SONY

第106回定時株主総会資料(交付書面省略事項)

株主各位

第106回定時株主総会資料(交付書面省略事項)

ソニーグループ株式会社

2022年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)

事業報告

ソニーグループの現況

連結計算書類

計算書類

上記事項につきましては、法令及び当社定款第14条第2項の規定にもとづき、書面交付請求をいただいた株主様にお送りした書面には記載しておりません。

ソニーグループの状況

財産及び損益の状況の推移

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
  米国会計原則
百万円
米国会計原則
百万円
米国会計原則
百万円
IFRS
百万円
IFRS
百万円
IFRS
百万円
売上高及び
金融ビジネス収入
8,665,687 8,259,885 8,999,360 8,998,661 9,921,513 11,539,837
営業利益 894,235 845,459 971,865 955,255 1,202,339 1,208,206
税引前利益 1,011,648 799,450 1,192,370 997,965 1,117,503 1,180,313
当社株主に帰属する当期純利益 916,271 582,191 1,171,776 1,029,610 882,178 937,126
1株当たり当社株主に
帰属する当期純利益:
基本的(円)
723.41 471.64 952.29 836.75 711.84 758.38
希薄化後(円) 707.74 461.23 936.90 823.77 705.16 754.95
研究開発費 481,202 499,290 525,175 545,357 618,368 735,698
総資産 20,981,586 23,039,343 26,354,840 27,507,843 30,480,967 32,041,222
当社株主に帰属する資本 4,436,690 4,789,535 5,621,476 6,680,343 7,144,471 7,229,709
1株当たり当社株主に
帰属する資本(円)
2,995.31 3,380.96 4,499.45 5,390.73 5,775.63 5,856.40
1株当たり配当金(円) 35.00 45.00 55.00 65.00 75.00
従業員数(名) 114,400 111,700 109,700 108,900 113,000

連結業績に関する注記

  1. ソニーグループの連結計算書類は、2020年度まで米国において一般に公正妥当と認められた会計基準による用語、様式及び作成方法(以下「米国会計原則」)、2021年度より国際財務報告基準(以下「IFRS」)によって作成されています。2020年度はIFRSベースの数値を併記しています。
  2. 財産及び損益の状況の推移については、IFRSに準拠した科目で表示しています。
  3. 当年度末の連結子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)は1,597社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は141社です。

主要な事業拠点

ソニーグループ(株)

  • 本社〔東京都港区〕
  • ソニーシティ大崎〔東京都品川区〕
  • 御殿山テクノロジーセンター〔東京都品川区〕
  • 有明ビジネスセンター〔東京都江東区〕
  • ソニーシティみなとみらい〔神奈川県横浜市〕
  • 厚木テクノロジーセンター〔神奈川県厚木市〕
  • 湘南テクノロジーセンター〔神奈川県藤沢市〕
  • 仙台テクノロジーセンター〔宮城県多賀城市〕

子会社

子会社及び企業結合等の状況」に記載のとおりです。

従業員の状況

当年度末の従業員数は、主にマレーシアの製造拠点閉鎖によるエンタテインメント・テクノロジー&サービス(海外)分野等において、人員減少がありましたが、ゲーム&ネットワークサービス、イメージング&センシング・ソリューション、映画(海外)分野において、M&A等事業拡大に伴う人員増加があり、前年度末に比べ、約4,100名増加し、約113,000名となりました。

ビジネス分野 従業員数(名) 前年度末比(名)
ゲーム&ネットワークサービス 12,700 +2,500
音楽 11,100 +300
映画 9,100 +1,000
エンタテインメント・テクノロジー&サービス 38,400 -1,800
イメージング&センシング・ソリューション 20,300 +2,200
金融 13,500 +300
その他 2,100 -200
全社(共通) 5,800 -200
合計 113,000 +4,100
  • 従業員数は、百名未満を四捨五入して記載しています。

株式の状況

発行株式数及び株主数

発行可能株式総数 3,600,000,000株
発行済株式の総数 1,261,081,781株
(前年度末比±0株)
株主数 395,668名
(前年度末比△3,476名)

株式の所有者別状況

  2021年度
(2022年3月31日現在)
2022年度(当年度)
(2023年3月31日現在)
所有株式数 株主数 持株比率 所有株式数 株主数 持株比率
外国人 千株
738,638

2,171
%
58.6
千株
724,801

2,172
%
57.5
金融機関 331,098 176 26.3 348,296 167 27.6
個人・その他 134,239 393,889 10.6 132,424 390,486 10.5
一般法人 14,054 2,822 1.1 11,164 2,768 0.9
証券会社 18,975 85 1.5 17,812 74 1.4
自己株式 24,078 1 1.9 26,585 1 2.1
合計 1,261,082 399,144 100 1,261,082 395,668 100

大株主(上位10名)

株主名 所有株式数(千株) 持株比率(%)
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口)(注1) 234,657 19.0
CITIBANK AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY RECEIPT HOLDERS(注2) 117,454 9.5
㈱日本カストディ銀行(信託口)(注1) 88,689 7.2
STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 505234(注3) 22,916 1.9
JP MORGAN CHASE BANK 385632(注3) 20,435 1.7
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(注3) 19,055 1.5
GOVERNMENT OF NORWAY 19,038 1.5
GIC PRIVATE LIMITED - C 18,165 1.5
JP MORGAN CHASE BANK 385781(注3) 16,644 1.3
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042(注3) 14,600 1.2
  • (注1)各社の所有株式は、全て各社が証券投資信託等の信託を受けている株式です。
  • (注2)ADR(米国預託証券)の受託機関であるCitibank,N.A.の株式名義人です。
  • (注3)主として欧米の機関投資家の所有する株式の保管業務を行うとともに、当該機関投資家の株式名義人となっています。
  • (注4)持株比率は、自己株式26,584,221株を控除して計算しています。

当年度中に当社役員に対して職務執行の対価として交付された株式の状況

付与対象者 株式数(株) 交付対象者数(名)
取締役(社外取締役を除く)(注) 1,000 1
社外取締役 7,000 7
執行役 133,000 6
  • (注)当社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していませんので、上記の取締役には執行役を兼務する取締役2名は含まれていません。

会社役員の状況

当社のコーポレートガバナンスの状況

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業としての社会的責任を果たし、かつ、中長期的な企業価値の向上をめざした経営を推進するための基盤としてコーポレートガバナンスが極めて重要なものであるとの考えのもと、コーポレートガバナンス体制の構築とそのさらなる強化に取り組んでいます。具体的には、次の二つを実施することで、効果的なグループ経営の実現に継続的に取り組んでいます。

  • (a)執行側から独立した社外取締役が相当数を占める取締役会が、指名、監査及び報酬の各委員会を活用しながら、経営に対する実効性の高い監督を行い、健全かつ透明性のある経営の仕組みを構築・維持する。
  • (b)取締役会がグループ経営に関する基本方針その他重要事項について決定するとともに、執行役を含む上級役員(ソニーグループの経営において重要な役割を担う者)に対して、それぞれの責任範囲を明確にしたうえで業務執行に関する決定権限を大幅に委譲することにより迅速な意思決定を可能にする。

上記に照らして、当社は、会社法上の「指名委員会等設置会社」を経営の機関設計として採用するとともに、業務執行の監督機関である取締役会の執行側からの独立性の確保、取締役会での活発な議論を可能にするための適正な規模の維持、各委員会のより適切な機能の発揮などに関する独自の制度上の工夫を追加しています。

当社独自の工夫
ガバナンス強化のため、法令に定められた要件に加え、以下の事項を取締役会規定に盛り込むなどして制度化しています。

  • 取締役会議長及び取締役会副議長並びに各委員会議長を社外取締役から選定すること
  • 社外取締役の再選回数の制限(原則として再選回数5回まで)
  • 利益相反の排除や独立性確保のための取締役の資格要件の制定
  • 報酬委員へのCEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)及びこれに準ずる地位を 兼務する取締役の就任禁止
  • 取締役の員数を8名以上14名以下とすること

経営機構の概要
当社は、法定機関として、株主総会で選任された取締役からなる取締役会、取締役会に選定された取締役からなる指名、監査及び報酬の各委員会、ならびに取締役会で選任された執行役を設置しています。なお、当社では、ソニーグループの経営全体を統括するCEO、及びソニーグループの経営において重要かつ広範な本社機能を所管する者を執行役としています。また、CEOを含む執行役及びソニーグループの経営において重要な役割を担う者を上級役員としています。なお、当社の経営陣につき、経営における役割や責任の大きさに応じて上席事業役員、専務、常務、執行役員等の職位を付与しています。

各機関の主な役割・責務

取締役会(2022年度の開催状況:9回)

  • ソニーグループの経営の基本方針等の決定
  • 当社の経営陣から独立した立場でのソニーグループの業務執行の監督
  • 各委員会メンバーの選定・解職
  • 執行役の選解任及び執行役以外の上級役員の選解任状況の監督
  • 代表執行役の選定・解職

取締役会の構成に関する方針
当社は、取締役会による経営に対する実効性の高い監督を実現するために、取締役会の相当割合を、法令及び取締役会規定に定める資格要件を満たす社外取締役で構成するよう、指名委員会において取締役会の構成に関する検討を重ねています。そのうえで、指名委員会において、各人のこれまでの職歴、経験、実績、各領域での専門性といった個人の資質や取締役として確保できる時間の有無、当社からの独立性に加え、取締役会におけるジェンダー、国際性を含む多様性の確保、取締役会の適正規模、取締役会に必要な知識・経験・能力などを総合的に判断し、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進するという目的に照らして適任と考えられる候補者を選定しています。

当社のコーポレートガバナンス体制を表した図

指名委員会(2022年度の開催状況:5回)

  • 株主総会に提出する取締役の選解任議案の決定
  • CEOが策定する、CEO及び指名委員会が指定するその他の役員の後継者計画の評価

指名委員会の構成に関する方針
当社の指名委員会は取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。なお、指名委員の選定及び解職は、指名委員会の継続性にも配慮して行っています。

監査委員会(2022年度の開催状況:6回)

  • 取締役・執行役の職務執行の監査
  • 会計監査人の監督

監査委員会の構成に関する方針
当社の監査委員会は、以下の要件を全て満たす取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。
また、監査委員は、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者より選定するものとしています。なお、監査委員の選定及び解職は、監査委員会の継続性にも配慮して行っています。

  • 当社又は当社子会社の業務執行取締役、執行役、会計参与、支配人又はその他の使用人でないこと。
  • 当社に適用される米国証券関連諸法令に定める“Independence”要件又はこれに相当する要件を充足すること。

また、監査委員のうち少なくとも1名は、当社に適用される米国証券関連諸法令に定める“Audit Committee Financial Expert”要件又はこれに相当する要件を充足しなければならないとし、当該要件を充足するか否かは取締役会が判断しています。

報酬委員会(2022年度の開催状況:5回)

  • 取締役、執行役及びその他の役員の個人別報酬の方針の決定
  • 報酬方針にもとづく取締役及び執行役の個人別報酬の額及び内容の決定ならびに執行役以外の上級役員の個人別報酬の額及び内容の決定状況の監督

報酬委員会の構成に関する方針
当社の報酬委員会は取締役3名以上で構成され、その過半数は社外取締役とするとともに、委員会議長は社外取締役から選定されることとしています。また、CEO、COO及びCFOならびにこれに準ずる地位を兼務する取締役は報酬委員となることができないものとしています。なお、報酬委員の選定及び解職は、報酬委員会の継続性にも配慮して行っています。

上級役員

  • 取締役会が定める職務分掌にしたがったソニーグループの業務執行の決定及び実行

上級役員の選解任方針・手続
当社では、CEOを含む執行役及びソニーグループの経営において重要な役割を担う者を上級役員としています。取締役会は、CEOを含む上級役員の選解任及び担当領域の設定に関する権限又はそれらに関する報告を求める権限を有しており、それらの権限を必要に応じて随時行使するものとしています。CEOを含む執行役の選任にあたって、取締役会は、指名委員会が策定するCEOに求められる要件やCEO以外の執行役候補が当社の業務執行において期待される役割等に照らして望ましい資質や経験、実績を有しているかの議論、検討を行ったうえで、適任と考えられる者を選任しています。また、執行役以外の上級役員については、その選解任状況に関する報告を受けています。
また、CEOを含む上級役員の任期は1年としており、その再任にあたっても直近の実績も踏まえて同様の議論、検討、決定、監督を行います。なお、任期途中であっても、取締役会や指名委員会において必要と認める場合、執行役の職務継続の適否について検討を開始し、不適格と認めた場合には、随時、交代、解任を行います。

取締役会からの権限委譲
取締役会は、グループ経営に関する基本方針その他経営上特に重要な事項について決定するとともに、グループ経営に関する迅速な意思決定を可能にすべく、CEOを含む執行役の担当領域の決定及び上級役員の範囲の設定を行ったうえで、CEOに対して、業務執行に関する決定及び実行にかかる権限を大幅に委譲しています。CEOはさらに、当該権限の一部を他の上級役員に対して委譲しています。

その他の役員

  • 取締役会及び上級役員が決定する基本方針にもとづく、本社機能、研究開発等の特定領域における担当業務の実行

取締役会・各委員会の実効性評価
[実効性評価に関する当社の考え方]当社は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進すべく、継続的に取締役会及び各委員会の機能及び実効性の向上に取り組むことが重要であると考えています。この取り組みの一環として、当社は、原則として年に1回以上、かかる実効性評価を実施しています。
[直近の実効性評価]取締役会は、前回の実効性評価の結果を踏まえた対応が適切になされていることを確認したうえで、主に2022年度の活動を対象とした実効性評価を2023年2月から4月にかけて実施しました。なお、今回の実効性評価は、取締役会議長および副議長による主導のもと、評価自体の透明性や客観性を確保することと専門的な視点からのアドバイスを得ることを目的として、国内外のコーポレートガバナンスに高い知見を持つ外部専門家による第三者
評価も取得したうえで、実施しました。
[評価プロセス]まず、取締役会において、前回の実効性評価を踏まえた対応状況及び今回の実効性評価の進め方について確認しました。

そのうえで、外部専門家による第三者評価を実施しました。その評価手法は以下のとおりです。

  • 取締役会議事録等の資料の閲覧及び取締役会への陪席
  • 取締役会・各委員会の開催・運営実務等に関する各事務局との確認
  • 取締役会の構成、運営、取締役自身のコミットメント、各委員会の活動、実効性評価の手法そのもの等に関する全取締役に対するアンケートの実施
  • 全取締役に対するインタビュー(Peer Review※を含む)の実施
  • 日本及び欧米のグローバル企業との比較等
  • Peer Review:取締役相互による個人別評価。今年度は取締役会議長または副議長も出席するインタビューを通じて実施

その後、取締役会が、当該外部専門家より第三者評価の結果についての報告を受け、その内容を分析・審議し、取締役会・各委員会の実効性確保の状況を確認しました。

評価結果の概要
外部専門家による第三者評価の結果として、以下の点も踏まえ、取締役会は、前回と同様、高く評価されるべき構成及び運営がなされている旨の報告を受けました。

  • アンケートおよびインタビューの結果からは、取締役の多くが、取締役会の実効性は全般的に高く評価
  • 日本はもとより、欧米のグローバル企業との比較においても、取締役会の構成などの外形的要素に遜色はない
  • 本年度はPeerReviewも実施し、また、社長交代に関する取締役会の関与は適切と評価できる
  • 前回の実効性評価における当方提言への対応、また取締役会運営全般についても高く評価できるものと確認した

取締役会としては、その報告内容を踏まえて実効性確保の状況について分析・審議した結果、2023年4月時点において、取締役会及び各委員会の実効性は十分に確保されていることを改めて確認しました。なお、当該外部専門家からは、取締役会・各委員会の実効性をさらに高めるために、他社事例も踏まえて検討対象となり得る選択肢案がいくつか例示されました。

今後の取り組み
当社は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営をさらに推進すべく、今回の取締役会及び各委員会の実効性評価の結果、ならびにかかるプロセスの中で各取締役から提示された多様な意見や外部専門家から提示された視点等を踏まえて、継続的に取締役会及び各委員会の機能向上に取り組んでいきます。

ご参考

会計監査人の状況

会計監査人の名称

PwCあらた有限責任監査法人

会計監査人の報酬等の額

支払額(百万円)

(1) 当社及び当社子会社が支払うべき金銭その他の財産上の利益の合計額 1,747
(2) 当社が支払うべき会計監査人の監査報酬等の額 532
  • (注1)監査委員会は、執行役、社内関係部署及び会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受け、会計監査人の従前の職務執行状況及び報酬実績を確認し、当事業年度における会計監査人の監査計画及び報酬見積りの算出根拠の適正性等について必要な検証を行ったうえで、上記報酬等の額について同意しています。
  • (注2)上記(1)には、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)である、内部統制関連アドバイザリー業務等の対価が含まれています。
  • (注3)当社と会計監査人との間の監査契約において、会社法にもとづく監査と金融商品取引法にもとづく監査の監査報酬等の額を区分していないため、上記(2)の金額はこれらの合計額を記載しています。
  • (注4)当社の重要な子会社のうち、海外子会社は当社の会計監査人以外の監査法人の監査を受けています。

会計監査人の解任又は不再任の決定の方針

当社においては、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当する場合、監査委員会は会計監査人の解任を検討し、解任が相当であると認められるときは、監査委員会の委員全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及び解任の理由を報告します。監査委員会が、会計監査人に適正性の面で問題があると判断する場合、又はより適切な監査体制の整備が必要であると判断する場合は、会計監査人の解任又は不再任を株主総会の提出議案とします。

業務の適正を確保するための体制

当社取締役会は、会社法第416条第1項第1号ロ及びホに掲げる当社及び当社子会社(以下「ソニーグループ各社」といい、当社と総称して「ソニーグループ」という。)の内部統制及びガバナンスの枠組みに関する事項につき、以下に述べる体制が決議時点で有効に存在することを確認のうえ、かかる体制を継続的に評価し、適宜改善することを決議しました。

1.監査委員会の職務の執行に関する事項

(1)当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項

監査委員会の職務執行を補佐するため、取締役会の決議にもとづき、監査委員会を補佐する者を置く。この者は、監査委員の指示のもと、自ら、あるいは、関連部門と連携して、監査の対象となる事項の調査・分析・報告を行うとともに、必要に応じて監査委員会を補佐して実査・往査を行う。

(2)前号の取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、ならびに当社の監査委員会の前号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

前号に定める監査委員会を補佐する者は当社の従業員であり、その選任及び解任につき監査委員会の同意を要する。また、この者の業績評価は監査委員会がこれを行う。なお、この者は、監査委員会の監督に服し、ソニーグループの業務の執行に関わる役職を兼務しない。

(3)当社の取締役(監査委員である取締役を除く。)、執行役及び会計参与ならびに使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制、及びソニーグループ各社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、会社法第598条第1項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制

監査委員会が選定した監査委員は、当社の他の取締役、執行役及び従業員に対してその職務執行に関する事項の報告を求める権限を持ち、かつ、ソニーグループ各社に対して事業の報告を求め、その業務及び財産の状況を調査する権限を持つ。また、監査委員会は、ソニーグループ各社の取締役、執行役及び従業員(以下「ソニーグループ各社の取締役等」という。)の監査委員会への出席及び監査委員会の求める事項の説明を求める権限を持つ。
さらに、監査委員会は、会計、財務報告に関する内部統制、監査に関する事項についての従業員からの苦情(会計及び監査に関する事項についての秘密、匿名の意見表明を含む。)の受領、保存その他の取り扱いに関する手続を確立する権限と責任を持ち、このために必要な事項を上級役員に指示する権限を持つ。これらの責任・権限を踏まえて、当社執行役及び従業員は、取締役会の決議にもとづき、以下に定めるものにつき定期的に、かつ、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、監査委員会に報告する。なお、報告内容の詳細、頻度及び報告担当者は、監査委員会の定めるところに従う。

  • ソニーグループの内部統制に関わる部門(内部監査・経理・財務・IR・コンプライアンスその他)及びソニーグループ各社の監査役・監査委員からの直接又は間接の活動報告概要
  • ソニーグループの重要な会計方針・会計基準及びその変更(変更前に報告)
  • 当社の業績発表の内容及び重要開示書類の内容
  • ソニーグループの内部通報制度の運用報告及び受領した通報内容の報告
  • 弁護士による米国証券関連法違反等の報告
  • 当社の会計監査人の監査パートナーの交代
  • 監査委員会が指定するソニーグループ各社における監査役・監査委員及びソニーグループの各地域・各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選解任

執行役は、ソニーグループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、直ちに当該事実を監査委員会に報告する。前記報告事項に加え、当社のCEO及びCFOは、自らの認識にもとづき、又は、必要に応じて関連するソニーグループ各社の取締役等から報告を受けたうえで、米国証券関連法の定めに従い、以下の事項を監査委員会へ報告する。

  1. 当社の財務情報を記録・処理・要約・報告する能力に悪影響を与える合理的可能性のある、財務報告にかかる内部統制の設計及び運用における重要な問題点もしくは欠陥
  2. 重大であるか否かを問わず、当社の財務報告にかかる内部統制において重要な役割を果たすマネジメントもしくは従業員による不正行為
(4)前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

