ねたとのことで、リモートで仕組みの詳細について合意形成するのは大変だったと思いますが、光によるシューティングと、物体によるシューティングの2種類のゲームを完成させてくれました。一方で「コロナ禍でなかなか会えない」という課題の解決策としては、リモートでも一緒に遊べるなどの工夫があるとなお良かったように思います。今後の発展に期待します。
一人っ子や末っ子の人や、子育てが終わったパパやママにも抱っこさせてあげたいと思いました
赤ちゃんと同じ体重にしたり、ゲップさせたり、声をかけたら笑ったり、かわいくてリアルなものにしたいと考えました。
振るときの感度の調整を工夫したりして、本物の赤ちゃんみたいな感覚にしました。
口のところにボタンがあって、そこで操作できるようにしました。
顔がかわいいのが自慢です!
今回選んだ『赤ちゃん人形「あーちゃん」』は、クリエイティブ性、ユニーク性の観点で即決でした。MESHを隠すという発想は案外できそうでできません。加えて昔の自分の服を着せたり、抱き心地を良くするためにお米を詰めたり、すごく体験をデザインしている。大人顔負けのアイデアだと思いました。また「一人っ子や末っ子、子育てが終わったパパ・ママに抱っこさせてあげたい」という動機も素敵だなと感じました。
今回の審査で大事にしたのは「子どもだから」という視点では見ないこと。そして、それぞれの作品の面白いポイントを見つけようということでした。どの作品も魅力的でしたが、総合的にポイントが高かったのが、今回の受賞作品です。おめでとうございました!
審査員 松丸 亮吾
ママ。
ママがお仕事から帰ってきて疲れているところで助けになるような何かを考えたいと思いました。
お仕事から帰ってきて疲れているので、できるだけ自動的にできないかと思ってプログラムを考えました。
面倒なことが自動的に動くようなしかけを考えました。
自慢したいところ:自動でルーレットが回って晩御飯のメニューを決めてくれるところ。
工夫したところ:MESHを使ってプログラムの流れになるようにしたところ。
苦労したところ:ルーレットのレゴをつくるところとルーレットが回るようにしたところ。
いつも一番近くにいるお母さんに対して、「何かしてあげたい」という課題がはっきりしていたところ、またその中で、お母さんが一番疲れている「お仕事から帰ってきた瞬間」をポジティブな気持ちにさせてあげようというテーマがとても良かったと思います。「しかけ」を考えるときは何を定義するかが大切になりますが、玄関を開けたときを「始まり」、一番リラックスする瞬間を「韓国ドラマを見るとき」と決めるなど、一つ一つのお母さんの行動を読み取って、そこに対してきちんとしかけを実現できている点や、アレクサと連携したり、音声を入れたりと、いろいろな試行錯誤がされているところが素晴らしいと思いました。
審査員 小森 勇太
3才の妹に向けてつくりました。いつも、元気をもらっているから。
妹はお誕生日が好きで、お誕生日でない日に歌を歌ったりして家族のお祝いをしてくれたり、「今日は私の誕生日?」と聞いてきたりするので、お誕生日みたいにして喜ばせようと考えました。
紙ふぶきがうまく舞うように、ケーキの底に見えないように足をつけて浮かせて、そこにプロペラと紙ふぶきを隠しました。GPIOブロックはその下の隠し空間に入れて、箱を開けたときにケーキしか見えないようにしました。 動きブロックが反応する振る強さを、妹の力を考えて何度も調節しました。
お誕生日が大好きな妹さんのために、毎日が誕生日になる素敵なしかけを考案した、心がほっこり温かくなる作品です。箱を開けると紙吹雪が舞い、ケーキのろうそく、ハッピーバースデーの歌声、写真撮影、と細かくお誕生日を再現して盛り上げる演出もよく考えられていますし、箱のデコレーションも思わず開けたくなるようなかわいさです。しくみの一つ一つをいろいろと試して調整した工夫の跡も見られました。妹さんだけでなく、ご家族もみんな最高の笑顔で喜んでくれるでしょう!
