Earth Dayに寄せて
ソニーグループ株式会社 会長 CEO 吉田 憲一郎からのメッセージ
毎年4月22日はEarth Dayです。環境、そして我々が生きるこの地球全体に想いを馳せる日とされています。
Earth Dayに地球を想う
人々が少しずつコロナ禍以前の生活を取り戻し始め、それぞれの国や地域の持つ美しさを目にする機会も増えました。一方で、自然災害、異常気象、紛争など困難な状況も変わらず存在しています。
ソニーでは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)のもと、多様な事業を推進していますが、我々が企業活動を営むことができるのも、健全な地球環境があってこそです。企業として、地球への「責任」を果たし、技術や事業で「貢献」したいと考えています。
守るべき地球への責任
責任の領域では、環境負荷ゼロをめざす長期環境計画「Road to Zero」を2010年に策定。世界的な気候変動リスクの顕在化・深刻化を踏まえ、昨年、同計画で定めるネットゼロ※の達成目標を2050年から2040年に、また、自社オペレーションでの再生可能エネルギー(再エネ)100%の達成目標も2040年から2030年に、それぞれ前倒ししました。
- ※ 温室効果ガス(GHG)の排出量を「全体としてゼロにする」こと
目標達成に向けては、従来から実施している再エネの導入拡大や製品の省エネルギー化などを推し進めるとともに、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減にも積極的に取り組んでいきます。
技術による貢献
貢献については、ソニーの技術や事業を通じた関わり方があると考えています。一例が、バーチャルプロダクション(VP)です。VPは、背景映像と実物の被写体を同時に撮影し、リアルタイムで合成できる技術です。ロケ地での発電機の使用やスタッフの移動が不要となり、ロケ撮影と比較して75%から80%のGHG削減につながるというソニーの試算もあります。
他にも環境負荷削減への貢献が期待できる技術として、イメージセンサーにAI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー IMX500があります。高速なエッジAI処理により必要なデータだけを抽出することが可能で、例えば4K画像の場合、通常のカメラと比べてクラウドに送信するデータ量を、7400分の1にまで減らすことができます。これにより、消費電力や通信コストの削減が期待できます。必要なメタデータのみを抽出する特性は、物流分野での活用も期待されています。
この地球上で活動する企業として、ソニーは今後も「責任」と「貢献」を果たしてまいります。私自身も、より広い視点を持ちながら、これからも皆さんと一緒にできることを考え、一つずつ形にしていきたいと思います。
ソニーグループ株式会社 会長 CEO
吉田 憲一郎