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ソニーグループ:全世界で「ダイバーシティウィーク2018」を開催

2018年9月、ダイバーシティ&インクルージョンおよび新しい働き方の推進を目的に、「ダイバーシティウィーク2018」が開催され、世界各地のソニーの事業所でセミナー、ワークショップ、勉強会など多くのイベントが実施されました。
開催にあたり、ソニー株式会社 代表取締役 社長 兼 CEOの吉田憲一郎から全社員に向けて、「異なる視点や経験に基づく多様な価値観を知ることは、「人に近づく」という経営の方向性のもと、「人を理解する」「人の動機を理解する」ということに通じます。ソニーはこれまでも多様な事業を展開してきました。それに伴い、ソニーで働く人も、お客様も実に多様になってきました。これからもさまざまな「Community of Interest」をはぐくむために、世界中のソニーグループ各社で、多様な社員一人ひとりのユニークさが尊重され、最大限に自己の力を高め、思い切り働ける職場環境づくりが必要です。」というメッセージが発信されました。

日本での活動

日本では、「一人ひとりのBestへ」をテーマに、個人のアイデンティティの多様さに焦点をあてた数多くのイベントを各地で開催しました。各イベントは、社員に多様な知見、価値観と挑戦を示し、人々の違いや個人の成長への理解を促すものとなりました。
「いつでも、だれでも、どこでも挑戦」と題したイベントでは、社外から「83歳のデジタル・クリエイター」として国連本部でも演説をされた若宮正子さんをお迎えし、年齢の壁を越えて挑戦を続けてきた経験についてお話いただきました。続いて、社内外で活躍するさまざまな年代のパネリストによる討議が行われ、ソニーOBで起業して活躍されている方や、ソニーで新しい事に挑戦している社員の体験などが話され、参加者は「いつ、誰もが、どこにいても」挑戦できることを実感することができました。これらのイベントを通じて、ソニーの価値を生み出す源泉である「Diversity」の理解を深めることが、新たな視点に触れたり、挑戦を行う企業文化を形づくるものとなりました。ダイバーシティウィーク期間を通じて、日本で延べ4,900人以上の社員がさまざまなイベントに参加し、職場における多様性の価値や、多様な働き方の重要性について理解を深めました。

北米での活動

ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ (SCA)

ソニーノースアメリカ(SNA)

ソニー・エレクトロニクスの「イノベーションは、ダイバーシティとインクルージョンから始まる」という考えのもと、ソニーノースアメリカ(SNA)はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)と社員グループであるERGと共に、多様かつインクルーシブな職場への取組を広く紹介するダイバーシティフェアを開催しました。イベントブースには、650人以上の社員が訪れ、さまざまな活動の紹介とともに、国際色豊かな食べ物の提供や抽選会、日本の着物によるファッションショーなどを楽しみました。
またSNAは、米国で著名な講演家で「Release Your Brilliance」などの著作でも知られるサイモン・ベイリーさんをキーノートスピーカーに招き、「Diversity and Inclusion Think Tank」を公開イベントとして開催しました。 このシンクタンクは、多様でインクルーシブな職場環境を創造する価値を高めることや、ビジネスリーダーとしてビジネスへの良いインパクトをもたらすことを目的としたものです。このようなイベントをソニーが主催することで、さまざまな業界を代表する175人以上の参加者が刺激を受け、サンディエゴの地域コミュニティに良い影響をもたらしました。また、あわせて最近受賞した「Great place to work」の表彰も行われました。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)

SPEではダイバーシティウィークに、様々なイベントを開催しました。

「文化のために:音楽とエンタテインメントにおけるキャリア構築」パネル

SPEの社員グループは、「Black Women in Media Collective」パネルイベントに参加しました。 Sony/ATVのエディナ・ファロー、SPEマーケティング担当シニアバイスプレジデントのエリーナ・マイルズ、など、音楽、映画、テレビ業界の著名な女性が参加したパネルではエンターテイメント業界における多様な視点の重要性が語られました。

インクルーシブ・リーダーシップ/無意識のバイアストレーニング

SPEのシニアリーダーとマイアミ地区の社員を対象に、「無意識のバイアス」研修が行われ参加者はいかにバイアスが日々の意思決定に影響をもたらしてしまうのかを学び、よりインクルーシブな企業文化を促進するために、実現可能な施策について話し合いました。また、カリフォルニアのカルバーシティ地区では、102人の社員が、Neuro Leadership Instituteによる「無意識のバイアス」のランチセッションに参加しました。

ヒスパニック文化遺産月間:ラテン料理イベント

同イベントでは、SPEの社員グループであるLatinX(VOZ)が、カルバーシティ地区の社員に、ラテンアメリカの様々な地域の料理をふるまい、参加者は文化的背景について学ぶ場にもなりました。

社員グループフェア

SPEカルバーシティ地区の社員グループ(EBRGs=共通の背景、興味を持つ社員で集まり、情報交換を行ったり、よりよい組織風土や社会の実現のために活動を行う)は、年に一度のフェアを今年も映画スタジオで開催しました。600名以上の社員がEBRGについて多くのことを学び、新規メンバーとして登録しました。

