Slice of Living 2017
映像体験を空間に
スタイリングする
リビング空間の心地よさはそのままに圧倒的な映像体験を楽しむために生まれた
ホームプロダクトのデザインコンセプト「Slice of Living」。
その発展の先に見えてきたのは、リビング全体のスタイリングから導き出されたテレビとサウンドバーの新しい姿でした。
リビングの要素をサンプリングする
テレビの大画面化が進むなか、リビング空間に調和するホームプロダクトの新しいあり方を求めてたどり着いたのが「Slice of Living」というコンセプトです。リビングにある要素や素材、作法を切り取って再構築すれば、リビング空間に自然と寄り添えるのではないか。そんな発想のもとホームプロダクトの新たなデザインを提案してきました。
この発想をさらに深化させ、リビングに置かれる脚モノ家具のシルエット、壁やタイルなどの素材やパターン、ファブリックやレザーなどの質感を大胆にサンプリング。家具や建築の作法を取り込み、プロダクトを再構築することで、周囲と響き合いながら心地よいスタイリングの一部をなす新しいホームプロダクトを創出しました。
モダンリビングに
やさしく寄り添う
2017年のブラビア®は、軽快感をもたらす家具のようなスタンドや、
壁やファブリックを想起させる背面パネル、
心地よい手触りとあたたかみある素材を大胆に組み合わせ、
モダンリビングのスタイリングに合うやさしく軽やかな佇まいを目指しました。
360度で見せる美しさ
X9300E/X9400E/X9500E シリーズ4K/HDRの圧倒的な映像体験と高いインテリア性を両立したハイエンドモデル。リビング空間のどこに置いても調和するように、最もこだわったのが背面パネルです。これまで隠す存在だった背面をインテリアの一部として見せるため、壁やタイルなどをモチーフにした幾何学パターンを取り入れました。単なる外観の美しさだけでなく、端子を覆う蓋の分割線や放熱用のスリットもパターンの一部として昇華することで、機器を感じさせる要素を消しています。さらにリアカバーは革のテクスチャーにするなど、見せるための背面を徹底的に作りこみました。
スタンドは、イスのような細い脚と薄い板で支え合う構造で軽快さを表現。ケーブル類はスタンド内部を通し、脚周りをすっきりさせました。液晶パネルは、色の異なる2枚の板でシンプルに構成し、画面側は映像への没入感を高める黒、背面側はリビングとの親和性を高める明るい金属色を採用。さらに、2枚の板の底辺をずらした位置にスピーカーを配し、正面に向かって音が真っ直ぐ響き渡るようにしました。
※X9300E/X9400Eシリーズは海外市場向けに発売されております
両サイドのスピーカーの振動板には、音質に優れたカーボンを採用。振動板の周囲もカーボン調のテクスチャーで統一し、高音質を実現するスピーカーとその素材をアピール。カーボンの色味とファブリックのような質感が、インテリアとの親和性を高めています。
家具のような軽やかさ
X9000E シリーズベゼルの幅を極限まで薄くし、画面への没入感を高めるとともに、リビングに置いたときの軽やかさを徹底的に追求しています。スタンドは、薄い板と細い脚で支える構造に加え、やわらかなアールを取り入れることで軽快さを強調。さらに、背面パネルの周辺部をそぎ落とした厚みを感じさせないフォルムによって、全体をスリムな印象にまとめています。
空間に馴染む色とシルエット
X8000E/X8500E シリーズパネル部の上面から側面にかけてシルバーのラインを入れることで薄さを強調しつつ、シンプルな2枚の板が重なったような印象に見せています。軽快なシルエットのスタンドは、トップ面にシルバーのヘアーライン処理を入れることで上質感を演出。シルバーは、ラックやフローリングなどの木の素材とも馴染むように少しあたたかみのある色味に調整しています。
ブラビアは、薄いベゼルによる空間と映像の境界を感じさせない正面の見映えだけでなく、ケーブルマネジメントや幾何学パターンなど背面まで徹底的に美しく仕上げることで、インテリアに心地よく映える佇まいを目指しました。このデザインによって空間の隅に縛り付けていたテレビのイメージを変え、ユーザーがより自由な発想で設置できるようになればと思います。
アートディレクター 横田
テレビと人と
インテリアの間に収まる
サウンドバーは、機能をテクスチャーとともに切り分ける「アングルドライン」で、各パーツの役割を明確に表現。
さらにアースカラーや手触りの良い質感を取り入れることで、
テレビと人とインテリアの間に心地よく収まりながら高音質な体験を提供します。
機能を美しく切り分けるライン
HT-ST5000正面の7つのスピーカーと両サイドのドルビーアトモスイネーブルドスピーカーで、三次元の立体音響を実現するフラッグシップモデル。テレビ正面に置いたときの黒い液晶パネルとの一体感を重視し、直線を基調としたフォルムに仕上げました。中央のキャビネットはアルミ、スピーカー部はパンチング、ネットワーク用のアンテナを収めた両サイドのキャビネットには樹脂を使用。各パーツを一本のラインで切り分けることで構成を明快にし、高い機能性をシンプルに表現しました。角度のあるラインは内部の部品を最小限に切り分けつつ、音の広がりを感じさせる外観を作り出しています。
インテリアに溶け込む高音質体験
HT-MT500/MT300インテリアに溶け込みながら高音質な体験を提供するサウンドバー。横幅を抑えたコンパクトなサイズや丸みを帯びたフォルムは、テレビの正面からずらして配置しても違和感がなく場所を選びません。あたたかみやニュアンスのあるカラーが、周りにある家具や小物との親和性を高めています。特に、HT-MT500のバースピーカーの天面キャビネットには合成レザーを使用し、手触りのよい質感を取り入れました。機能を切り分けるアングルドラインは、側面から見るとブラビアのスタンドの角度とシンクロします。サブウーファーも空間に自然と馴染むよう、レザー調のテクスチャーを全面に入れています。
サウンドバーの存在はどうあるべきかを考えたとき、テレビや人との距離感がデザインのポイントになりました。ST5000はテレビに近い存在として、MT500/MT300は人や周囲の環境に近い存在として定義付けています。そうした距離感を見つめなおすことで、サウンドバーの新たなデザインが見えてきたと思います。
デザインマネージャー 和田
リビングのスタイリングから導き出された新たなテレビとサウンドバーが、
心地よい空間と響き合いながら圧倒的な映像と音の体験を届けます。
心地よいリビング空間を思い描いたとき、そこにはソファや本や花瓶などのオブジェクトはどのように置かれ、スタイリングされているか。そして、その時テレビはどのように佇むべきなのか。理想のリビングをスタイリングする行為、その過程において生まれるホームプロダクトのあるべき姿を探りました。
チーフアートディレクター 田幸