2015年から、ソニーグループの世界各地の拠点で、ダイバーシティ推進のために開催しているDiversity Weekは、2023年で9回目を迎えました。今年は、"Dimensions of Diversity: The Power of Belonging ~みいだそう、自分のカタチ。ひろげよう、仲間のチカラ~"をテーマに据え、9月から11月にかけて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)に関するセミナーや講演などのイベントを行いました。
開催にあたって、ソニーグループ株式会社会長 CEOの吉田 憲一郎と、社長 COO 兼 CFOの十時 裕樹は、全社員に向けたメッセージを発信しました。また、グループDE&I推進を担当する執行役員の松岡 直美もメッセージ動画を配信しました。
ソニーグループは、世界で活躍する約11万人の社員のさまざまな考え方や一人ひとり異なるバックグラウンドを尊重し、グループ全体がインクルーシブ(包摂的)であることをめざしています。グループで大切にしているValues(価値観)の一つは「多様性」であり、これは社会に価値をもたらすための基盤だと考えています。
また、社内にとどまらず、社会における多様性を大切にし、あらゆるコミュニティによりよい変化をもたらしていきたいと考えています。6月に設立3周年を迎えた『>Global Social Justice Fund(グローバルソーシャルジャスティスファンド)』もその取り組みの一つで、世界中の市民団体や人権団体の重要な活動を支援しています。
Diversity Weekは、個性豊かなソニーグループの社員が多様な価値観に触れ、領域を越えたつながりが生まれることを支援する場として、毎年開催しています。
今年のテーマは、"Dimensions of Diversity: The Power of Belonging みいだそう、自分のカタチ。ひろげよう、仲間のチカラ"です。個人のアイデンティティは複数の要素で形作られていることを認識し、どのようなアイデンティティであっても、自分らしく働くことができる環境の重要性を呼び掛けるプログラムがグローバルで展開されます。
各地域のDiversity Weekで開催されるイベントやワークショップが、皆さんにとって気づきや学びを得る機会になることを期待しています。
期間中、日本、北米・ラテンアメリカ、欧州、中国・アジア・太平洋地域でさまざまなイベントを開催しました。各地域の取り組みを紹介いたします。
9月11日、「居場所をひろげる力〜今届けるワタシたちの声〜」と題した講演会とトークセッションを、東京・品川にあるソニーシティ(ソニーグループ本社ビル)で開催しました。このイベントは、公益財団法人日本財団の後援で、国内のソニーグループ社員のほか、国内のThe Valuable 500※署名企業の社員や、企業・大学・団体職員を対象とし、トークセッションの模様はオンラインでも配信しました。
また、国内のソニーグループ社員に向けては、ソニーグループ(株)、(株)ソニー・インタラクティブエンタテインメント、ソニー・ライフケア(株)、ソニーフィナンシャルグループ(株)による事業分野の異なる4社の社員がシニア世代も楽しめるエンタテインメントサービスの開発秘話を語るトークセッションや、各社の女性部長層が一堂に会するネットワーキングイベント、またジェンダー、LGBTQ+、障がい者、女性の健康、などさまざまなテーマでの講演会を開催しました。さらに、関連イベントとして、「アクセシビリティ」「インクルーシブデザイン」「異文化コミュニケーション」を学ぶe-Learningも開講しました。また、セサミストリートのキャラクターの靴下パペット作りを通して、性別や障がいといった自分の思い込みにとらわれず、自由に考え、表現することを体験するワークショップ動画や、食堂で特別メニューを提供するなど、多面的なコラボ企画を展開しました。期間を通じ、1,500名を超えるソニーグループ社員がイベントに参加しました。
北米、ラテンアメリカでは、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ、ソニー・エレクトロニクス、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、ソニーミュージックグループやソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが協力して、社員向けイベントを開催しました。社会正義、人種に関する公平性啓発、メンタルヘルス、多様性、インクルージョン、アクセシビリティ、アライシップ(協働・支援活動)、そして帰属意識(Belonging)に焦点を当てたイベントが実施されました。またソニー役員とのオンライン対話や、社員のネットワーク・グループとさまざまな文化にちなんだ食事や音楽を楽しむイベント、帰属の力を意識した「One Sony」としてのコラボレーションなども行いました。