ソニーグループでは、全ての役員・従業員に対して、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合、その旨を速やかに報告することを求めており、このような懸念が速やかに報告され、またその報告が適切に処理されるよう、通常の指揮命令系統から独立した内部通報制度を構築し、維持する。監査委員会への報告であるかどうかにかかわらず、当社及びソニーグループ各社は、かかる情報をもとに誠実に通報を行った役員・従業員を、公正にまた丁重に取り扱い、かかる通報者に対する一切の報復措置を許容せず、また、かかる通報者の匿名性を可能な限り維持することに努める。

(5)当社の監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項

監査委員会は、監査委員会及び監査委員の職務の執行に関する活動計画及び費用計画を作成し、当社は、かかる活動計画及び費用計画に従い、監査委員会及び監査委員が行った活動にともない発生した費用を負担する。これらの費用には、監査委員会が必要に応じてその職務の遂行のために利用する外部コンサルタント、外部弁護士、もしくはその他の外部専門家の費用も含まれる。

(6)その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

監査委員会は、ソニーグループの財務報告にかかる内部統制の有効性を評価するうえで、ソニーグループの内部統制に関わる部門及びソニーグループ各社の監査役と連携する。監査委員会は、会計監査人の監査の相当性ならびに会計監査人の独立性及び適格性につき評価するとともに、会計監査人の監査計画、報酬、非監査業務、及び監査パートナーの交代につき事前に確認・承認する。また、財務及び会計に関する相当程度の知見を有している監査委員が随時会計監査人より会計に関する報告を受ける。当社の内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会の事前同意を要する。また、ソニーグループ各社の監査役・監査委員、ソニーグループの各地域における内部監査部門の責任者及びソニーグループの各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会の指定に従い、監査委員会の事前同意又は報告を要する。

2.執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社の業務ならびにソニーグループの業務の適正を確保するための体制

(1)当社の執行役及び使用人ならびにソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

当社のコンプライアンス統括部門は、ソニーグループ全体のコンプライアンス体制を整備し、コンプライアンス活動を横断的に推進する機能を有する。また、かかる活動を推進するため、当社のコンプライアンス統括部門と各地域(米州・欧州・日本・東アジア・パンアジア)に設置した地域コンプライアンス統括部門が連携して、ソニーグループ全体のコンプライアンスを確保する体制(以下「コンプライアンスネットワーク」という。)を構築する。各地域コンプライアンス統括部門は、当社コンプライアンス統括部門を補佐して、担当地域内のソニーグループ各社におけるコンプライアンス体制を整備し、法令・社内規則等の遵守をはじめとするコンプライアンス活動を推進する機能を有する。各地域コンプライアンス統括部門の長たる地域コンプライアンスオフィサーは、担当地域内のソニーグループ各社に対する指示・監督権を含め、かかる機能を実現するために必要な権限を持つ。かかる体制のもと、当社は、ソニーグループ全体で、企業倫理の重要性の継続的な周知徹底を行う。その一環として、「ソニーグループ行動規範」その他の重要なソニーグループ共通の方針・規則を整備し、当社及びソニーグループ各社の役員・従業員へ継続的に周知し、必要に応じて啓発活動や研修を行う。また、企業倫理や法令・社内規則違反に関する役員・従業員からの報告や問題提起を求めるための通常の指揮命令系統から独立した内部通報制度を整備し、当社及びソニーグループ各社に導入する。なお、内部通報制度の運営状況については、担当の役員・従業員が定期的に監査委員会へ報告する。また、当社コンプライアンス統括部門は、前記の活動に加え、コンプライアンスネットワークを活用し、以下の仕組みによるソニーグループ全体のコンプライアンス体制の維持等を通じて、コンプライアンス活動を継続的に推進する。

  1. 「決裁規程」(後記(2)を参照)及びその他の内部統制による、所定の範囲を超えた権限行使の抑止
  2. 不正行為に関する当社への報告の義務化
  3. コンプライアンスに関する事項の周知徹底、啓発、導入、報告についての当社コンプライアンス統括部門による監督の仕組み

また、ソニーグループにとっての重要事項が、日本及び米国の証券関連法、米国証券取引委員会(SEC)、当社が上場している証券取引所の規則等に則って適時に開示されることを確保する仕組みとして、当社は「会社情報の適時開示に関する統制と手続き(Disclosure Controlsand Procedures)」を構築・維持する。この仕組みの整備・運用・評価・維持に関し、当社のCEO及びCFOを補佐する機関として、社内の関連部門の責任者により構成される「ディスクロージャーコミッティ」を設置する。適時かつ適切な開示を確保するため、ディスクロージャーコミッティは、「決裁規程」(後記(2)を参照)及び社内規則である「重要事項開示に関する報告要請」等にもとづき、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署から付議/報告された事項について、ソニーグループ全体にとっての重要性を評価したうえで、前記の法令・証券取引所の規則及びソニーグループの内部基準等に照らし、開示の必要性を検討し、CEO及びCFOへ報告してその判断に供する。

(2)当社の執行役及びソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社の取締役会は、ソニーグループの企業価値向上をめざした経営を推進することを目的として、法令、定款及び取締役会規定に定める事項を決議し、ソニーグループの業務の執行を監督する。また、その一環として、執行役を含む上級役員の職務分掌を定め、各上級役員が責任を持って担当する領域を明確にしたうえで、業務執行の決定権限を上級役員に委任する。各上級役員は、自己の担当領域に関する業務目標の達成を通じてソニーグループ全体としての経営目標の達成に努め、委任された権限にもとづき、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行う。各上級役員の業務執行にあたって、各々の職務を遂行するに際して自らと指揮命令関係にない他の上級役員の担当領域に影響を及ぼす場合には、当該上級役員と協議のうえ、ソニーグループにとって最適な選択肢を追求することを原則とし、必要に応じて、双方の領域を管轄又は担当する上位の上級役員の決定を仰ぐ。
また、各上級役員は、「ソニーグループ株式会社決裁規程」の定めるところにもとづき、下位の役員に、自らの職務の一部を委譲する権限を持つ。また、かかる体制のもと、ソニーグループにとっての重要案件が、ソニーグループ各社から漏れなく当社のマネジメントへ上程され、適切な機関によって意思決定されることを確保するため、当社は、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社から当該者への報告を求める事項等を明文化した「ソニーグループ決裁規程」を定め、ソニーグループ内に周知徹底する(ただし、上場会社や第三者との合弁会社の一部は除く。)。また、当社においても、取締役会、CEOその他の上級役員、又は上級役員から権限委譲を受けた者の事前の承認を要する事項等を明文化し、「ソニーグループ株式会社決裁規程」(ソニーグループ決裁規程と併せて「決裁規程」という。)として定め、社内に周知徹底する。決裁規程により決定権限を委譲された者は、案件の目的、実施方法、費用、効果、リスク等に関する十分な情報を入手のうえ、これらを評価し、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行う。

(3)当社及びソニーグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署は、それぞれの担当領域において、定期的にリスクを検討・評価し、損失のリスクの管理のため必要な体制(リスクの発見・情報伝達・評価・対応の仕組み等)の整備・運用を行う。これに加え、当社の執行役を含む上級役員は、ソニーグループにおける自己の担当領域において、ソニーグループに損失を与えうるリスクの管理のために必要な体制(ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社又は社内部署から必要に応じてビジネスリスクの検討・評価結果の報告を受ける体制を含む。)を構築・維持する権限と責任を有する。その中で、本社機能を担当する執行役は、ソニーグループにおける自己の担当領域に関して、ソニーグループ全体のリスク評価・管理を行う権限と責任を有する。また、これらの実施を確保するために必要なソニーグループ内の体制を構築・維持する権限と責任を有する。グループリスク管理を担当する執行役は、前記各担当における体制の構築・維持を総合的に推進し、管理する。

(4)ソニーグループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制

ソニーグループ各社の財務状況について、当社の社内規則により当社への定期的な報告(直接又は間接)を義務付けるとともに、前記(2)のとおり、当社は、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社から当該者への報告を求める事項等を明文化したソニーグループ決裁規程を定め、ソニーグループ内に周知徹底する(ただし、上場会社や第三者との合弁会社の一部は除く。)。さらに、前記(1)のとおり、社内規則である「重要事項開示に関する報告要請」等により、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署からソニーグループ全体にとって重要と思われる情報について報告を受ける体制を構築する。

(5)当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

当社及びソニーグループ各社は、その職務の遂行にかかる文書その他の情報につき、法令及び当社の社内規則に従い適切に保存及び管理を行う。以下の文書については、少なくとも10年間保存する。

  1. 執行役を含む上級役員による決裁
  2. 上級役員より権限を委譲された従業員による決裁
  3. CEO、CFOの職務執行を直接補佐する会議体の記録

決議日:2023年4月28日

業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要

当社では、取締役会により決議された前記の業務の適正を確保するための体制につき、その適切な運用に努めています。当事業年度におけるかかる体制の運用状況の概要は、以下のとおりです。

1.監査委員会の職務の執行に関する事項

(1)当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項

監査委員会の職務執行を補佐する者として、取締役会決議により、監査委員会補佐役を置いています。かかる監査委員会補佐役は監査委員の指示・監督のもと、監査の対象となる事項の調査・分析・報告を行うとともに、監査委員会を補佐して実査・往査を行っています。また、かかる監査委員会補佐役は、必要に応じて、内部統制に関わる部門(内部監査・経理・財務・IR・コンプライアンスその他)と連携しています。

(2)前号の取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、ならびに当社の監査委員会の前号の取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

監査委員会補佐役の選解任については、監査委員会の同意を要することとしています。また、ソニーグループの業務の執行に関わる役職を兼務しない、専任の監査委員会補佐役は、監査委員の指示・監督のもと、前記1(1)の業務を遂行しており、その業績評価は監査委員会が行っています。

(3)当社の取締役(監査委員である取締役を除く。)、執行役及び会計参与ならびに使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制、及びソニーグループ各社の取締役、会計参与、監査役、執行役、業務を執行する社員、会社法第598条第1項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制

監査委員会又は監査委員が持つ様々な権限や報告を受けるべき内容については、社内規則として明文化し、ソニーグループ内においてその周知徹底に努めています。また、社内規則にもとづき監査委員会が報告を受けるべき内容については、以下を通じて監査委員会に対して適宜、報告が行われています。

  1. 当年度に6回開催した監査委員会での審議
  2. 監査委員会補佐役に行わせる活動(おおよそ月に2回以上開催される重要な経営執行にかかる会議への陪席、年間およそ410件に及ぶ上級役員の決裁書類等の閲覧等)
(4)前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

