ソニーの環境教育プログラム
生態系をつくって、育てて、考える
シネコポータル・ワークショップ
©Sony Computer Science Laboratories, Inc. / Synecoculture Association
2024年度 シネコポータル・ワークショップの様子
ソニーの環境教育プログラム
©Sony Computer Science Laboratories, Inc. / Synecoculture Association
2024年度 シネコポータル・2023年度のシネコポータル・ワークショップが始まりました!今年度は全国から6つの小学校が参加してくれています。
第1回のワークショップは、ナビゲーターの福田さんの「自然は長い時間をかけてその場所に住む植物や動物の種類を増やしていく。シネコポータルでは、人間が手助けをして、その変化を早めてあげる」というお話から始まり、シネコポータルのつくり方と、お世話の仕方について説明がありました。いつもの植物栽培とは違う植え方・育て方に児童たちも先生も興味津々。
「観察記録はどんなふうにつけたら良い?」と児童から質問が出ました。福田さんが「好きな方法で良いよ。文章でも絵でも写真でも。歌や踊りでも」と答えると、他の学校の児童が踊っている様子がカメラに映ります。すると質問をした児童は「踊りで頑張ります!」と元気に宣言!こんなふうに遠く離れた学校同士がつながって、一緒に取り組んでいけるのもシネコポータル・ワークショップの魅力です。
次回のワークショップは7月。観察して気づいたことを各校から発表してもらいます。地域も児童の数もいろいろな6校からどんな発見の報告があるか、どんなふうに発表してくれるのか、今からとても楽しみです!
第2回のワークショップでは、春につくったシネコポータルを観察して気づいたことや、ふしぎに感じたことなどを学校ごとに発表してもらいました。植物の高さや色の変化、嵐が過ぎ去った後の様子や日の当たり方、実を食べてみた感想、やって来た虫やヘビ、鳥のことなど、どの学校もシネコポータルでの出来事をしっかりと観察しているのが伝わる発表でした。「もしかしたらこうなんじゃないか?」と観察から一歩踏み込んで考えたり、実際に試したりしてくれた学校もありました。
地域も環境も違う6つのシネコポータル。福岡県のシネコポータルの様子を見た神奈川県の児童から「自分たちの学校よりもジャングルみたいになっていてすごい」「自分たちの学校よりもブルーベリーの実が熟していて美味しそう」という声が上がりました。これについてナビゲーターの福田さんは「福岡は神奈川よりも南にあって、気温が高く雨も多いからかもしれない。神奈川のシネコポータルでも、これから同じようなことが起きるかもしれないね」とお話されていました。
同じシネコポータルでも、地域や日当たり、周りの植物、人間の関わり方などによって育ち方に違いが出る面白さを体感してくれたようでした。
今回はナビゲーターの福田さんがいつものスタジオを飛び出して、子どもたちに会いに行った出張授業の様子をお伝えします。
この日、訪れたのは北九州市立湯川小学校。まずは子どもたちと一緒に「植えていない草がいっぱい生えてジャングルみたい」と言っていたシネコポータルを見に行きます。
「育てている植物」を覆うほどに増えた「植えていない植物」をどうしたら良いのか悩んでいた湯川小の子どもたち。福田さんは「みんながどうしたいかでお付き合いの仕方を変えれば良い」と言います。「あまり増えて欲しくないなと思ったら、タネができる前に切って土の上に置いておけば、微生物が分解してくれるので大丈夫」と聞いて、お世話をするときにハサミを持って行くことにしたようです。
教室では、生態系や生物多様性についてのお話や、これまでシネコポータルをお世話するなかで気になったこと、ふしぎに感じたことについて、「○○かもしれない」という仮説を立てて秋植えのときに確かめてみて欲しいという説明を聞きました。
そこで登場したのが、福田さんが持って来た植物の標本や色々なタネです。福田さんはシネコポータルで採れたニンジンのタネもちゃんと芽が出るのか試してみたそう。そのタネと売っているタネを比べて「福田さんのタネは服にくっつきやすい!」と特性の違いを発見した児童や、おうちの方から聞いたタンポポの生存戦略を思い出して教えてくれた児童もいました。
山も海も近く、生態系が豊かな湯川小学校。シネコポータルを通して身近な自然への興味が高まり、自ら学びを広げている様子が感じられました。
約6か月間にわたって取り組んできたワークショップの最終回では、秋植えで仮説を立てて、検証したことなどを各校から報告してもらいました。第1回のワークショップでは、植物の植え方や育て方を迷っていた子どもたちも、最終回には自ら考えて実際に試してみた成果を教えてくれました。
福岡県の学校は秋植えの際に、種類の異なる植物を混ぜて植えるか、種類ごとに分けるか話し合い、両方試しているそうです。実は、どのくらい混ぜて植えるのが良いかは福田さんたちも研究中だそう。Instagramでの子どもたちからの続報が楽しみです。神奈川県の学校はフウセンカズラの種を色と大きさで分け、発芽の様子を比較した結果を報告。熟していない緑の種も発芽したのは、福田さんも予想外だったそうで「まだわからないことがあるね!」とワクワクしていました。夏休み前に倒れたミニトマトがどうなるか観察を続けていた兵庫県の学校は、倒れたところから太くて長い茎が伸びて実がなった驚きを伝えてくれました。
ブルーベリーが弱ってしまった群馬県の学校は、「日当たりと水はけの良いところが適している」と植物の特性と環境の関係を推測。また、比較のために2本のブルーベリーのうち1本をシネコポータルに、もう1本は単独で植えた福島県の学校では、単独で植えたほうが枯れてしまいました。ブルーベリーの根がむき出しになってしまった様子から「(草木の根がしっかり張っていないために起きる)土砂崩れと同じ原因ではないか」と仮説を立てていました。
また、新潟県の学校は毎月1日の朝6時から夕方6時の気温を音階に変換して木琴で演奏してくれました。8月から9月は高音がつづき、暑さが厳しかったことがよくわかる音楽でした。
最後に半年間の活動の感想を聞いてみると「植物にはあまり興味がなかったけど好きになった」「生物は争い合っているイメージがあったが、助け合っているイメージに変わった」「生態系について知ることができて楽しかった」などの声が聞かれました。シネコポータル・ワークショップが子どもたちの好奇心を刺激して、それぞれの興味を探求するきっかけになることを願っています。
2024年度 シネコポータル・
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