また、著名なスピーカーであり映画製作者でもあるデニース・ソラー・コックス氏の基調講演も開催しました。同氏は、自身の映画『Being Eñye』をプロモーションするために旅行した際に、世界には、過小評価されているコミュニティがたくさんあり、そのコミュニティには「帰属意識を感じたいという願い」が共通していることに気づきました。そして、彼女は、特異視点、積極的相互依存、真正なる自己に関する理論を取り入れた、帰属に関する3つの真実を語ってくれました。参加者は、より大きな帰属意識が必要であることを深く理解し、仕事や私生活の中で積極的に帰属意識を生み出し、育むための手段を学ぶ機会となりました。
加えて、職場でのアライシップに関するオンラインワークショップやトレーニングを行い、より包摂的な職場環境に向けて、職場で行動を起こせるように支援をしました。また、全米ヒスパニック/ラテンアメリカ系住民のヘリテージ月間にちなんだ文化イベントや缶詰を寄付するチャリティ活動、職場のメンタルヘルスに焦点を当てたオンラインイベントなども行いました。
27カ国、80を超える国の人たちで構成されるソニー・ヨーロッパも、さまざまな取り組みを行いました。「私たちが持つ違いは私たちの強みである」という信念に根ざしたこれらの活動を通じて、個性を称え、多様な組織の中で帰属意識を育むことを目指しました。
シニア・リーダーシップチームが中心となり、「違いを大切にする」キャンペーンに積極的に参加しました。リーダーは各自の個人的なエピソードを披露して自身の個性的な資質を語るとともに、多様性とお互いに信頼し合うことを重視する職場へのコミットメントを示しました。このような透明性のあるリーダーシップは、Diversity Weekの基調を作り、社員がそれぞれの個性を受け入れるきっかけにもなりました。
また、全社員を対象に、意識と理解を深めるためのオンラインイベントも開催しました。
主なセッション内容:
また各地域では、リーダーシップにおける女性の活躍や物理的な形ではない障壁についての議論、無意識の偏見に関するトレーニングや文化的な祝典など、多様性の大切さを取り上げたイベントを開催しました。これらのイベントは、人種や性別の平等、多様性、インクルージョン、アクセシビリティ、アライシップに対する参加者の意識向上に大きく貢献しました。
ソニー (中国) 有限公司は、11月13日から17日にかけて、グループ会社10社と共に活動しました。「Diversified Career Path-Special You」と題した7つのセッションでは、著名なゲストスピーカーを招いて、そのユニークなキャリアなどを紹介しました。
また、自己同一性と帰属意識に焦点を当てたパーソナルブランディングワークショップ、インクルーシブな環境での適切な境界線の作り方、ソニーの中国における多様なビジネスアプローチなどの活動や、聴覚障がいのある社員から個人の経験や帰属意識について共有するアクセシビリティセッションを行いました。社員が参加する自撮りキャンペーンでは、魅力的な賞品を獲得しようと多くの人が参加しました。そして、社員に多様なキャリア開発を提供していくための、メンターシッププログラムも開始しました。
今年のDiversity Weekには、これまで以上に社員が関心を持ち、オンラインイベントの平均評価は10点満点中9.5点を超え、参加者の熱量とポジティブなフィードバックがありました。
シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピンの事業所においてもさまざまな啓発イベントを開催しました。シンガポールでは職場での帰属意識の重要性と、組織文化への影響についてトークセッションを開催しました。タイでは、社員のDE&Iへのさらなる関与を目的に、実行したいDE&I推進策を社員から募りました。社員やWell-being委員会が投票によって数案を選出し、今年度から来年度に向けて施策が始まりました。インドネシアでは、ソニーにおける多様性の経験を社員が語るセッションを、リアルとオンラインの双方で開催しました。フィリピンでは、多様性を表現した映画の上映会と、フィリピンの華人コミュニティで、毎年中秋節に伝統的に行われてきたサイコロゲーム大会を社内で開催し、多くの社員が参加しました。
Diversity Weekの取り組みは、多様な人材の豊かさを称え、一人ひとりが価値を認められ、耳を傾けられ、力を与えられていると感じられる文化を育むものです。これらの取り組みを通じてソニーグループは、多様性を尊重し、新しい価値創造のドライバーとして受け入れる職場づくりへの意識をより一層高めることができました。
ソニーグループは、今後もさまざまな施策を通して、誰もが働きやすい職場づくりに取り組んでいきます。