ソニーグループは、役員・従業員が、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合にはこれを報告し、また、どのように行動することが最善かを確認することをはっきりとかつ繰り返して求めるとともに、誠意をもって不正行為を報告した役員・従業員に報復がなされることのないよう保護することをソニーグループ行動規範その他の社内規則により明文化し、通報者保護に努めています。ソニーグループには、ソニー・エシックス&コンプライアンス・ホットライン(「内部通報制度」)をはじめとする、企業倫理や法令・社内規則違反に関する質問や問題を役員・従業員から随時受け付けている多くの報告・相談窓口があります。内部通報制度は、通常の社内の指揮命令系統から独立して運営されています。内部通報制度の受付窓口は、専門の第三者機関が運営しており、専門の教育を受けたオペレーターが対応にあたっています。また、いつでも、各国の言語で通報することができます。通報にかかる機密は保持され、各国の法令によって認められる限り、匿名で通報することができます。当年度においては、ソニーグループ全体で、内部通報制度を通じて451件の通報を受け付け、適宜対応しました。

(5)当社の監査委員の職務の執行(監査委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項

当社は、監査委員会及び監査委員の職務の執行に関する活動計画及び費用計画にもとづき、監査委員会及び監査委員が行った活動にともない発生した費用を負担しています。これらの費用には、監査委員会がその職務を遂行するためや職務に必要な知見を獲得・更新するために必要な費用(外部団体への参加費用等)も含まれます。

(6)その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

監査委員会は、各監査委員又は監査委員会補佐役が直接行う監査活動に加えて、当社の内部監査部門及びソニーグループの内部統制を担当する各部門と連係して行う「組織監査」を行っており、監査委員会又は適宜開催するその他の会議や監査委員会補佐役の活動等を通じて前記各部門より定期的に報告を受け、また必要に応じて調査の依頼をし、その経過及び結果について報告を受けています。さらに、当社の内部監査担当部門は、ソニーグループの財務報告にかかる内部統制の有効性を評価するために実施した監査について、少なくとも四半期に一度以上の頻度で監査委員会に対して報告しています。また、当社の内部監査部門の責任者の任免については、監査委員会の事前同意を要件とするとともに、ソニーグループ各社の監査役・監査委員、ソニーグループの各地域における内部監査部門の責任者及びソニーグループの各ビジネス領域における内部監査部門の責任者の選任及び解任については、監査委員会が事前に同意すべき、又は事後に報告を受けるべき者を指定し、それに応じた対応を行っています。さらに、監査委員会は、会計監査人の適格性及び独立性を評価し会計監査人が行う監査の相当性の評価を行うため、以下を実施しています。

  1. 会計監査人から、当該会計監査人の品質管理体制、独立性、職業倫理、専門性、監査の有効性及び効率性等につき報告を受け、その内容を確認すること
  2. 期初において、当年度における会計監査人が実施予定の監査計画の説明を受けたうえでその内容を確認し、その報酬等に同意をすることに加え、定期的に業務内容及びその報酬について報告を受け、その内容を確認すること
  3. 会計監査人から四半期財務報告のレビューを含む期中及び年度末の監査の手続と結果についての報告を受け、その内容を評価すること
  4. ソニーグループの内部統制に関わる部門から会計監査人による監査活動について報告を受け、再任に関する意見を聴取すること等

本事業報告に添付の監査報告にも記載のとおり、監査委員会は当社の会計監査人による監査の方法及び結果は相当であると評価しています。

2.執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社の業務ならびにソニーグループの業務の適正を確保するための体制

(1)当社の執行役及び使用人ならびにソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

ソニーグループは、法令を遵守し、倫理的で責任ある事業活動を行うことに確固として取り組んでいます。ソニーグループのマネジメントは、自ら範を示し、この取り組みを実行しています。ソニーグループでは、当社のコンプライアンス統括部門と各地域(米州・欧州・日本・東アジア・パンアジア)に設置した地域コンプライアンス統括部門が連携し、コンプライアンスネットワークを構築し、啓発メッセージや社内規則、教育研修、監査を組み合わせて、倫理的で責任ある事業活動と法令遵守への取り組みを推進しています。ソニーグループ行動規範は、ソニーグループの企業倫理・コンプライアンス・プログラムの基礎をなすものであり、倫理的で責任ある事業活動に関する基本的な規範を定めています。ソニーグループは、役員・従業員が、非倫理的な行為や法令・社内規則違反のおそれがあると気づいた場合にはこれを報告し、また、どのように行動することが最善かを確認することをはっきりとかつ繰り返して求めるとともに、誠意をもって不正行為を報告した役員・従業員に報復がなされることのないよう保護することをソニーグループ行動規範その他の社内規則により明文化し、通報者保護に努めています。ソニーグループには、「内部通報制度」をはじめとする、企業倫理や法令・社内規則違反に関する質問や問題を役員・従業員から随時受け付けている多くの報告・相談窓口があります。内部通報制度は、通常の社内の指揮命令系統から独立して運営されています。内部通報制度の受付窓口は、専門の第三者機関が運営しており、専門の教育を受けたオペレーターが対応にあたっています。また、いつでも、各国の言語で通報することができます。通報にかかる機密は保持され、各国の法令によって認められる限り、匿名で通報することができます。コンプライアンス・プログラム及び内部通報制度の運用状況は、当社の監査委員会に月次で報告され、また、定期的に報告の場が設けられています。なお、当年度においては、ソニーグループ全体で、内部通報制度を通じて451件の通報を受け付け、適宜対応しました。また、情報開示については「会社情報の適時開示に関する統制と手続き(Disclosure Controls and Procedures)」を社内規則として明文化し、ソニーグループの主要なビジネスユニット、子会社、関連会社及び社内部署に周知徹底するとともに、この仕組みの整備・運用・評価・維持に関し、当社のCEO及びCFOを補佐する機関として、社内の関連部門の責任者により構成される「ディスクロージャーコミッティ」を設置しています。また、社内規則等にもとづきディスクロージャーコミッティに報告等がなされた潜在的重要事項につき、ソニーグループ全体にとっての重要性を評価したうえで、適用される法令・証券取引所の規則及びソニーグループの内部基準等に照らし、開示の必要性を検討し、CEO及びCFOへ報告しています。さらに、「会社情報の適時開示に関する統制と手続き」については、毎年ディスクロージャーコミッティが中心となって適宜必要な見直しを実施しています。

(2)当社の執行役及びソニーグループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社は、経営に関する迅速かつ効率的な意思決定を可能にすべく、ソニーグループ株式会社決裁規程その他の社内規則を明文化し、その周知徹底に努めています。また、同様に、ソニーグループにとっての重要案件が、ソニーグループ各社から漏れなく当社のマネジメントへ上程され、適切な機関によって意思決定されることを確保するため、当社は、ソニーグループ決裁規程を定め、ソニーグループ内に周知徹底しています。さらに、これらの社内規則において、決定権限を委譲された者は、案件の目的、実施方法、費用、効果、リスク等に関する十分な情報を入手のうえ、これらを評価し、ソニーグループにとって最善の利益をもたらすと合理的に判断する内容の意思決定を行うことを明文化しており、それらの者はその遵守に努めています。
また、これらの社内規則については、事業環境や経営体制等を踏まえ、適宜見直しを実施しています。

(3)当社及びソニーグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署は、それぞれの担当領域において、定期的にリスクを検討・評価し、損失のリスクの発見・情報伝達・評価・対応に取り組んでいます。当社の執行役を含む上級役員は、自己の担当領域において、ソニーグループに損失を与えうるリスクを管理するために必要な体制の整備・運用を推進しています。また、グループリスク管理を担当する執行役は、関連部門による活動を通じて、ソニーグループのリスク管理体制の整備・強化に取り組んでいます。

(4)ソニーグループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制

当社は、「ソニーグループ決裁規程」や「重要事項開示に関する報告要請」等の社内規則により、ソニーグループ各社が事前に当社のマネジメントの承認を要する事項及びソニーグループ各社からの報告を求める事項等を明文化し、それらの周知徹底に努めるとともに、これら社内規則により構築された体制にもとづき、ソニーグループ各社の財務状況やソニーグループ全体にとって重要と思われる情報について、以下を通じて定期的に報告(直接又は間接)を受けています。

  1. 年間予算や中期事業計画の審議・策定に係る会議
  2. 当社やソニーグループ各社における重要な経営執行に係る会議での事業内容の報告
  3. 当社経理部門での月次の決算情報のとりまとめ等
(5)当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

執行役を含む上級役員の職務の遂行に係る文書その他の情報の保存・管理に係る事項については社内規則として明文化し、その周知徹底に努めており、以下の文書については少なくとも10年間保存するとともに、その他の情報についても、法令及び当社の社内規則に従い適切に保存及び管理しています。

  1. 執行役を含む上級役員による決裁
  2. 上級役員より権限を委譲された従業員による決裁
  3. CEO、CFOの職務執行を直接補佐する会議体の記録

連結持分変動計算書

  資本金 資本剰余金 利益剰余金 累積その他の包括利益 自己株式 当社株主に帰属する資本合計 非支配持分 資本合計
2021年4月1日現在残高 880,214 1,489,597 2,914,503 1,520,257 △124,228 6,680,343 43,996 6,724,339
包括利益  
当期純利益     882,178     882,178 6,228 888,406
その他の包括利益
(税効果考慮後)
      △258,500   △258,500 2,498 △256,002
包括利益合計     882,178 △258,500   623,678 8,726 632,404
利益剰余金への振替額     39,425 △39,425   -   -
株主との取引等
新株予約権の行使 151 151       302   302
転換社債型新株予約権付社債の株式への転換   547     12,785 13,332   13,332
株式にもとづく報酬   6,643       6,643   6,643
配当金     △74,385     △74,385 △4,955 △79,340
自己株式の取得         △88,624 △88,624   △88,624
自己株式の処分   1,544     1,747 3,291   3,291
非支配持分株主との取引及び
その他
  △34,624       △34,624 5,011 △29,613
2022年3月31日現在残高 880,365 1,461,053 3,760,763 1,222,332 △180,042 7,144,471 52,778 7,197,249
  • (注)前年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)はご参考(監査対象外)です。
  資本金 資本剰余金 利益剰余金 累積その他の包括利益 自己株式 当社株主に帰属する資本合計 非支配持分 資本合計
2022年4月1日現在残高 880,365 1,461,053 3,760,763 1,222,332 △180,042 7,144,471 52,778 7,197,249
包括利益  
当期純利益     937,126     937,126 6,496 943,622
その他の包括利益
(税効果考慮後)
      △709,332   △709,332 2,750 △706,582
包括利益合計     937,126 △709,332   227,794 9,246 237,040
利益剰余金への振替額     18,593 △18,593   -   -
株主との取引等
新株予約権の行使   △14 △1,352   10,364 8,998   8,998
転換社債型新株予約権付社債の株式への転換   △2,588 △13,858   42,993 26,547   26,547
株式にもとづく報酬   11,064       11,064   11,064
配当金     △86,635     △86,635 △5,980 △92,615
自己株式の取得         △99,248 △99,248   △99,248
自己株式の処分   1,242     2,426 3,668   3,668
非支配持分株主との取引及び
その他
  △6,950       △6,950 2,569 △4,381
2023年3月31日現在残高 880,365 1,463,807 4,614,637 494,407 △223,507 7,229,709 58,613 7,288,322

