再生可能エネルギーで未来へつなぐ
ソニーグループは、環境計画「Road to Zero」に基づき、気候変動への対策として、事業活動と製品のライフサイクルを通じてネットゼロの達成を目指しています。
再生可能エネルギーの導入と活用を実現するため、さまざま手法を用いた取り組みを進めています。
さらなる高みへ:
環境負荷ゼロに向けて
ソニーは、2022年5月に、スコープ1から3を含むバリューチェーン全体のネットゼロ達成目標を当初の2050年から2040年へと前倒しし、
スコープ1・2のネットゼロ達成目標については2030年へと前倒ししました。
「SBTi」認定の取得と「RE100」への加盟
ソニーグループは2022年5月に発表したバリューチェーン全体でのネットゼロ目標に対し、企業に科学的根拠に基づいた削減目標の設定を推進する国際イニシアチブ「Science Based Targets initiative (SBTi)」によるネットゼロ目標の認定を取得しました。
また、2050年までに世界中の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟しており、2022年5月に、達成目標を当初の2040年から2030年へと前倒ししました。
環境負荷ゼロに向けて:新たなイノベーションの導入
ソニーは、新たに設置した再生可能エネルギー発電設備から優先して電力を調達しています。
導入が難しい中でも再エネ電力率(再エネ由来電力の使用)をできる限り上げるため、
太陽光パネルやバーチャルPPA*1(電力購入契約)、再エネ電力証書、自己託送*2などのさまざまな手法を積極的に導入しています。
*1. バーチャルPPA (Virtual Power Purchase Agreement) は、需要家 (電力を使用する企業) が直接、発電事業者と長期的に電力購入契約を結ぶ仕組みで、実際の電力ではなく再エネ由来電力に含まれる「環境価値」を取引します。
*2. 自己託送は、発電された電気を、送配電ネットワークを利用して、他地域の施設などに供給する仕組みです。
- バーチャルPPAの導入
バーチャルPPAの運用により、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズの幸田サイトでは、年間約240万 kWhの再生可能エネルギー由来電力を使用しています。
国内初*3となる大規模な自己託送
ソニー・ミュージックソリューションズは、2020年2月に、国内初*3となるメガワット級(約1.7 MW)の太陽光発電設備を活用した自己託送をJARED大井川センターで開始しました。また、ソニーグローバルマニュファクチャリング &オペレーションズでも、敷地外の施設で発電した電力(約0.4 MW)を幸田サイトに送る自己託送に取り組んでいます。
*3 2019年8月21日現在。ソニー調べ
広がる再生可能エネルギー
再生可能エネルギーを推進していくにあたり、周辺環境への配慮につとめながら、国内外で太陽光発電設備の設置などを進めています。
太陽光発電を設置している主な事業所
- ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント スタジオ
米国カリフォルニア州カルバーシティのソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)スタジオでは、約1.8 MWの太陽光発電設備を設置しています。
- ソニーDADCヨーロッパ タルガウ工場
オーストリアのソニーDADCヨーロッパ タルガウ工場では、パネル容量約0.8 MWの太陽光発電設備を設置しています。
- ソニーヨーロッパUKテクノロジーセンター
英国ウェールズ地方のソニーヨーロッパUKテクノロジーセンターでは、パネル容量約0.72 MWの太陽光発電設備を設置しています。
- 熊本センター
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの熊本テクノロジーセンターでは、パネル容量約2.9 MWの太陽光発電設備を設置しています。
インタビュー
- 堀田 明裕
- ソニーテクノロジータイランド
ディレクター チーフ・フィナンシャル・オフィサー
気候変動は世界で最も深刻な環境問題です。この問題に向けて、ソニーテクノロジータイランド(STT)は製造施設の屋根に約1.8 MWの太陽光パネルを設置することで、環境負荷の軽減に取り組むことを決定しました。
まずはじめに2019年度にPhase 1棟へ設置し、次いで2023年度にPhase 2棟へも設置したことで、当拠点の電力供給能力は3.6 MW増加して、総容量が5.4 MWというグローバルのソニーグループで最大の太陽光パネル容量となりました(2024年2月現在)。また、残りの電力使用量にInternational Renewable Energy Certificatesを活用することで、STTはソニーグループの目標である再生可能エネルギーによる電力使用100%を達成しました。今後も気候変動対策を継続していくために、STTは次なる挑戦として、2030年までに直接・間接の温室効果ガス排出量(スコープ1およびスコープ2)を、2040年までに製品ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を、それぞれネットゼロにすることに取り組んでいます。
生産を維持しながら環境負荷を削減することは難しい課題ですが、生命の基盤である地球環境を守ることは私たちの優先事項であります。STTのチーフ・フィナンシャル・オフィサーとして、環境負荷を削減するための投資をこれからも続けていきます。