ダイバース・ディレクターズ・プログラム

ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン(SPT)会長のマイク・ホプキンスは、5年目を迎えたダイバース・ディレクターズ・プログラムのキックオフを行いました。番組制作に携わる人たちの多様性を推進することを目的に始まった同プログラムの卒業生の多くは、テレビ番組の監督となり、中には、オスカーを受賞するケースも出ています。

欧州での活動

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント ヨーロッパ(SPEE)

9月後半、イギリスのSPEEオフィスでは、「日常のインクルージョン」というテーマでワークショップ、講演、イベントを行い、ダイバーシティとインクルージョンについて社内で考えるきっかけとしました。各セッションはコンパクトに情報を伝えつつ、双方向のやり取りを生むもので、SPEのダイバーシティ・インクルージョン戦略のイギリス版の立ち上げや、インクルーシブなリーダーシップに関するワークショップなども行われました。

イギリスの2つの社員グループ、AGENDAとSpotlight(旧称Meltdowns)が中心となり、ナショナル・インクルージョン・ウィークを開催しました。AGENDAはインタラクティブな展示「男女平等への道」を行い、男女が協力してより高い効果を目指す働き方の意見を求めました。Spotlightは、職場でのネットワーキングを支援するため、スキル交換実験というゲームを行いました。全社員に、どういったスキルを習得したいか、教えたいか書いた紙を箱に投函してもらい、事務局は提出されたスキルをマッチさせ、同じ興味のある社員が出会える朝食会を行いました。スペイン語、エクセル、ビデオ編集、卓球、ウクレレ演奏などスキルでマッチングが行われました。このような活動を通じて、社員コミュニティが、助け合いながら成長していくことを願っています。
またソニー・ヨーロッパ人事担当のマーク・クレメンスがリードした「マインドフルネス・セッション」も人気を博しました。
そしてナショナル・インクルージョン・ウィークの最終日には、イギリスの新しいベンチマーク指標であるNational Inclusion Standardの「パイオニア参加者」として、ブリティッシュ・フィルム学院で表彰を受けました。

南米での活動

ソニー・ラテンアメリカ(SOLA)

米国マイアミにあるSOLAオフィスでのダイバーシティウィークでは、社員の視野を拡げ、精神的に豊かになる機会を提供し、個人が持つそれぞれの経験から新しい視点を得ることに焦点を当てました。過去数年間、LGBTQコミュニティの当事者としての経験や女性マネジメントとしての経験を共有し、また人種の違いについて学んできましたが、今年は、より幅広い社員の関心を得ることを狙い2つの新テーマとして、障がいがありながら生活をすることへの理解と、職場のミレニアム世代の理解を選びました。

SOLAでは、継続的なパートナーシップのある米国のMiami Dade Collegeから、6週間のインターンを受け入れています。 11月5日、インターンシップの一環として、SOLAでの経験についてプレゼンテーションを行ってもらいました。この発表は、ミレニアル世代に選ばれる組織であるために必要な示唆を得る上で、非常に貴重なものです。
11月8日には、同大学より、コリーン・ロッキーさんを迎え、社員は、オープンフォーラムで多くの質問をする機会を得ました。彼女はMiami-Dade Collegeの2つのキャンパスのディレクターを務めており、車椅子での移動が必要です。ロッキーさんは職業的・個人的な目標を達成するために限界を克服する方法について語りました。
また、歴史上、個人的な挑戦を乗り越えてきた偉大な人物であるアーサー・アッシュさん、外尾悦郎さん、ジェイミー・ブリューワーさんの経歴も共有しました。

毎年、一人ひとりがもつ多様性、貴重な個性について、立ち止まって考える機会を大切にしています。私たちは、多くの場合、会社の同僚のことですら、各自の会社環境でのチャレンジや、生活の中で直面する課題を知らないことがあります。 一人ひとりが同僚の多様性を理解することができれば、私たちは会社としてより強いコミュニティになれ、同僚をサポートすることができるようなより良い個人になれます。

アジアでの活動

ソニー・エレクトロニクス(シンガポール)

今年のダイバーシティウィークは、インクルーシブで調和のとれた職場を持つことの重要性を示し、すべての社員が同僚と日常的な交流で実践できる、簡単でかつ実践的なヒントを共有しました。 昨年のテーマであった「無意識のバイアス」についての振り返りも共有され、社員一人ひとりが、ある一定のステレオタイプの考えを持ちうることを理解し、それを克服していく必要があることを再認識しました。

また社員一人ひとりの関心を高めるために、関連するさまざまなEメールでの案内を出し、その後、コーヒーエリアでビデオ上映を行いました。上映後は、休憩やランチの時間に、あちこちで社員のディスカッションや交流が生まれました。
このような取り組みを通じて、よりインクルーシブな職場の実現のために、オフィス内で各自の多様な違いを認識し、受け入れる活動を継続しています。