連結注記表

当社及び当社の連結子会社をあわせて以下「ソニー」とします。

1.連結の範囲及び持分法の適用に関する事項

2023年3月31日現在の連結子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)は1,597社、持分法適用会社(共同支配企業を含む)は141社です。

2.重要な会計方針

(1) 連結計算書類の作成基準
当社の連結計算書類は、会社計算規則第120条第1項の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」)に準拠して作成しています。なお、同項後段の規定により、IFRSで求められる開示事項の一部を省略しています。
(2) 外貨換算
外貨建て取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより換算しています。決算日における外貨建て貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートで機能通貨に換算しています。通常、当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブに関する換算差額は、その他の包括利益として認識しています。海外子会社や関連会社等の在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(3) 金融商品の評価基準及び評価方法
ソニーは、金融商品の契約の当事者になった時点で、金融商品を金融資産又は金融負債として認識しています。金融資産及び金融負債は公正価値で当初測定されます。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産及び金融負債の取得又は発行に直接起因する取引コストは、当初認識時に金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算されます。
1. 非デリバティブ金融資産

a.分類及び測定方法
ソニーの保有する非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類されます。

償却原価で測定する金融資産
ソニーは、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有され、かつ当該金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。また、償却原価で測定する金融資産の認識を中止した場合、資産の帳簿価額と受け取った対価又は受取可能な対価との差額は純損益に認識しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。また、当該金融資産から生じる実効金利法による金利収益は純損益に認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益で認識した累計額を純損益として振り替えています。
生命保険ビジネスにおいては、資産負債の総合管理の観点から当該金融資産を保有しています。生命保険ビジネスにおいて金融資産を保有する目的は、主に保険契約債務と生命保険ビジネスにおける契約者勘定で構成される保険契約負債の金利感応度(デュレーション)と可能な限り一致させることにより、期限到来時の保険金等の支払原資を十分に確保することです。ソニーは、当該金融資産を、デュレーションと流動性ニーズを効率的に管理するという全体的な目的にもとづき、1つのポートフォリオとして管理しています。ポートフォリオには、より長期間にわたって保有される可能性のある金融資産が含まれていますが、ポートフォリオに含まれる全ての金融資産は、上記の全体的な目的を考慮して、キャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される1つのビジネスモデル内で保有されていると判断しています。

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。なお、当該金融資産から生じる配当金については純損益で認識しており、認識を中止した場合は、その他の包括利益で認識した累計額を利益剰余金に振り替えています。

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定されるもの及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。生命保険ビジネスにおいては、変額保険及び変額個人年金保険に対する投資は主に株式、債券、投資ファンドで構成されており、純損益を通じて公正価値で測定しています。また、会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、通常純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
銀行ビジネスにおいては、一部の固定金利付負債性証券の測定方法として上記の取消不能な選択を行っています。ソニーは、当該負債性証券に関する金利の不利な変動にともなう公正価値変動リスクをヘッジするためにデリバティブを利用しています。よって、当該負債性証券から生じる利得及び損失を純損益に計上することにより、負債性証券及びヘッジ手段として使用されているデリバティブの公正価値変動から認識される会計上のミスマッチを軽減しています。

b.認識の中止
ソニーは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。

c.減損
ソニーは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、予想信用損失を見積もり、損失評価引当金の計上を行っています。各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。一方で、各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクの著しい増大の有無については、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生のリスクの変動を用いて判断し、過去の損失率及びマクロ経済状況が顧客の支払能力に与える影響を考慮し、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を反映する方法で予想信用損失を見積もっています。ソニーは、金融資産に対して、貨幣の時間価値を反映し、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測について報告日時点で合理的で裏付け可能な入手できる情報を加味した、偏向のない確率加重を考慮した予想信用損失を測定しています。
ただし、営業債権、その他の債権及び契約資産(映画分野におけるその他の非流動債権を含む)については、期日経過状況や取引相手の属性等に応じた集合的ベース又は個別の取引相手ごとに、信用リスクの増減にかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失と等しい金額で測定しています。ソニーは金融資産の将来見積キャッシュ・フローに不利な影響を与える一つ又は複数の事象が発生している場合に金融資産が信用減損したと判断しています。ソニーの金融資産が信用減損していると判断する基準には、利息や元本の支払いにおいて債務不履行又は90日超の期日経過事象が生じていることを含みます。ソニーは金融資産の全部又は一部の回収が合理的に見込まれなくなった時点で、その資産の総額での帳簿価額を直接償却しています。

2. 非デリバティブ金融負債

ソニーは、非デリバティブ金融負債を実効金利法による償却原価で事後測定するもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものに分類しています。ソニーは、金融負債が消滅した場合、すなわち、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。

3. デリバティブ及びヘッジ会計

全てのデリバティブは公正価値により連結財政状態計算書上、資産又は負債として計上されています。デリバティブの公正価値の変動は、対象となるデリバティブがヘッジとして適格であるか否か、また適格であるならば公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動のいずれをヘッジするために利用されているかにもとづき、直ちに純損益もしくはその他の包括利益に計上されています。ソニーが保有しているデリバティブの会計処理は、下記のとおりです。

キャッシュ・フロー・ヘッジ
予定取引、又は認識された資産もしくは負債に関連するキャッシュ・フロー変動リスクに対するヘッジとして指定され、かつ有効なデリバティブの公正価値変動は当初、その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が純損益に影響を与える時に純損益に振り替えられています。公正価値変動のうち、ヘッジの効果が有効でない部分は直ちに純損益に計上されています。

ヘッジとして指定されていないデリバティブ
ヘッジとして指定されていないデリバティブの公正価値変動は直ちに純損益に計上されています。

ヘッジの有効性の評価
ヘッジ会計を適用する場合には、ソニーは様々なヘッジ活動を行う際のリスク管理目的及び方針を文書化するとともに、ヘッジとして指定される全てのデリバティブとヘッジ対象との間のヘッジ関係を文書化しています。ソニーはキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブを連結財政状態計算書の特定の資産及び負債、又は特定の予定取引と紐付けています。ソニーはまた、ヘッジの開始時及び継続期間中において、ヘッジとして指定されたデリバティブがヘッジ対象の公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動を相殺するのに経済的関係があるかどうかの評価を行っています。なお、ソニーが契約するヘッジ取引については、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動の大部分を占めることはありません。さらに、ヘッジ関係の比率と、ソニーが実際にヘッジするヘッジ対象の数量とソニーがヘッジ対象の当該数量ヘッジするために実際に使用するヘッジ手段の数量の比率は同じとなるようにデザインされています。
なお、デリバティブがヘッジ対象と経済的関係がないと認められた場合には、ヘッジ会計は中止されます。

(4) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い金額により測定しています。棚卸資産の取得原価は、加重平均法によって計算しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(5) 有形固定資産の減価償却の方法
有形固定資産の減価償却は、耐用年数(建物及び構築物については2年から50年、機械装置及びその他の有形固定資産については2年から10年の期間)にもとづき、定額法で行っています。耐用年数及び残存価額は、各年度末、又は必要に応じて適時に見直しを行っています。
(6) 無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却の方法
償却対象となる無形資産は、主に特許権、ノウハウ、ライセンス契約、顧客関係、商標、ソフトウェア、テレビ放送委託契約、繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びゲームコンテンツからなっています。特許権、ノウハウ、ライセンス契約、商標及びソフトウェアは、主に3年から10年の期間で定額法により償却しています。顧客関係、テレビ放送委託契約、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びゲームコンテンツは、主に10年から44年の期間で定額法により償却しています。繰延映画製作費は、作品ごとの予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて償却しています。ソニーは、この予想総収益にもとづく償却方法は関連資産に関わる活動で生み出される経済的便益の消費割合の予想を反映しており、収益と無形資産の経済的便益の消費との相関が高いと考えています。テレビ放映権は、主に使用見込みにもとづき又は耐用年数にわたって定額法にもとづき償却しています。
(7) 企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定されています。非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。また、取得関連費用は、発生した期間において費用として認識しています。
(8) 非金融資産の減損
ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。
資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれている資金生成単位又は資金生成単位グループのそれぞれに配分されています。のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループは、事業セグメントの範囲内となっています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、将来見積キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。割引計算には、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクについての現在の市場評価を反映した税引前の割引率が用いられています。この手法は、将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)、将来見積キャッシュ・フローに固有のリスクを反映した割引率、永続成長率、利益倍率又は収益倍率、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムあるいはディスカウントが適用されるべきかどうかの決定等多くの重要な見積り・仮定を使用します。それぞれの資金生成単位における将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)に使用される仮定は、主に3ヵ年中期計画にもとづいており、過去の経験、市場及び産業データ、現在及び見込まれる経済状況等を考慮しています。永続成長率は主に3ヵ年予測期間後のターミナル・バリューを決定するために使用されています。回収可能価額が資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額を超過する金額を減損損失として認識します。識別された減損損失はまず当該単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、それから当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。コンテンツ資産を除く減損損失は、連結損益計算書のその他の営業損(益)(純額)に、コンテンツ資産の減損損失は売上原価に含まれています。また、過去に減損損失を認識したのれん以外の資産について、減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候があるかどうかの検討を行っています。そのような兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積もり、回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。減損損失の戻入れによって増加した帳簿価額は、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の減価償却又は償却額控除後の帳簿価額を超えることはありません。
(9) 引当金の計上方法
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的義務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。主な引当金は、映画分野における未払分配金債務、及び製品保証引当金です。

1. 映画分野における未払分配金債務
映画及びテレビコンテンツの製作及び配給に関与する当事者は、契約上の定めに従い映画及びテレビ番組の業績に応じた条件付支払及び団体協約の条項にもとづく条件付支払を報酬として受け取る場合があります。これらの当事者を総称して参加者(Participants)と呼び、これらの支払を総称して分配金と呼んでいます。分配金は、俳優又は作家等のクリエーター、出資者、あるいは配給権を許諾した企業に支払われる場合があります。未払分配金債務は予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて計上されます。未払分配金債務は条件付支払が確定し、支払われた時点で使用されます。未払分配金債務のうち非流動部分の多くは将来10年以内に支払われると予想されます。ソニーは、他の製作会社と共同で映画を製作・配給する契約を締結しており、これらの契約において、各参加者は特定の地域ごとあるいは特定の流通方法ごとに映画を配給しています。他の参加者に帰属する映画製作及び配給に関する損益は、分配金の金額に含まれます。

2. 製品保証引当金
ソニーは、通常、引渡した製品の品質及びサービスの提供を一定の期間にわたり関連する支出に備えるために製品保証引当金を計上しています。製品保証引当金は、売上高、見積故障率及び修理単位あたりのアフターサービス費の見積額にもとづいて計算されています。製品保証引当金の計算に用いられた見積り・予測は定期的に見直されています。

