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家族を大切にしながら、好きな仕事をあきらめないママになる:迫間 朋子(ソニー・ミュージックマーケティング ネットビジネスグループ F.A.N.)

音楽も、出版も、自分のやりたいことが全部あるソニーミュージックグループ

私はラジオが好きでよく聴いていたので、音楽に関わることができる仕事に就きたいと思っていました。一方で、音楽以外にも興味があったのが玩具業界や出版業界。ソニーミュージックグループに惹かれたのは、音楽の仕事以外にもゲームやキャラクターなどのビジネスや雑誌・書籍の出版などもあり、私がやってみたいことが全部あったのでなんて素敵な会社だろうと。まずは音楽をやってみて、もし興味が広がったらその他にも選択肢を広く持てるのが大きな魅力でした。だから入社が決まったときは嬉しかったですね。

入社してからの約2年は、営業部門に配属されてレコード店を回ったり、地方独自のキャンペーンを企画したりしていました。営業のよいところは、ソニーミュージックに所属するすべてのアーティストを取り扱うので、洋楽から演歌までいろいろな音楽に触れることができ、とても勉強になりました。その後、レーベルに異動し、所属するアーティストのプロモーションを担当することに。プロモーターの仕事は、テレビ・ラジオ・雑誌などメディアへの宣伝活動です。私は主に雑誌まわりを担当させてもらっていたので、朝出社したらすぐに出版社に行って「いいぺージありませんか」「こんなアーティストいますよ」とプロモーションしたり、時にはアーティストの取材に立ち会って、夜はライブに行ったりと、たくさんの人とコミュニケーションする仕事がとても楽しくて毎日が充実していました。

営業時代、着ぐるみで街頭
プロモーションに出ることに

子どもがなかなかできないことが働き方を見直すきっかけに

自分の働き方を意識するようになったのは、結婚してからもなかなか子どもができなかったことがきっかけです。不妊の原因はよくわからないものの、不規則なスケジュールになりがちな仕事も影響しているのかもと悩みました。そんなときに夫が、仕事と子育てを両立している先輩がいる部署に異動して、新しい仕事に慣れたうえで休むという選択肢もあるんじゃないかというアドバイスをくれました。
そこで不妊治療を受けながら、出産後どうしたいかについても考えるようになりました。周囲にもそれとなく悩みを相談し、上司にはもし子どもができたら出産後も働きたいという意思を伝えていました。そうした悩みや思いを汲んでいただいたのか、仕事と子育てを両立しながら働いている人たちがいる部署へと異動になり、そこでアーティストのウェブサイト運営などに携わりながら、出産後にどう働けるかを自分なりに模索し始めました。不妊治療中は仕事との両立で大変な時期もありましたが、周りの先輩や後輩とは普段からフラットにプライベートな事も話したり相談できたので、気持ちが楽になったり救われることも多々ありました。そして待望の子どもを授かることができたのです。

子どもが生まれて一番大変な時期はベビーシッターという選択肢も

生まれてきた子どもは双子で、これからどんな生活になるのか、仕事と子育てをうまく両立できるのか当時は想像もつきませんでした。とにかくやってみるしかないなと。そういう意味では育児休暇は貴重な準備期間になりましたね。仕事の復帰プランとしては時短勤務という選択肢もありましたが、フルタイムで働くことに決めました。そこで夫と話し合うなかで、ベビーシッターを利用しようということになりました。フルタイムで職場に復帰すると保育園のお迎えには確実に間に合わないので、ベビーシッターを頼った働き方があるのではと思いました。仮に仕事に復帰しなくても私たち夫婦は二人とも地方出身なので、困った時に親にすぐヘルプを頼めません。どちらかが体調を崩した時、もし片方が出張となった場合の対策としてどうしても必要だと考えたのです。子どもをベビーシッターに預けることが初めてだったので、不安はありましたが、夫も自分の母も前向きにとらえて「大丈夫だよ」と言ってくれたのがありがたかったですね。育児休暇中からいろいろな会社のベビーシッターを試して、信頼できるシッターさんを2、3人見つけることができたのも大きかったです。こうして約8カ月間の育児休暇を終えて、フルタイムで仕事に復帰しました。

