2015年8月19日(水)、19名の女子学生がソニー歴史資料館とソニーコンピュータサイエンス研究所(以下ソニーCSL)を訪問しました。「ソニー見学会」と名付けられた本イベントは、お茶の水女子大学、芝浦工業大学、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)が連携し、平成26年度よりスタートした「女性研究者研究活動支援事業(連携型)」の一環として実施されたもの。女子大学生(大学院生含む)に、工学分野に興味・関心を持ってもらい、同分野の女性研究者比率の向上を目的にしている活動です。ソニー(株)は、お茶の水女子大学と連携し、リケジョ(理系女子)の育成に積極的に取り組んでいます。研究志向を持った学生に対して、工学系の仕事について具体的なイメージを持ってもらうことを目指して、ソニーのDNAを感じることができるソニー歴史資料館の見学と、ソニーCSLの研究員との対話という場を提供しました。当日の様子をレポートします。
歴史資料館では、創業当時からの開発品や製品を見学し、ソニーのファウンダー(故井深大、故盛田昭夫)のメッセージ映像を視聴。ソニーがこれまでお客様に感動を届けてきた歴史とともにダイバーシティ活動に関する説明を行いました。
その後、ソニーCSLへ移動。
ソニーCSLでは、シニアジェネラルマネージャーの夏目哲さんから、研究所の理念である「人類の未来のため」ヘの研究についての説明につづき、1988年研究所設立からの研究テーマの流れと、アフリカにおけるエネルギーサーバー実証実験、沖縄における電力融通ネットワークなど、映像を交えながら具体的な活動についての紹介がありました。
ソニーCSLの研究員であるナターリヤ・ポリュリャーフさんは、「美容と健康」について、『遺伝子スイッチ・ヒトゲノム・アンチエージング』など、ご自身の研究テーマを日常的な体験から、わかりやすく解説。自身のキャリアと経験からヒントを得ながら、研究を進めていること。パッション(情熱)が自身の強みであることなどを話しました。
美しく・愉しく・そして自分が喜ぶことが重要とのメッセージに、参加者に笑顔が広がるひと時となりました。
最後に、柔軟で、芯のある自分でありたいとの言葉で締めくくりました。
茂木健一郎さんの話は「今、一番面白いと思うことを話します」の第一声でスタート。自身の研究テーマである人工知能(AI)は、人間のIQをはるかに凌駕するもので、これから良い面も悪い面も含めてどんどん進化していくこと、ただし、人間の個性にあたる部分は非常に複雑で、AIで表現することはむずかしいことなどを説明しました。f
-人間の最大の能力はパーソナリティ
-女性は右脳と左脳のバランスがよく共感能力が高い
-女性ならではのパーソナリティを活かした研究をしてほしい
と、女子大学生に向けた力強い励ましのメッセージで話を締めくくりました。
「専攻は?」「オタクの人はいますか?」など茂木さんからの質問に学生の皆さんもリラックスムード。学生さんからの質問に対しては、茂木さんは、一人ひとりと対話をするように体を動かしながら、ナターリヤさんは、自身の外国人としての視点や経験を踏まえ、丁寧に受け答えしていました。
ソニーCSL内の見学を終え、それぞれの夢を胸に解散。
参加いただいた皆さんからは、「普段の研究とは違い刺激を得ることができました。」「講演が面白く楽しかった。」「将来についての考え方が少し変わった。」「本物の茂木先生に会えた!楽しかった。」などの感想をいただきました。
主催:
協力:ソニー株式会社
参考: