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ワークショップ

「エコパッケージ」を考えよう!エコ体験ワークショップ エコの視点を身につけよう! 普段使っている製品を分解したり、オリジナルのパッケージをつくりながら、環境へ配慮することを意識してみましょう。 ナビゲーター:東京造形大学 山際 康之 教授

どんなワークショップ?

「エコな製品」「エコなパッケージ」とはどういうことなのだろう?「エコ体験ワークショップ」は、子どもたちにとって馴染み深い製品である「プレイステーション 2(PS2)」を分解し、その設計からわかる環境への配慮を学習していきます。また、エコパッケージ作りの時間では、子どもたちひとりひとりが環境を考えた自作のパッケージ(包装)に挑戦します。環境対策をより身近な感覚で学習できるプログラムです。

「プレイステーション 2」を分解しよう

まずは、グループごとに配属された大学生の皆さんと、PS2の分解に取りかかります。気さくなお兄さん・お姉さんたちと一緒の作業とあって、子どもたちは楽しく取り組んでいます。「これ何の部品?」などと質問を繰り出しながら、丁寧に分解していきました。

分解を経て子どもたちが気づいたのは、その部品の少なさでした。旧モデルのPS2と比べると、部品の数が減っていて、本体自体も小型化されています。これにより本体の消費電力も減りますし、運搬コストもカットできています。また子どもたちは、自分たちにも分解が可能であること、それ自体にも驚いていました。子どもたちにも分解が可能なくらいシンプルな構造であると同時に、プラスチックや金属など素材ごとに分別しやすくなっており、修理やリサイクルに関わる作業もスムーズに行えるようになっています。スムーズに分別するために、素材の名前を表す記号が部品に記されているのを、子どもたちは発見していました。

分解の後、ナビゲーターからのレクチャーがありました。設計者の努力により、消費電力の削減や省資源、化学物質の管理に取り組んでいること。特に省資源については、はかりを使ってPS2の初期モデルと最新モデルの重量を実際に比べてみます。すると、同じ機能を持っていながら重量は半分以下になっています。

ムダ使いをしない(Reduse)、くり返し使う(Reuse)、ゴミを資源に戻して使う(Recycle)——「3R」と呼ばれている環境対策に加えて、長く使う(Longlife)、交換して使う(Update)、修理して使う(Maintenance)ということも大切になってくる家電製品。それらを実現するために、製品の設計自体へ細心の注意を払っていくことも大切なのだと、分解・組立ての作業を通して子どもたちに伝えることが出来ました。

エコなパッケージを考えよう

続いて、パッケージの制作にとりかかります。一人ひとつずつゆで卵が配られます。子どもたちに出された課題は、このゆで卵を150cmの高さから落としても割れないようなパッケージを考え、制作すること。しかも、ただ割れないようにするだけではなく、余計なゴミを出さないように、なるべく少ない素材で仕上げなければなりません。材料は、牛乳パックや新聞紙、トイレットペーパーの芯、ダンボール、パルプモールド、シュレッダーにかけた紙などのリユース・リサイクル素材。簡単な設計図を描き、「素材バイキング」と名付けられたコーナーから必要な分だけの材料を集めて、作りはじめます。どんな形にするかはもちろん、どんな色・模様にするかについてもお兄さん・お姉さんと相談し合って、完成させました。

パッケージができあがったら、いよいよ落下実験です。グループごとに150cmの高さから、ゆで卵入りの自作パッケージを落とします。見事たまごが割れなかった人も惜しくも割れてしまった人も、なぜ割れなかったのか、なぜ割れてしまったのかをみんなで話し合いました。たまごは横向きより、縦向きの方が衝撃に強いのだというお話もありました。さらに、たまごが割れなかった人の中で、一番軽くて省資源なパッケージを作った人を「エコキング」として発表!三角柱のパッケージで挑戦した男の子が選ばれました。最後は、ワークショップの修了証授与式です。修了証には、今回一緒のグループで体験したお兄さん・お姉さんからの直筆のメッセージも入っています。ひとりひとりに添えられたあたたかなメッセージを子どもたちは嬉しそうに読んでいました。

お兄さん・お姉さん、そしてグループのお友だちと楽しく触れあいながら工作して、身の回りにある製品の設計やパッケージがはたす環境への配慮に、気づくきっかけとなるプログラムになりました。