「光通信手づくり実験」は、はんだを使って基板に電子部品をとりつけ、自分だけの光通信装置をつくり、LEDやレーザー光による送信と受信を実験するプログラムです。自分の手で電子回路を組み立て、実験をすることによって科学の楽しさに触れ、レーザ光やLEDの光の性質について学ぶことができます。
光通信機づくりの主な作業は、基板製作とはんだ付け。銅テープを貼って作った基板に、トランジスタやコンデンサなど小さな電子部品を実装していきます。学校の授業ではんだを使用したことのある人も今回初めて使う人も、皆さん真剣な面持ちで作業に取り組んでいました。部品を取り付けた後には配線を施し、送信機側に電子オルゴールやLEDのソケット、受信機側にフォトトランジスタなども組み付けていきます。
完成したら動作テストです。送信機に青色LEDをセットし、スイッチを「ON」。受信機から電子オルゴールの音が聴こえれば成功です。成功して部屋に音が鳴り響くたびに、拍手がわき起こりました。さらに、光を赤外線LEDや青色レーザに替えて実験。テレビのリモコンに使われている赤外線LEDの光は肉眼では見えませんが、リモコンのボタンを押したときに携帯電話のカメラやデジタルカメラのモニターを通して見ると、送信するときに光が出ているのを確認できます。身近な機械をつかって行う実験を、子どもたちは楽しそうに体験していました。また、送信機と受信機の間に紙などの障害物を挟むと音が小さくなって受信されることや、鏡の反射を利用して、受信機が正常に作動することなども確認し、学びました。
実験の後には、光についての講義が行われました。同じ光でも丸く柔らかな光を放つLEDと、ビーム状の光を放つレーザの性質の違いや光の波長についてなど、実験で得た結果から知ることが出来る解説に、子どもたちも興味津々な表情でした。
最後には、ワークショップの修了証授与式が行われました。本格的な工作を行い、様々な実験を通して光がもたらす反応を学び、楽しみながらその性質を知ることの出来るワークショップになりました。