2023年度 活動レポート
世界中のソニーグループが取り組む環境活動を続々配信
CDPの「サプライヤー・エンゲージメント評価」で6年連続、最高評価を獲得
ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、CDP(*)による気候変動に関する調査において、サプライチェーン全体での環境負荷低減活動が評価され、最高評価である「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に選定されました。今回が6年連続7回目の選定になります。
ソニーは2021年度から2025年度までの環境中期目標「Green Management(グリーンマネジメント)2025」の重点項目として、主な原材料・部品サプライヤーおよび製造委託先に温室効果ガス(GHG)排出量などの削減を求めています。あわせて、ソニーに納入される製品・部品の製造・出荷に関わるGHG排出量などのデータ収集も実施しています。2022年度は、ソニーの総取引額のうち約80%を占める原材料・部品サプライヤーならびに総取引額のうち約90%を占める製造委託先からデータ収集に関する回答が得られました。また、一部のサプライヤーに対しては、GHG排出量の算出を支援するためのツールやガイダンスの提供や、省エネルギー活動のサポートを行っています。
今後も、ビジネスパートナーである製造委託先や部品調達先との環境負荷低減に向けた連携を一層深め、持続可能なより良い社会と地球環境の実現に向けた事業活動を推進してまいります。
- CDPは、2000年に英国で発足した非営利団体(NPO)で、民間企業を対象とした気候変動や水資源管理、フォレストの調査を実施し、その結果を公表しています。本年度は、全世界で約23,000社以上が調査に応じています。
「ソニーの森」が環境省の令和5年度前期「自然共生サイト」に認定
愛知県幸田町にあるソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(株)の敷地にある「ソニーの森」が、環境省により「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として自然共生サイトに認定されました。
CDPが主催する気候変動の調査において最高評価を獲得
ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、CDP(*)の気候変動に関する調査において、最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。最高評価の獲得は3年連続で、今回が8回目の選定となります。気候変動への取り組み内容・実績およびそれらの情報開示が高いレベルにあると認められた結果です。
ソニーは、2050年までに環境負荷をゼロにする環境長期計画「Road to Zero」を掲げており、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の4つの視点から取り組みを行っています。このうち気候変動については、バリューチェーン全体でのネットゼロ目標を2040年に、自社事業所で使用する電力の100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)化の達成目標を2030年に定めています。
目標達成に向けて、自社事業所やオフィスでの省エネルギー活動に取り組んでいます。また、再エネの導入も推進しており、世界各地で太陽光発電設備の設置や電力会社からの再エネの購入、再エネ証書の利用などに取り組んでいます。その結果、2022年度のソニーグループの再エネ電力率は、前年度の倍となる29.7%を達成しています。さらに、製品におけるさまざまな省エネルギー施策も実施しています。同時に原材料・部品サプライヤーに対する働きかけも継続しており、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に取り組んでいます。
ソニーは今後も「環境負荷ゼロ」の実現を目指して、持続可能なより良い社会と地球環境の実現に向けた事業活動を推進してまいります。
- CDPは、2000年に英国で発足した非営利団体(NPO)で、民間企業を対象とした気候変動や水資源管理、フォレストの調査を実施し、その結果を公表しています。本年度は、全世界で約23,000社以上が調査に応じています。
G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス 国際ワークショップにおいて拡張生態系・Synecoculture™について講演
Sony Innovation Fund: Environment(*1)の出資で設立された株式会社SynecO(以下、SynecO)の代表取締役社長である舩橋真俊が、2023年9月に開催されたG7ネイチャーポジティブ経済アライアンス(G7ANPE)国際ワークショップで講演しました。
このワークショップは、経団連(自然保護協議会)主催およびG7ANPE共催で開催され、G7各国のネイチャーポジティブ(*2)に資する技術・ビジネスモデル等の事例を共有するもので、SynecOは日本企業の事例の一つとして選出されました。講演では、SynecOのビジネスモデルやビジョン、拡張生態系・Synecoculture (シネコカルチャー)(*3)について説明し、具体的な活動を紹介しました。これまで「再生:Regeneration」という言葉で表現されていた旧来のソリューションを超えて、単なる再生に留まらない「拡張:Augmentation」に踏み込んでネイチャーポジティブに貢献する拡張生態系のコンセプトを伝えました。
さらに、中国やアフリカ各国、南米など世界各地にすでに導入されているSynecocultureの事例に加え、都市緑化や教育の文脈における拡張生態系の事例も紹介し、食料生産に留まらず、人間の活動全般を科学的知見に即してネイチャーポジティブに転換する取り組みであることを発信しました。
また、12月に開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)のジャパン・パビリオンにおいても、前述の内容の紹介を行いました。
SynecOは今後も拡張生態系に関連する事業を通じて人間活動と生物多様性の両立する社会の実現に取り組んでいきます。
- Sony Innovation Fund: Environmentは、新しい環境技術を育成するためにソニーグループが2020年9月に創設したコーポレートベンチャーキャピタルです。気候変動、資源、有害化学物質、生物多様性などの地球環境問題を解決する新技術を市場にもたらすアーリーステージの企業に投資しています。
- 「ネイチャーポジティブ(自然再興)」とは、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せることを意味する言葉です。
- Synecoculture(シネコカルチャー)は、ソニーグループ株式会社の商標です。人為的に生物多様性を増進させることにより、自然状態を超えた生態系機能を発揮する状態が実現された生態系を拡張生態系と呼んでおり、この理論を食料生産に応用した農法がSynecocultureです。ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員でもある舩橋真俊によって提唱されました。
大型ディスプレイの脱発泡スチロールへの挑戦
ソニーは、2050年までに環境負荷をゼロにする長期環境計画「Road to Zero」にもとづき、製品のプラスチック包装材削減の取り組みを進めています。27型の空間再現ディスプレイ『ELF-SR2』の個装パッケージでは、段ボールクッションとパルプモールドの緩衝材を採用し、発泡スチロールを使わない梱包を実現しました。
「Sony Expo 2023」で環境への取り組みを発信
ソニーチャイナは、上海にて開催された、製品やサービス、エンタテインメントなど中国におけるソニーグループ各事業の最新情報を包括的に紹介する展示会「Sony Expo 2023」の中で、ソニーの環境活動などを紹介する「サステナビリティセッション」を実施しました。当日はオンライン視聴を含め7,000名以上の観客に向けて、ソニーの環境ビジョンや中国地域のソニーグループ各社における環境への取り組みを伝えるとともに、豊かな生態系を作る新しい農法「Synecoculture™(*)」や籾殻から生まれた多孔質カーボン素材「TriporousTM」、難燃性再生プラスチック「SORPLAS™」など、環境に貢献する技術を紹介しました。また、サステナビリティへの取り組みを推進する社員と専門家、現地の大学生によるパネルディスカッションも行い、ステークホルダーとサステナビリティをテーマに交流しました。
さらに会場では、来場者にソニーの環境への取り組みをより身近に感じていただくため、前述のTriporous、SORPLASなどを含めた環境技術の展示のほか、コンテンツIPも活用し、『リサとガスパール』のキャラクターが登場して、中国にあるSynecocultureの実験農園で収穫した野菜を配布するイベントなども行いました。
このような活動によって、多くの参加者からソニーの環境活動への興味や関心、共感を得られました。
ソニーチャイナは、今後もイベント等を通じて環境への取り組みを積極的に発信していきます。
- Synecocultureはソニーグループ株式会社の商標です
今年度もアースデイに合わせて、グローバルで環境に関する訴求とイベントを実施
ソニーグループは昨年に引き続き、世界中の人々が思い思いの方法で地球環境について考える4月22日の「地球の日(アースデイ)」に合わせて、社内外に向けて環境意識の啓発を中心としたさまざまな施策を実施しました。
社外に向けては、ソニーコーポレートブログにてアースデイに寄せたCEOメッセージを掲載しつつ、グループ各社のウェブサイトやSNSにおいて、環境に配慮した製品や、各事業における環境への取り組みを発信しました。
社内に向けては、社員に対し「環境について考える、行動する」きっかけを提供するため、多様な啓発イベントを展開。例えば、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)では、ソニーが協賛する短編映画コンテスト「Sony Future Filmmaker Awards」の応募カテゴリーの一つとして、環境をテーマにした受賞作品および最終選考作品の上映会を開催しました。また、ソニー・ミュージックグループ(SMG)はSPEと協力し、北米にあるソニー・ピクチャーズ・スタジオにおいて、SMGの所属アーティストが出演する社員向けのアースデイコンサートを実施し、会場では海洋生物の保護や自然環境保全に関する展示も行いました。そのほか、世界各地域において、環境をテーマにしたトークイベントやクイズ、植林活動、海岸・街中の清掃活動などを催しました。
ソニーグループは今後も、グローバルで環境に関する啓発活動を積極的に推進していきます。