Cutting Edge

IAAI-20

AI技術の実世界への応用

2020年7月17日

IAAI-20(Innovative Applications for Artificial Intelligence)は、現実世界でのAIのアプリケーションに焦点を当てて毎年開催されるAAAI-20内の姉妹カンファレンスです。カンファレンスでは、テクニカルペーパー、招待講演、パネルディスカッションを組み合わせて、AIを実際の問題に適用する新しい方法を紹介し、議論します。カンファレンスは9つの領域に大別される様々な分野がありますが、ビジョン、自然言語処理、推奨システムに関連するいくつかの研究を簡単に紹介します。

Calorie Estimation In a Real-World Recipe Service

この研究では、ユーザーが登録したレシピの一人前あたりのカロリー値の計算を自動化することを目的としています。各成分を特定し、レシピが提供する一人前を推定するという二つの問題を解決することで導こうとしています。エンコーダーデコーダーモデルは、それぞれの問題で数千の注釈付きの事例で学習された結果、従来の正規表現ベースの方法よりも大幅に正確になりました。このソリューションは現在、クックパッドのサービスに展開されています。今後の研究では、料理の特徴を利用して、一人前の推定を改善すると言われています。日本語の原材料の口語表現が彼らの定義した標準的な表現から分岐することができるかは興味深い点でした。

Improving lives of Indebted Farmers using Deep Learning: Predicting Agricultural Produce Prices Using Convolutional Neural Networks

この研究では、過去の価格と量の情報を使用して高い市場価格を生み出す作物を提案することにより、インドの農民の自殺を減らすことを目的としています。公開されているインド政府データベースとGoogle Maps APIを使用してデータを収集し、作物の将来の価格を予測するWide&Deep CNN構造を学習に使用し、関連研究より25%低い共分散を示していました。この研究は、価格予測モデルへの時空依存性を明示的にモデル化した最初のものであると主張しています。著者は国の特定の州内でそれを展開するために非営利組織と協力している点が印象的でした。

Understanding Chat Messages for Sticker Recommendation in Messaging Apps

この研究では、1億人のアクティブユーザーの大部分がインド人であるプラットフォーム向けのステッカー推奨ソリューションを開発する際の独自の問題とソリューションを提案しています。プラットフォームデータベースからユーザーの次のメッセージを予測し、適切なステッカーに置き換えるソリューションで、チャットテキストの密な表現を学習し、それらをクラスター化してマッピングしました。インドの文脈では、テキストは通常、インドの母語からローマ字に音訳され、英語の単語やフレーズも混在しているため、これは特に興味深いものでした。また、このソリューションは速度とメモリが最適化されているため、インドの市場での限られたネットワーク帯域幅におけるローエンドのスマートフォンで動作することを示しています。

まとめ

実世界のシナリオで実験的に実行可能性を最初に示したアプリケーションのアルゴリズムや、各アプリケーションで発生した特定の問題に対処するための改善手法に関する論文が多いように感じました。また、金銭的/人的損失を減らすことを目的とした社会問題に焦点を当てている発表が多いことも印象的でした。カンファレンスは、ディスカッションの舞台としての役割を果たすだけでなく、中小企業がAIを使用して自社の仕事を紹介し、アピールするためのプラットフォームにもなっており、将来的にネットワークを構築し、潜在的なコラボレーションを形成につながる可能性も感じました。

レポーター

名前 : カダム アクシャト
専攻 : 電気系
現在の仕事 : インド市場に関連する問題解決
職種 : ソフトウェア・信号/情報処理

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