(10) 収益認識
ソニーは顧客との契約において約束した財又はサービスを顧客へ移転する履行義務を充足した時に、当該財又はサービスとの交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識します。これは、以下の5つのステップを用いて適用されます。
ステップ1. 顧客との契約を識別する。
ステップ2. 契約における履行義務を識別する。
ステップ3. 取引価格を算定する。
ステップ4. 取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5. ソニーが履行義務を充足した時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
ソニーはいくつかの分野において多様な知的財産を保有しており、その知的財産のライセンスによる収益を認識します。ソニーは知的財産を使用する権利及び知的財産にアクセスする権利の供与を行っています。ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に供与する場合、ソニーは顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た時点で履行義務を充足します。ソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に供与する場合、ソニーはライセンス期間にわたって履行義務を充足します。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス(以下「ET&S」)*及びイメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野においては、顧客との契約における履行義務とは、主には、様々なエレクトロニクス製品・部品を顧客に引き渡すことです。一般的に、当該履行義務から生じる収益は、約束された製品・部品を顧客に引き渡した時点で認識します。ただし、顧客との契約上、顧客による検収についての定めが存在する場合、顧客が検収を完了した時点又は検収猶予期間が終了し検収がなされたとみなされた時点で収益を認識します。また、インターネット関連サービスを利用者に提供する契約においては、加入契約期間にわたって収益を認識します。なお、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で収益は認識されます。ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野においては、ハードウェア、周辺機器及びソフトウェアディスクからの収益は、小売事業者又は販売業者へ支配を移転することによって履行義務を充足した時に、予想される返品、セールス・インセンティブ及び広告協賛金が控除された後の純額で認識されます。開発・販売事業者へのプラットフォームライセンスからの収益は、ソフトウェアディスクが引き渡された時に認識されます。また、ソニーの知的財産を使用する権利を与えるデジタルゲームコンテンツからの収益は、オンラインプラットフォームを通じたデジタルコンテンツがライセンシーによって使用可能になった時に、予想されるセールス・インセンティブ及びクレジットカード会社への支払いが控除された後の純額で認識されます。将来にコンテンツを利用可能にする履行義務などの複数の履行義務に関連するデジタルゲームコンテンツからの収益は、市場において観察可能な独立販売価格もしくはソニーの最善の見積りである独立販売価格にもとづき各履行義務に配分されます。サブスクリプション方式による収益は、その加入契約期間に応じて認識されます。音楽分野においては、ソニーの知的財産を使用する権利、もしくはソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に与える知的財産のライセンスを行っています。これらの収益は、顧客が知的財産を使用する権利もしくはアクセスする権利を保有し、そのライセンスの使用又はアクセスのための支配を獲得した時に認識されます。デジタルコンテンツからの収益は、デジタルストリーミングサービス契約からの収益が含まれており、デジタルストリーミングサービスは契約期間にわたって更新され続けるコンテンツライブラリにおける知的財産への継続的なアクセス権として通常は別個の履行義務として認識されます。これは、(1)特定のコンテンツの削除を、当該コンテンツを別のコンテンツに置き換える必要も、ロイヤルティに関する最低保証料への影響もなく、行うことができるビジネス上の慣行や契約上の権利、及び(2)ライセンス対象に特定のコンテンツリストを含まない契約であることにもとづいています。これらの契約からの収益は、契約期間にわたって定額法で認識される固定収入もしくは回収されないと予測されるロイヤルティに関する最低保証料がある場合を除いて、売上高及び使用量ベースのロイヤルティ収入にもとづき認識されます。CDなどの製品売上からの収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。
映画分野においては、劇場映画収益は、劇場での上映に合わせて認識されます。映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益はライセンシーによって作品が放映可能となった時点で認識されます。複数の作品、地域、放映可能期間などの要素を持つ複数の履行義務に関わる映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益は、市場環境や価格設定における内部規定などにもとづくソニーの最善の見積りによる独立販売価格にもとづいて各履行義務に配分されます。配給される各映画やテレビ番組は一般に別個の履行義務と識別されます。映画製作及びテレビ番組制作における現行契約の更新又は延長に関連するライセンス収益は、ライセンシーがその更改や延長されたコンテンツを使用し便益を享受する時に、認識されます。ソニーの知的財産にアクセスする権利に対する最低保証料に関連するライセンス収益は、ライセンス期間にわたって一定の比率で認識されます。ホームエンタテインメント用のDVD及びブルーレイディスクに係る収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。デジタルダウンロード及びビデオ・オン・デマンドからの収益は、作品がデジタル配信プラットフォームで閲覧可能となった時点で収益を認識します。テレビ広告収入は、広告が放映された時点で認識され、この収益に関わる履行義務は広告掲載の提供であり、インプレッション保証型広告を含む場合があります。もし保証した広告表示回数に達しなかった場合は、その広告表示回数を満たすための追加の広告掲載が行われるまで認識されません。テレビネットワーク及びDTC(Direct-toConsumer)配信サービスに支払われた有料放送料金は、サービスが提供された時点で収益が認識されます。この収益に関わる履行義務は知的財産を使用する権利を与えることであり、契約期間にわたって番組が提供されるにつれて充足されます。金融分野においては、ソニーが生命保険ビジネスにおいて引受ける伝統的保険契約は、ほとんどが長期契約に分類され、主に終身保険、定期保険及び疾病・医療保険から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約者からの払込の期日が到来した時点で、収益として認識しています。利率変動型終身保険、変額保険、変額個人年金保険及び生命保険リスクのないその他の保険契約等非伝統的保険契約から受入れた保険料は、生命保険ビジネスにおける契約者勘定に計上しています。これら保険契約から稼得する収益は、保険契約期間にわたり認識される契約管理手数料からなり、金融ビジネス収入に含まれています。また、ソニーが損害保険ビジネスにおいて引受ける保険契約は、短期契約に分類され、主に自動車保険から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約の期間にわたり保障金額の比率に応じて認識しています。収益は、通常、顧客から徴収し政府機関へ納付される税金が控除された後の純額で認識されます。
  • 2022年4月より、従来のエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野をET&S分野に名称変更しました。なお、この変更にともなうセグメント間の事業組換えはありません。

3.会計上の見積りに関する注記

IFRSに準拠した連結計算書類の作成は、会計方針の適用、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような、マネジメントによる判断、見積り及び仮定を必要とします。実際の結果は、これらの見積り・仮定とは異なる場合があります。なお、見積りや仮定は、継続して見直しています。会計方針の適用に際して行った見積り及び判断、ならびに連結計算書類に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、以下のとおりです。

  • 金融商品の公正価値(6.金融商品に関する注記参照)
  • 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の評価(2.重要な会計方針 (7)企業結合、(8)非金融資産の減損)

有形固定資産 1,344,864百万円
使用権資産 478,063百万円
のれん 1,275,112百万円
無形資産 2,125,724百万円

  • 保険契約債務及び生命保険ビジネスにおける契約者勘定の測定

保険契約債務は、保険契約者に対する将来の予測支払額の現在価値として計上されています。これらの債務は将来の資産運用利回り、罹患率、死亡率及び解約率等の要因についての予測にもとづき平準純保険料式の評価方法により算定されます。これらの見積り・予測は定期的に検証されています。また、生命保険ビジネスにおける契約者勘定に関する負債は、会計期間末日での契約者の給付に生じた契約の価値を表しています。負債は一般的に、累積的な積立額に付与利息を加え、契約者の引出額と残高に対して課せられるその他の手数料を差し引いたものです。

保険契約債務その他※ 7,426,512百万円
生命保険ビジネスにおける契約者勘定 5,148,579百万円

  • (注)保険契約債務その他の流動部分は、連結財政状態計算書上、その他の流動負債に含まれています。
  • 繰延映画製作費及び映画分野における未払分配金債務の測定

(2.重要な会計方 (6)無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却の方法及び(9)引当金の計上方法)

コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費 572,930百万円
映画分野における未払分配金債務 423,175百万円

  • 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産計上の要否は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。当該評価はそれぞれの税務管轄ごとの当期及び累積の損失の性質、頻度及び重要性、不確実な税務ポジションを考慮した将来の収益性予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金及び繰越税額控除の期限切れを防ぐために実行される慎重かつ実行可能な税務戦略などを考慮して行われます。

繰延税金資産 384,839百万円

4.連結財政状態計算書に関する注記

(1)担保に供している資産及び担保に係る債務

(1)担保に供している資産
有価証券 1,678,553百万円
銀行ビジネスにおける住宅ローン 829,659百万円
(2)担保に係る債務
短期借入金 1,597,151百万円
長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) 573,400百万円

上記のほか、金融分野において、債券貸借取引として有価証券4,728百万円を貸し付けており、担保として有価証券4,691百万円を受け入れています。また、金融分野において、内国為替決済、デリバティブ等の取引の担保として簿価80,328百万円の有価証券を差し入れています。
なお、担保に供している資産は、連結財政状態計算書上、金融分野における投資及び貸付(流動及び非流動)に含まれています。

(2)資産から直接控除した損失評価引当金

営業債権、その他の債権及び契約資産 27,133百万円
金融分野における投資及び貸付(非流動) 712百万円

(3)資産に係る減価償却及び減損損失累計額

有形固定資産 2,058,892百万円

(4)保証債務等

主に、関連会社等の銀行借入等に対する保証を含みます。
保証債務 458百万円

5.連結持分変動計算書に関する注記

(1)当年度末における発行済株式の種類及び総数

普通株式 1,261,081,781株

(2)配当に関する事項

(1)配当金支払額
(決議) 株式の種類 配当金の総額 1株当たり配当額 基準日 効力発生日
2022年5月10日取締役会 普通株式 43,295百万円 35円00銭 2022年3月31日 2022年6月3日
2022年11月1日取締役会 普通株式 43,340百万円 35円00銭 2022年9月30日 2022年12月1日
(2)基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
(決議) 株式の種類 配当金の総額 配当の原資 1株当たり配当額 基準日 効力発生日
2023年4月28日取締役会 普通株式 49,380百万円 利益剰余金 40円00銭 2023年3月31日日 2023年6月5日

(3)当年度の末日における新株予約権(権利行使期間が到来しているもの)の目的となる株式の種類及び数

普通株式 9,683,000株

6.金融商品に関する注記

(1)金融商品の状況に関する事項

金融分野を除くソニーの事業活動に必要な資金は、金融資本市場及び金融機関から社債及び借入等で調達しています。また、余剰資金については安全性の高い金融資産で運用しています。ソニーでは為替予約、通貨オプション契約及び金利スワップ契約等のデリバティブ契約を締結していますが、これは主に為替変動リスク、キャッシュ・フロー変動リスクを軽減することを目的としており投機的な取引は行っていません。金融分野は保険料収入及び銀行ビジネスにおける顧客預金を主な資金の源泉として、安定的な投資収益の確保のため有価証券及び融資などの投資を行っています。これらの金融資産・負債は金利・株価・為替等の変動リスクに晒されているため、適正なバランスを保つことを目的に、資産負債の総合管理を行っています。

