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WELL-BEING, 2050

2050年、テクノロジーがどれだけ進化しても、人生におけるストレスや挫折をゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、そこから立ち直る回復力──レジリエンスを身につけるサポートをすることが、人々のウェルビーイングを高めてくれるかもしれません。突然の失恋、仕事の失敗、家族の死……あなたがくじけそうになったとき、AIカウンセラーがあなたの感情の変化やストレス値などのデータから最適なカウンセリング方法をカスタムメイドし、あなたに合わせた姿形に変化することでレジリエンス獲得をサポートします。

デザインプロトタイピング
Resilience Program
人々がレジリエンスを身につけるサポートをしてくれる、2050年のAIカウンセラー。あなたのストレスや感情の変化をどのように感知し、どのような姿でストレスを緩和するのかを表現しました。

AIカウンセラー「オフィーリア」は、人々がレジリエンスを身につけるサポートをします。失恋した主人公は、ストレスの原因となっていた父親との確執や、目の前から姿を消した恋人の姿に変化した「オフィーリア」と対話を重ねることで、レジリエンスを身につけます。心身が回復した彼の感情は、どのように変化するのでしょうか。

2050年、人々があらゆる挫折から立ち直りやすい世界になったとき。「オフィーリア」が変化するのは、あなたの信頼する友達の姿、苦手なあの人の姿、あるいは、心を許せる愛犬の姿かもしれません。あなたがストレスでどうしようもなくつらくなったとき、あなたは誰との対話を仮想体験したいですか?

あなたが挫折や困難に直面したとき、それを感知してくれるのが「Emotion capturing sensor」です。「24時間」「365日」モニタリング可能で、肌に密着することで日常生活にストレスフリーに溶け込みます。血液中のホルモン値や流動、成分をセンサリングし、通常時とは異なる状態になったとき熱と光を放ちます。

SF 短編小説
「レジリエンス」
小野美由紀

2050年、東京。困難や挫折を経験した国民は、孤独担当大臣によってつくられた「レジリエンス・プログラム」を受講するようになっていた。恋人と別れたばかりの暮島サツキは、「オフィーリア」というカウンセリングAIによるセッションを受講するなかで自身の問題に気づき始めるものの……。SF作家の小野美由紀が「2050年のウェルビーイング」をプロトタイピングする。