コロムビアレコード/ソニー・ミュージックエンタテインメント
ディレクター、パブリシティ
私にとって「音楽」とは、人生のよい思い出を彩ってくれる、大切な要素です。卒業後の進路として「音楽業界を目指したい」と確信したのは、大学生の頃でした。コロムビアレコード*でパブリシストという職を得て、これまで9年間大きく成長できたことを、大変幸運に感じています。パブリシストとしての主な仕事は、アーティスト自身や、音楽がメディアに取り上げられ、できるだけ多くの人に知ってもらうことです。そのために、テレビやポッドキャストへの出演枠の確保、プレスリリースの作成、雑誌やウェブ媒体などメディアへの取材依頼、レッドカーペットへの出演や写真撮影の手配など、多岐に渡る業務を行っています。我々のチームは、メディア業界の最先端に身を置き、知識を共有し、協力し合って、担当している全てのアーティストを最も効果的にサポートできるように、一丸となって取り組んでいます。
パブリシストは、細やかな気配りと、文章を書くスキルが求められます。ストーリーとして語ることは、アーティストの持つ経験や経歴を一つの物語として表現するという、この仕事の要です。パブリシストは、メディア相手に、アーティストの代弁者となることが多いため、戦略的な文章を書く能力とともに、優れたコミュニケーション能力もまた重要です。記者や編集者と良好な関係を築くためには、私たちが、誠実で親しみやすいと信頼してもらうことがとても重要になります。昨今はアーティストのメディア露出が難しくなっており、依頼を断られることも多々あります。だからこそ、戦略的なアプローチが重要です。そして、枠の確保を勝ち取るための粘り強さ、時には相手を説得する自信も必要です。メディアの進化に伴い、今後は新しいプラットフォームへの対応や、メディアの公式アカウントでの動画、ソーシャルメディアのコンテンツを活用することで、アーティストがリーチする幅を広げ続けたいと考えています。
LAオフィスのチームは比較的小規模ですが、そのことが功を奏して、全員の距離が縮まり、家族のように結束感の強い環境を創り出しています。さまざまな経験を持つ、愉快で多様性に富んだ同僚が集まっていることは本当に素晴らしく、このまま進化し続けていきたいと思っています。コロムビアレコードのリーダーたちは強い情熱を持ち、常にアーティストとその音楽へのサポートを惜しまない姿勢は現場にもしっかり伝わっています。
仕事の中で特に好きな瞬間の一つは、大規模な新曲発表があるときです。全員が会議室に集まり、発表までの数秒をカウントダウンし、一緒に祝います。仕事に大きな誇り持って臨んでいる私たちにとって、アーティストが成功していく過程を伴走するのは大きな喜びです。コロムビアレコードのような素晴らしい会社の一員として、充実感を味わえる現場に携わることができ、とても感謝しています。
また、オフィスがソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)の敷地内にあることも非常にユニークで、ソニーグループの大きさや築いてきた歴史を実感しています。SPEやソニー・インタラクティブ・エンタテインメントなど、ソニーのさまざまなグループ会社とも連携できることは、私たちにとって有益であるだけでなく、「ソニーのレコードレーベルと契約したい」と考えているアーティストにとっても魅力的です。コロムビアレコードのパブリシティ部門は、ソニー・ミュージックグループ内のRCAレコードやエピックレコードといった他のレーベルと協力することも多く、必要に応じて業界の情報を交換し、幅広いアーティストのコラボレーションプロジェクトを実現してきました。ソニーグループという大きな組織の一員であるからこそ可能なコラボレーションは、とても刺激的な経験です。
私のコロムビアレコードでのキャリアはアシスタントから始まり、さまざまな役割と5つの異なる役職を経て、現在に至ります。その都度、新たな責任や成長の機会を得て実体験を重ねることで、自信を深めることができたと思います。新人から世界的な大スターまで多様なアーティストと接してきましたが、どのプロジェクトも興味深く、チャレンジがある特別な経験だったと感じます。駆け出しだったアーティストが大きなメディアに取り上げられるようになると非常にやりがいを感じますし、また、担当アーティストがグラミー賞の授賞式に出席したり、アルバムがランキングで1位を獲得したりすると、その活躍の一助となれたと、感慨深く、うれしく思います。私はすでにたくさんの素晴らしいアーティストに関わってきましたが、さらに多くの才能の開花を目指し、これからもコロムビアレコードで成長し続けたいと思っています。