(2)金融商品の公正価値等に関する事項

(単位:百万円)

  連結財政状態
計算書計上額
公正価値 差額
資産
有価証券※1,2 15,983,491 15,980,144 △3,347
デリバティブ資産※2 70,144 70,144 -
銀行ビジネスにおける住宅ローン*1 3,129,393 3,184,060 54,667
負債
長期借入債務(1年以内に返済期限の
到来する長期借入債務を含む)
1,423,392 1,410,921 △12,471
デリバティブ負債 ※3 34,123 34,123 -
条件付対価 ※3 51,512 51,512 -
償還可能非支配持分 ※3 47,326 47,326 -
  • ※1連結財政状態計算書上、金融分野における投資及び貸付に含まれています。
  • ※2連結財政状態計算書上、その他の金融資産に含まれています。
  • ※3連結財政状態計算書上、その他の金融負債に含まれています。

現金及び現金同等物ならびに公正価値をもって連結財政状態計算書計上額としない金融商品のうち、主として短期取引であり帳簿価額が公正価値と近似するものは含めていません。

(3)金融商品の公正価値のレベルごとの内訳等に関する事項

全ての公正価値は下記3段階のレベルのいずれかで報告されますが、報告されるレベルは公正価値の測定に重大な影響を及ぼすインプットのレベルのうち最も低いレベルにもとづき決定されます。公正価値の3段階のレベルは以下のとおりです。

  • レベル1:重大なインプットが活発な市場における同一の資産・負債の未調整の取引価格
  • レベル2:重大なインプットがレベル1以外の観察可能なデータ
  • レベル3:1つあるいは複数の重大なインプットが観察可能でない
(1) 公正価値をもって連結財政状態計算書計上額とする金融商品

(単位:百万円)

  公正価値
  レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券 2,370,016 12,555,996 635,454 15,561,466
デリバティブ資産 290 65,162 4,692 70,144
デリバティブ負債 3,321 30,802 - 34,123
条件付対価 - - 51,512 51,512
償還可能非支配持分 - - 47,326 47,326

ソニーが金融商品の公正価値測定に利用している評価技法、それが通常どの公正価値のレベルに分類されているかは以下のとおりです。

有価証券
活発な市場における取引価格が利用可能である金融商品の公正価値の階層はレベル1に分類されます。レベル1の金融商品には上場されている資本性金融商品が含まれています。取引価格を利用できないもしくは市場が活発でない金融商品については、価格モデル、類似の特徴をもつ金融商品の取引価格あるいは割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もり、主にレベル2に分類しています。レベル2の金融商品には公社債の大部分など、上場されている金融商品ほどには活発に取引されていない取引価格により評価された負債性金融商品が含まれています。取引量が少ないもしくは評価に使用するインプットの観察可能性が低い金融商品についてはレベル3に分類しています。レベル3の金融商品には、主に、レベル1・レベル2に分類されなかったプライベートエクイティ投資、投資信託及びファンド投資、証券化商品及び市場における取引価格が利用できずインプットの観察可能性が低い国内外の社債が含まれています。ソニーはプライベートエクイティ投資の公正価値を主に類似企業の評価倍率や、割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もっています。類似企業の株価純資産倍率及び株価収益率ならびに割引キャッシュ・フローモデルにおいて使用する資本コスト及び継続価値算定に用いるEBITDA倍率等は、レベル3に分類された資本性金融商品の公正価値評価において重大な観察可能でないインプットとして使用されています。類似企業の株価純資産倍率及び株価収益率の増加(減少)や、割引キャッシュ・フローモデルにおいて使用する資本コストの減少(増加)及びEBITDA倍率の増加(減少)により、公正価値は増加(減少)します。ソニーは、投資信託及びファンド投資の公正価値を測定するにあたり、主に純資産価値を使用します。ソニーは、証券化商品及び市場における取引価格が利用できずインプットの観察可能性が低い国内外の社債の公正価値を測定するにあたり、主に証券業者から得た指標価格等の第三者の価格に調整を加えることなく使用、あるいは割引キャッシュ・フローモデルを使用して見積もっています。

デリバティブ
上場されているデリバティブで、その取引価格を使用して公正価値を評価されているデリバティブの公正価値の階層はレベル1に分類されます。しかしながら上場されているデリバティブ契約は少数であり、ソニーが保有するデリバティブ契約の多くは、容易に観察可能な市場パラメータを基礎として利用したソニー内部のモデルによる評価を行っています。

(2) 公正価値をもって連結財政状態計算書計上額としない金融商品

(単位:百万円)

  公正価値
  レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券 - 93,352 325,326 418,678
銀行ビジネスにおける住宅ローン - - 3,184,060 3,184,060
長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) - 1,343,077 67,844 1,410,921

レベル2に分類されている1年以内返済予定分を含む長期借入債務の公正価値は、主に類似した負債のソニーの現在の利率を使って、将来キャッシュ・フローを割引いた金額で見積もられています。レベル3に分類されている金融商品は、主に銀行ビジネスにおける住宅ローン、証券化商品及びソニーが発行した一部の社債です。ソニーはこれらの金融商品の公正価値を決定するにあたり、将来キャッシュ・フローを見積もり、リスクフリーレートのイールドカーブに一定の信用リスク等を加味した割引率で割り引いて算定しています。

7.投資不動産に関する注記

投資不動産について記載すべき重要なものはないため開示を省略しています。

8.1株当たり情報に関する注記

1株当たり当社株主に帰属する資本 5,856円40銭
基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 758円38銭

9.収益認識に関する注記

(1)契約残高

顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。

項目 2023年3月31日
金額(百万円)
顧客との契約から生じた債権 ※1 1,679,106
契約資産 ※2 19,355
契約負債 ※3 508,454
  • ※1顧客との契約から生じた債権は、連結財政状態計算書のうち、営業債権、その他の債権及び契約資産、及び非流動のその他の金融資産に含まれています。
  • ※2契約資産は、連結財政状態計算書のうち、営業債権、その他の債権及び契約資産、及びその他の非流動資産に含まれています。
  • ※3契約負債は、連結財政状態計算書のうち、その他の流動負債及びその他の非流動負債に含まれています。

契約負債は、主に契約の履行以前に顧客から受領した対価に関する残高です。2022年3月31日時点における契約負債残高のうち303,779百万円を、2022年度において収益として認識しています。2022年3月31日以前に充足した履行義務から45,645百万円を、2022年度において収益として認識しています。

(2)履行義務

残存履行義務(未充足又は部分的に未充足)は、未履行の受注残高であり、将来の履行にともなって収益として認識されます。ソニーは実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の契約を開示対象より除外しています。以下の表は、2023年3月31日時点で充足していない履行義務に配分された取引価額の要約であり、そのうち50%以上が1年以内に、また、ほとんど全てが3年以内に収益として認識されるものと見込まれています。変動対価は、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲で、取引価格に含めています。

項目 2023年3月31日
金額(百万円)
映画-映画製作及びテレビ番組制作 ※1 796,690
映画-メディアネットワーク 8,120
音楽 ※2 140,842
その他 68,708
  • ※1映画分野における映画製作及びテレビ番組制作については、契約期間にかかわらず全ての契約を含めています。
  • ※2音楽分野に含まれている金額は、主に更新され続けるコンテンツライブラリへの継続的なアクセス権のライセンス契約における、ロイヤルティの最低保証料又は固定収入です。

(3)収益の分解

セグメント別及び製品カテゴリー別の売上高及び金融ビジネス収入の内訳は以下のとおりです。

項目 2022年度
金額(百万円)
ゲーム&ネットワークサービス
デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ 1,523,045
ネットワークサービス 464,676
ハードウェア・その他 1,550,812
3,538,533
音楽
音楽制作(ストリーミング) 598,868
音楽制作(その他) 286,270
音楽出版 276,665
映像メディア・プラットフォーム 203,012
1,364,815
映画
映画製作 464,043
テレビ番組制作 536,250
メディアネットワーク 364,594
1,364,887
エンタテインメント・テクノロジー&サービス
テレビ 733,251
オーディオ・ビデオ 391,608
静止画・動画カメラ 565,018
モバイル・コミュニケーション 356,771
その他 390,091
2,436,739
イメージング&センシング・ソリューション 1,301,481
金融 1,443,996
その他 72,338
全社(共通) 17,048
連結 11,539,837

G&NS分野には、主にネットワークサービス事業、家庭用ゲーム機の製造・販売及びソフトウェアの制作・販売が含まれています。デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツカテゴリーにはSony Interactive Entertainmentがネットワークを通じて販売するソフトウェアタイトル及びアドオンコンテンツ、ネットワークサービスカテゴリーにはゲーム、ビデオ及び音楽コンテンツ関連のネットワークサービス、ハードウェア・その他カテゴリーには家庭用ゲーム機、パッケージソフトウェア、家庭用ゲーム機と同梱販売されるソフトウェア、周辺機器及び外部プラットフォーム向け自社制作ソフトウェアなどが主要製品として含まれています。
音楽分野には、主に音楽制作、音楽出版及び映像メディア・プラットフォーム事業が含まれています。音楽制作(ストリーミング)にはストリーミングによるデジタルの音楽制作物の販売、音楽制作(その他)にはパッケージ及びダウンロードによるデジタルの音楽制作物の販売やアーティストのライブパフォーマンスからの収入、音楽出版には、楽曲の詞、曲の管理及びライセンス、映像メディア・プラットフォームには、アニメーション作品及びゲームアプリケーションの制作・販売、音楽・映像関連商品の様々なサービス提供などが含まれています。
映画分野には、主に映画製作、テレビ番組制作及びメディアネットワーク事業が含まれています。映画製作には実写及びアニメーション映画作品の全世界での製作・買付・配給・販売、テレビ番組制作にはテレビ番組の制作・買付・販売、メディアネットワークには、全世界でのテレビネットワーク及びDTC(Direct-to-Consumer)配信サービスのネットワークオペレーションなどが含まれています。
ET&S分野には、主にテレビ事業、オーディオ・ビデオ事業、静止画・動画カメラ事業、スマートフォン事業及びインターネット関連サービス事業が含まれています。テレビカテゴリーには液晶テレビ、有機ELテレビ、オーディオ・ビデオカテゴリーにはブルーレイディスクプレーヤー/レコーダー、家庭用オーディオ、ヘッドホン、メモリ内蔵型携帯オーディオ、静止画・動画カメラカテゴリーにはレンズ交換式カメラ、コンパクトデジタルカメラ、民生用・放送用ビデオカメラ、モバイル・コミュニケーションカテゴリーにはスマートフォン、インターネット関連サービス、その他カテゴリーにはプロジェクターなどを含むディスプレイ製品、医療用機器などが主要製品として含まれています。
I&SS分野には、主にイメージセンサー事業が含まれています。
金融分野には、主に日本市場における個人向け生命保険及び損害保険を主とする保険事業ならびに日本における銀行業が含まれています。
その他分野は、ディスク製造事業、記録メディア事業等の様々な事業活動から構成されています。