復帰時に上司と面談をし、改めて配属されたのは音楽配信サイトに対して営業する部署。そこにはママとなって働いている人はいませんでしたが、自分が働くことで、この先ママになって仕事に戻る人たちが活躍できる場を増やしていければとの思いもあり、この部署でがんばることにしました。良かったのは、仕事内容が出産前に働いていた部署の業務と近く、すごくスムーズに新しい仕事に取り組めたことです。環境の変化が少なくて済み、出産を見据えて実践してきた働き方の準備が役立ちましたね。上司や周囲の理解もあり、定時に帰宅することができたり、急に休みをとらなければならなくなった時も嫌な顔をせずに協力してもらえたこともとてもありがたかったです。子どもたちが一歳になるまでは保育園の延長保育を利用できないため、お迎えの時間から帰宅するまでをベビーシッターさんにお願いしていましたが、一歳になってからは延長保育を利用して、仕事の都合でどうしてもお迎えにいけないときだけベビーシッターを利用するスタイルに変わっていきました。ベビーシッターの利用に抵抗を感じる方もいると思いますが、選択肢の一つにしてもいいと思います。

待望の子どもは双子

ママであることを言い訳にしない。試行錯誤しながら気づいた本当に大切なもの

配信サイトの担当として一年ほど経った頃に、今度はアーティストのファンクラブを企画・運営する部署への異動の話がきました。そこは出産後、職場復帰する時にもともと希望していた部署で、復帰後の一年間の働き方を見てがんばれそうだと判断いただいたからか、配属が決まりました。ファンクラブ運営は、アーティストとファンのどちらからも近く、自分たちが企画したことの反響がダイレクトに感じられる仕事です。自身のステップアップにもなる大きなチャンスをもらえたので、ママであることを言い訳にしないでしっかり働きたいと思いました。同僚に迷惑をかけずに働けるように、復職前から事前登録していた病児保育以外にもできることはないかいろいろ探りました。

休日出勤や夜のライブ同行が伴う業務のため、育児との両立に悩むこともありました。そんな子育てとの両立に苦労しているときに、以前ある先輩が「仕事や会社はもちろん大切だけど、もっと家族と自分を優先してもいいと思うよ」と言ってくれたことを思い出しました。当時はその言葉がピンと来ていなかったのですが、環境が変わって改めて思い出し、それでいいんだと思えたのがすごく自分のなかでは大きく、その言葉に支えられました。自分の根底にある一番大事なものは家族です。それがあるから仕事もがんばれます。だから迷ったときは、先輩の言葉を思い出すようにしています。

フルタイムで働いているので、家にいるときはできるだけ子どもと接する時間を設けるように意識しています。家事などの負担は食洗機や乾燥機付き洗濯機、食材宅配サービスなどを使ってできるだけ軽くして、その分、子どもとの時間を大切にしようと。それによって仕事とプライベートの切り替えがしっかりできるようになったのは良かったです。また、私が今ファンクラブを担当しているアーティストのなかには、八神純子さんやCharaさんといったママの方もいて、仕事で関わらせていただきながらふとした時にそれを思い出し、一方的ですが良い刺激をもらってます。最近はママになってからも活躍されるアーティストが増えているので、そうした方たちにもっと寄り添えるかもしれませんし、同じ働く母親であることを生かしていければとも考えています。

もっとやりたいことをやれるママに。後輩が続いてくれたらうれしい

今後は、今の仕事をもっと極めていきたいと思っています。最近では新人のFlowBackという5人組ダンスボーカルグループのファンクラブを一から立ち上げたのですが、初動で多くのファンの方に興味を持ってもらい会員になっていただけるなど、思い描いていた通りの反響をもらえたときは、この仕事の楽しさを再認識しました。また、その経験値を生かしてアーティスト以外のファンクラブ運営にもチャレンジしたいと考えています。とはいえ、特定の仕事に固執するのではなく、自分がやってみたいことがでてきたらまずはその思いを周りに伝えて、やれることは何でもやってみたいです。

ママで働いている方のなかには、私自身がそうであるように、もっと仕事をやってみたいと思っている人もいると思います。気持ちに蓋をせずに、まずは思い切って周りに言ってみてもいいと思います。ソニーミュージックグループのよいところは、仕事に前向きで面白い人がいっぱいいるところです。いろいろな人がいるからこそ、自分ももっとこうしたいということを言いやすい環境でもあります。私の次に控えているママたちが、同じように思い切って一歩を踏み出してくれたらうれしいですし、相談に乗れることがあれば気軽に声を掛けてほしいです。