SONY

トイ・プラットフォーム

toio

創意工夫の心を育てる、
新しい遊びを

toio(トイオ)は、ブロックや工作物をキューブに乗せて、コントローラーで自由に動かせる体感型トイ・プラットフォームです。
ただ動かして遊ぶのではなく、子どもたちが遊びながら創意工夫する心を育めるように、リング状のコントローラーをはじめ、
さまざまな工夫が詰めこまれています。toioから生まれる新しい遊びの体験が、子どもたちの未来の可能性を広げます。

リアルな遊びの
原体験を届けたい

toioのはじまりは「TVゲームなどバーチャルな遊びだけでなく、子どもたちにリアルな遊びも楽しんでほしい」というエンジニアたちの想いでした。製品化に向けて、デザイナーがプロジェクトに加わり、まず行ったのが製品の体験価値を見つめ直すこと。自分たちが本当に提供したいものは何なのか、議論を繰り返す中で見えてきたのは「子どもたちが創意工夫しながら楽しみ、成長する」という遊びの本質でした。

そこでデザイナーが提案したのが、リング状のコントローラー。それは、従来のゲーム機のようなコントローラーをイメージしていたプロジェクトメンバーの固定観念を壊すと同時に、子どもたちの自由な発想を引き出し、新しい遊びの原体験をつくろうというデザイナーからのメッセージでもありました。

子どもたちの
創造力を膨らませる

リング状のコントローラーを提案した大きな理由は、コントローラーの使い方さえ大人が決めるべきではないという想いでした。一般的なゲーム機のコントローラーは、画面上での動きを想定しているため、十字キーで操作が限定されています。しかし、リングであれば、持ち方も自由で、リアルな動きに合わせて自在に操作できます。このリングの可能性にプロジェクトメンバー全員が共感し、子どもと同じ目線で一から操作方法を考えていきました。

「両手ではなく、片手でも操作できれば、もっと面白いのでは」という話し合いから、利き手に関係なく操作できるようにジョグダイヤルを搭載し、ボタン類も前後対称にレイアウトすることで、両手で握って左右反転させても操作できるようにしています。さらに、子どもたちが驚くような操作も加えようと加速度センサーを内蔵し、リングを傾けたり、振ったり、腕にかけたりしても動かせるようにしています。子どもたちが遊びながら使い方を発見し、工夫するなかで創造力が膨らんでいくようなコントローラーをつくり上げていきました。

遊びに集中できる使いやすさ

操作する楽しさだけでなく、遊び道具としての使いやすさにもこだわりました。リングのサイズを検証するため、大小さまざまなプロトタイプをつくり、子どもたちに試してもらいながら、持ちやすいサイズを追求。小さな手でもしっかり握れるようにリング断面を卵型にし、内側は丈夫で傷つきにくいゴム素材にしています。また「遊びが主役、製品は脇役」とし、コンソール・キューブ・コントローラーすべてを白色にすることで存在感を消すとともに、コンソールを小型化し、子どもたちが遊びに集中できるようにしています。

子どもたちの創造力を信じる

子どもたちが元々持つ創造力を信じ、それをもっと伸ばしてあげたい。この想いは、私自身が子どもの頃に自然の中で木の枝や石などを使って、みんなで工夫しながら遊んだことが楽しい思い出として残っているからです。このリングは始まりにすぎず、今後、子どもたちの自由な発想からさまざまな形状のコントローラーが生まれてきたら嬉しいですね。

デザイナー 森澤

リアルな遊びの魅力を表現する

ネーミング開発では「おもちゃが動き出す」という新しい遊びを表現しながら、象徴的なコントローラーのリングをモチーフに、ToyとIOを組み合わせて「toio」という名前になりました。ロゴはtoio本体のデザインを踏襲し、シンプルに仕上げています。また、toioの主役は子どもたち。青空の下で子どもたちが自由に発想して遊ぶように、toioでも想像力を豊かに働かせながら遊んでほしい。そんな思いが、ブランドカラーのスカイブルーには込められています。

モーションロゴでは、toioのリアルな遊びの世界を感じてもらえるよう、デジタル音ではなく、木琴のような打楽器をメインにしたサウンドを採用しました。さらに、子どもたちに「トイオ♪」と口ずさんでもらえるようなメロディにしています。

何年たっても思い出してもらえるサウンドを

モーションロゴのサウンドは、自分が小さい頃にブロックや積み木などで遊んだ記憶をヒントにしながら、リアルな音のサンプリング素材からつくっていきました。子どもたちが大人になったときに、このサウンドを聞いたら、自然とtoioの記憶が蘇るようなものにしたいという想いを込めています。

デザイナー 永原

創意工夫する楽しさを伝える

メインビジュアルは、リングを握った子どもの周りにハサミやノリ、ブロックなど工具と素材を浮遊させ、自分の手でつくるときのワクワク感や、アイデアが閃いたときの歓びを表現。展示会では、子どもたちに安心してtoioを体験してもらえるように「イベントらしい什器」ではなく「子どもの部屋」をイメージして空間を作りました。温かみのある木の素材を使用した楕円のテーブルに、手作りの工作物を展示したり、棚におもちゃを並べたりと、子どもたちにとって「リアル」で「想像力を刺激する」ことを意識して設計しています。終わることのない、遊びと閃きの世界を表現したオーバル形のイベント会場は多くの子どもたちでにぎわいました。

手にしたときのワクワクを最大限に

無限大に広がるtoioの遊び方をイメージして、パッケージ外観は真っ白にし、toioのロゴだけを目立たせています。「これから何がはじまるんだろう」と期待を高めながらパッケージを開けると、青空のようなスカイブルーが広がり、toioのキャラクターであるMr.toioが「Hi!」と出迎えます。堅くなりがちな使い方ガイドにも、Mr.toioが登場してやさしく解説するなど、子どもたちに親しんでもらえるような工夫を随所に施しています。

未来をつくる子どもたちへ

toioのプロジェクトメンバーは、子どものような純粋な心に、プロフェッショナルな思考を併せ持ち、子どもたちに素敵な体験を届けようとしています。デザイナーの私も、子どもたちの笑顔を想像しながら、メンバーと一緒に一つ一つデザインを創り上げました。その真ん中には、toioが創る「遊びの未来」への確信と、子どもたちへの愛があります。

デザイナー 金田

おもちゃを動かして遊びながら、創意工夫する心も育めるトイ・プラットフォームtoio。
未来を生きる子どもたちに、リアルな遊びの原体験を届けます。