©Sony Computer Science Laboratories, Inc. / Synecoculture Association
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「シネコポータル」は、小さな拡張生態系を実際につくりながら、環境とのつながりを感じて学んでいく「入り口」となるものです。この小さな生態系は、近くの植物や動物、雨や風や光、そして遠く離れた場所にある別のポータル、まだ会ったことのない人々との交流を通じ、誰もが生態系の豊かさにつながれるきっかけになるようデザインされています。
シネコポータルPDF「拡張生態系」は、ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員の舩橋真俊が2010年から進めている「協生農法™(Synecoculture™)をはじめとする拡張生態系」の研究に基づいています。生態系に人の手を加えることで、生物多様性や生態系機能が、自然状態を超えて高まった状態を「拡張生態系」と呼んでいます。
研究へのリンク「シネコポータルとは?」や「シネコポータルってどうやってつくるの?」を動画でわかりやすくご紹介しています。
音声解説付き動画はこちら 動画のテキスト版はこちら
全国の小学生に、約6か月間シネコポータルづくりに挑戦してもらうワークショップです。子どもたちには、植物を植えるところから、日々の水やり・収穫をお願いします。植物の成長やそこに生息する生物の観察記録をつけてもらい、全3回オンラインでの共有会を実施します。
夏休み(7~9月)には、一般社団法人シネコカルチャーの講師が各校への出張授業を行い、子どもたちが育てたシネコポータルを直接見ながらお話しします。
※一般社団法人シネコカルチャーは、協生農法の科学的研究成果の社会還元と普及活動のために、舩橋真俊によって設立された団体です。
※当ワークショップは2022年度より継続的に実施しています。2023年度は、特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン協力のもと、効果検証を行い、ワークショップの改善に努めています。
2024年度のシネコポータル・ワークショップが始まりました!今年度は青森県・神奈川県・長崎県から3つの小学校の5年生と6年生が参加してくれています。オンラインでお互いの顔が見えると元気に手を振って、3年目のシネコポータル・ワークショップがスタートしました!
第1回のワークショップではナビゲーターの福田さんが、いろいろな植物がいっしょに育つという「シネコポータルの特徴」と、「シネコポータルのつくり方」を紹介してくれました。説明を聞いた児童からは、「シネコポータルは何種類くらい植えたらちょうどいい?」「いろいろなものを植えて変な感じにならない?」「どうして『シネコポータル』っていう名前なの?」など、シネコポータルの核心に迫るような質問も挙がりました。その答えは、これから6か月間のワークショップを通してみんなで体感していきます。
後日、つくったばかりのシネコポータルの写真がそれぞれの学校のInstagramにアップされました。育てたい植物の種や苗を持ち寄って追加してくれた学校もあり、学校ごとに異なる表情のシネコポータルができそうです。次回7月までにどのように成長しているか、報告が楽しみです。
第1回のワークショップから8週間。3つの学校のシネコポータルはどうなったでしょうか?第2回では各学校で気づいたことを発表し、お互いのシネコポータルへの感想を伝え合いました。
長崎の学校は、枝豆の発芽の様子が理科で習ったインゲンマメの成長と同じで感動したことや、間引きした葉などを地面に置いておいたら、いつの間にかなくなって「ダンゴムシが食べてくれたのではないか」と推測したと教えてくれました。
神奈川の学校は3つのチームに分かれて3基のシネコポータルを育てています。それぞれのチームが"イチオシ"の植物や"目玉"の生き物など、お気に入りを紹介してくれました。また、ほかの学校にクイズを出すなど、工夫を凝らした発表をしてくれました。
青森の学校は、楽しみにしていたイチジクの実が落ちてしまい大切にしたい気持ちが強くなったことや、トマトやブルーベリー、はつか大根を食べてみた感想を聞かせてくれて、シネコポータルは「何が起きるか分からないのがワクワクする」と話してくれました。
ナビゲーターの福田さんからは「木はみんながお仕事を始める年齢になってもまだ生きているので、長く見守って欲しい」「害虫や益虫というのは人から見た言葉。シネコポータルはいろんな生き物を観察する場なのでいろんな虫を見守ってあげて。でもふえすぎたら、ちょっと取っても大丈夫」というフィードバックがありました。
最後に、福田さんから生態系・種・遺伝子「3つのいろいろ」が組み合わさった結果として「生物多様性」ができているというお話がありました。9月の出張授業では、遺伝子多様性が長い時間をかけて大きな差になっていく「進化」のお話をしていただく予定です。
夏休みが明けた9月初め、講師の福田さんが出張授業のためにワークショップに参加している3つの学校を訪問しました。普段はモニター越しに交流してきた福田さんと子どもたち。シネコポータルを囲んで、福田さんが植物とどのように付き合うか間近で見たり、教室で生態系や進化にまつわる話を聞いたり、福田さんが集めたさまざまな植物の標本にふれたりしました。少し難しい話もありましたが、子どもたちはそれぞれに何かを受け取ってくれたようです。
福田さんからは「みんなに会えてうれしかったし、直接質問や疑問など思っていることを伝えてもらうと、それに刺激されて新しく話したいことが湧いてきてよかったです。」と今回の出張授業を振り返っての感想をいただきました。
▽長崎県の学校
農業が盛んな地域で、豊かな自然に囲まれた学校です。みんなでシネコポータルを観察しているとヘビを見つけた子が。いろいろな生き物がやって来る生態系ができつつあるようです。福田さんのニンジンの観察記録を見て、おうちの方が生産している伝統野菜の話をしに来てくれた子もいました。
▽神奈川県の学校
横浜市内にある広い校庭を持つ学校です。5年生の1クラスが3つのチームに分かれて、それぞれちがった植物を育てています。各チームのメンバーが福田さんに自分たちのシネコポータルについて説明してくれました。先生からドクダミがふえて困っている、と聞いた福田さんが、美容と健康にいいお茶をつくってみては?とユニークなアドバイスをしてくださり、子どもたちも「飲んでみたい!」と盛り上がっていました。
▽青森県の学校
リンゴの生産が盛んな地域にある、自然豊かな学校です。参加した5年生と6年生は普段から1つの教室でいっしょに学んでいるためみんな仲良しで一体感があり、一生懸命福田さんの話を聞いたり、質問をしてくれたりしました。観察を通して日々発見した内容や、自分たちで考えたオリジナルキャラクターを「シネコポータル観察新聞」として廊下に掲示し、下級生や先生たちに興味を持ってもらうよう工夫して情報を発信していました。
子どもたちの好奇心を個性豊かに育み、世界を動かす夢とチカラになるように、
CurioStepでは、ソニーの多様なテクノロジーとクリエイティビティを活かした、
さまざまな教育プログラムを展開しています。
育ち盛りの好奇心に、世界を動かす夢とチカラを CurioStep
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