株主資本等変動計算書(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
資本準備金 その他資本剰余金 利益準備金 その他利益剰余金
繰越利益剰余金
当期首残高 880,365 1,094,058 - 34,870 1,204,880 △180,042 3,034,130
当期変動額
剰余金の配当         △86,635   △86,635
当期純利益         316,913   316,913
自己株式の取得           △99,248 △99,248
自己株式の処分     △16,554     55,783 39,229
利益剰余金から資本剰余金への振替     16,554   △16,554   -
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)              
当期変動額合計 - - - - 213,724 △43,465 170,259
当期末残高 880,365 1,094,058 - 34,870 1,418,604 △223,507 3,204,389

(単位:百万円)

評価・換算差額等 新株予約権 純資産合計
その他有価証券評価差額金
当期首残高 5,994 20,700 3,060,824
当期変動額      
剰余金の配当     △86,635
当期純利益     316,913
自己株式の取得     △99,248
自己株式の処分     39,229
利益剰余金から資本剰余金への振替     -
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △337 9,916 9,579
当期変動額合計 △337 9,916 179,838
当期末残高 5,657 30,616 3,240,662

個別注記表

1.重要な会計方針に係る事項に関する注記

(1)資産の評価基準及び評価方法

①有価証券の評価基準及び評価方法

  • イ.子会社株式及び関連会社株式
    • 移動平均法による原価法
  • ロ.その他有価証券
    • (イ)市場価格のない株式等以外のもの
      時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
    • (ロ)市場価格のない株式等
      移動平均法による原価法

②デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法

③棚卸資産の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下にもとづく簿価切下げの方法により算定)

(2)固定資産の減価償却の方法

①有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物 15~50年
機械及び装置 4~10年

②無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)にもとづく定額法、市場販売目的のソフトウエアについては、販売可能な見込有効期間(3年)にもとづく定額法によっています。

③リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産については、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。

(3)引当金の計上基準

①貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒懸念債権等の特定債権に対する取立不能見込額と、一般債権に対する貸倒実績率により算出した金額との合計額を計上しています。

②賞与引当金
執行役及び従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額にもとづき計上しています。

③退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額にもとづき計上しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌年度から費用処理することとしています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しています。

④パソコン回収再資源化引当金
家庭系使用済パソコンの回収及び再資源化の支出に備えるため、売上台数を基準として支出見込額を計上しています。

⑤債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証者の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。

(4)繰延資産の処理方法

支出時の費用として処理しています。

(5)収益及び費用の計上基準

約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
当社の保有する知的財産のライセンスは、供与する時点で存在する当社の知的財産を使用する権利を与えるものであり、当社は顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た期間にわたり、受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。

2.会計方針の変更

時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日公表分。以下、「時価算定会計基準適用指針」)を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経過的な取扱いにしたがって、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用しています。
これによる、計算書類に与える影響はありません。

3.表示方法の変更に関する注記

前年度において、「流動資産」の「その他」に含めていた「預け金」は、金額的重要性が増したため、当年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前年度の貸借対照表の組替えを行っています。
この結果、前年度の貸借対照表において、「流動資産」の「その他」に表示していた179,423百万円のうち、13,526百万円を「預け金」として組み替えています。

4.貸借対照表に関する注記

(1)関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
  • 短期金銭債権 2,131,837百万円
  • 長期金銭債権 450,295百万円
  • 短期金銭債務 1,274,225百万円
  • 長期金銭債務 455百万円
(2)固定資産の圧縮記帳実施額
国庫補助金等 -百万円
(累計額 355百万円)
保険金等 -百万円
(累計額 25百万円)
(3)相殺表示している退職給付引当金及び退職給付
信託における年金資産額
  年金資産控除前
退職給付引当金
退職給付信託に
おける年金資産額
退職一時金制度 16,186百万円 1,472百万円
企業年金制度 △6,868百万円 21,234百万円

(4)保証債務等

債務保証契約 838,165百万円
経営指導念書等の差入れ※ 946百万円
  • 経営指導念書等は、関係会社の信用を補完することを目的とした関係会社との合意書が主なものです。

5.損益計算書に関する注記

(1)関係会社との取引高

営業取引による取引高

  • 売上高 145,419百万円
  • 受取配当金 321,926百万円
  • 仕入高 25,155百万円
  • その他の営業取引高 61,678百万円
  • 営業取引以外の取引による取引高 65,299百万円
(2)研究開発費 54,263百万円

6.株主資本等変動計算書に関する注記

当年度末における自己株式数
普通株式 26,584,221株

7.税効果会計に関する注記

  • (1)当社は、連結納税制度からグループ通算制度へ移行しています。これにともない、法人税及び地方法人税ならびに税効果会計の会計処理及び開示については「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)にしたがっています。
  • (2)繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

投資その他の資産

繰延税金資産
関係会社株式等 205,541百万円
繰越欠損金 28,723百万円
貸倒引当金 87,699百万円
退職給付引当金 5,441百万円
その他 17,288百万円
繰延税金資産小計 344,692百万円
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △28,723百万円
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △296,106百万円
繰延税金資産合計 19,863百万円
繰延税金負債
前払年金費用 △8,605百万円
その他 △3,767百万円
繰延税金負債合計 △12,372百万円
繰延税金資産の純額 7,491百万円
  • 2023年3月31日現在の税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額は28,723百万円であり、2023年度から2032年度までの間に繰越期限が到来します。なお、翌事業年度以降の課税所得と相殺できない部分については、貸借対照表上の繰延税金資産の算定にあたり、評価性引当額として繰延税金資産の金額から控除しています。

8.関連当事者との取引に関する注記

(1)子会社及び関連会社等

(単位:百万円)

種類 会社等の名称 議決権等の所有
(被所有)割合
関連当事者との
関係
取引の内容 取引金額 科目 期末残高
子会社 ソニー(株) 所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の回収(※1)
利息の受取(※1)
資金の借入(※1)
利息の支払(※1)
61,534
137
11,054
503
短期貸付金
短期借入金
3,111
71,802
(株)ソニー・インタラクティブ
エンタテインメント
所有
直接100.0%
資金取引 資金の借入(※1)
利息の支払(※1)
56,717
1,469
短期借入金 226,238
ソニーエナジー・デバイス(株) 所有
直接100.0%
資金取引 資金の回収(※1)
利息の受取(※1)
3,036
17
長期貸付金
その他流動資産
187,617
12
ソニーセミコンダクタ
ソリューションズ(株)
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の借入(※1)
利息の支払(※1)
75,477
279
短期借入金 325,337
ソニーセミコンダクタ
マニュファクチャリング(株)
所有
間接100.0%
資金取引
債務保証
資金の貸付(※1)
利息の受取(※1)
313,995
1,520
短期貸付金
その他流動資産
1,089,401
981
債務保証(※2)
保証料の受取(※2)
61,161
68
その他流動資産 68
(株)ソニー・ミュージック
エンタテインメント
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の返済(※1)
利息の支払(※1)
13,989
3
短期借入金 169,627
Sony Capital
Corporation
所有
間接100.0%
債務保証 債務保証(※3)
保証料の受取(※3)
149,500
152
その他流動資産 153
Sony Corporation of
America
所有
直接100.0%
資金取引
役員の兼任
資金の貸付(※1)
利息の受取(※1)
318,140
3,075
短期貸付金
長期貸付金
その他流動資産
305,000
159,918
1,754
Sony Europe B.V. 所有
間接100.0%
債務保証 債務保証(※4)
保証料の受取(※4)
182,657
125
その他流動資産 128
Sony Global Treasury
Services Plc
所有
間接100.0%
資金取引 資金の回収(※1,5)
資金の預入(※1,5)
利息の受取(※1)
資金の返済(※1,5)
利息の支払(※1)
1,294,688
463,360
2,217
658,676
734
預け金
短期借入金
その他流動負債
476,886
333,381
11
Sony Interactive
Entertainment LLC
所有
間接100.0%
債務保証
役員の兼任
債務保証(※6)
保証料の受取(※6)
208,231
261
その他流動資産 263
Sony Music Publishing
(UK)Limited
所有
間接100.0%
債務保証 債務保証(※7)
保証料の受取(※7)
102,935
75
その他流動資産 75

取引条件及び取引条件の決定方針

  • ※1預入、貸付及び借入については、市場金利等を勘案して利率を合理的に決定しています。
  • ※2電子手形等につき、債務保証を行ったものです。なお当該債務保証に対して保証料(68百万円)を受領しています。
  • ※3資金の調達、フィルムファイナンス及びリース契約等につき、債務保証を行ったものです。なお当該債務保証に対して保証料(152百万円)を受領しています。
  • ※4資金の借入につき、債務保証を行ったものです。なお当該債務保証に対して保証料(125百万円)を受領しています。
  • ※5当社子会社Sony Global Treasury Services Plcとの当期における契約変更に起因しています。
  • ※6買収契約に関する支払義務の履行の一部につき、債務保証を行ったものです。なお当該債務保証に対して保証料(261百万円)を受領しています。
  • ※7資金の借入につき、債務保証を行ったものです。なお当該債務保証に対して保証料(75百万円)を受領しています。
(2)役員及び個人主要株主等

(単位:百万円)

種類 氏名 議決権等の所有(被所有)割合 関連当事者との関係 取引の内容 取引金額 科目 期末残高
役員 吉田 憲一郎 被所有直接0.0% 当社代表執行役 新株予約権の行使(※1) 512
神戸 司郎 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※1) 81
安部 和志 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※1) 32
御供 俊元 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※1) 16
北野 宏明 被所有直接0.0% 当社執行役 新株予約権の行使(※1) 11
勝本 徹 被所有直接0.0% 当社執行役(※2) 新株予約権の行使(※1) 16

取引条件及び取引条件の決定方針

  • ※12013年6月20日、2014年6月19日、2015年6月23日、2016年6月17日、2017年6月15日に開催された定時株主総会の特別決議により発行した会社法第236条、第238条及び第239条の規定にもとづく新株予約権の権利行使となります。
    なお、取引金額は当社に対する払込資本の金額であり、権利行使額に権利付与額を加算した金額を開示しています。
  • ※22022年6月28日付で当社執行役を退任したことにより、関連当事者に該当しなくなっています。なお、上記の取引金額は関連当事者であった期間の金額を記載しています。

9.1株当たり情報に関する注記

  • 1株当たり純資産額 2,600円29銭
  • 1株当たり当期純利益 256円46銭

10.連結配当規制適用会社に関する注記

当社は連結配当規制適用会社です。