「つくって、わかる。3Dワークショップ」は、日本科学未来館の科学監修協力のもと、3Dをテーマに、学ぶ喜び・楽しさを体験できるプログラムです。デジタルカメラで撮った2枚の写真を3Dで見るためのサポートツール“3Dミラーゴーグル”をつくる体験を通して、人の目が3Dを認識する仕組みを学ぶことができます。
まずは、ナビゲーターから「3Dとは何か?」というお話から始まります。「人がどのようにモノを見ているのか、どうして3Dに見えるのか」という原理について説明がありました。人間は目で物を見るとき、左右の目でそれぞれわずかながら別の風景を見ています。顔の前に二本の指が重なって見えるようにピースをして、右目・左目と片方ずつつぶって見ると指がずれて見える実験に、わっと驚きの声があがります。人間が立体を認識する視覚の不思議について、実際に体験しながら理解します。
続いて“3Dミラーゴーグル”を製作。“3Dミラーゴーグル”は、プラスチックのパーツと鏡でできた、二枚の写真を3Dで見ることをサポートするツール。専用のキットからバラバラの板を取り出し、組み立てていきます。設置するミラーの角度が重要なため、子どもたちも慎重に作業を進めます。途中段階で覗いて見たり、ミラーを丁寧に拭いたりしながら、何度も確認していきます。
組み立てが終わったら“3Dミラーゴーグル”に飾り付けをします。用意されたキラキラ光るシートやハートのシール、毛糸やレースなどを次々手に取って厳選して選ぶ子どもたち。お気に入りの素材をボンドや両面テープで貼り付けていけば、世界にたったひとつだけのオリジナル“3Dミラーゴーグル”の完成です。
ゴーグルを完成させた後は、くだものや小さな動物の模型などを並べた空間を被写体に、写真撮影。カメラを、人間の右目・左目の幅とほぼ同じ65mmずらして、二枚撮影します。そして、撮影した二枚の写真を机の上に置き、真上から“3Dミラーゴーグル”を使って見ると……二枚の平面写真が、まるで奥行きのある一つの空間のように見えます!自分で撮った写真が3Dになる体験に、みなさん、夢中でゴーグルを覗いています。
会場のステージに設置された、テレビ局などで使われる放送用の3Dカメラの前に立って、リアルタイムで3Dを体験!スクリーンに映し出された自分の姿を専用のメガネで見ると、今まさに動いている自分が3Dに見えます。
さらにスポンジガン(スポンジの玉が飛び出すおもちゃ)やカメレオン棒(振ることによって紙が伸び縮みするおもちゃ)を手にとり、カメラに向けて振ると、まるで自分に向かって飛び出して来るように見えます。
子どもたちがアクションを起こすたび、ものが迫ってくるような感覚に、わー!っと歓声が上がりました。実際に「今」動いている自分を3D映像として見られる機会はなかなかありません。会場は大盛り上がりです。最後にワークショップの修了証授与式が行われ、各々で飾り付けした“3Dミラーゴーグル”を持って撮影された記念写真入りの修了証を受け取りました。
今回のワークショップの体験を通して、大人でもなかなか説明できない3Dの原理を学び、3Dへの関心がさらに高まるプログラムです。