審査員 シッピー 光
謎解きクリエイター RIDDLER株式会社 代表取締役
僕が小学生の頃はプログラミング教育がありませんでしたが、今の小学生は圧倒的に早く始められます。だからか、小学生の部はレベルの高さを感じました。特に高学年の最優秀賞『スクワクくん』は、お父さんのためにアイデアを考え、実装までできている。すぐに商品化できるレベルだと感じました。その他にも驚きのある作品ばかりで、僕自身、審査中はずっとワクワクしていました。
プログラミングは、自由な世界を冒険できることが魅力です。謎解きづくりも、参加者にどんなプロセスで感情や思考の変化を起こすかを考えるという意味ではまさに同じ。正解がないからこそ、遊ぶように取り組めます。まずは勉強と考えず、自由に楽しく、プログラミングにチャレンジしてほしいです。
ライフイズテック株式会社 取締役副社長COO/共同創業者
今回みなさんの作品を見させていただいて、とても「ワクワク」しました。みなさんの「大切な人をワクワクさせたい」というさまざまな気持ちが、自分にも伝わったような気がします。「大切な人が困っていることは何かな」とか、「大切な人をもっと喜ばせたい」という気持ちはとてもシンプルですが、プログラミングの世界はそこから全てが始まると思います。
このコンテストをきっかけに、その気持ちを「しかけ」を通じてかたちにしてくれたことにとても感動しました。
相手の気持ちを考え、いろいろなケースを想像して全ての段取りを決めていくというプログラミングの大切なプロセスを、今回応募してくれたみなさんに体験していただけていれば嬉しく思います。
ソニーグループ株式会社 サステナビリティ推進部 シニアゼネラルマネジャー
大切な人がワクワクするしかけを考える、という課題に対して、ご家族や友人、遠方の祖父母などいろいろな方について本当によく観察してしかけを工夫し、演出まで考えて完成させた作品ばかりで感銘を受けました。そのなかでも、クリエイティブな発想、試行錯誤の跡が見られるしかけ、そして何よりもワクワクさせてくれる作品を評価させていただきました。
作品の数だけ、喜んでくれた方がいると思うと、とても嬉しく思います。これからも誰かが笑顔になるような楽しいしかけをたくさん生み出してください。
上記をテーマに、あなたの大切なだれかを“ワクワク”楽しくさせるような作品を応募してください。
ただし、動く、音がするなどの動作がある立体的な作品に限ります。
※画面の中だけで完結する作品(アニメーションのみ、プログラムのみなど)は対象外です。
プログラミング用のツールを使用していない工作などでも、プログラミング的思考でつくられた作品であれば、応募可能です。
小学校低学年部門、小学校高学年部門、中学生部門
「小学校低学年部門」「小学校高学年部門」「中学生部門」の各部門より、最優秀賞を1組ずつ、
また審査員特別賞を全体から3組選出し、合計6組の入賞者を決定します。
小学1年生から中学3年生までの個人または団体
作品の応募期間は、
2022年7月4日(月)~ 9月4日(日)まで
※作品の募集は終了しました
審査員による厳選な審査のうえ、
以下の賞を決定させていただきます。
小学校低学年部門、小学校高学年部門、中学生部門でそれぞれ1組
各賞それぞれ1組※審査員特別賞は部門ごとではなく、全応募作品の中から計3作品を選定します。
「最優秀賞」「審査員特別賞」に入賞された6組には、ソニーグループのプログラミング関連製品より
ご希望の賞品を1つと、ソニーを1日体験する特別なイベントへご招待します。
MESH™アドバンスセット
「toio バリューパック “おんがくであそぼう ピコトンズ”同梱版」および、お好きな専用タイトル2つ。タイトルは以下より2つお選びいただけます。
KOOV®スターターキット
© 2022 Sony Interactive Entertainment Inc.
©Sony Computer Science Laboratories, Inc. / Synecoculture Association
子どもたちの好奇心を個性豊かに育み、世界を動かす夢とチカラになるように、
CurioStepでは、ソニーの多様なテクノロジーとクリエイティビティを活かした、
さまざまな教育プログラムを展開しています。
審査員からのコメント
人形や積み木、ビーズを使って世界観のある装飾がつくり込まれており、プログラミングを作動させる前に、見た目から「おばあちゃんを楽しませたい」という気持ちが伝わってくる心温まる作品で、ロボットの動きにもストーリー性がありました。仕組みとしてもtoioキューブの動きが秒単位で細かくプログラミングされており、完成させるまでの思考量の多さ、試行錯誤のあとが見えました。動きのプログラミングにとどまらない、新しい人形遊びを開発した作品です。